その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ロッシェル・カップ 『反省しないアメリカ人をあつかう方法34』 アルク社 2015年

2016-03-12 20:29:08 | 


 タイトルに引かれて手に取りました。私自身は、アメリカ人と仕事をする機会は多くないですが、アメリカ人ならずとも、私が駐在時に一緒に仕事をしたイギリス人など欧米人一般にも十分に通用する内容になっています。

 簡単にではありますが、34のポイントが紹介されています。私の経験に照らしてみても、どれもうなずけるアドバイスで、私が赴任する時にこの本があれば、外国人との仕事を一緒にするときの注意点、ノウハウについて半年ぐらいは時間をセーブできたのにと思いました。

 例えば、
★ 「締め切り」を守らないアメリカ人
 →「締め切り」という概念は日米で異なる
  (Deadlineには、「固く守られるべき」ものと「あまり固く守らなくてもよい」ものがある)
 →①相手の立場を考えて締め切りを設定する
  ②相手の上司を通じて頼む
  ③締め切りを確認する

★ すぐにI can do it.というアメリカ人
 →できるということはアメリカ人の美徳
 →具体的な質問で能力を引き出し、早め早めのサポートを

★ 残業しないアメリカ人
 →アメリカ人も罪悪感に駆られている
 →アメリカ人に残業してもらうために
  ①的確な指示を与える
  ②残業を早めに告知する
  ③「持ち帰り残業」を許可する
  ④普段から良好な関係を築いておく

 理解することとできることは別ですが、知らないよりは知っていたほうが断然いいです。ただ、この手の本を読むときに注意しなくてはいけないのは、「アメリカ人は・・・」、「イギリス人は・・・」という一般化、ステレオタイプ化です。すべての日本人の反応が同じでないように、アメリカ人、イギリス人も人それぞれ。安易な一般化による決めつけは気を付けたいです。

 また、この本の良いところは、外国人にとっての日本人の困ります行動にも触れられていることです。

 ・会議での日本人のビヘイビアー
 ・日本語を話したがる日本人
 ・実現できない目標を立てたがる日本人←これはまさにその通り!
 ・返事をよこさない日本人 などなど

 とても具体的ですので、外国人と仕事上の接点がある人にはお勧め間違いなしです。


《目次》

1 アメリカ人には気をつけろ!
(文句の多いアメリカ人、反省しないアメリカ人、ほめられたいアメリカ人 ほか)

2 こんな日本人と日本企業もコマリマス…
(会議が苦手な日本人、日本語を話したがる日本人、すぐ異動してしまう日本人 ほか)

3 アメリカ人上司の下で働くのも楽ではない!
(部下の悩みに気づかないアメリカ人上司、自己アピールを期待するアメリカ人上司、メールに返事をしないアメリカ人上司 ほか)
コメント (5)
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