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ロンドン勤務時代に一緒に仕事したカタル―ニャ・フリークの友人から勧められた一冊。原著は2001年発刊。バルセロナを舞台に、フリアン・カラックスという謎の作家を巡っての、少年ダニエルの冒険が描かれる。ミステリーとして、主人公の成長物語として、恋愛アドベンチャーとして、バルセロナの現代史としてなど、いろんな読み方ができる。
登場人物が多いこともあり、前半はペースに乗るのにやや手間取ったが、一度乗ってしまうと、ページをめくる手が止まらなかった。ストーリー展開のスリリングさとともに、登場人物がどれも個性的だ。真っ直ぐで、ひたむきに前を向いて人生を歩む主人公ダニエル。そして、ダニエルの父が経営する書店の店員フェルミンの毒舌ぶりと機転は、暗く湿った感じが漂う物語の中盤に、明るさや爽快さをもたらしてくれる。
17言語、37カ国で翻訳出版され、世界中から支持されているというのも納得できる。私も是非、お勧めしたい。
いかにも映画になりそうな作品だが、映画化の話はないのだろうか?