その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

東京交響楽団/ R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」ほか

2016-05-01 11:20:22 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)
 2週間遅れの演奏会感想です。都響の作曲家シリーズが終了したので、今シーズンから東響の東京オペラシティシリーズの会員になりました。今回はその1回目。東響とノット監督のコンビは2年前のお披露目コンサート以来です。

 今回特筆すべきは、なんと言ってもプログラミング。リゲティのポリフォニーの音楽の間にパーセルを入れ込んだ前半が素晴らしかった。

 リゲティについては全く持って無知でした。冒頭の「2001年宇宙の旅」のエンディングで使われた「アトモスフェール」を聴いてびっくり。高校生の時にこの映画を映画館で観たときは、音楽と思わず、単なる効果音ぐらいにしか思ってなかった。お恥ずかしい・・・。今回3曲のリゲティの曲を聴いて、ポニフォニックな音楽の美しさを堪能しました。

 そして、そのリゲティの曲を間に挟んだパーセルの曲が一層、優雅に聞こえます。ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器もきっと初めてです。照明をぐっと落として、2階のオルガン横に陣取った合奏団にスポットライトを当てたのも、リゲティからよりバロック的な雰囲気を盛り上げ効果的でした。5曲続けての演奏が終わった後の拍手が大きく、長かったこと。4回呼び戻しを受けてました。

 休憩後はシュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」。こちらも全曲フルで聴くのは、前回の記憶がないほど久しぶりです。東響とノットさんは、頭からパワー全開で圧倒されました。ただ、この曲は私自身、導入部の「日の出」以外は馴染みがないので、よく分かないというのが正直なところ。まだまだ修行が足りません。

 東京オペラシティコンサートホールは大きすぎず、響きがいいのがとっても好きです。今回は1階席の後部は結構、空席が目立ち残念でしたが、このシリーズ、これから楽しみです。



東京オペラシティシリーズ 第91回

東京オペラシティコンサートホール

2016年04月16日(土)14:00 開演

指揮:ジョナサン・ノット

ヴィオラ・ダ・ガンバ:神戸愉樹美
ヴィオラ・ダ・ガンバ合奏団

リゲティ:アトモスフェール
パーセル:4声のファンタジア ト調 Z.742、二調 Z.739
リゲティ:ロンターノ
パーセル:4声のファンタジア へ調 Z.737、ホ調 Z.741
リゲティ:サンフランシスコ・ポリフォニー
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 作品30


Tokyo Opera City Series No.91
Sat.16th April 2016, 2:00p.m.
Tokyo Opera City Concert Hall
Conductor = Jonathan Nott
Viole da Gamba = Yukimi Kambe Viol Consort

Program
G.Ligeti : Atmosphères
H.Purcell : Fantasia Z.742, Z.739
G.Ligeti : Lontano
H.Purcell : Fantasia Z.737, Z.741
G.Ligeti : San Francisco Polyphony
R.Strauss : Also sprach Zarathustra, op.30
コメント
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