地元の図書館で借りて観てみた。1954年製作・公開のイタリア映画。原題はLa Strada(ロンドンでStradaというレストランがあったけど、こういう意味だったのね)。1956年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞している。
怪力を売りに地方巡業する大道芸人の男と、その男に買われて相棒として行動を共にする知能は弱いが純真な女(少女?)との道中が描かれる。現実の厳しさ、人の優しさが、装飾なく自然に切り取られており、白黒の映像効果も加わって、しみじみとした気分に浸れる。
大道芸人とペアを組んで道化として芸をするジェルソミーナ役のジュリエッタ・マシーナが表情豊かで、無味乾燥で荒涼とした道中の映像を活き活きとしたものにしてくれる。孤独で、不器用、暴力的な大道芸人を演じるアンソニー・クインとの対比が鮮やか。
作品の一つの軸となるニーノ・ロータの音楽が美しく、耳に残る。2010年のバンクーバー冬季オリンピックでフィギュアスケート男子シングルの高橋大輔選手が使った曲だという(Wikiより)。
現代の映画では、なかなか出会えない落ち着きと深みを持った映画だ。
キャスト
アンソニー・クイン
ジュリエッタ・マシーナ
リチャード・ベースハート
アルド・シルヴァーニ
マルセーラ・ロヴェーレ
スタッフ
フェデリコ・フェリーニ 監督
フェデリコ・フェリーニ 脚本
エンニオ・フライアーノ 脚本
トゥリオ・ピネッリ 脚本
ニーノ・ロータ 音楽