ロンドンのブログ友達であったlondonphotoさんのご紹介で、府中市美術館で開催中の特別展「絵画の現在」に行ってきました。
2000年秋の開館以来、現代の絵画を積極的に紹介してきた府中美術館が、その成果の継承・発展を目的に、絵画の「いま」を、個性豊かな7名プラス1名の作品に探る展覧会です(HPより)。ちなみに、londonphotoさんは7名の一人である津上みゆきさんとお知り合いとのことでした。
現代の絵画は、ロンドンのナショナル・ポートレイト・ギャラリーで毎年開催されていたBPがスポンサーになったBPポートレートアワードの展覧会は大好きでしたが、普段はあまり馴染みがありません。今回は、風景画や、人物画、抽象画を中心とした展示でしたが、私にとってはどれもユニークかつ新鮮でした。やっぱり芸術と言うのは、「いま」の中に生きるものなのであることを再確認。
中でも印象的だったのは、近藤亜紀さんと津上みゆきさんの作品。近藤さんの作品は強烈な色彩とマンガのようにデフォルメされた人物や動物が大きなキャンバスの中に構成され、見る人に強い印象を残します。
《近藤亜樹 Song for Artists 2016 パネルに油彩 227.3×409.1cm ©Aki Kondo, Courtesy of ShugoArts Photo: Shigeo Muto》》
※出典:https://bijutsutecho.com/news/9678/
津上さんの風景画連作は、多摩川の風景を題材にしたもの。つい2週間前にレースで走った道・風景であり、自分にとっては若き日々から馴染みのある風景です。印象派や18世紀のオランダの風景画とは全く異なり、構図、色使い、タッチなどなど、セザンヌの風景画を100倍抽象化したような抽象風景画であるところが特徴です。多摩川と言われなければ、どこを描いたものなのか、正直見当がつきません。こんな表現があるんだと、私にはただただ驚きでした。でも良く見えると、どこを描いたのかはなんとなく想像がつきます。本作を創作するにあたってのスケッチや画想のメモも併せて展示してあり、あの風景をこう受け止め、こう描くのかと、興味深いものがありました。
《津上みゆき View, Following the Flow, 25 Aug. 2017, 10:56am 2017 キャンバスに顔料、アクリル ©︎Miyuki Tsugami, courtesy of HASHIMOTO ART OFFICE 撮影=岡野圭》
※出典:https://bijutsutecho.com/news/9678/
この2人に限らず、どの作品も創作者たちの息遣いが聞こえてきそうな、ライブ感にあふれていて、不思議なエネルギーを感じる美術展でした。
絵画の現在
2018年1月13日(土曜日)から2月25日(日曜日)まで
出品作家
今井俊介
木村彩子さいこ +近藤恵介
近藤亜樹
白井美穂みお
諏訪未知
津上みゆき
福士朋子