今週末、日本発の世界初演オペラ<紫苑物語>を見に行くので、原作を読んでみた。作者の石川淳の名前はもちろん知っているが、作品を読むのは初めて。図書館で『新潮現代文学8 荒魂・紫苑物語』を借りて読む。
一日の往復の通勤列車で読み終える短編小説で、サクサク読み進む。しかし、十分に読み応えのある作品だ。なにより日本語が美しい。表現もさることながら、文体のリズムは詩を読んでいるよう。物語は中国の伝奇小説のような幻想的なもので、読者はいつの間にか、その世界の中に嵌ってしまう。
この物語がどうオペラ化されるのか?とっても楽しみ。