その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響 2月定期Cプロ/ 指揮:パーヴォ・ヤルヴィ/プロコフィエフ 交響曲 第6番ほか

2019-02-17 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

 久しぶりのNHKホールの完売定演。プログラムが凝ってるためか、最近、結構空席が目立つ定演が続いただけに、やっぱり満員で熱気あふれるホールは観衆の一員として嬉しい。そして、N響はその熱気に十分にこたえる熱い演奏だった。

 前半のラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。もともと予定していたブニアティシヴィリ嬢が出れないと聞いた際はショックだったけど、代役がアレクサンダー・ガヴリリュクと聞いて一安心。N響とは何度か共演しているようだが、私は初めてだったのでとっても楽しみにしていた。ガヴリリュクのピアノは、打鍵が強く音が力強い。私の3階席までガンガンに響いてくる。ラフマニノフの甘い調べも、甘すぎず、むしろ端正に感情に流されない演奏で、私の好み。

 N響の演奏も素晴らしかった。重層的な弦のアンサンブルがピアノの音と混じり合って、華やかさを添える。「協奏曲って、いいなあ~」と思わせてくれるコラボだった。終演後は久しく聞いてない、ホールを飛び出さんばかりの大拍手。拍手に応え、ラフマニノフのヴォカリーズをアンコールで演奏してくれた。

 後半のプロコフィエフの交響曲第6番を聴くのは全く初めて。ツイッターで紹介されていた都響の大野さんのYoutube解説ビデオクリップを見ておいたおかげで何とかついて行ったが、消化不良は否めなかった。それでも、相変わらずのパーヴォの見事なオケ捌きとN響の気合一杯で、一糸乱れぬ合奏力・個人力は十分伝わった。おかげでお初ながらも、路頭に迷うことなくプロコらしい音楽を楽しめた。

 オーボエ主席の茂木さんは今月が最後の定演とのことで、私にとっては最終。長い間、お疲れ様でした。途中空白を挟んで足かけ20年近くの私の定演通いの間、多くの感動を与えていただきました。ありがとうございました。引退ではないのでしょうから、またどこかで茂木さんのオーボエを聴けることを楽しみにしています。本ブログをもって、感謝申し上げます。

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