その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

川瀬賢太郎 指揮、東京交響楽団/ リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」ほか @都民芸術フェイスティバル

2019-03-19 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

期末仕事に個別のプロジェクトが重なって、この数週間疲労困憊。N響は3月お休みで、他に演奏会予定も無く、ストレス溜まりまくりでした。そんな中、当日になって都民芸術フェスティバルの企画で東響の演奏会があることを知り、当日券目指して芸劇へ。

プログラムは名曲コンサートの趣ですが、こういうコンディションの時には馴染みの曲のプログラムが逆に嬉しいです。指揮は、TVで何度かお見かけしていますが、実演に接するのは初めての川瀬賢太郎さん。

冒頭のドヴォルザーク<謝肉祭>の後は、仲道郁代さんのソロによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。仲道さんも演奏会チラシでは良くお見かけしますが、実演を聴くのは初めてです。チラシで見る美しさは3階席からは遠すぎて目視確認できなかったのは残念でしたが、貴婦人のような振舞いはオーラが一杯。優しくソフトに包み込むような演奏も優雅で、聴き手をうっとり幸せな気持ちにさせてくれます。逆に、美しくや柔らかな音楽に覆われ、心身ともに弛緩し、気を失うこと数度。最初から最後まで集中して聞けたとは言い難いですが、お蔭さまで仕事の疲れが抜けていきました。

後半のリムスキー=コルサコフ<シェエラザード>は東響の実力が発揮された秀演でこちらも十二分に楽しみました。管陣の個人技、オケ全体の音の厚みが素晴らしく、ホール全体に溶け合う音・音が五感を刺激してくれます。ヴァイオリンソロの水谷さんの音色も変化があって楽しかった。川瀬さんの指揮は、勢いとエネルギー溢れるもので、視覚的にも気持ちいい。壮大な絵巻を楽しみました。<花のワルツ>のアンコールがついたのも凄いおまけで歓喜。

やっぱり生音は生きていくための糧であることを再確認。身体的疲れ、精神的ストレスを大きく軽減させてもらい、我ながら単純すぎる反応ですが、「来週も頑張ろう~」と思い、ホールを後にできました。

蛇足ではありますが、この日は3段階の料金設定の真ん中の席で2800円。この価格で、これだけの高い満足度というのは凄い。このぐらいの価格帯で普段のコンサートも楽しめれば、もっとクラシック音楽のファン層は広がるとは思うのですが、当然興行としての収支もあるわけでそうもいかないでしょう。なので、都民芸術フェスティバルのような企画は多くの人に手軽に芸術を楽しむ機会を提供してくれるとっても貴重な機会だと思いました。


東京交響楽団~愛のささやき~

【開催日時】2019315日(金)19:00開演(18:00ロビー開場)

【出演】指揮/川瀬賢太郎(Kentrao Kawase) ピアノ/仲道郁代 (Ikuyo Nakamichi)

【曲目】

ドヴォルザーク:序曲「謝肉祭」作品92

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4 ト長調 作品58

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」作品35

コメント
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