その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

ハリウッドの香り・・・グスターボ・ドゥダメル指揮 ロス・フィル、ジョン・ウイリアムズ プログラム@NHK音楽祭

2019-03-22 07:30:00 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

 

来日中のドォダメルとロス・フィルの特別公演に足を運んだ。ジョン・ウィリアムズの映画音楽を集めたプログラムというロス・フィルならではのものである。NHKホールは1階のホワイエにウイリアムズとドォダメルの大きな写真を付したパネルが設置されたり、赤色のライトで照らされるなど特別仕様に演出されていた。観衆もいつものN響定期とは異なり老若男女がむらなく揃う多様性に富んで、ホールは明るい雰囲気に包まれていた。

 演目はいずれもウイリアムズ作曲の映画音楽からだが、8割がたは映画も見ているので馴染みの音楽ばかりだ。聴きながら、映画のワンシーン、ワンシーンが瞼に浮かんでくる。大方が8090年代の映画なので、映画のシーンと共にその映画をみた当時の自分が思い起こされ、懐かしい(なんかいつの間にか、思えばここまで来てしまったなあ~との思いもあり)。

 ロス・フィルの演奏は、スケールの大きなウイリアムズの音楽をやみくもに鳴らしまくるわけでなく、豪快ながらも絶妙の節度を保ったハイレベルなものだった。音楽も管と弦を対比させるような構成のものが多いが、そのバランスが素晴らしい。また、金管陣の音の突き抜け方も印象的だった。体力・肺活量の違いか、日本のオケではあそこまで、ビーム光線のように貫き通すような音はなかなか聴けない。

 ロンドン滞在時にドォダメルの指揮は3回ほど接しているが、ウォームハート・クールヘッドとでも言うような、情熱的だが的確にオケをまとめ音楽を創っていく手腕は相変わらず素晴らしいと感心した。最後に聴いたのは2011年なのであれから8年経て、当時よりずっと風格も出てきた感じだが、謙虚で常に団員を立てる姿勢は変わってない。オケとのコミュニケーションをとっても大切にしているように見える。きっと世界中で引っ張りだこなのだと思うが、是非一度、日本のオケを指揮して欲しいものだ。

  アンコール2曲入れて、計2時間30分を大堪能。この指揮者、このオケで、このプログラムを聴ける幸せを一杯噛みしめた。

2019年3月21日(木)17:00~

NHKホール

指揮:グスターボ・ドゥダメル (Gustavo Dudamel)

演奏:ロサンゼルス・フィルハーモニック (Los Angeles Philharmonic)

バイオリン:三浦文彰* (Fumiaki Miura)

ジョン・ウイリアムズ プログラム (John Williams)

オリンピック・ファンファーレとテーマ

『未知との遭遇』から抜粋

『ジョーズ』からサメ狩り/織の用意!

『ハリーポッター』シリーズからヘドウイングのテーマ/不死鳥ホークス/ハリーの不思議な世界 

『シンドラーのリスト』テーマ*

『E.T.』から地上の冒険

「フック」からネバーランドへの旅立ち

『ジェラシック・パーク』テーマ

『インディ・ジョーンズ』シリーズからオートバイとオーケストラのスケルツォ/マリオンのテーマ/レイダース・マーチ

『SAYURI』テーマ

『スター。ウオーズ』シリーズから帝国のマーチ/ヨーダのテーマ/王座の間とフィナーレ


<特別仕様の1階ホワイエ>

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