八王子城址散策が期待以上に楽しめたので、1日おいて、同じ八王子市にある滝山城址なるところに行ってきました。滝山城は北条氏照(小田原北条氏四代氏政の弟)が居住し、1569年には武田信玄が攻めたともされるお城です。「続日本100名城」にも選ばれています。
八王子城が山の上に建つ山城だったのに対して、滝山城は北に多摩川を見下ろす丘陵に建ちます。場所は中央高速道の八王子インターから滝山街道なる街道に出て3キロほど行ったところ。無料の公園駐車場に車を止めて、敷地内に入ります。先が真っ暗な入口の竹林には一瞬ひるみますが、中はとっても歩きやすい散策コースになっています。
〈入口の竹林。写真で見るより、もっと暗くて怖い〉
コースがよく整備されて、遺構説明板も分かりやすく適切な場所に設置され、解説文を読みながら当時の様子を想像し散策するのが楽しいです。小宮曲輪、三の丸、馬出等を通って、この城の「集中防御ライン」である二の丸へ。更に奥に中ノ丸、本丸と歩きました。
〈確か写真上部が三の丸。ここに上ってきた兵士には上から矢の雨が降ってきたに違いない〉
〈二の丸を囲む空堀〉
本丸からは多摩川、そしてその奥に当時は武蔵野国の平原が広がっていたであろう西多摩、北多摩の風景が見渡せます。こうした風景を当時の戦国武士たちは何をどう思い眺めていたのでしょうか?
〈本丸跡に建つ石碑〉
〈中の丸から多摩川を見下ろす〉
どこかの資料に、滝山城は東西に長く守るには不向きとして、北条氏は八王子城に移ったとありましたが、歩いているとよく分かります。侵入口がいくつも取れそうで、備えるためには兵力を分散せざる得ず、守る方はさぞ大変だったでしょう。
横田基地との行き来でしょうが?近い上空を飛行機が何度が通り過ぎます。飛行機の音以外に聞こえるのはひたすら蝉の声。すべての散策コースをくまなく回れば優に2時間以上かかると思いますが、私は中心部分と民衆の避難場所と推定されている「山の神曲輪」まで足を延ばすにとどめたので、2時間弱程度の散策でした。
〈奥に来ると散策路はこんな感じ〉
〈山の神曲輪からの多摩川〉
木の陰の中とは言え、汗が浮き出す暑さ。コロナ下のお盆ならではの、東京史跡散策を楽しみました。春には山桜が咲く名所でもあるようです。史跡好きにも、東京近郊の散策路としても良い場所でお勧めできます。
2020年8月14日