森川 博之『5G 次世代移動通信規格の可能性』 (岩波新書、2020)
その世界の第一人者が執筆しているだけあって、文字中心のテクノロジー入門書にもかかわず、読み易くかつ面白い。これはなかなか珍しい体験。技術解説書ではなく、モバイル通信の過去・現在・未来について語ったもの。私は、第4章「激化するデジタル覇権のゆくえ」で米中の5G戦争、そして日本企業について触れられているくだりが最も興味深かった。
内山悟志『未来IT図解 これからのDX デジタルトランスフォーメーション』(エムディエヌコーポレーション、2020)
見開き2ページで1テーマ、しかも必ず図解入り、という入門書のお手本のような作りなので、読み易い。しかも、幅と奥行きの広いDXの世界を、コンパクトに重要な部分がしっかりと書き込まれていて、非技術者向けのDXの教科書としてはこれ以上のものは未見。DXとは何ぞやを知りたい人はまず本書を手に取るべし。
マイケル・ワトキンス (著), Michael Watkins (著), 伊豆原 弓 (翻訳)『ハーバード流マネジメント講座 90日で成果を出すリーダー』(翔泳社、2014)
転職、異動、昇進と言ったキャリアの転機があった際に、最初の3カ月何をして、どう成果を上げるかを解説した本。べたなノウハウ本なので、人による好き嫌いはあるかもしれないが、この夏、仕事が大きく変わった私は、大きく本書に助けられた。新しいチームでのコミュニケーション、上司との期待値の併せ、組織の修正、チーム外の人間関係構築、自己管理などなど、私も随分長く会社員やってきてそれなりの自己ノウハウは持っているつもりだが、自らのノウハウ整理も含めて、とっても勉強になった。90日が過ぎても、1年間は手元に置いておきたい本。