その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

継続は力なり 調布国際音楽祭 読響 × 鈴木優人 メノッティ:オペラ「電話」ほか

2021-07-06 07:30:37 | 演奏会・オペラ・バレエ・演劇(2012.8~)


毎年楽しみにしている調布国際音楽祭。昨年はネット配信のみだったのですが、今年は待望のリアル音楽祭となりました。

今年の有料プログラムは、音楽祭のエグゼクティブ・プロデューサー鈴木優人さんが指揮する読響の演奏会を選択。毎年、優人さんのプログラムは企画が興味深いためです。今年は滅多に上演されないメノッティのオペラ「電話」が組み込まれています。

オペラ「電話」は、出演者は男女1名ずつの2名、30分程度の小品です。コンサート形式ですが、ダイヤル式黒電話やありものの小道具を使った小セットが置かれて芝居感もたっぷり。物語は電話で巻き起こる恋愛騒動で、分かりやすくてシンプル。音楽もとっても耳に馴染みやすいです。何よりもソプラノ中江早希さんとバリトン大西宇宙さんのやり取りがコミカルで楽しい。歌唱ももちろん素晴らしいのですが、お二人の演技でほんわか、ほっこり気分に浸りました。

後半は、ストラヴィンスキーの組曲「火の鳥」(1945年版)。ドラマティックで豪快な音楽が好みです。真っ赤なシャツに着替えた優人さんが情熱的に指揮を振り、読響も熱演。満足度高い演奏でした。

梅雨のしとしと雨が降る日であったり、プログラムの数がコロナ前よりも抑えられていたこともあり、例年に比べるとこじんまりした感がある調布国際音楽祭でしたが、こんな自粛の世の中でもしっかり継続していくことが大事だと思います。そうしたことからも、音楽祭はしっかり来年に引き継がれたといって良いかと思います。


読響 × 鈴木優人
2021年7月4日(日)13:30
調布市グリーンホール

モーツァルト:オペラ『フィガロの結婚』 KV492序曲
メノッティ:オペラ「電話」
ストラヴィンスキー:組曲「火の鳥」(1945年版) 

指揮:鈴木優人
ソプラノ:中江早希
バリトン:大西宇宙
管弦楽:読売日本交響楽団


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