その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

N響、快進撃続く!:N響2月B定期 指揮 パブロ・エラス・カサド/スペインプログラム

2024-02-17 08:46:34 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

1月のソヒエフ祭りに始まって、今年のN響快進撃が続いています。今回のカラステさん指揮のスペイン関連プログラムは、その中でも特に印象に残る演奏会となりました。

とりわけ感銘をうけたのは、アウグスティン・ハーデリヒさん独奏によるプロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番。ハーデリヒさんは初めて聴くヴァイオリニストですが、その奏でられる美音に魅了されました。

濁りなくとってもピュアな音色が、舞台後ろのP席にもダイレクトに響いてきます。そして、耳に入る音が、包容力に満ちて優しい。いつも結構身構えながら聴くプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲が、素直に体に染み込んでくるのに驚きました。そして、オーケストラとのコンビネーションが抜群。P席特有かもしれませんが、ハーデリさんの音がN響の管弦楽に文字通り溶け込んでいくのを目の当たりにし、それに耳をそばだてる快適さ。特に、第2楽章は天にも昇るような気分で、協奏曲の醍醐味を経験させてもらいました。

後半の三角帽子。全曲版を聴くのはきっと初めてだと思うのですが、オーケストレーションの楽しさを満喫しました。序奏の吉田珠代さんのソプラノで、会場が一気に物語世界に引き込まれます。カサドさんは抑制を利かせ、スペイン風をことさら強調させることなく、音楽の輪郭を明確に描く感じです。それにN響メンバーが夫々に応えて、目まぐるしくかつ多彩な演奏でした。打楽器隊のカスタネットにも痺れましたね。終幕の踊りでは、自分の体を抑えるのが大変だった程、楽しませてもらいました。

終演後は会場から止まない大きな拍手。ソロカーテンコールもあり、カサドさんもとっても満足の様子でした。私の演奏会終わっての満腹感といったら、ステーキとかつ丼のセット定食を頂いたような感じ。ほくほく顔で2月とは思えない生暖かい夜の赤坂を帰宅しました。

3月は定演はお休みですが、東京春祭のヤノフスキさん指揮の〈トリスタンとイゾルデ〉もあります。楽しみが続きます・・・

第2006回 定期公演 Bプログラム
2024年2月15日 (木) 開演 7:00pm

サントリーホール

曲目
ラヴェル/スペイン狂詩曲
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」(全曲)*

[アンコール曲]
2/15:カルロス・ガルデル(アウグスティン・ハーデリヒ編曲)/「ポル・ウナ・カベーサ」(首の差で)
ヴァイオリン:アウグスティン・ハーデリヒ

指揮 : パブロ・エラス・カサド
ヴァイオリン : アウグスティン・ハーデリヒ
ソプラノ : 吉田珠代*

Subscription Concerts 2023-2024Program B
No. 2006 Subscription (Program B)
Thursday, February 15, 2024 7:00pm [ Doors Open 6:20pm ]

Suntory Hall

Program
Ravel / Rapsodie espagnole (Spanish Rhapsody)
Prokofiev / Violin Concerto No. 2 G Minor Op. 63
Falla / El sombrero de tres picos, ballet (complete) (The Three-Cornered Hat)*

[Encore]
Feb 15: Carlos Gardel (arranged by Augustine Hadelich) / Por una cabeza
violin: Augustine Hadelich


Artists
Conductor: Pablo Heras-Casado
Violin: Augustin Hadelich
Soprano: Tamayo Yoshida*

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