まだヤノフスキさんのブラームスの興奮(Aプロ)が醒めやらぬ中、Cプロでも大御所の登場です。今年84歳というクリストフ・エッシェンバッハさんによるブルックナー交響曲7番一本勝負。
演奏始まって直ぐに「お〜」と唸りたくなるようなスローペース。じっくり、しっとりと聴かせてくれます。このあたりは、前週の筋肉質なヤノフスキさんとは好対照。ただ私には、ペースはスローながら、決してしつこさやねっちこさを感じるところはなく、とっても純粋で澄んだ音色のブルックナーに聴こえました(Xで多くの方が、逆の感想をポストされていたので、私の感覚がちょっと違ったのかもしれません)。特に、第2楽章の美しさは格別で、Xで「私の葬式音楽にして」とポストされた方がいらっしゃいましたが、全く同感。私も、聴きながら「自分の葬式音楽に流してほしいなあ」という心持で聴いていました。
第3楽章からはペースの遅さも感じず、スケール大きなブルックナーワールドが展開されました。N響も前週までとは全く違ったマエストロの芸風にしっかりとついて、熱演。コンマスはゲストコンマスに就任された川崎さん。とっても堂々とされた見た目と切れ味鋭いヴァイオリンの音が飛んでききます。オーボエ首席には吉井さんが座りました。いつもながら吉井さんのオーボエは芯が太くて、強く引き付けられました。
エッシェンバッハさん、ブルックナーという組合せもあってか、会場は8割方埋まってました。一人のフライングブラボー・拍手も出ることなく、余韻を楽しみながらの終演。大きな拍手に包まれてエッシェンバッハさんも満足そうだし、我々聴衆もお腹一杯という感じです。
ヤノフスキさんとスタイルは違いましたが、似ていたのは前X上での好き・嫌いの分断。其々のコメントがとっても興味深いものでした。
演奏会前の室内楽では、オーボエ、イングリッシュ・ホルンの降り番の吉村さん、坪池さん、和久井さんが登場。ベートーヴェンの「2本のオーボエとイングリッシュ・ホルンのための三重奏曲」の第一楽章、そしてアンコールとして第三楽章を演奏してくれました。優しくおおらかな音楽で演奏も素敵でした。加えて、私は、初めて吉村さんの生声聞いてとっても嬉し😅
定期公演 2023-2024シーズンCプログラム
第2008回 定期公演 Cプログラム
ブルックナー生誕200年
2024年4月19日(金) 開演 7:30pm(休憩なし) [ 開場 6:30pm ]
NHKホール
曲目:
ブルックナー/交響曲 第7番 ホ長調
指揮:クリストフ・エッシェンバッハ
開演前の室内楽
曲目:
ベートーヴェン/2本のオーボエとイングリッシュ・ホルンのための三重奏曲 ハ長調 作品87―第1楽章
オーボエ:𠮷村結実、坪池泉美
イングリッシュ・ホルン:和久井 仁
Subscription Concerts 2023-2024Program C
No. 2008 Subscription (Program C)
The 200th Anniversary of Anton Bruckner's Birth
Friday, April 19, 2024 7:30pm [ Doors Open 6:30pm ]
NHK Hall
Program
Bruckner / Symphony No. 7 E Major
Conductor:Christoph Eschenbach
Pre-concert Chamber Music Performance
Program:
Beethoven / Trio for 2 Oboes and English Horn C Major Op. 87―1st Mov.
Artists
Oboe
Yumi Yoshimura
Izumi Tsuboike
English Horn
Hitoshi Wakui