若手真打ちによる三人会。今回のお目当ては、今春抜擢で真打昇進を果たした林家つる子さん。つる子さん聞きたさに、週末の午前中から有楽町よみうりホールへ。
開口一番では二つ目の鈴々舎美馬さん。若い女性落語家さんで、小柄で可愛らしい雰囲気の方。落語界もどんどん多様化してて良いね。
続いて、小痴楽さん。この方、生は去年8月の<しぶらく>以来ですが、NHKラジオ第1の<小痴楽の楽屋ぞめき>がいろんな落語界の裏話が面白くよく聞いてます。切れの良いセリフ回しが好き。新作なのかと思いきや、演目は古典の「堪忍袋」。おかみさんの演技が色っぽかった。
休憩挟んで、つる子さんの登場。演目は季節にぴったりの「お菊の皿」。このお話し、お菊さんが主人に仕組まれて手討ちにされたのを恨んで幽霊として出る「皿屋敷」をもとに、その幽霊お菊と町の庶民との騒動を描いた滑稽話だが、今回のつる子さんの噺は「お菊の皿」部分もかなり詳しく演じてくれた。その「皿屋敷」部分の幽霊お菊さんの怖いこと。そして、楽しんだのは、「お菊の皿」での幽霊スターとなったお菊さんの緩んだお茶目ぶりとの落差。表情や仕草で、同じ人物の変化を、面白おかしく演じるつる子さんの芸を堪能した。
そして、トリはわさびさん。わさびさんも昨年の5月浅草、9月の<しぶらく>以来。てっきり古典かと思いきや、季節感たっぷりの新作「エアコン」。新作は、過去に聞いたことがあったり、ある程度予測がつく「古典」と違って話の展開がどうなるかが分からない。聴く方も「古典」とは違う緊張感がある。今回の「エアコン」もなかなか先が読めない展開を楽しんだ。
ベテランもベテランならではの味があるが、この日のような若手真打の芸は、勢いと芸の両方が楽しめ、とっても刺激的な2時間。
終演後は交通会館の地下へ。13時過ぎだというのに、どの店も混んでてで驚いたが、水沢うどんので鶏うどんを頂く。カラっと上がった鳥のてんぷらとさっぱりとしてるが出汁の効いたうどん汁が上品でとっても美味しく満足。
2024年8月4日