その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

米澤穂信 『満願』 新潮社 2014

2018-10-10 07:30:00 | 


家人が読んでいたのを横から拝借。表題作を初め、6つの短編ミステリーを集めたもの。米沢氏の小説は初体験。最近、この中のいくつかの作品がNHKでドラマ化されたらしい。

複雑な人間心理や行動をえぐるような其々の物語は、短編とは言えとても読みごたえがあった。描写も洗練されており、イメージが明確に瞼に浮かび、作品としてどれも質が高く、味わい深い。個人的には「満願」「関守」「夜警」が好み。

ただ、複雑な人間心理を拠り所にしているため、私のような単純な人間には、殺人の動機に感情移入できないところはいくつかあった。これで人を殺すか、ここまでやるかって思ってしまう点はある。

それを差し置いても、おすすめであることは間違いない。これらの作品がどう映像化されたのか、NHKオンデマンドで見てみたいところ。


<目次>
夜警
死人宿
柘榴
万灯
関守
満願



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