その昔、『ふぞろいの林檎たち』という山田太一脚本の連続ドラマがあった。
中井貴一、時任三郎、柳沢慎吾、手塚理美、石原真理子という若手俳優をキャスティングした青春群像ドラマだ。
私は毎週欠かさず観ていた。
その主題歌がサザンオールスターズの『いとしのエリー』だった。
当時のサザンは『勝手にシンドバッド』、『気分しだいで責めないで』と、コミックバンド然とした曲で売り出したキワモノという認識しかなかった。
『いとしのエリー』は前2曲とはガラリと雰囲気を変えたバラッド調で、キワモノのネタも尽きたか、の肩透かしを食った印象で、曲自体もインパクトに欠けているように感じたものだ。
まさか歌謡史に残る名曲になるとは思ってもいなかった。
名曲というのは、ビートルズの曲に代表される、出した途端に名曲と呼ばれるものと、何ヵ月、何年か経った後で名曲と呼ばれるものがある。
後者は、いわゆる熟成期間が必要な曲だ。
まさしく『いとしのエリー』がそれだったのだ。熟成期間とは、その後のサザンの活躍を指す。
『いとしのエリー』に限らず、『木綿のハンカチーフ』や『なごり雪』、『心もよう』や『ルージュの伝言』など日本のフォーク、ニューミュージック系の曲は熟成期間が必要みたいだ。
りそな銀行に二つの口座を持っている。
一つは生活費全般の口座で、もう一つは競馬の電話投票専用口座だ。
二つに分けているのは、競馬での金の使い過ぎを抑制するためだ。
競馬は土日で最高1万円までと決めている。当たって配当金が入ればその分は使えるが、負ければ翌週に1万円を口座移動(振込)する。同じ銀行なので手数料は0円だ。
これが違う銀行間の振込や入金だと108円の手数料がかかる。
振込以外の入出金も、平日の時間外や休日、コンビニ経由だと最低でも108円の手数料がかかる。
普通預金の金利が0.02%だから、仮に100万円を1年間預けて金利は200円だ。
ATMで2回出金するだけで金利は吹っ飛んでしまう。銀行強盗ならぬ強盗銀行みたいなものだ。
108円あればコンビニでおにぎりが1個買える。貧乏サラリーマンの昼飯だ。
銀行の1回の出金手数料と昼飯代が同じとは、なんと理不尽なことだろう。