18年に及ぶ、ど田舎での生活から、一転、都会の京都での生活への変化は、私にとってカルチャーショックそのものだった。
スポンジが水を吸収するように、私は憧れの都会生活にすぐに染まった。
アカデミックな講義、フォークソング同好会での集い、繁華街の散策、コンパや飲み会と、まさに夢と希望に溢れたキャンパスライフを満喫していた。
前期試験が終わり、7月中旬に初めての帰省をした。
まだ新幹線が岡山までしか通じていず、夜行列車での帰省だった。
辿り着いた故郷の田舎町は、相変わらず時代から取り残されたように殺風景なものだった。
都会の絵の具にどっぷり染まった私は、たまの帰省以外、この地に戻ることはないだろうと強く思った。
故郷は遠きにありて思うものというやつだ。
同じ時代なのに、都会の京都と田舎町では、時間の流れが明らかに違った。
都会は発展し続け、田舎はますます寂れていく一方なのだと思った。
68歳の今、田舎での18年をはるかに上回る、関西での50年の時が流れた。
今でも田舎町はほとんど昔のままで、そこに戻ろうという気はさらさらない。
懐かしい故郷は私の記憶の中にしか存在しない。
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