いよいよ市民大学後期講座が最終回を迎えました。
東京大学大学院農学生命科学研究科
国際環境経済学研究室の鈴木宣弘教授による
「迫る!日本の食料・農業危機 食と命を守るために私達ができること」
毎回、興味深い内容ばかりで、刺激的でもあり、
深く考えさせられました。
配布された、100ページを超える膨大な資料は、宝物です。
12回目は、農協の話から。
農協が米国になぜ狙われたか。
農協がTPPに反対したことに対する見せしめ、もう一つは、農協マネー。
郵政民営化と同じパターンだ。
米国の金融保険業界が日本の350兆円にも及ぶ郵政マネーを
運用資金として欲しがり、「対等な競争条件」という名目で
解体(民営化)を求められ、小泉政権で受け入れてしまった。
その後、かんぽ生命はがん保険に参入しないと宣言させられ、
A社の保険販売までやらされるようになってしまった。
信用・共済を含めた155兆円の農協マネー。これを米国は欲しがっている。
農業所得向上という農協改革の名目で、
信用・共済の分離が迫られている。
信用・共済マネーの掌握、
農協の共販を崩して農産物をもっと安く買い叩きたい企業、
共同購入を崩して生産資材価格を吊り上げたい企業、
農業参入したい企業。
農協潰しを狙って、従来、
独禁法の適用除外となっている農協共販さえも、
手を加えようとしている。
ある仲介業者の話によると、
イ社が価格を決め、仲卸がそれに見合う価格で農家から買う、
つまり、巨大スーパーが価格を決め、買い叩くという現状。
一方、協同組合では、正当な価格で農家から買う。
(成長)ホルモン・フリーの牛肉は、EUと自国(米国)向け、
ホルモン牛肉は、日本向け。
米国では、「オーガニック」「ホルモン・フリー」と表示された牛肉が売られていて、
お金に余裕がある人はそれを買うのが常識となっている。
日本国内では禁止されていても、
日本に入って来る米国産・豪州産の牛肉はエストロゲンを投与されている。
日産婦誌62巻2号では、
ホルモン依存症癌は年々増加していて、子宮体癌、卵巣癌は25年間で8倍、4倍に増加、
米国産牛肉が国産牛肉に比べて高濃度のエストロゲンを含有していることを確認している。
摂取量の増加は、体内へのエストロゲンの蓄積、濃度上昇を促し、
ホルモン依存性癌の発生増加に関連する可能性があると推測される。
という研究結果が発表されています。
すみません、全くうまくまとめられていませんが、そういうことです。
日本では、はっきりとしたエビデンスがないと、真実とはされず、
日本国民も目を向けようとはしません。信じようとはしません。
EUでは「予防原則」に基づく規制を行っていて、
日本とは全く考え方が違います。予防的な措置が取られます。
日本は、エビデンスがないからと、目をつぶってしまい、
問題が起こってから、慌てて対策を考える。言い訳を考える。
どちらが安全に安心して生活できるか、だれでも分かります。
輸入小麦の残留農薬についても、
食パンのグリホサート残留調査結果が示され、
スーパーなどどこでも売られているような食パンの多くに
グリホサートが検出されていることが分かります。
国産小麦を使ったものからは検出されていません。
この件に関しては、以前、週刊新潮でも大きく取り上げられ、
注目していました。
EUでは消費者からの積極的な働きかけもあり、
EU農薬基準が強化され、EUへの輸出国もそれに呼応して厳しくなっている。
気が付けば、日本は世界で最も規制が緩い国の一つとなってしまった(詳しい資料が提示されています)。
「国による農家の支援が重要」
「カギは消費者の意識・行動」
生協による共同購入を進めることで、流通・小売のマージンを縮小し、
農家は今より高く売ることができ、消費者は今より安く買うことができる。
こうして、流通・小売に偏ったパワー・バランスを是正し、
利益の分配を適正化し、生産者・消費者双方の利益を守る、
これこそが協同組合の使命である。
「農家・漁師の踏ん張りこそが希望の光」
食料危機と深刻な農業危機が同時に到来しているが、
農の価値がさらに評価されるべき時代が来ている。
輸入に依存せず、国内消費で安全・高品質な食料供給ができる循環農業を目指す。
「農は国の基であり、農民は国の宝である」(賀川豊彦)
配布された資料の中で、賀川豊彦の言葉が出てきたことには感動しました。
やはり、通じるところがあります。
というより、協同組合運動を日本で始めたのは賀川豊彦ですから。
当然なんです。だから、前から言っているように、
賀川豊彦がもっと知られてもいい、知られるべきだと思っています。
そういえば、去年、東都生協に入ったんです。
いろいろまとめてご紹介しようと思っているうちに、日が経ってしまいました。
賀川豊彦にしても、この講座にしても、
生協の意味するところ、意義、役割が紹介され、
そこに関わることの重要性を改めて感じています。
東都生協については、入るきっかけなども含め、
改めてご紹介します。
とにかく、とにかく、鈴木宣弘先生の講座は
これまで受けた市民大学の中では、文句なくベストで、
素晴らしい講座でした。市民大学だけでなく、
これまで受けた講座の中でベストとも言えます。
受講して本当に良かったです。
もう、すっかりファンになりました。
食の危険性などを真剣に説明しながらも、
実は、家の中で賞味期限切れとかで人体実験をされているのは私なんです、
とか、自虐的なギャグ?を、さらりと織り交ぜているところが、
またサイコーです。三重県のご出身で、
関西系と言っていいのか分かりませんが(三重の立場はいつもビミョー)、
楽しいノリなんです。
先日ご紹介した最新の著書(こちら)は、12刷が決まったそうです。
それだけ感心を持っている人がいるということで、
嬉しいニュースですね。
ぜひぜひ読んでみてください!!!
今後も注目です。
東京大学大学院農学生命科学研究科
国際環境経済学研究室の鈴木宣弘教授による
「迫る!日本の食料・農業危機 食と命を守るために私達ができること」
毎回、興味深い内容ばかりで、刺激的でもあり、
深く考えさせられました。
配布された、100ページを超える膨大な資料は、宝物です。
12回目は、農協の話から。
農協が米国になぜ狙われたか。
農協がTPPに反対したことに対する見せしめ、もう一つは、農協マネー。
郵政民営化と同じパターンだ。
米国の金融保険業界が日本の350兆円にも及ぶ郵政マネーを
運用資金として欲しがり、「対等な競争条件」という名目で
解体(民営化)を求められ、小泉政権で受け入れてしまった。
その後、かんぽ生命はがん保険に参入しないと宣言させられ、
A社の保険販売までやらされるようになってしまった。
信用・共済を含めた155兆円の農協マネー。これを米国は欲しがっている。
農業所得向上という農協改革の名目で、
信用・共済の分離が迫られている。
信用・共済マネーの掌握、
農協の共販を崩して農産物をもっと安く買い叩きたい企業、
共同購入を崩して生産資材価格を吊り上げたい企業、
農業参入したい企業。
農協潰しを狙って、従来、
独禁法の適用除外となっている農協共販さえも、
手を加えようとしている。
ある仲介業者の話によると、
イ社が価格を決め、仲卸がそれに見合う価格で農家から買う、
つまり、巨大スーパーが価格を決め、買い叩くという現状。
一方、協同組合では、正当な価格で農家から買う。
(成長)ホルモン・フリーの牛肉は、EUと自国(米国)向け、
ホルモン牛肉は、日本向け。
米国では、「オーガニック」「ホルモン・フリー」と表示された牛肉が売られていて、
お金に余裕がある人はそれを買うのが常識となっている。
日本国内では禁止されていても、
日本に入って来る米国産・豪州産の牛肉はエストロゲンを投与されている。
日産婦誌62巻2号では、
ホルモン依存症癌は年々増加していて、子宮体癌、卵巣癌は25年間で8倍、4倍に増加、
米国産牛肉が国産牛肉に比べて高濃度のエストロゲンを含有していることを確認している。
摂取量の増加は、体内へのエストロゲンの蓄積、濃度上昇を促し、
ホルモン依存性癌の発生増加に関連する可能性があると推測される。
という研究結果が発表されています。
すみません、全くうまくまとめられていませんが、そういうことです。
日本では、はっきりとしたエビデンスがないと、真実とはされず、
日本国民も目を向けようとはしません。信じようとはしません。
EUでは「予防原則」に基づく規制を行っていて、
日本とは全く考え方が違います。予防的な措置が取られます。
日本は、エビデンスがないからと、目をつぶってしまい、
問題が起こってから、慌てて対策を考える。言い訳を考える。
どちらが安全に安心して生活できるか、だれでも分かります。
輸入小麦の残留農薬についても、
食パンのグリホサート残留調査結果が示され、
スーパーなどどこでも売られているような食パンの多くに
グリホサートが検出されていることが分かります。
国産小麦を使ったものからは検出されていません。
この件に関しては、以前、週刊新潮でも大きく取り上げられ、
注目していました。
EUでは消費者からの積極的な働きかけもあり、
EU農薬基準が強化され、EUへの輸出国もそれに呼応して厳しくなっている。
気が付けば、日本は世界で最も規制が緩い国の一つとなってしまった(詳しい資料が提示されています)。
「国による農家の支援が重要」
「カギは消費者の意識・行動」
生協による共同購入を進めることで、流通・小売のマージンを縮小し、
農家は今より高く売ることができ、消費者は今より安く買うことができる。
こうして、流通・小売に偏ったパワー・バランスを是正し、
利益の分配を適正化し、生産者・消費者双方の利益を守る、
これこそが協同組合の使命である。
「農家・漁師の踏ん張りこそが希望の光」
食料危機と深刻な農業危機が同時に到来しているが、
農の価値がさらに評価されるべき時代が来ている。
輸入に依存せず、国内消費で安全・高品質な食料供給ができる循環農業を目指す。
「農は国の基であり、農民は国の宝である」(賀川豊彦)
配布された資料の中で、賀川豊彦の言葉が出てきたことには感動しました。
やはり、通じるところがあります。
というより、協同組合運動を日本で始めたのは賀川豊彦ですから。
当然なんです。だから、前から言っているように、
賀川豊彦がもっと知られてもいい、知られるべきだと思っています。
そういえば、去年、東都生協に入ったんです。
いろいろまとめてご紹介しようと思っているうちに、日が経ってしまいました。
賀川豊彦にしても、この講座にしても、
生協の意味するところ、意義、役割が紹介され、
そこに関わることの重要性を改めて感じています。
東都生協については、入るきっかけなども含め、
改めてご紹介します。
とにかく、とにかく、鈴木宣弘先生の講座は
これまで受けた市民大学の中では、文句なくベストで、
素晴らしい講座でした。市民大学だけでなく、
これまで受けた講座の中でベストとも言えます。
受講して本当に良かったです。
もう、すっかりファンになりました。
食の危険性などを真剣に説明しながらも、
実は、家の中で賞味期限切れとかで人体実験をされているのは私なんです、
とか、自虐的なギャグ?を、さらりと織り交ぜているところが、
またサイコーです。三重県のご出身で、
関西系と言っていいのか分かりませんが(三重の立場はいつもビミョー)、
楽しいノリなんです。
先日ご紹介した最新の著書(こちら)は、12刷が決まったそうです。
それだけ感心を持っている人がいるということで、
嬉しいニュースですね。
ぜひぜひ読んでみてください!!!
今後も注目です。