左利き

左利きは男性に多く、全世界の10～20%いると言われています。
大抵2～3歳でしだいに個性化してどちらかの側の器用さが優位となり、利き手が確立します。
稀に両側の運動能力や器用さが対等の場合もあって、この場合は両手利きと呼ばれます。
利き手の原因は、どちらかの側の大脳半球の運動野がもう一方よりも発達しているためと考えられ、これによって支配されている反対側の手足の器用さが勝ることとなっているそうです。
左半球の運動野が優位な人は約65％と見積られ、これが右利きが多いことと繋げることは出来ますが、なぜ片方の運動野がもう一方よりも発達するかは明らかでないそうです。
しかし、利き手は文化によっても優位性が変化します。
たとえば、日本をはじめ東アジア諸国では右側尊重の伝統が強いので、左利き矯正への社会的圧力が高く、左利きは相対的に少ない状況にあります。
このように素質だけではなく、経験や学習によっても利き手は変わるのです。

そして、これまで右利きと左利きの違いが存在する科学的する理由は分からないままでした。
近年の心理学や生理学的な研究によって分かったことは、脳の両半球のそれぞれが、別の機能を制御する働きをしているということです。
右利きの人は左脳で論理的な働きである読み書き、計算、抽象的な思考などを行い、記憶や想像力、直感や創造などを右脳が行います。
各半球から出る指令は体の反対側を交差して制御するので、左脳からの信号は右手へ、右脳からの信号は左手へ送られます。
また左利きの場合、こうした脳の役割は正反対になり、論理的機能を支配するのが右脳、情緒的な機能を支配するのが左脳ということになります。

このことから、左と右の両手にはそれぞれ性格の違う要素が現れると言われています。
やはり、できる限り、左右をバランスよく使う必要がありそうです。