虹色仮面 通信

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名門チームの歴史的低迷

2020-09-03 06:33:22 | スポーツ
モータースポーツ.comより。

先日行なわれたF1ベルギーGPで最大の注目点となったのは、フェラーリ勢の低迷である。セバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールは揃って苦戦し、結局無得点に終わった。

しかしチーム代表のマッティア・ビノットは、サーキット特性によって引き起こされた一時的な不振であると信じているという。

「今のところ、危機という言葉を使うのは間違っていると思う」

ビノット代表はスカイ・イタリアにそう語った。

「たしかに今回の結果は、我々が経験している非常に厳しいシーズンの中でも、特に悪いモノだった。しかし、そうなることは分かっていた。冬のテストの段階で、その可能性は認識していたんだ。その後、マシンのアップデートが凍結され、開発を進めることが不可能になった」

ベルギーGPで大苦戦したことで、フェラーリの組織構造を変更する必要があるのではないかという議論も盛んになっている。ビノット代表が組織のトップに相応しくないのではないかという声も根強い。しかし代表自身は、チームの誰もが、復活を支えるために注力し続ける必要があると語る。

「我々は皆、現在の状況について責任を負う」

そうビノット代表は語る。

「私はチーム代表として、そしてマラネロで働く全ての人と同様にその責任を負う」

「我々は皆、同じ船に乗っている。チームは嵐の真っ只中にいるが、我々は団結している。そこには危機も、緊張もない。その代わりに、我々ひとりひとりが苦々しく思い、欲求不満を抱えている。しかしこの欲求不満を、決意に変える必要があると信じている」

苦しむフェラーリ。しかもこの後はモンツァ、ムジェロと、フェラーリの母国イタリアでのレースが待ち構えており、ムジェロでのレースでフェラーリはF1参戦1000レース目を迎える予定だ。そういった意味でもプレッシャーは高まっているようにも見える。

フェラーリの長年のファンに向けてどんなメッセージを発信できるか? そう尋ねられたビノット代表は、次のように語った。

「我々はファンの想いを理解している。本当に申し訳ない。それをまず最初に認め、そして本当に彼らに対して申し訳ないと思う」

「起きているのは、他のパワーユニットメーカーと同様、マシンのパワーを失ったということだ。そして我々が失ったパワーは、ライバルたちよりも大きかった」

「昨年、エンジンはマシンの限界を補うこともあった。しかし今年は、もはやそうではない。マシンの限界が浮き彫りになっている。その点を、改善しなければいけないことは明らかだ」〈了〉

F1を見始めてから、間もなく35年になりますが、ここまで弱いフェラーリを見るのは初めてです。
歴史的な低迷といえます。
2台とも完走しながら10位以下ってほとんど記憶にありません。

背景として、このチームはマネジメントが機能しない体質のようだ。
マネジメントが機能したときはチャンピオンを獲得したり、争ったりできるのだが、なかなかそれが持続されない特徴を有する。
基本的には、ラテン特有のムードで結果が上下する傾向がある。

またイタリア人による純血主義のときは混迷する傾向も見られる。
現在は技術者であるビノット氏が代表を務めているが、彼はマネージャータイプではない。
やはりキーになる人材も不足し、育成や人材獲得をしてこなかったツケが現れたと言えよう。

また直近の技術面でいえば、何と言ってもパワーユニットの不正疑惑(ほぼクロ判定)により、厳しく規制がされ、F1界で最も非力なパワーユニットになってしまったこと。
加えて、それらの対策に追われ、本来の開発が滞ったことも追い打ちをかけてしまった。
車体についても、開発の連続性がなく、他チームの良いとこ取りばかりして、オリジナリティ(ストロングポイント)が感じられないのも名門チームとしてよろしく(物足り)ない。

すべてビジョンに欠け、目先ばかりを追ってきたマネジメントの稚拙さにあると感じている。
F1界の象徴でもあるフェラーリが低迷すると、やはりシリーズ全体に活気が出てこない。
日本のプロ野球でいえば、阪神タイガースみたいな存在なのだ。

非は非で認め、一から出直す覚悟と、組織(マネジメント)の再構築が急務である。
2022年には、大幅な車両規定も実施される。
早くやらないと、そこでも出遅れるだけでなく、市販車(高級スポーツカー)の販売にも多分に影響するに違いない。
誰もF1で後ろを走っているメーカーのスポーツカーを欲しくはならないからね。

責任者への追求(犯人探し)よりも、迅速に組織変革しないとかなりヤバイと予想しています。
さぁどう推移していくのだろうか?見ものである。