第953話 この世の不条理

2015年04月23日 06時42分40秒 | Weblog

俳優、バイク事故死のニュース。

突然の訃報に驚き、ご冥福を祈りながら 私には 思い出さずにはいられない人がいる。

劇団の旗揚げ公演を行う時、ご出演いただいたKさんのことだ。

 

とても真面目な方で、いつも この世の不条理 を表現しようとしていた。

Kさんが、うつ病を患っているので、(出演は) 難しいかもしれない とおっしゃった時、

この役は、あなたしかいない、ぜひとも あなたにお願いしたい と

すべてを受け入れたつもりだったが、

稽古が始まって 彼の深刻な病と向き合うことになる。

ご本人の気持ちと関係なく、それはやってきて、

時に、それは薬による眠りとなり、気分による不在となり、稽古がうまく進まない。

自分の希望に こんなにも振り回されることになろうとは・・・

公演日に至るまで 私はやり場のない怒りや嫌悪、そんな様々な気持ちを抱え、

迎えた公演当日、Kさんは、私が望んだとおり すばらしい役者さんだった。

 

それからしばらくたった後、 Kさんがバイク事故にてお亡くなりになった知らせが入る。

それは、薬によるものなのか、気分によるものか、本人の自覚はあったのか、

それとも ご本人の意思とは関係のないものなのか・・・問いかけながら 私はお通夜に向かった。

Kさんがいつも訴えたかった 世の中の不条理 を いつか絶対観たいと思っていたのに・・・

不条理、不条理、私の心の中でこだました言葉は、あの夜、あの人に向かって ずっと放たれていた。

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第952話 一日千秋の思い 

2015年04月23日 04時43分43秒 | Weblog

一日千秋・・・一日が非常に長く感じられ、待ち焦がれる気持ちが非常に強いこと。

相手を待つ切実な思いを表す言葉。

一方的な告白をした後、相手からの返事を待ち、

その返事がどうかご快諾でありますようにと心から祈りながら過ごす時間、

この定まらない今が一番辛い。


決裁を待つ。 稟議書(提案)の回答を待つ。 先方からの返事を待つ。

社会人は、自分のペースで仕事ができないことの方が 圧倒的に多い。

ぜひ この企画は通したい。 思い入れが強ければ、強いほど 待つ時間の長さに苦しむ。

今 待機中の問題は、取材交渉依頼と取材日の選出。

経費面含め取材日が4日設定に対し、取材対象者が8人。

まず、取材を受けてもいいですよ という先方の気持ちのハードルに加え、

ご提示いただいた取材日にこちらの調整を加えなければならない状況。

私は、何度も繰り返される細かな校正作業より、始まる前のこの調整段階の時期が一番苦しい。

ここ1ヶ月ずっと、一日千秋の思いで過ごし、届いたメールに一喜一憂する日々である。


すべての点がひとつの線につながる前のこの状況。

早く決着がついて欲しい、全員ご快諾であって欲しい、

残念ながら叶わぬ場合もあろう、その場合はどんな策でいくか・・・も考えながら、

やり取りを繰り返し、先方様からの返事を ひたすら待つ

周りから 何も進んでいないように見えるかもしれないが、

一日千秋の思いに 精神疲労困憊中である(笑)  



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