昨年10月期放送の連続ドラマ「セクシー田中さん」原作者で漫画家の芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題について、正式に謝罪があった。
この問題。非常に根が深く、随分前から問題視されていたのに、真摯な対応がとられてこなかった感がある。
今回の発表を読み、少しホッとした。
日本にも、モラルは生き残っていたらしい。
こうして、個人的にでもコメントを載せるというのは、すごいことだと思う。なかなか出来ることではないし、心を打たれた。
この報告を機に、原作完結前の映像化に際し、原作者の権利が守られることを、切に祈る。
以下、記事より
公益社団法人日本漫画家協会理事長を務める里中満智子氏のコメントも掲載。里中氏は協会を代表してではなく「あくまで漫画家としての個人の見解」と前置きして「やっぱり、原作に愛情をもっていただきたい」と訴えた。
自身の作品については「ご自由にどうぞ。口だししないから、できたものを楽しみにしています」というスタンスだとしつつ、「このスタンスは漫画家によって、また同じ作者であっても作品によって本当にいろいろ」と漫画家や作品によってスタンスが異なると説明した。
「セクシー田中さん」は原作が連載中であったことから、ドラマ9、10話はドラマオリジナルとなる見込みだったがプロットなどを確認した芦原さんが「キャラブレ」などを指摘。9、10話のドラマオリジナル部分については「創作」を入れないでほしいとして、芦原さんが脚本を執筆した。里中氏は「1話完結型の漫画ならいいいですが、物語が繋がっている場合は、ドラマ化は最終回を迎えるまで待っていただきたい」とし、「漫画を創っていて、途中で考えが変わって結末を変えたりすることがあるからです」と理由を説明。
そしてドラマ制作側に“原作への愛情”があることが大前提だとし、「その作品が好きだから、その作品を何とか違う形で、別の味わい方をさせたいという意欲があって映像化なさるのが最低条件だと思います。『今人気があるから』とか『どこかが手を付ける前にうちが』という思いがテレビ局側にあるからかもしれませんが、作品に愛情を持ち、『ぜひ映像化したいのですが、最終回まで待ちますので考えておいてくれませんか』『連載途中でもそろそろ映像化してもいいと思われたらぜひご連絡ください』など、誠意を持ってアプローチしてほしいです」と要望した。
原作者とドラマ制作側の「ミスコミュニケーション」を防ぐために、里中氏は「まずは制作側から『膝を突き合わせてお話したいのですがいかがですか』と申し出ることは基本としてあっていいと思います」と提言。会うことが重荷になる漫画家もいるとし、「意思確認の方法を決めておくことは必要」とした。
里中氏は漫画家の立場として「映像化や契約について、特に若い漫画家の中には『これで仕事を切られたらどうしよう』と不安になり、出版社に対して自分の考えを言えなかったり、断れないものだと思い込んでいる人がいます」と説明。漫画家協会として「条件をしっかり確認し、不本意な場合は契約を結ばないでとアドバイスをしたり、声を上げにくい場合は相談してほしいと呼びかけています」とし、漫画家側が意見を言える環境作りも大切だとした。