いま、やまざくらが満開です。春らんまん。私の家の桜も美しくしずかに咲いています。春のうたをいくつか集めて見ました。
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この里に旅寝しぬべし桜花散りのまがひに家路忘れて 読人しらず
散りのまがひ : 入り交じってしきりに散ること(広辞苑)
空蝉の世にも似たるか花桜咲くと見しまにかつ散りにけり 読人しらず
わが家の山桜 樹齢50年以上?
春の夜の夢の浮き橋途絶えして嶺に別るる横雲の空 藤原定家
花は散りその色となくながむればむなしき空にはるさめぞ降る 式子内親王
儚くて過ぎにしかたを数ふれば花に物思ふ春ぞ経(へ)にける 式子内親王
月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身ひとつはもとの身にして 在原業平
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春のうたは、花つまり桜の歌が多いです。第一首のように、降りしきる花の光景を惜しんで帰りたくないというものもありますが、さくらは花の時期が短いため、人生のはかなさを重ねて思うせいか、さびしい、世をはかなむ歌が多いようです。