家から20分程歩いた、5人も客がいれば一杯になりそうな小さな古書店があります。品揃えはコミックスが中心で幾ばくか文庫や新書を置いてある位で、ハードカバーとか専門書とかはほとんど見ることがありません。店の前の通りが近隣の小学校、中学校、高校の通学路になっており、多分その子供達が主な顧客なのでしょう。私としては、家から比較的近いのと、価格設定がわりと安価なこと、文庫などで時たま欲しい物が見つかったりすることがあったりするので、月に一度くらいは散歩途中にのぞきに行きます。小さな狭い店ですが、私が立ち寄る僅かな機会では滅多に外に客が居たことがなく、私以外にヒトは、店内の一番隅の一角の半畳ほどのスペースに鎮座して、いつも本を磨いている、60過ぎ位にみえる初老の小柄な女性店主だけです。
そんな店に、先月の末頃立ち寄った際、あまり食指の動いた本がなかったので、10冊くらいのシリーズの文庫がバラ売りされていた中の最初の2巻を、ものは試しと買って帰りました。ここに来ると、いいものが見つかったときはもちろん、見つからない時でも、とにかく目についた本を何か1冊は買って帰るようにしているのです。
で、それが思いの外面白かったので、残りのシリーズを全部引き取ろうと、数日後また散歩の途中で立ち寄りましたら、店が開いていません。いえ、シャッターは開いて、入り口のガラス扉から覗いてみると店内の電灯は点いているのですが、いつもドア近くのスペースに鎮座している店主の姿が見えず、ガラス扉には鍵がかかっていて開かないのです。その日は、まあしょうがない、と特に疑問にも覚えず帰りましたが、その日からそのシリーズを入手するのに、今日までかかりました。そう毎日も行ったわけではないのですが、それでも散歩コースを全てその店の前を通るようにして、週に最低2回は店に出向きました。が、ことごとく施錠されたガラス扉に阻まれてしまいました。訪う時間を変えてみたり、一旦通りすぎて十数分後にまた再訪してみたり、色々やってみたのですが結局うまく行きませんでした。店の入口には一応インタホンがあって、ものは試しと押しても見たのですが、何の反応もなく、あきらめざるを得ませんでした。で、今日、店の開店時間にあわせて出かけてみました。さすがに店主も開店時間には捕まえられるだろう、と踏んでの行動だったのですが、なんと今度はシャッターが降りたままです。まさか臨時休業か? と疑いましたが、そういう場合は必ずシャッターに手書きの張り紙があり、今日の場合はそれがありません。しょうがないので帰ろうかとも思ったのですが、新刊の本も欲しかったこともあり、一旦ルートを変えて更に15分ほど行ったところにある書店へ行って目的の本を購入後、立ち戻ってみましたら、今度はちゃんと開いていて、ガラス扉の鍵もかかっておらず、無事店に入ることができました。
ようやくにして目的の本を購入し、会計を済ませながら、店主にこれまでの経緯を簡単に語りかけてみましたら、たまたま奥で雑事にかまけていたりお茶を飲んだりしている時があって、その時は用心のため一応鍵を掛けてあるのだとか。また、インタホンは故障していて使えないのだそうでした。
申し訳なさそうに頭を下げる店主の女性に対し、まあ私としては手を変え品を変えて空いているタイミングを図るのはちょっとしたゲーム感覚でそれはそれで楽しかったので、気にしないで下さい、と手を振って店を出ましたが、ひょっとしたら中には腹を立てるようなお客も居たかもとは思いました。まあ値段設定とかお客の少なさとか見てますと儲けはそもそも考えてなさそうなお店ですし、その状態でもう何年も商いをされているので、ここはそういうお店だと思って運試し位のつもりで行くのが正しいところなのでしょう。
なんにせよ、今は1ダースの未読の文庫本を脇に積み上げてあるのが嬉しくて、しばらくは活字にどっぷり浸っていられそうでほくほくしています。
そんな店に、先月の末頃立ち寄った際、あまり食指の動いた本がなかったので、10冊くらいのシリーズの文庫がバラ売りされていた中の最初の2巻を、ものは試しと買って帰りました。ここに来ると、いいものが見つかったときはもちろん、見つからない時でも、とにかく目についた本を何か1冊は買って帰るようにしているのです。
で、それが思いの外面白かったので、残りのシリーズを全部引き取ろうと、数日後また散歩の途中で立ち寄りましたら、店が開いていません。いえ、シャッターは開いて、入り口のガラス扉から覗いてみると店内の電灯は点いているのですが、いつもドア近くのスペースに鎮座している店主の姿が見えず、ガラス扉には鍵がかかっていて開かないのです。その日は、まあしょうがない、と特に疑問にも覚えず帰りましたが、その日からそのシリーズを入手するのに、今日までかかりました。そう毎日も行ったわけではないのですが、それでも散歩コースを全てその店の前を通るようにして、週に最低2回は店に出向きました。が、ことごとく施錠されたガラス扉に阻まれてしまいました。訪う時間を変えてみたり、一旦通りすぎて十数分後にまた再訪してみたり、色々やってみたのですが結局うまく行きませんでした。店の入口には一応インタホンがあって、ものは試しと押しても見たのですが、何の反応もなく、あきらめざるを得ませんでした。で、今日、店の開店時間にあわせて出かけてみました。さすがに店主も開店時間には捕まえられるだろう、と踏んでの行動だったのですが、なんと今度はシャッターが降りたままです。まさか臨時休業か? と疑いましたが、そういう場合は必ずシャッターに手書きの張り紙があり、今日の場合はそれがありません。しょうがないので帰ろうかとも思ったのですが、新刊の本も欲しかったこともあり、一旦ルートを変えて更に15分ほど行ったところにある書店へ行って目的の本を購入後、立ち戻ってみましたら、今度はちゃんと開いていて、ガラス扉の鍵もかかっておらず、無事店に入ることができました。
ようやくにして目的の本を購入し、会計を済ませながら、店主にこれまでの経緯を簡単に語りかけてみましたら、たまたま奥で雑事にかまけていたりお茶を飲んだりしている時があって、その時は用心のため一応鍵を掛けてあるのだとか。また、インタホンは故障していて使えないのだそうでした。
申し訳なさそうに頭を下げる店主の女性に対し、まあ私としては手を変え品を変えて空いているタイミングを図るのはちょっとしたゲーム感覚でそれはそれで楽しかったので、気にしないで下さい、と手を振って店を出ましたが、ひょっとしたら中には腹を立てるようなお客も居たかもとは思いました。まあ値段設定とかお客の少なさとか見てますと儲けはそもそも考えてなさそうなお店ですし、その状態でもう何年も商いをされているので、ここはそういうお店だと思って運試し位のつもりで行くのが正しいところなのでしょう。
なんにせよ、今は1ダースの未読の文庫本を脇に積み上げてあるのが嬉しくて、しばらくは活字にどっぷり浸っていられそうでほくほくしています。