私たちは現時点で、効果があるとはっきりしたワクチンや治療薬がまだ見つからないまま、新型コロナウィルスが存在する状況の中で暮らしていく、いわゆるウィズコロナの時代を生きています。
日本においては4月に大都市圏を中心に流行の第一波が現れました。緊急事態宣言などで全国的に自粛の形で行動抑制が行われた結果、5月のゴールデンウィーク以降、感染拡大は沈静化していますが、6月半ばになって東京などで感染者が出ている状況を考えると、社会のどこに潜んでいるのかを考え、対処に取り組む必要があるでしょう。
第二波といわれる感染拡大の状況が秋から冬にかけて起こることが想定されるところで、そのような状況が起こらないようにすることはもちろんですが、もしそのような状況になったときに、私たちがどのように対応するのか、それらのことを考えることも重要です。
このようなことを考えるためには、これまでの行政業務の延長で考えるのではなく、多様な知見や意見を取り入れることができ、またその場で、行政の論理にとらわれず議論ができる「第三者会議」を設置して、鈴鹿市なら鈴鹿市にあった施策や取り組み、対応を検討して実施につなげることが必要だと考えます。
第三者会議は市に関係のある、医学関係、高齢者福祉関係、学校教育関係、幼保関係、経済関係、ソーシャルワーカー、公共政策関係のような人たちで構成してはと考えます。ただ、「第三者会議」は設置することが目的なのではなく、議論をした上でこれから先に進むための方向性を示すことや、出てきていることについて、政治の利害関係から離れたところで考えて意見することが目的です。
6月12日開催の特別委員会で同様の意見を、また行政にもメールで意見を出していたのですが、特別委員会の答弁では「医師会などに意見を聴いている」というレベルでの返答で、鈴鹿市の課題を感じるところでした。
市の行っている「新型コロナウィルス感染症対策本部会議」のメンバーは部長クラスが出席し、防災危機管理課と健康づくり課が担当となっているのですが、実は4月の人事異動で多くの部長が入れ替わったり、担当課長も変わったりしています。そのような状況で広範に、かつ深く議論ができるかと考えると、負担も大きいでしょうし、難しいのではないかと思います。
各部長が通常の業務対応も行いながら、新型コロナウィルス対策を考えなければいけないというのであれば、やはり第三者の知見や意見で整理されたものを下地に、市の方向を考えることは合理的ではないかと考えます。また、起こった事案への対応や、国や県の方針に沿った形だけでなく、想定される事態を事前に考え、それらに対する対応案を複数持っておくことは、財源面の検討も含めて、臨機応変な対応にもつながると考えます。
夏の間に立ち上げ、集中的に対策を検討することが、鈴鹿市に必要なことだと、私は考えています。市には、継続して訴えていきたいと思います。
【参考】市に対して送信した内容>>>>>>>>
■第三者会議の設置とリスク把握について
送信先:防災危機管理課、健康づくり課、総合政策課、総務課、秘書課
学校も再開され、市内では1月以降において市民の方に新型コロナウィルス感染もなく、県内においても1か月以上感染報告もなく入院者もいない状態になりました。しかし、北九州や東京では感染事例が報告されるなど、ウィズコロナのフェーズに入ったことを感じさせられます。このような状況の中でできることは、次の感染症流行の時期はもちろん、新型コロナウィルスの第二波、第三波がくるであろう前に、想定される状況やリスクを洗い出し、それに対する対応を事前に考えておくことだと思います。そこで以下の内容を提案させて頂きたいと思います。内容については、議会特別委員会に出す内容と重複しますので、回答を早急に求めるものではありませんが、ご検討いただければ幸いです。
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〇第三者会議の設置について
新型コロナウィルスへの対策について、国や県の指針などを参酌しながら、医師会などのアドバイスを求め、これまでも鈴鹿市の方針を定めていると思います。この件について、6月1日までは発生した状況などに対応していく形だったと思いますが、ウィズコロナの時代、今秋から来春にかけて第二波や第三波の可能性、他の感染症の流行なども考えられることから、1月から5月までの状況や対処を整理し、夏季の間に想定される状況に対するシナリオを作成してはどうかと考えます。
そのためにも、感染症の専門家、医師会、福祉事業者関係者、学校教育関係者、幼保関係者、学童保育関係者、市社会福祉協議会、市内経済関係者、県内経済コンサルタント、社会心理学等を学んだソーシャルワーカー、公共政策関係学識者などで構成される検討会議を設置し、想定される状況とそれに対するリスク把握、対策手法の洗い出しに取り組んで頂いてはどうでしょうか。
ウィズコロナの時代への対応、鈴鹿市の地域社会全体に広がる課題は、ひとつのことはそれだけで完結するのではなく、複数の課題と関わってくることになります。例えば、夏季における学校での感染防止対策と、飲食店をはじめとした経済活動の活性化は、別の次元にあるのではなく、実際は、鈴鹿市内における感染症の状況をどのように把握、分析して考え、市民の皆さんの行動とつなげるかというところで共通していると思います。そしてこれは、感染症などの医学的観点だけではなく、経済や社会行動との関連などと重なってきます。そのためには多様な視点で議論する必要があると考えるところです。ですから、第三者検討会議を設置し、そこで行われた議事内容と会議結果を参考に、対策本部会議で政策決定を行う形が、臨機応変かつスピーディに課題に対応していけると考えます。
また、国や県の指針をそのままではなく、鈴鹿市として考えを整理し発信することが可能になることで、行政に対する信頼度が上がることも考えられます。会議の実施に当たっては、はじめはリアルで話す機会が必要とは思いますが、オンライン会議システムを活用することで、場と時間の制約を極力小さくできると考えます。あわせて、このような検討会議を設置することは、行政内で考えられる施策などの検証と検討を行えるだけではなく、議会を通じて提起される課題についても検討を行っていただけることが期待でき、政策判断にあたってもプラス面があると考えます。
第三者会議の設置をぜひご検討いただきたいと思います。
〇リスクの把握について
現在、鈴鹿市における新型コロナウィルスの感染可能性について、どの程度のリスクがあると把握されているのでしょうか。先にも書きましたが、1月から現在に至るまで鈴鹿市内では、市民間での感染事例は発生していないはずです。また、3月末の市内での陸上講習会を契機とした感染事例や、県内他市での発生事例を考えると、三重県外との人の移動や接触が感染事例に影響しており、それ以外は身近な人の間の感染ではないでしょうか。このような中での感染可能性はいったいどのような状況であるのかがわからないまま、国から示された新しい行動様式にそって、社会・経済活動を行っているのが現状でしょう。
このような状況下では、「感染リスクを避ける」という言葉のもとに、相互に不信感を持つような行動を行うことが多くなると考えられ、それは自粛警察といわれる行動などにもつながるでしょうし、経済活動再開に対する脚の重さにもつながるのではないでしょうか。加えて、学校における児童・生徒の活動についても、適切に感染リスク等を調査し、その状況を踏まえながら、感染予防対策をリスクに応じた必要最小限に止めたほうが、児童・生徒のメンタルケアにも重要ではないかと考えますし、過剰にすることで想定される健康面の負担も減るのではないかと思います。
この点について、保健所も関係するところと思いますが、思考停止に陥らず、鈴鹿市としてリスクを調査把握し、その情報を市民の皆さんに提示しながら、政策選択を行っていただくようにしてはどうかと意見させて頂きます。
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