鈴鹿市議会議員 中西だいすけの活動日誌

鈴鹿市議会議員として年齢も含め5期目のベテランになりました。日々の活動や感じたこと、議会での動きなどをつづります。

子どもを起点に考える②

2020年06月18日 15時00分43秒 | Weblog

 前回のブログ「子どもを起点に考える①」で、文部科学省の「新型コロナウィルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」を取り上げましたが、目を通していて少し違和感を感じていました。それは決して間違ったことではないのですが、書かれていることは学校のことばかりであって、外の社会との関係がどのようなものなのか、どのように関係していくのかという点がよくわからなかったからです。学校のことは子どもたちのことでもあって、子どもを起点に考える視点が入らないと、学校は厳しい状況となる可能性が高いのではないでしょうか。

 おそらくこのようなことだろうというイメージ図を作成してみました。使用したイラストは、「いらすとや https://www.irasutoya.com/」のものです。

 学校が注目され、学校で子供たちを介して新型コロナウィルスの感染拡大がないようにする、学校をクラスターにしない、そのために手洗いなどの励行にはじまって、マスクやフェイスシールドの着用、密集や密接の状況にならないための取り組みなど、学校で感染と感染拡大予防のための措置が検討され実施されています。このこと自体を間違いというつもりはありませんが、視点を変えて考える必要があると思います。

 なぜなら、子どもたちの成長や健康を考えれば、マスクなどをできるだけ着用せずに学校生活ができるほうがいいと考えますし、また、学校は社会と切り離されて存在しているのではなく、社会と地続きで、社会の一部として存在していると考えるからです。後者の社会との関係についてイラストで表現しましたが、児童・生徒は学校だけにいるわけではなく、家庭を通じて外の社会と接点を持っていたり、自分たち自身も外出などの機会に接点を持っているはずです。

 学校の外の社会について、ウィルスの終息が確定していない以上、ウィルスは社会のどこかに潜んでいると考えるべきです。いまも東京で感染者が毎日出ていたり、他の地域でも散見されるのは、ウィルスが潜んでいるコミュニティが存在していることを示していると思いますし、感染者の人たちもそこだけで完結して暮らしているわけではないことを考えると、感染者の出ている地域との間の人の移動や、意図せず他の人と密になったりするなど、なにかの機会を通じて、ウィルスが社会に出てくる可能性は高いと考えてよいのではないでしょうか。

 とすれば、家庭では保護者の就労などの形で、児童・生徒の友達や友人、知り合いの人たちなども社会活動の中で、潜在的に感染リスクに触れていると考えられます。さらにそれぞれの人は、多くの人と接点を持っている可能性があり、加えて不特定多数の人たちの可能性を考えれば、学校外の社会での感染リスクは大きなものと考えられます。ですから、インフルエンザもそうだと思いますが、学校外でウィルス感染症に罹患することで、学校にウィルスを運んでくることになり、結果として、学校が感染拡大の場になるということでしょう。

 ということは、子どもたち、児童・生徒が新型コロナウィルスに感染することなく、学校が安心して学ぶことができる場所であるためには、学校での感染予防と感染拡大予防の取り組みだけでなく、学校外での予防を考えて行動することも重要ではないでしょうか。そのためには厚生労働省から公表されている「新しい生活様式」や、三重県が公表している「三重県指針 ver.2」などを参考にしながら、家庭での生活のあり方や外出時の行動について、私たち自身も十分な配慮と自分を律する意識を持つ必要があるのだと思います。

■厚生労働省:新型コロナウィルスを想定した「新しい生活様式」

■三重県:新型コロナウィルス感染症拡大防止に向けた『三重県指針』Ver.2

 では鈴鹿市として学校以外の行動について、どのように働きかけることが考えられるのかを考えるといろいろありますが、例えば次のようなことはどうかと考えます。

 まず児童・生徒に学校での活動を持続的にするために、一人ひとりが感染しないように気をつけること、そのために学校外の行動で気をつけることや、手洗いなどの行動を行うことを、他の地域での事例を交えながら、ホームルームなどの時間に先生が話すことが考えられます。児童・生徒に正確な情報を伝えて、自分で考える時間をつくることは、見た目の行動以上に子どもたちの感染リスクを下げることができるのではないでしょうか。

 家庭について考えると、帰宅後の手洗いはもちろんですが、場合によっては、入浴もできるだけ帰宅順に行うことも考えられるのではないでしょうか。また、仕事で他の地域の人と触れ合う機会が多いのであれば、家庭内でも「新しい生活様式」を意識してもらうことを、配布物などの形で子どもたちを通じて、大人に啓発してはどうかと考えます。

 広く一般の鈴鹿市内でのことを考えると、医療政策などの面も考えられますが、啓発的な側面で考えると、感染リスクがどのようなことに潜んでいるのか、また、もし市民の間で感染事例が出た場合、どのような対処を取ることになるのかを想定して、そのこともあわせて市民の皆さんに知ってもらい、自分を律しながらの行動を心がけてもらうことになるのではないかと思います。

 なぜこのようにしたほうが良いのか、それは私たち自身の生活を守ることはもちろんですが、新型コロナウィルスなどの感染症が拡大して、社会生活や経済活動に大きなブレーキをかけなければいけなくなると、そのツケは子どもたちに背負わせることになり、できるだけそれを避けるか、受ける影響を小さくする必要があるからだと、私は考えます。


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