買収による公職選挙法違反の疑いで、二人の国会議員の方が逮捕されました。関連してですが、同じ選挙区内で落選することになった同じ政党の対立候補よりも、党からの選挙資金が圧倒的に多かったことも話題になっていました。みなさんはこの件をどう考えていらっしゃるでしょうか。「他の地域のこと」「あの政党の問題」「個人の問題」などなどのような思いで、憤りを感じている方も多いでしょうし、逆に苦々しく感じる方や擁護するような気持ちを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
自分はもちろん怒りを感じますし、事実であるなら応分の処分をそれぞれに受けるべきと思いますし、政党の責任も問われると思います。しかしそれらだけで今回の件を考えるのではいけないと考えています。議員や首長など政治に関わる人たちは「選挙に落ちればただの人」と言われます。だからと言って、当選することが免罪符だということでもないはずです。
自分自身でも4回選挙を経験していますが、その他にもこれまでに関わらせて頂いた選挙や、いろいろな方の話を聞いていても、選挙にはきな臭い話や怪文書の存在、公職選挙法との関係で問題があるような話を聞いたりしてきています。そのようなことを考えると、今回の件を個人の問題に帰結させてしまうのではなく、私たちの社会と選挙のあり方という視点から考える必要があると思います。
当選し議員などの立場になることは意義のあることです。支援する方が当選されることは、支援される方々にとっても意義のあることになると思います。
しかし議員や首長は、「法を守ること」「法に則ること」があってこそ、自分の職務が務まるものだと思います。それなのに、選挙のときに法を破ること、限りなく黒に近いグレーの行為を行うことをよしとしてしまっては、大前提が崩れてしまうのではないでしょうか。選挙で法を軽視するように行動するような人が、法に則って職務を務められるかといえば、私はそう思えません。
また、そのような感覚が麻痺した人が多い状態では、社会規範から逸脱するような行動が見受けられるようになるでしょうし、社会的公正に基づいた行動は軽んじられる風潮になる可能性があるのではないでしょうか。そのような状態が、長い目で見て私たちの社会をよいものにしていくでしょうか、決してそのようなことはないと思います。
そのように考えていくと、今回の事件をそのまま流してしまうのではなく、いま一度、身近な地方議会も含めて見つめ、私たち自身も考える必要があるのだと思います。
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