御承知の通り、本業の「建築士事務所」の傍ら、副業というとおこがましいぐらい利益など
まったく出ないような「古物」を扱ってはいるのですが、「古いものとの新しい出会い」以外にも
今まで出会うことが出来なかった人との出会いも経験させていただいております。
ひょんなことから、お話しするようになった地元のお方のお話し相手として御家へ伺った折
「今度、来たら渡そうと思ってた」と言いながら鼠に齧られた古びた本を2冊差し出される。
その方は私の本業のこともご存知で以前、伺った時にも家についても色々と質問もされていたのを思い出す。
中を開けると建築の専門誌であることは直ぐに理解出来たのですが、その末尾を見て驚き。
「明治42年」。。。何と104年前の専門誌・・・。
もう一冊の方も「大正7年」(今から95年前)
「こんな貴重なもの、地元の図書館にでも寄贈しては?」と申し上げるも「アンタに持ってて欲しい」とのこと。
申し訳ないやらで恐縮しながらも、糸が切れ製本がバラけてしまった本を持ち帰り、ページを確認しながら
糸を通し製本しなおす。
「千円以下で出来る理想の住宅」。。。何処かで聞いたことのあるフレーズ。
今から百年も前に、このフレーズがあったこと・・・。というか、百年経っても出版社が同じフレーズしか
考えられないことに成長の無さを感じたり・・・(笑)
大切に所蔵させていただきます。土花亭事務所の小さな書庫に。。。