先週、土花亭で暫く過ごしていた「ミヤマ」は決勝を待たずして何処かへ飛び立っていった。。。
個性が強い撫子のメンバーをひとつにまとめ、そして引っ張って来た。
先の大敗を喫した決勝のピッチ、後半20分過ぎ。
突然、ベンチから3バックの指示が出る。。。混乱する撫子たち。
右SBを一列上げさせようとするベンチ。。。アウェイのような大歓声の中、ベンチの指示が上手く届かない。
今まで4バックでずうっとやって来た撫子DF陣。
「上がれ」の意味が通じない中、彼女は叫ぶ。。。「下がれ!」。
彼女にとってみれば「今更?この場におよんで? 何っ?!」。とでも言いたかったのかも知れない。
今まで代表の合宿でも一度もやったことのない3バックをこの決勝の場で何故、指示するのか。。。
ベンチの指示が出てから数分、3バックもどきのシステムを維持するも、やがて自然に4バックに戻り敗戦のホイッスルが鳴る。
帰国直後の空港近くでの公開記者会見。
監督、協会、彼女と3人が並んだ会見の場での記者の最後の質問に彼女が答える。
「もう少し、代表の試合や合宿を増やせていたら違った経験が出来、新たな力になったと思う」
これは公開の場での直談判ともいえ、彼女の目は隣の監督や協会の方を向くこともなく
真っすぐ一点を見据え、カメラに向かって訴えているかのようにみえた。
実際、女子代表の試合数や合宿は男子に比べ少なく、連係プレイを重視する撫子たちにとっては
あまりにも時間が少な過ぎる。
私たちが思う女子サッカーの「不遇」とは、ただ単に「待遇、処遇」ということを問題にしがちですが
彼女の思いはもっと深いところにあるのかも知れない。。。