昔話が続いてきたが、ここらで最新の乗り潰しを書いてみようかと思う。まずは乗りたてほやほやの福島交通から…。7月21日、22日に南東北の乗り残した私鉄の乗り潰しへ向かうべく仙台空港鉄道が開業した3月頃から計画を入念に立て、博打とも思えるANAの旅割予約を2か月前に済ませて遠征を実行した。2か月前に当日が雨が降るとは思ってもみなかったので、当然ながら雨天決行。旅割のキャンセル料は恐ろしく高いので、花よりも実を取り、乗り潰しに専念するということで撮影は半ば断念しての強行軍となった。しかも、悪いことに計画では大阪から急行きたぐにに乗り、新潟から白新線~羽越線~米坂線と乗り継いで今泉に出て、山形鉄道を潰してから福島へ向かって福島交通を攻める行程を組んでいたが、1週間前に発生した中越沖地震により信越線が不通となり、当然ながら急行きたぐにも長期運休ということで計画が白紙に戻った。通常なら旅行を取りやめるところだが、旅割の件もあったので、ルートを変更して実行することに…うまい具合にサイバーステーションを当たってみるとサンライズ出雲の指定に空きが出ていたので、速効チケットをGETして、東京回りで旅程を組んで南東北征伐へと出陣した。
20日深夜に大阪駅に着き、日付が変わった21日の0時34分のサンライズ出雲に乗車。週末だけに満席だったが、個室の入り具合は今一つだったよう。指定券だけで乗れるのびのび座席と個室とは言え、暴利と言える寝台料金がかかる個室寝台では人気の差が出て当然と言えよう。横になれるというメリットだけを追求すればのびのび座席はかなり使える代物と言える。但し、枕がないという欠点はあるので、この席を利用される方は枕を準備するか、枕代わりの物を持参しなければならない。
東京到着後は新幹線で福島へ 飛ぶ。18を使用するつもりで、東京から在来線を乗り継ぐことも考えていたが、サンライズが10分程度遅れたことと、福島での余裕時間を考えて清水の舞台から飛び降りて新幹線に乗った。18も福島~山形間で一部途中下車して使用するだけなので如何にも勿体無いが、私鉄乗り潰し優先なので仕方ない。福島まで乗ったMAXやまびこは指定席こそ満席だったが、自由席はほんまに指定満席か?というような乗り具合だった。リクライニングしない3-3シートは好きになれないが東海道山陽からは消えてしまった2階建ての眺望は捨て難いものがある。
福島までは何とか空模様も持ってくれていてドン曇りという感じだったが、福島に着いて、少し山形新幹線の撮影などをしていると雨が降り出し、本命の福島交通に乗る頃には土砂降りになっていた。雨に降られては撮影もままならないが、とりあえず屋外での撮影は無理なので駅撮りだけで我慢して、飯坂温泉までのミニトリップを楽しんだ。終点が温泉地だけに観光客が多いのかと思っていたら、以外にも地元の利用者が大半を占めており、予想以上によく乗っていた。利用者層も高校生やお年寄りだけでなく、幅広い利用者層が見られ、県庁所在地福島近郊の足として役割を担っている印象があった。こういった利用者の動向をみるとくりはら田園鉄道や近々廃止になる三木鉄道などのようにJR線でも都市から離れた近郊の駅から発着しているという路線よりも、福島交通のように県庁所在地級の都市に中心役を構えて郊外へ路線を延ばしている路線は強いなと思う。各都市にはモータリゼーションなどから廃止に追い込まれた私鉄路線も多いが、農村部を走るJRの赤字ローカル線と比べれば利用者も多かっただろうし、立て直す余地もなんぼかあったと思われる。福島交通も安穏とはしていられないだろうが、利用者を維持していく素地は十分にあると思われる。福島市民と一体となった鉄道として末長く活躍をつづけてほしいものだ。