山形新幹線には04年の正月にJR東日本の正月パスを利用して東北地区各線などの乗り潰しをした時に初めて乗っている。仙台に宿泊して、朝一の仙台始発のこまちで秋田まで行き、秋田から折り返し快速電車で新庄まで戻った。グリーン車も乗れるタイプのフリー切符だったが、切符の入手が年末に東京入りしてからだったので、新庄からのつばさは指定しか取れなかったので普通車指定席で東京まで乗り通した。G車でないのが残念と言えばそれまでだが、窓側の指定を確保できただけでも感謝しなければならない。自由席だったら新庄での短い乗り継ぎ時間を考えればたぶん座れていなかっただろう。車内は山形からかなり混雑して満席状態だったので身動きも取れず、ずっと車窓を眺めているだけだった。動いたとしてもフリースペースなどないので、トイレに立つ程度なので、ずっと座っていたとしても仕方ない。そういった意味ではかぶりつき好きにとっては新幹線の旅はつまらないところもある。在来線を130㎞/h前後の速度で飛ばして、米沢からの峠越えではさすがの“新幹線”も速度を落として峠を下って行く。急坂を下っていくため抑速していかなければならないのだろうが、新幹線としては如何にも物足りない走りだった。新幹線との結合部の福島は通り過ぎただけで、MAXとの連結なども見ずじまいだった。
山形新幹線にはそれ以来乗っていないが、板谷峠越えは普通電車でじっくり見てみたいという思いがあったので、機会があればもう一度訪れようという思いはあった。その機会はしばらくなかったが、個人的に目標としている乗り潰しが佳境に入り、JRはすべて制覇し、私鉄も残りわずかということで、山形鉄道や福島交通の乗り潰しを計画し、そこに板谷峠を越えるルートを組み込んで乗りに行ったのが07年7月21日、22日の南東北遠征だ。福島交通からの乗継ぎ時間が少なかったことと食料の調達に時間を要したこともあって山形線電車には発車数分前に乗り込むことになり、何とか席にありつけたという感じだった。車内は18きっぱーと思われる旅行者風や鉄風の人が多く、数少ない電車だけに山へ入る前の庭坂までの地元利用者も結構いた。庭坂までは新幹線との合流部以外は特に見るべきものはなかったが、庭坂からの山岳区間は改めて険しく、厳しい線路条件だと再認識した。次の電車がないため米沢まで乗り通し、乗り継いで赤湯から山形鉄道の乗り潰しに向かったが、何か消化不良を感じ、山形に泊まった翌
朝、仙山線で仙台入りする予定を変更してもう一度朝一の山形線電車に乗り、途中峠駅で途中下車して、1時間後の次の電車で福島まで行くというルートに変更した。峠駅で降りたのは前日に峠の力餅の立ち売りをしていたのが印象に残っていたからだ。降りてみて失敗したと思ったのは全く撮影には向かない100%トンネル内の駅で、駅の出入り口もカーブしているため、明かり区間を行く撮影ができないということだ。後で確認したところ撮影には板谷の方が向いているということがわかり少し後悔している。とりあえず全く人がいないホームに一人降り立ち、719系下り普通、上りつばさ、下りつばさの3本の列車を苦肉の策で流し撮りしたりして峠駅を堪能した。次の上り普通が来る前に山の中から民宿の送迎と思われる車が2台ほど現われ、お客を降ろしていった。それとともにいつの間にやら峠の力餅の売り子のおばちゃん(前日車内から見たのはおっちゃんだったように思うが…)も現れた。電車とのマッチングを何とか撮ろうと到着した電車とおばちゃんが入った写真を撮ったが…。峠駅へ行かれる方は山形か福島に泊まって朝一の電車で同駅で降りて小1時間ほど楽しむのがベストだと思います。くれぐれも2番目の電車に乗って降りないように…ハイキングや登山好きの方なら次の電車が来るまで山を駆け巡るにはいい時間になりましょうが。電車の本数が極端に少ないので、気を付けるべし。