JR日南線には99年春に行った第2次九州遠征で乗り潰しを達成している。乗ったのはその1回きりで撮った写真も上の1枚と宮崎を訪れた時に撮ったキハ31系の写真しかない。99年春に乗った時は、大阪南港からフェリーに乗って志布志港へ着いて、バスで志布志駅まで行って、日南線列車に乗っている。志布志はかつて大隅線、志布志線が発着していた鹿児島県東南部の中心駅で、かつては機関区があり構内も広かったようだが、私が訪れた時には既に駅が移転しており、空き地が広がるだけで、ぽつんと1面1線があるさみしい終着駅になっていた。かつての駅跡地には志布志鉄道記念公園があるらしいが、フェリーとの乗継ぎ時間が短く見物している暇はなかった。日南線は本などで海沿いを走る風光明媚な路線というイメージを持っていたが、海沿いを走るのはほんのわずかでほとんど海から少し離れた位置を走っていたので、案外な印象が残っている。生涯好きになれないと思われる読売巨人軍(昔のように憎たらしいほどの強さがないのが残念)がキャンプを張る地でもあり、宮崎は巨人の土地という悪しきイメージもあったが、私が訪れた時にはキャンプなどとおの昔に終わり、プロ野球はオープン戦真っ盛りで、日南線沿線には巨人の巨の字も見当たらなかった。
日南線を訪れる機会はしばらくなく、18で日豊本線を巡った時に、宮崎で同線気動車を見たのと、その時宮崎空港線に写真を撮りに行ったので、南宮崎~田吉間でちょい乗りしている。漸く日南線に乗ろうと思ったのが、つい先日のことで、九州遠征のついでに時間があるので、途中油津まで乗って折り返すという強行軍で久々に日南線に乗ることにした。ドリームにちりんで宮崎に降り立ったのは8月12日のこと。前夜は博多へ乗り込んで並んでドリームにちりんの自由席の1席をGETして、ぐっすり眠りについた。当初は小倉から乗るつもりにしていたが、同列車の指定席予約状況を見て、小倉からはやばそうということで、博多まで乗り込み席を確保することに専念した。功を奏して心地よい朝を迎え、颯爽と日南線に乗り込んだ。予想通り早朝からの列車は空いており、油津まで余裕の旅を楽しめた。日南線のハイライトである海岸線を走るポイントは油津以遠となっているため、平地区間に乗るのみであまり面白くはなかったが、居眠りをしながら乗っていた前回の乗車と違い“乗った”という感覚を残して立ち去れたのは収穫だ。残念なのは志布志まで乗れなかったことと、旧志布志駅構内に保存されている車両を見物できなかったこと。また、志布志からバスに乗って、鹿児島方面へ抜けるという技を使えなかったことぐらいだろうか。次回日南線を訪れる機会があるかどうかはわからないが、次回乗る時は終点まで乗りたい。