JR土讃線の初乗りは91年夏に初めて18きっぷを利用して旅をした時に、多度津~阿波池田間で行きはムーンライト高知、折り返しの帰りはキハ58・65系普通に乗っている。暗闇の中の道中と帰りは山の中の道中で景色がはっきりわからない路線というイメージだけが残っている。この時多度津に大阪からあすかが来ていたのだけが印象に残っており、土讃線のイメージはあまり残っていない。これが高校生の頃の話で、私は高校時代は鉄活動というものをほとんどしていなかったので、当然ながら乗る機会はなかった。その後学生になって本格的に乗り潰しじみたことを始めたが、四国はいつでも行けるという感覚で後回しになっていた。漸く四国征伐にとりかかろうとしたのが卒業間近の99年2月のことだった。
大阪から未明のムーンライト高知のカーペット車に乗って高知に着いた。それまで周遊券は九州と北海道、信州などで使ったことがあったが、周遊券から変更された周遊きっぷを利用したのはこの時が初めてだった。グリーン車扱いのムーンライト高知に乗車したのも周遊きっぷ利用だったからと言える。18きっぷならまず利用していなかっただろう。朝高知に着いて乗り継ぎにしばらく時間があったので、駅前の喫茶店で朝食を取り、土佐電に乗りに行った。喫茶店で頼んだモーニングにトーストとコーヒー、サラダに加えて味噌汁がついてきたのが非常に印象に残っている。ご当地モーニングを調べてみるのも面白そうだなとその時は思っていたが、実行には移していない。土佐電にははりまや橋辺りまで乗っただけで全線乗り潰しまではしなかった。時間が中途半端だったので、乗り潰しをしていると予定していた宿毛方面行きの特急に乗れなくなるため、土佐電の乗り潰しは断念した。当時高知でキャンプを張っていた西武ライオンズ(今もかな?)の宿舎などを見て選手が出てこないかと見ていたが、朝食の時間なのか出て来なかった。そうこうしている間に時間が過ぎ、宿毛行き特急に乗るべく高知駅まで戻った。
高知から再び土讃線の旅を再開し、特急南風に乗りこみ、土讃線終点の窪川を通り越して土佐くろしお鉄道の宿毛まで行った。折り返しは窪川から予土線に入ったのでこの時は土讃線からはここで離れた。再び土讃線を訪れたのは翌日のことで、予定では高徳線~牟岐線などを乗り潰して、徳島へ戻り、徳島線~土讃線と廻って高松へ戻るルートを考えていたが、前夜に腹痛を起こし、あまり眠れなかったため牟岐線は断念することにした。経路を短絡して高徳線~徳島線~土讃線と廻ることにしたため、時間に余裕ができたので、阿波池田から高知まで一旦出て、高知から折り返して琴平まで行って、琴平から琴電に乗ることにした。寒い冬の時期だったが、阿波池田は雪が積もっており、まさか四国で雪を見るとは思ってもみなかったので少々感動を覚えた。聞くところによると四国山地では冬場結構雪が降るらしい。百聞は一見にしかずというが四国でも雪が降るという貴重な体験ができたのはよかった。
阿波池田から乗った高知行きの特急南風は雪のせいか空いており、高知までは余裕の旅を楽しんだ。しかし、折り返しの岡山方面行きは混雑している上、短編成のため席にありつけなかった。土讃線に乗ると四国山地の山奥に堂々と聳え立つ高速道路が見え隠れするが、急峻な山の中をトンネルで抜ける高速道路との差を感じてしまう。高速道路の開業により、土讃線特急は利用を減らし、岡山連絡の南風はともかく高松始発のしまんとはかつての勢いはどこへ行ったのかという風情だ。この当時はまだしまんともそれなりに格好を付ける形になっていたが、2度目の四国周遊となった04年7月に乗った時はしまんとのダイヤが整理され、一部は分割併合もなしで、多度津や宇多津にて快速列車に連絡というダイヤになっていたりした。
04年遠征の時も南風やしまんとに乗車する機会があったが、7月の3連休という書入れ時にも関わらずどの列車も余裕があった。高知以南では高速道路が途中までしか開業していないこともあり、まずまずの乗りとだったと思うが、こちらは絶対数が少ないということもあり、満席になるというような乗り具合ではなかった。絶対数の少なさは特急の停車駅の多さと反比例することからも推察でき、車掌が集札を行うような無人駅にも特急が停車するというのにも驚かされた。JR東日本はこんなところにも駅員が配置されているのかというローカル駅があったり、ワンマンよりもツーマン運転が多いことに驚かされる。その逆にJR四国では究極的に合理化を進めたせいもあってか、特急停車駅でも無人化されていて驚かされる。JR九州のようにワンマン特急はまだ登場していないが、利用がさほど多くないと思われる徳島線特急や牟岐線特急、高知以南の特急などはワンマン化されてもおかしくない。
土讃線にはこの他琴電の乗り潰しをした時に琴平~多度津間で利用したりしているが、本格的に利用したのは06年9月10日の遠征ぐらいだ。この時は18きっぷを使って、土讃線、予讃線の撮影を中心とした旅をしている。予讃線の観音寺、土讃線の箸蔵で降りて撮影している。予讃線は瀬戸内海をバックにした有名な撮影地で撮影を行い、土讃線では吉野川を行く特急などを撮っている。坪尻のスイッチバックなども見学したかったが、列車の都合で見物することはできなかった。次回訪問する機会があれば是非とも見物したい駅だ。