世界経済を動かす原理
スティール・パートナーズの正体である米国の老舗の銀行
メリルリンチの歴史を調べていると、たびたび不思議な
出来事に出会う。
米国の西部開拓時代、英国から移住してきた名門貴族
ウェストミンスター一族がピアースの名を名乗り、
そのピアースの末裔支流がメリルリンチを創立した
メリル一族である。
元々は、スーパーマーケットを経営していたメリル一族は
商売の才能があり、銀行業者として成功した後、
全米に形成したメリルリンチの銀行網を、しばしば、 なぜか
突然本家のピアース一族に「無料で」譲り渡しているのだ。
特にメリル一族がピアース一族に借金があり、その返済
として銀行メリルリンチを渡した等という事情は全く無い。
全米を網羅するメリルリンチの銀行網は、極めて莫大な資産
価値があり、経営が絶好調である時期に、まるで家来が
「領主様」に「貢ぎもの」を差し出すように銀行全体を
ピアース一族に「無料で譲渡」しているのだ。
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しかも銀行経営のコストとして5000万ドルもの現金を
付加し、莫大な銀行網という資産をメリル一族は
ピアース一族に「無料で差し上げ」ているのである。
そして不慣れなピアース一族が、銀行経営に失敗し銀行が
倒産の危機に陥ると、メリル一族が銀行経営を引き受け
経営が軌道に乗ると、再び「無料」でピアース一族に「献上」
する、その繰り返しが銀行メリルリンチの歴史である。
経営が絶好調の全米の名門銀行網という莫大な資産を、
5000万ドルの現金を付けて「無料」で他人に譲る等、
経済原則では全く考えられない。
王様のために銀行経営をする家来が、経営が絶好調で資産
価値が一番高い時期にその全財産を王様に「差し出し」、商売
が下手な王様が経営に失敗すると経営を代行し立て直す、
そして経営が絶好調になると再び全資産を王様に「差し出す」。
カルト宗教が信者の全財産を「巻き上げる」事と
全く同じ構造がここにある。
世界を支配する米国の経済の中枢にある銀行メリルリンチが、
王様・家来という関係、英国の植民地=米国という構造の中
で動いている事、神の代理人であるカルト宗教の指導者
(キリスト教世界では王様・貴族)に信者が全財産を「献上」
するという構造が、ここには透けて見える。
現代の世界経済・金融が、カルト宗教の不気味な原理で
動いている姿がそこには見えて来る。
そして「領主様」米国が、植民地「日本」に海賊船
スティール(ドロボウ)・パートナーズに乗り、
「去年は郵便局をいただいた」が今年はブルドッグ・ソース
と新日鉄を「女王陛下への貢ぎもの」として差し出せと
言って来ている事になる。