福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

鎌倉密教展にいってきました 

2011-11-21 | 講員の活動等ご紹介
先日鎌倉国宝館の密教展に行ってきました。
やはり犬も歩けば棒にあたるでわざわざ行った甲斐のあるものでした。
入り口には修善寺、小田原室生寺、宝金剛寺、国宝館所蔵の4体の大日如来様が鎮座されています。いずれも12世紀から14世紀にかけて造立されたもので最初の二体は八割以上金箔が残っていてありがたいものです。

つぎはお不動様が六体安置されています。いずれもありがたいお姿で、一体一体拝んでまわりました。特に鎌倉明王院ご本尊の五大明王(中尊不動明王、降三世、軍荼利、大威徳、金剛夜叉)はいずれも1メートル近い迫力あるお姿でした。
三代執権北条泰時の力でできた可能性がたかいとされているようです。

また先日お参りした大山寺のご本尊の伝大師作のお不動様も拝めました。11世紀作と伝えられるお姿ですがまだ台座や火炎には一部金箔が残っています。なつかしくありがたく拝みました。

鎌倉青蓮寺と旧鶴岡八幡の二体の愛染明王様も大変な迫力でした。鶴岡八幡といえば一三世紀造立のここの弁天様も大変ありがたいものでした。毎日自宅で拝んでいるものとしては何とも言えずなつかしい気持ちがするものです。またここの五大明王像も出展されており、解説によると鶴岡八幡の別当はつねに密教僧がつとめていたということです。明治以降神仏分離されてきましたが本来神仏混淆で信仰されてきたことがここからもわかりました。

神仏混淆といえば極めつけは鎌倉浄光明寺の「僧形八幡神像、弘法大師像」でそれぞれ縦1.5メートルの室町時代の対幅です。これは『互いの御影』とよばれお大師様が渡唐の折、船中に示現された八幡大菩薩と互いにそのお姿を映しあったとされるもので、京都神護寺に鎌倉時代のものがあるようです。これもお大師様の大きなお姿が生きておられるようでありがたいものです。

円覚寺の虚空蔵菩薩像も出展されていました。以前は禅も密教も双修されていた証拠のいい資料です。

種智院大学で上田阿闍梨の「秘鈔」の伝授を受けていますがこの関係で、「秘鈔口決」(教舜)の展示もあり佛縁の不思議さをかみしめました。

さらに極めつけは鎌倉明王院の「異国降伏御祈祷記」です。これは弘安四年(1281年)二度目の元寇に際して時宗が真言僧頼助に命じて「如法尊勝法」を修せしめたもの。これは如意宝珠を拝むものとされており、日本独自の修法とされます。この全体の内容を訳したいと思っていたのですが当日の図録にはありませんでした。別途見つけて載せたいと思います。

鎌倉は新仏教のメッカとされますが解説にもあるように戦闘に明け暮れる武士は密教に深く帰依していたことがわかりました。







コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 憲法14条1項に「すべて国民は... | トップ | ブータン国王夫妻来訪は、被... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

講員の活動等ご紹介」カテゴリの最新記事