ずっと以前に日経夕刊だったと思いますが、ネズミも困っている仲間を助ける行動をとるという実験結果が紹介されていたと思います。水におぼれそうになっているネズミをもう一方の鼠が助けるという実験結果が出ていました。
動物が慈悲心を持つ実験はこれまでも何度も見ています。溺れているマーモットを救う鹿等の映像がありました
こういう例を見ているとやはり慈悲心は動物にもある事が証明されていることがわかります。私が毎日修法している行法の次第にも「四無量心観」という瞑想があり、そこでは「・・六道四生の一切有情は皆如来蔵を具し、三種の身口意の金剛を備えたり・・」とでてきます。つまり生きとし生けるものはみな仏性を持っており、身口意の素晴らしい働きをしている、というのです。何千年の昔から仏教はすべての生き物は慈悲心を持っていることを喝破していたのです。
そういうことがわかればわかるほど、こういう人間以上にすばらしい慈悲心をもった動物たちを殺して食べなければならないわれわれの業の深さを改めて思い知らされます。夜鷹の星(宮沢賢治)の「(ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫をたべないで餓(う)えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向うに行ってしまおう。)」という記述も思い出されました。
しかしこういう吾々でありながら「ヘドロもどろ、塵芥のような吾々が、覚れるのである。これにまさる奇跡があろうか」という玉城康四郎東大名誉教授の言葉も合わせて思い出させられるのです。
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