大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の出来事 8月16日 大文字

2018-08-16 09:44:23 | A,日々の出来事_






  日々の出来事 8月16日 大文字






 今日は、大文字の日です。
毎年、8月16日午後8時から、京都盆地の周囲の山に、精霊送りの五山送り火が浮かび上がります。
 五山送り火は、“大文字”、“妙法”、“舟形”、“左大文字”、“鳥居形”の五つを指します。
江戸時代後期には、“い”、“一”、“竹の先に鈴”、“蛇”、“長刀”等、送り火を行う山は十山あったと言われています。
しかし、現在残っているのは五山のみです。
 京都の人にとって、この大文字は厳粛な宗教行事で、保存会と多くのボランティアによって支えられ受け継がれています。
そして、京都の人は、観光パンフレットに見られる“大文字焼き”と言う表現をスゴク嫌がります。
大文字は、大文字なのです。



   秋の大文字

 1972年10月30日、突如、涼しい風が吹く京都の町に、時期外れの大文字が出現しました。

「 あれっ・・・?
 あれ、大文字ちゃう?」
「 何を、アホなこと言うてんにゃ!
 そんなもん、今頃、ある訳ないやろが・・。
「 ほら、あれ見てみいなァ。」
「 あらっ、ほんまや。
 点いてるがな・・・。」
「 なんや、あれは?」
「 なんやろな?」
「 今頃、点くか?」
「 う~ん?」

 事の起こりは、銀閣寺近くの呑み屋に集まって来る大学生たちの間で、大文字に火をつけようやないかと言う話が盛り上がったことが発端です。
 この話は、瞬く間に広がり、周囲に下宿するこの呑み屋の常連である京都大、同志社大、立命館大の学生が中心となり、約70人ほどが集まることになりました。
そして、この怪しい集団は夜に懐中電灯を持って集合、大文字に登山し、大の字の火床にみんな並んで一斉に懐中電灯を点灯、午後九時過ぎから約25分間、ホンモノの大文字の3分の2ほどの大きさの大文字を点灯することに成功しました。
 この行為に、大文字保存会の人たちは、“神聖な宗教行事を冒涜した”とカンカンに怒りましたが、学生の町京都と言うことで穏便に事は治まったと言う話です。







  大文字

















☆今日の壺々話









ぬ文字




 “ぬ”ってダイナミックだと思います。
書くときの筆の動きとか・・・。
 まず左上から右下に向かってまっすぐに降下。
そのまま消えて行ったと見せかけて、突如右上に出現!
その後同じように左下に降下して行くのかと思わせておいて、ギリギリで急上昇のアクロバット!
そして反り返るように右上に舞い戻り、さらに反り返って急降下!
 極めつけは“この勢いならこのまま右下に消えるだろう・・”という大方の予想を裏切り、最後にまさかの1回転!
「オレのパクリじゃん!」と高をくくって見ていた“め”も、最後の最後で度肝を抜かれたと思います。
















セミ





 つい最近、経験した、俺的に洒落にならない怖い話。
幽霊とかじゃないんだけど。
バイクが趣味でお盆休み一杯、帰省もかねてあちこちをウロウロしてた。
で、休みの最終日の夕方、また一人暮らしのワンルームマンションに帰ってきた。
 一週間、誰一人入る者のいなかった独身男の部屋は、むわっと蒸し暑い。
クーラーをつけて熱いシャワーを浴びて、ビールのカンを空けてソファーに座り、ひといきついたその時。

“ ジジジジジジジジジジジジジジジジ!”

部屋の中に大音量で奇妙な音が鳴り響いた。
 音がした方向を見て、俺は「え!?」と固まった。
白い壁に、蝉、蝉、蝉。
蝉が10匹ほどとまっていた。
 そのうちの一匹が、人の気配を感じてか、急に鳴きだしたのだ。
気持ち悪い。
だが、俺も男だ、別に、虫が怖いわけでもなし。

“ どこから入ってきたのだろう?換気扇?”

などと思いながら、壁の蝉の群れに近づいて、ぞっとした。
 その蝉の、一匹一匹が、壁に虫ピンで固定されていた。
鳴いた蝉以外の他の蝉は、既に死んでおり、すっかり乾燥していた。

 とりあえず、警察を呼んだ。
盗られたものなし。
変質者の仕業であろう、と言う結論に。
カギをかけ忘れた小窓から進入した可能性あり、と。
5Fなんだけどね、俺の部屋。

 蝉の乾燥の具合の程度が異なることから、何日にもわたって変質者が俺の部屋に居座った可能性もある、とのこと。
あらかじめ、死んだ蝉を持ち込んだ可能性もあるけど。
生きた蝉もいたことから、最悪、その日の朝くらいまで変質者が居た可能性も・・・。
 さすがに気持ち悪かったので、冷蔵庫の中のもの、飲みかけのウィスキーのボトルの中身、全部捨てた。
蝉と虫ピンは、警察が全部持っていった。
















ネコ




 実家に戻ってお盆の迎え火をした。
見える母曰く、毎年ご先祖さまと共に代々飼ってたネコが大挙して戻って来るとのこと。
今年も歴代のネコに加え、近所のネコや知らないネコまで、送り火までわらわらと家の中をうろついてるらしい。
 でも私と姉、全くわからない。
気配すら感じない。
ちょっとでも見えるといいなあ、なんて言いながら用事をすませ、帰ろうとすると母が、数匹ついていきそうだよ、と言う。
なので、姉と2人「おーい、ついてきてるかー」、「はぐれるなよー」なんて後ろ向かって話しつつ、徒歩10分程のマンション(姉と同居)に戻り、まぐろの切り身とか唐揚げとかお供えしてみた。
 “ちゃんと来てるなら、音を出すとか、姿見せるとか、にゃあと鳴くとかしてくれればわかるのにね”って話してたら、つけっぱなしだった隣の部屋のTVから、“にゃあ!”って声が聞こえた。

 びっくりしてTV画面見たけど、別にネコの画像映ってない。
世界情勢のニュースばかりが流れてて、どう考えてもネコの鳴き声が聞こえるような内容じゃない。
 空耳かもしれないけど、あれは付いて来てくれた人懐こくてカワイかったオスネコのご挨拶だったんだと勝手に思ってなごんでいる。
ネコたち、どうもありがとう。
見えなくてごめんね。

















録音



 去年の夏、実家が引っ越しをするということで、帰省の際にいろいろと整理をしていた。
押し入れの段ボールから昔のカセットテープが50本ほど出てきた。
母のラジカセで1本ずつ聞いたら、高校生の頃、今から15年前ほどに録音したものがあった。
友達がうちに遊びに来ているときに会話を録音している思い出の品だった。
 聞き始めたら、Aというにぎやかな笑わせ役だったヤツがくだらんことを言い、それをうちら仲間、俺(Y)、T、Hが聞いて笑っているのがほとんどだった。
子ども然としてて、みんなテンションだけは高い。
酒呑んでるっぽい。

 しばらく聞いていると、Aは当時好きだったデーモン小暮のマネをし始めた。
昔の曲の歌詞かなんかで「おまえも死ぬ!おまえも死ぬ!」としゃべるのがあって、それをマネしてる。
聞いてて、ほんとくだらねえなあ~って、すごい懐かしかった。

 去年末、また帰省したときに、別の昔の友達と会って地元話をしていたんだけど、そこで初めてTとHが亡くなっていたということがわかった。
そのときはテープのことは思い出さなかったんだが、先月の中頃にテープのことをふと気がついて、実家から送ってもらった。
カセットデッキを中古で買い、改めてテープを聞いたら、

A「 T、おまえも死ぬ!H!おまえも死ぬ!Y!おまえもだ!」
H「 閣下、我々は何で死ぬんすか?」
A「 おまえらはアレだ、実にしょぼい事故で死ぬのだ!」
H「 まじすか?たまんねえなあ~。」
俺(Y)「 閣下!女の子紹介するから俺は殺さないでください!」
A「 わかった、Yだけは生かしておいてやろう!ふはははは!」、と。

で、Hは酔っぱらってチャリで事故死。
Tは不倫相手と車で事故死だそうで、Aってのは大学でメンヘラ?になり、人を傷つけるようなことをして家族で地元にいられなくなってしまったそうで、今は行方不明。
ぞっとした。
















帰省





 中学の時、英語の辞書忘れたから隣の女子のを共同で使わせてもらった。
家も近所だし気さくで話しやすいヤツだったもんで、彼女が見てない隙に、ふざけてその辞書の「vagina」の項を○で囲んでやった。
あれから10年以上が経ち、そんな事ずっと忘れてた。
 盆休みで実家に帰省して、仕事の整理をしてた時のこと。
英語の辞書が必要になって、中学時代のを探し出して使った。
そしたら憶えの無い落書きをみつけた。
「penis」が○で囲んであって余白に「お返しだバーカ昼休みに図書室で待つ」と書いてある。
 それで思い出した。
あの時あたりからだったか、彼女は昼休みになると真っ先に教室から出て行くようになった。
俺は「何委員だか知らないけど忙しいんだなぁ」なんて思ってた。
中学最後の昼休みも、彼女は教室にいなかったっけ…。

で、嫁にそれ見せたら顔真っ赤にして「今頃みつけるな、バカ!」だって。














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8月15日(水)のつぶやき

2018-08-16 02:57:39 | _HOMEページ_






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