極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

足湯効果のウォームビス

2013年11月27日 | 省エネ実践記

 

 

  

【ウォームビズ効果】

モンベルのトラッキング・ウエアを実践し始めて二週間経ったが、効果十分という感想をえ
る。
例えると、移動する足湯効果ということになる。元々スポーツウエアということもあり
ファッション
もあり気に入っている。そこでさらに欲をいうと、機能性と意匠性があるネッ
クガーター(ネックバ
ンド、ネックウォーマ)とヘッド・バンド(ヘッド・ウォーマ)を揃
えれば完璧ということで、ネット販売商品を調べる(上写真×3品)。たぶん今シーズンは
これで乗り越えることができるだろう。
 これは過信か?

     

 


 




【ドライブ・マイ・カー】

 

  二日後の午後二時には、黄色のサープ900コンバーティブルは修理を終えられてい
 た。右前面のへこんだ部分は元通りに修復され、塗装も継ぎ目がほとんどわからないよ
 うに丁
 寧に仕上がっていた。エンジンは点検整備され、ギアは再調整され、プレーキ
 パッドもワイパーブレードも新
しいものに交換された。洗車され、ホイールを磨かれ、ワック
 スをかけられていた。いつもどおり大場の仕事にはそつがなかった。家福はもう十二年
 そのサーブに乗り続け、
走行距離も十万キロを超えている。キャンバスの屋根もだんだ
 んくたびれてきた。強い雨の降る日には隙間の水漏れ
を気にする必要がある。しかし今
 のところ新車に買い換えるつもりはない。これまで大きなトラブルは皆無だったし、何
 よりも彼
はその車に個人的な愛着を持っていた。冬でも夏でも、車の屋根を開けて運転
 するのが好きだ
った。
  冬には分厚いコートを着てマフラーを首に巻き、夏には帽子をかぶって濃いサングラ
 スをかけ、ハンドルを握った。シフトの上げ下げを楽しみながら都内の道路を移動し、

 信号待ちのあいだにのんびり空を眺めた。流れる雲や、電材にとまった鳥たちを観察た。
 そういうのが彼の生活スタ
イルの欠かせない一部になっていた。家福はゆっくりとサ
 プのまわりを一周し、レース前の馬の体調を確かめる人
のように、あちこち細かい部分
 を点検した。

  その車を新車で購入したとき、妻はまだ存命だった。ボディーカラーの黄色は彼女が選
 んだものだ。最初の数年間はよく二人でドライブをした。妻は運転をしなかったので、
 ハンドルを握るのはいつも家福の役だった。遠出も何度かした。伊豆や箱根や那須に出
 かけた。しかしそのあとの十年近くはほとんど常に彼一人で乗っていた。妻の死後、何
 人かの女性と交際したが、彼女たちを助手席に座らせる機会はなぜか一度もなかった。
 都内から外に足を仲ばすことも、仕事でそうする必要がある場合を別にして、まったく
 なくなってしまった。
 「さすがにあちこちに少しずつやれが出てきていますが、まだまだ大丈夫です」と大場
 は大型犬の首でも撫でるように、ダッシュボードを手のひらで優しくこすりながら言っ
 た。「信頼できる車ですよ。この時代のスウェーデン車って、なかなかしっかり作られ
 ているんです。電気系統に気を遠う必要はありますが、基本のメカニズムには何ら問題
 ありません。ずいぶん丁寧に整備をしてきましたしね」
  家福が必要書類にサインし、請求書の詳細について説明を受けているときに、その娘
 がやってきた。身長は165センチくらいで、太ってはいないが、肩幅は広く、体格は
 がっしりしていた。右の首筋に楕円形の紫色のアザのようなものがあったが、彼女はそ
 れを外にさらすことにとくに抵抗を感じていないようだった。たっぷりとした真っ黒な
 髪は邪魔にならないように後ろでまとめられていた。彼女はおそらくどのような見地か
 ら見ても美人とは言えなかったし、大場が言ったようにひどく素っ気ない顔をしていた。
  頬にはにきびのあとが少し残っていた。目は大きく、瞳がくっきりしているが、それ
 はどことなく疑り深そうな色を浮かべていた。目が大きいぶん、その色も濃く見えた。
 両耳は広く大きく、まるで僻地に備えられた受信装置のように見えた。五月にしてはい
 ささか厚すぎる、男物のヘリンポーンのジャケットを着て、茶色のコットンパンツをは
 き、コンバLスの黒いスニーカーを履いていた。ジャケットの下は白い長袖のTシャツ、
 胸はかなり大きい方だ。大場が家福を紹介した。彼女の名前は渡利といった。渡利みさ
 き。
 「みさきは平仮名です。もし必要なら履歴書を用意しますが」、彼女は挑戦的に聞こえ
 なくもない口調でそう言った。
  家福は首を振った。「今のところ履歴書までは必要ない。マニュアル・シフトは運転
 できるよね?」
 「マニュアル・シフトは好きです」と彼女は冷ややかな声で言った。まるで筋金入りの
 菜食主義者がレタスは食べられるかと質問されたときのように。


                      村上春樹 『ドライブ・マイ・カー』
                         文藝春秋 2013年12月号掲載中


 

【日本経済は世界の希望(6)】 

                        財政上の安定は何を担保するのか

  ECBのドラギ総裁は緊縮財政について、ヨーロッパでは正統派といえる政策をとり
 すぎる嫌いがあり、それを不快に感じることもあるが、一方で彼の行動はときに素晴ら
 しいものがある。ヨーロッパの政治的な地雷原をうまく通り抜けながら、自らの政治性
 を発揮する能力は卓抜している。

  ECBが直接ソブリン債券を買うのではなく、各国の中央銀行が的確に定める担保を
 出しさえすれば銀行に無制限でお金を貸し出す、というLTROのスキームは、その慧
 眼が発揮された例だろう。その政策によってソブリン債券を買わずとも、同等に近い効
 果を発揮したのだ。

  トリシエ前総裁は傲慢とはほど遠い人物で、個人的には好意を抱いているが、金融政
 策において大きく判断を誤ったのは、第2章でみたとおりだ。抜に飛び抜けた実績はな
 い。イングランド銀行前総裁のマーヴィン・キングも興味深い人物だ。彼は一九九二年
 に現在もイギリスの金融政策の指針となるインフレ目標体制への移行を主導した。二〇
 〇八年の金融危機のときにも、ロイズ・バンキング・グループやロイヤル・バンク・オ
 ブ・スコットランド(RBS)の一部国有化など、銀行への資本注入を要求した。
  その後、彼は緊縮政策を推し進めるようになり、二〇一〇年の総選挙のあとには保守
 党と自由民主党に赤字削減計画への合意を迫ったが、結局、イギリスの緊縮財政政策は、
 二番底を招いて大失策に終わった。彼に対する評価は何ともいいがたい。
  世界各国の中央銀行総裁のなかで、私が高く評価しているのはイスラエル銀行総裁の
 スタンレー・フィッシャーである。彼は元IMF理事でありながら、イスラエルの通貨
 シェケルの為替レートについて大規模な介入を行ない、結果的に量的緩和というかたち
 で効果をあげた。
  もちろん物価の安定と雇用の確保以外に中央銀行が担うべき役割が、財政上の安定で
 あるのはいうまでもない。とくに危機と危機のあいだ、つまり平時において、中央銀行
 は財政を不安定化させるリスクを減らすため、できるかぎりの手を打っておく必要があ
 る。そうすることでいざ危機が襲ってきたとき、市場が機能しつづけることを担保する
 のだ。
  つまりこの財政上の安定は、物価の安定、雇用の確保という二つの機能とは、まるで
 別の目的をもっている。


                       通貨当局と政府の望ましいあり方

  通貨当局と政府のあり方に、望ましいモデルはあるだろうか。中央銀行が財務省の一
 機関であるという状況はインフレに傾きやすいし、実際に一九七〇年代初頭のイギリス
 においてイングランド銀行は英財務省の試みに従い、悲惨なインフレを引き起こした。
 独立していない中央銀行にももちろん、問題は存在する。
  一方で独立した中央銀行は物価の安定に固執してインフレを敬遠し、デフレ経済のも
 とで失策を招く恐れがある。これまで俯瞰した日銀やECBの行動がその例だ。
  つまりいかなる体制においても特有の問題が生じるのである。それぞれの経済で何か
 起きているのか、という現状の正確な把握がまずあるべきで、それなくして望ましい連
 携は生まれないだろう。
  目下、アメリカでマクロ経済的にもっとも意味をもつ政策措置は、連邦政府の強制歳
 出削減だ。二〇一三年三月一日には、二〇二一年度までに連邦予算を総額一兆二〇〇〇
 億ドル削減することを政府に義務づける制度が発効した。それは意図的につくられた間
 違ったアイデアで、誰もそのような政策を望んではいない。
  しかしもし、実際の政策を誰が握っているのか、といわれれば、それはFRBになる。
 何らかの目的を念頭に置きながら、政策的な選択を行なっている唯一の政策立案者はF
 RBなのである。
  もちろん、たしかにFRBは独立しているが、それでも政治のプレッシャーに影響さ
 れないわけではない。下院予算委員会の委員長が目前にバーナンキを呼びつけ、FRB
 は自国通貨を下落させたと非難しつづければ、それだけでFRBは金融政策について圧
 力を感じ、それほど冒険的にはなれなくなる。実際に過去にはそうした例があった。
  FRBと政治家は互いに話し合い、共通の目的において同意する状況をもつべきだ。
 かつてフォークランド紛争をきっかけに中南米諸国の債務返済能力に疑問がもたれ、中
 南米債務危機が起こったとき、FRBと米財務省は緊密に連携して、FRBは貸し手で
 ある米金融機関に対して融資残高の維持やさらなる融資の呼びかけを行ない、中南米諸
 国への貸し出しを不良債権とみなさないようにするなどの規則変更を行なった。
  結果的に米金融機関は融資を不良債権処理することなく、中南米諸国もデフォルトに
 陥ることなく、危機は回避された。このケースは一つの理想例だ。


                         さらなる金融緩和競争のすすめ

  各国中央銀行どうしの関係については、何を考えるべきだろうか。リーマン・ショッ
 クのときには世界的な信用不安からマーケットでドル資金が大きく不足し、ドル・スワ
 ップ協定(金融機関の米ドル調達を支援するため、FRBが日欧の主要中央銀行と結ん
 でいる協定)が実施された。
  しかしこの時期はあくまで特別であり、各国間の調整は非常に重要だったが、いま同
 じような調整が必要かどうかはわからない。各国がそれぞれアグレッシブな政策を追求
 するインセンティブは必要だが、それを現実のものにするための同意は不要だ。
  ただし、お互いにやってはいけないこともある。繰り返すが、ある政策を実行した結
 果として通貨安になるのならよいが、通貨安を進めるために政策を実行する、と明言し
 てはいけない。もし黒田日銀総裁が円安にする、とあからさまにいえば、FRBも、E
 CBも、黒田総裁を手こずらせることになるだろう。
  とはいえ、金融緩和競争自体は懸念すべきことではなく、むしろ望ましいことだ。結
 果的に世界経済を弱くしてしまう貿易戦争のような破壊的行為と異なって、それは世界
 経済の発展に大きく貢献する。
  いまは多くの国々で経済が落ち込み、デフレ圧力が生じている。だからみなが金融緩
 和を行なうべきなのだ。
  日本が金融を緩和した結果、ヨーロッパが自らの産業競争力を奪われたと感じるなら、
 自分自身も金融を緩めればよい。事実、彼らが必要としているのは、まさにそうした政
 策なのである。

        
                    問われているのは「中央銀行総裁の資質」

  結局のところ、重要になるのはいかに質の高い政策をもつか、ということだ。コロン
 ビア大学教授であるジョセフ・スティグリッツの指摘は興味深い。彼は「必要なのは中
 央銀行の独立性」ではなく「中央銀行総裁の資質」という。私も同意する。
  われわれがいま学んでいるのは、どのような組織構造をもったとしても、結果を保証
 するものは何もない、ということだ。独立性はその最たるもので、中央銀行に独立性が
 与えられたのは、それがよい政策につながるだろうと思われたからである。しかしとき
 に中央銀行はその独立性のため、間違った政策を打ち出してしまう。
  中央銀行総裁の資質はもちろん、組織の体質(カルチャ士も質の高い政策を打ち出す
 ためには不可欠だ。広い意味での政治的体質ともいえるだろう。FRBはその条件を十
 分に満たしている。イングランド銀行も同様だ。どちらの銀行もかなりオープンな組織
 体質が根底にある。そこではさまざまな意見が忌憚なく交わされているが、そのオープ
 ンさが中央銀行の質を底上げする。
  とくに外部の人間を入れることが重要だろう。少なくともその意見に耳を傾けたほう
 がよい。FRBでは、その政策を批判する外部の経済学者とのミーティングが行なわれ
 る環境が整っている。グリーンスパンはけっしてそうしたミーティングを実施しなかっ
 たが、バーナンキはいま、記者会見でその機会を設けている。
  もちろん第1章でみたとおり、人事的な交流も活発だ。そこから日銀が学べることは
 少なくない。


                    黒田日銀総裁が見失ってはいけないこと

  中央銀行総裁の資質という点で、黒田日銀総裁は何を意識すべきだろうか。まずは絶
 対に
デフレを脱却し、ある程度のインフレに日本経済をもっていく、という至上命題を
 見失わな
いことである。
  これは黒田総裁が実際に自分の手で実現できることだ。たとえば日本の少子高齢化を
 変えることができればよいが、それを実行する方法は誰にもわからない。解決できるも
 のもあるが、そうでないものもある、ということだ。しかしデフレ脱却は違う。黒田総
 裁は何か何でもこのデフレから脱却する、できることは何でもやる、と公言し、行動し
 つづけるべきだ。
  もし仮に、インフレ率がニパーセントに届かないという状況になっても、さらに手を
 打っていく、というメッセージを伝えなければならない。かつて日銀がとったような、
 インフレ目標を達成する自信がないので失敗して恥をかくくらいなら挑戦しない、とい
 う態度は絶対に避けるべきだ。
  一つの政策がうまくいかなければ次の手を打つ、国債購入が効果を生まないならほか
 の資産を買う、何か何でもやる、ということだ。
  ほかの資産とは何か。外国債については事実上の為替介入に当たるので、やりすぎな
 いよう気をつけるべきだ。ヨーロッパもアメリカも「流動性の罠」に陥っているわけだ
 から、政策の性質上、やや近隣困窮策に思えないこともない。社債なら外国債よりはよ
 い選択肢になりうる。
  ほかにも検討の余地がある資産はあるが、基本的には利率がゼロに近づいていない商
 品を買うほうがよい。さらに理論上は、利率が下がる余地のある商品を購入すべきだ。
 伝統的な公開市場操作に使う政府短期証券などから遠い商品、といってもよいだろう。
  償還までの期間が長く、リスクのある資産であるほど、効果も生まれる。
  黒田総裁は、目的を達成できない、ということを、挑戦しない理由にしてはいけない。
 もし目的を達成できなかったとしても、それをさらなる努力への根拠としなければなら
 ないのだ。


           ポール・クルーグマン 『そして日本経済が世界の希望となる』

 

 

【カドテルメガソーラーが北九州に】


今年年11月に日本市場参入を表明したばかりのファーストソーラー社が、早くも具体的な
メガソーラープロジェクトを北九州市で開始させたニュースが届く。ファーストソーラーが
事業主となり直流出力1.4MWの発電所を立ち上げる。設計・調達・建設のうち、建設段階で
は大林組と安川電機の協力を得る。完成後の管理・運営はファーストソーラーが当たる。今
年11月11日に着工し、来年の第1四半期に運転開始予定だ。メガソーラーに採用するの
は国内での導入事例がほとんどないCdTe(カドミウムテルル)薄膜太陽電池モジュール。国
内では「カドテル」と呼ばれることも多い。CdTe太陽電池モジュールの量産では同社が群を
抜いており、メガソーラー向けの太陽電池として、他の方式の太陽電池と互角以上の競争力
があるという。既に全世界で1億枚以上のCdTe太陽電池モジュールを導入したという。同社
が量産している太陽電池モジュールはほぼ100%がCdTeだという。



ところで、“カドテル”を含む化合物半導体太陽電池には上図のように、ケイ素の他、Ⅲ族
の元素(ガリウム、インジウムなど)とⅤ族の元素(燐、ヒ素など)から構成される半導体。
例えば、GaAsやInPaなどのⅢ-Ⅴ族化合物半導体、周期律表Ⅱ族の元素(Zn、Cd)とⅥ族化
合物半導体と広範渡る。現在では高性能で廉価な太陽用電池が実用化されており、カルコパ
イライト化合物を用いた太陽電池の開発が盛んになっている。さらに、Ⅲ族・Ⅴ族において
も廉価を狙った新しい技術も開発されいる。 さて、Ⅱ-Ⅵ族半導体の多くも、直接遷移型
エネルギーバンド構造をもち、光吸収係数が大きい。特に、CuInSe2は光級数係数が大き
く、薄膜化に適している。さらに、Ⅱ-Ⅵ族化合物で、p、n両形をしめすのはこのカドテ
ル(CdTe)やCuInSe2などに限られている。


上図の京セラの新規考案によれば、光吸収層3は、下部電極2上に配置され、光吸収層3は、
カルコゲン化合物半導体を含み、カルコゲン
元素である硫黄(S)、セレン(Se)または
テルル(Te)を含む化合物半導体で、
例えば、I-III-VI化合物半導体がある。I-III-VI
化合物半導体とは、I-B族元素(11族元素ともいう)とIII-B族元素(13族元素と
いう)とVI-B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体であり、カルコパイラ
イト
構造を有している(=CIS系
化合物半導体)。I-III-VI化合物半導体には、例えば、二セ
レン化銅インジ
ウム(CuInSe2)、二セレン化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,
Ga)Se
2)、二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)(Se,
S)2
)、二イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)S2)または薄膜の二
セレン
・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウ
ム等の多元化合物半導体薄膜がある。また光吸収層3は、例えばp型の導電型を有する厚さ
1~3μm程度の薄膜であり、例えばスパッタリング法、蒸着法等といった真空プロセスに
より形成され、塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスで形成される。塗布法あるいは印
刷法としては、例えば、光吸収層に主として含まれる元素の錯体溶液が下部電極の上に塗布
し、乾燥および熱処理が行われる。ところでこの発明の光電変換装置の製造方法は、基板1
上に下部電極2を形成する工程と、下部電極2上に光電変換層を形成する工程とを有し、光
電変換装置の製造方法は、光電変換層の一部を機械的に除去して、光電変換層に溝部を形成
する工程と、溝部にレーザ光を照射する工程とを備えていることで、高い光電変換効率を有
する光電変換装置が提供できるとしている。つまり、下部電極上の光電変換層の残存量を低
減することで、高い光電変換効率実現するものだ。

 

尚、上図はファーストソーラー社の太陽電池フロントコンタクトのドーピング方法(CdT
e系)で変換効率を改善する新規考案事例を参考として取り上げた。さて、ここで取り上げ
た理由の1つとして、カドミウム禍の経験である。毒性や危険性
は太陽電池の他の元素も同
じように懸念されるのだが、亜鉛と同様な化学的挙動を示し食料
への汚染(酸性サイドで溶
解拡散する)が懸念されているからだ。技術的には、ファースト
ソーラー社の実績に劣るも
のの技術力では国内メーカが劣ることはないと考えているが、国
内初めてのカドテル・メガ
ソーラとあって注目した。



【高効率な業務用・産業用燃料電池発電システム】

クリーンで高効率な業務用・産業用燃料電池発電システム「Bloomエナジーサーバー」の国内
初号機を福岡市内の「M-TOWER」に設置し、2013年11月25日より営業運転を開始。「Bloom エ
ナジーサーバー」の設置および運転開始はBloom Energy Corporation)が事業展開している
アメリカ合衆国以外では日本が初めて。ビル全体の電力需要の約75%(出力規模は200kW)を
賄うというということで早速調べてみた(バイオガスなどを化学反応させて発電するブルー
エナジー製の固体酸化物形燃料電池「ブルームエナジーサーバー」を採用、発電効率60%
上、1キロワット時当たりの電力価格は最大28円程度で済む。投資額は非公表)。ブル
ーム
エナジージャパンは2014年3月までに日本国内で出力2500キロワット相当の設備導入を
目指し、3
年後に同3万キロワット以上に拡大する。また、都市ガス以外にも下水汚泥から
発生するバイオガス
の活用も検討すると公表している。ソフトバンクはこれで、メガソーラ
ー発電事業に続いて、燃料電池による発電事業にも乗り出すことになる。 

 Patent N0.: US 8,535,841 B1

 
今夜もバタバタ仕事となった。バタバタ仕事ではいい仕事ができないと言われてきたが相も
変わらずだ。そういえば国会もバタバタと法案を採決させている。成熟社会では情報はでき
る限り透明性を担保し、国民に開放するのに限るのだが、わたしも立法府も何故かバタバタ
急いでいる。これって、どうしたものかね?!
 

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臨戦下のケインズ

2013年03月26日 | 省エネ実践記

 

 

 

【新たな飛躍に向けて-新自由主義からデジタル・ケイジアンへの道】

1.タブーと経路依存性
2.複雑系と経路依存性
3.複雑系と計量経済学
4.ケインズ経済学の現在化
5.新自由主義からデジタル・ケイジアン

 

【ケインズ経済学の現在化】

前回と同様、新自由主義批判とケインズ主義の系譜をたどり未来志向の展望について、ポール・デ
ヴィッドソン著、小山庄三・渡辺良夫訳 『ケインズ・ソリューション-グロー
バル経済繁栄の途』
を基に考察を進める。

 【なぜケインズの考えがアメリカの大学で教えられることがなかったのか】

これを考察に当たりまずは率直に、わたしケインズの経済学に対する考え方を書くべきだと思う。
ポール・デヴィッドソンが指摘したとおり-1970年代における古典派理論の明らかな復活と神格化
は、実際はす
でに死滅していた理論の蘇生というわけではなかった。経済学界の主流派のリーダー
や有力な学者たちは、ケインズの分析を理解していなかった。ケインズがその革命的な貨幣理論を
発表したのとほとんど同時に、それは2つの理由から流産させられてし
まった。第1に、主流派の
経済学の教授たちは、失業についてのケインズの説明が、
失業問題を流動性に対する欲求と金融市
場の働きという文脈の中に置く分析というよ
りはむしろ賃金・物価の硬直性を必要としていると信
じたことである。第2に、第2
次世界大戦直後の数年間米国内にはびこっていた反共主義の風潮(
マッカーシズム)
が、ケインズの真のメッセージのどのような形での教育をも妨げたことである-
なのだが、「失業問題を流動性に対する欲求と金融市場の働きという文脈の中に置く分析というよ
りはむしろ賃金・物価の硬直性を必要としていると信じたことである」との前者の理解は「貨幣経
済を前提とする限り」あるいは「信用恐慌の連鎖を防ぐ」にはインフレーションは不可避であると
いう「反インフレ闘争」を組織化していたころのわたし(たち)の見識とほとんど変わらず、その
後、日本で流布されることとなる「ケインズは死んだ」とデマを信じることはなかたし、レーガン
の採った経済政策が「軍事ケインズ主義」だとは『タブーと経路依存性』で引用した中野剛志らと
同様の見識に立っていた経緯もある。経済学の素人でも「自己意識の社会化」をきっちりと行えば
ば吉本隆明の遺言通り、真実は貫けるものだと心得ることとなった。この箇所では寧ろ、新古典派
(あるいは新自由主義)の根底に通ずる「反共主義というタブー」の根っこの問題については考え
てもみなかったことが指摘され、改めて「武力入植文化」の根の深さに思い至り、謙虚に偏見・無
知のバイアスを恐れることになる。

 

  ケインズと同じ世代の経済理論家たちのみならず、この拙論で明らかにしているように、ノー
 ベル賞受賞者のミルトン・フリードマンやポール・サムエルソンのような第2次世界大戦後の
 ケインズより若い経済学者たちも、かれらの頭の中が反対の古典派理論の見解で満たされてい
 たため、ケインズがすべての聴き于に投げかけていた考えを理解することができなかったので
 ある。
ケインズの伝記作家であるスキデルスキー卿は、「第2次世界大戦後の主流派の経済学
 者たちは,ケインズの理論を、賃金が『粘着的』[すなわち、ゆっくりとしか変化しないか、
 あるいは硬直的であるような状況に当てはまる。古典派理論の『特殊ケース』とみなした。そ
 のためかれの理論は、政策への妥当性を保持することは認められたものの、その理論的辛辣さ
 を奪われてしまった」と述べている。
もしケインズがたんに失業が物価と賃金の硬直性の結果
 であると主張しているだけであったならば、かれは貨幣を使用する資本主義経済の主たる経済
 問題、すなわち永続的な完全雇用の状態を作り出すことができないという問題についての、革
 命的な理論的分析を提供していなかったことになる。19世紀の経済学者たちはすでに,自由に
 変動する賃金・物価の存在しないこと(現代の主流派の経済学者が供給面の不完全性と呼んで
 いるもの)が失業の唯一の原因であると論じていたからである。
ケインズは、『一般理論』の
 第19章において、自らの失業の理論が賃金あるいは物価の硬直性の仮定に依存していないと、
 わざわざ述べている.かれの主張は、自らの理論が失業の原因を金融市場の働きや公衆の流動
 資産保有欲に関係付けている点で、古典派理論とは異なった分析を提供しているということで
 あった。しかしながら、第2次世界大戦後、大学で経済学を学ぶ学生たちは、ケインズ革命が
 非自発的失業の存在を説明するために粘着的な賃金ないし物価の仮定を必要とすると教えられ
 たのである。教授たちが『一般理論』を古典であると信じていたことは明らかである。という
 のも、かれらはその本をケインズの分析の代表作として言及しはするものの,どうやらその第
 19章を読み解いてはいないらしいからである。

 終戦直後の時期に、教授たちの中には、失業均衡の追加的原因として、利子率の粘着性ないし
 固定性の存在を付け加えることによって、賃金・物価の硬直性の議論に挺入れをしようとする
 者もいた。この固定された利子率の議論は、「流動性のわな」と呼ばれた。この流動性のわな
 は、ある低いプラスの利子串のもとで貨幣保有需要が無限大になると想定され、だれも自己の
 ポートフォリオにどのような債務証券をも付け加えたいとは思わないような状況で起こるとい
 われている。したがって、流動性のわな論者によれば、利子率がこれ以上低下できず、金融政
 策は、経済を拡大して完全雇用という結果を達成するのに必要な投資支出の増加をこれ以上誘
 発することができないということになる。しかしながら、第2次世界大戦後の計量経済学的研
 究は、歴史的データの中に、流動性のわなの存在を示すなんらの証拠も見出すことができない
 でいる。しかしながら、もし主流派の経済学者たちが『一般理論』を読み解いていたならば、
 かれらは、202 ページに、貨幣需要がなんらかのプラスの利子率のもとで無限大になるはずは
  ないとケインズによって明記されていることを知っていたはずである。さらに、ケインズは歴
 史的データを吟味して、207 ページで、流動性選好関数が「実質的に水平」になった歴史的事
 例を知らないと述べるに至っている。要するに、ケインズは、理論的および実証的双方の見地
 から、すでに流動性のわなの存在を否定していたのである。この流動性のわな という考え方
 は、ケインジアンを自称している人たちによってしばしば公の議論の中で披露されているが、
 ケインズの議論とはなんの関係もないものである。これらの実例から、ほとんどの戦後の経済
 学者たちがケインズの本を全く読んでいなかったか全く理解していなかったかのどちらかであ
 ることは、明らかなはずである。事実、ほとんどの権威ある大学において、経済学部の学生は、
 『一般理論』があいまいで混乱した書物であり、したがって読んだり理解したりする必要がな
 いと教えられてきているのである。例えば、ニュー・ケインジアンの経済学者を自任し、ジョ
 ージ・W.ブッシュ大統領の経済諮問委員会の前委員長であったマンキュー・ハーバード大学教
 授は,「『一般理論』はあいまいな本である。……それは時代遅れの本である。……われわれ
 は、経済がどのように動くのかを理解するに当たり、ケインズがいた立場よりもはるかに有利
 な立場にある。……マクロ経済学者の中で、[ケインズのように]古典派経済学を批判的にみ
 る者はほとんどいない。……古典派経済学は長期においては正しい、そのうえ今日の経済学者
 は長期均衡により興味を持っている.……古典派経済学は広く受容されて[いる]。著名な教
 授がその上うな発言をすれば、経済学を学ぶ学生たちがケインズの「あいまいな」メッセージ
 を読んだり理解し上うとしたりしないことは明らかである。それよりもむしろ、これらの学生
 たちは、「ケインジアン」の議論がつまるところ、世界で目撃される失業の根本的な原因は主
 として供給面の不完全性、とりわけ、「福祉」国家が最低賃金を法制化したり、労働組合の結
 成を奨励したり、「過大な」失業給付を支給したりした、過去半世紀の労働市場における貨幣
 賃金の硬直性に上るとの古典派理論の考えに要約されると教えられたのである

 その結果、政府の政策立案者の顧問となっている著名な経済学部の卒業生たちが、今日のグロ
 ーバル経済において先進諸国を苦しめている永続的に高い水準の失業と戦おうとするならば、
 労働市場は「自由化」されなければならないと提案しているのは、驚くには及ばないであろう。
 労働市場は完全に規制撤廃されなければならず、失業が労働者にとって大きな災難となること
 を妨げている社会的安金網は、完全に取り除くとは言わないまでも、縮小されなければならな
 いとされることになる。もし労働市場の「自由化」が理論的な極限状態にまで押し進められる
 ならば、安全な職場であることの最低限必要な条件や年少者労働の禁止に関する政府の規則な
 どは存在しないことになるであろう。したがって、中国の労働市場は他の国々が見習うべき理
 想ということになる。西欧諸国がその上うな理想的な労働市場を持つためには、その労働市場
 の状態が低開発諸国のそれに匹敵する上うになるまで、社会的安金網を取り除く必要があるで
 あろう。を逸したのかを説明するために、第2次世界犬戦後の教科書をつうじてケインズ主義
 を普及させようとしたサムエルソンのケースにまず焦点を当てることとしたい。

 
                            ポール・デヴィッドソン著 小山庄三・渡辺良夫訳
                 『ケインズ・ソリューション-グローバル経済繁栄の途』

 


※エルゴード理論:定常不規則過程を取り扱う場合、その動作の時間平均が集合平均に等しいとき
         の性質

当時、ケインズが死んだ理由は、失業率が上昇したにもかかわらず、インフレ率も高まり、マスメ
ディアは、こぞって米国がスタグフレーション-経済の停滞と失業の増加-に苦しんでいると報じ、
サムエルソンらのインフレ解決策-サムエルソンとかれの新古典派総合ケインズ主義者の同僚で(
ノーベル賞受賞者でも)あるロバート・ソロー(Robert Solow)は、失業率が低下したとき、貨幣
賃金率やインフレ率が上昇したという歴史的な統計上の関係を一般に普及させるのに特に重要な役
割を果たしたという歴史的データから「3%の失業率は年率約4.5%の物価上昇を伴っているとみな
して、物価の安定には約5.5%の失業率を伴うように見受けられるとし、米国にとって経験的なトレ
ードオフの関係のあるとした-はうまくいかず
、新古典派総合ケインズ主義者の分析は、経済学者
の間で評判を落とすと同時に、古典派の理論家であるフリードマンは、かれが「自然失業率」と呼
ぶ議論を考え出し、失業率の変化とインフレ率の変化との間にはなんらの長期的な関係もないこと
を論証するために実証分析-より高い失業率を受け入れても、より低いインフレ率を生み出すこと
にはならない-を用いれ主張し、事態の解決には自由な市場に任せ、競争がインフレの勢いを止め
ると主張-新古典派のケインズ主義者たちは、物価が1970年代を通じて上昇し続けたにもかかわら
ず-0PECがそのメンバーによる生産を制限による石油価格の高騰が各国に消費者パニック(→地下
化石燃料本位制)が原因にもかかわらす、この自由市場論に対してなんらの対案も用意できずにい
たことによるものだった。そして、ポール・デヴィッドソンは次のようにむすぶ。


 
サムエルソンは、経済学の教科書にある「ケインジアン」という言葉が、当時のマッカーシー
 による反共産主義運動によって完全に抹殺されるのを、防いだといえる。しかしながら、この
 ように防ぐことができたことの代償は、主流派経済理論にとってのケインズ理論の意義を、そ
 の『一般理論』の本質的分析から切り離してしまったことであった。ケインズの革命は、貨幣
 を使用する。市場志向の資本主義経済においては、貨幣賃金や物価の固定性および流動性のわ
 なを含む、供給面の市場の不完全性が、大量の長期的失業の存在するための必要条件ではない
 ことを論証した。さらにケインズは、われわれの経済システムにおいては、伸縮的な賃金や物
 価が、長期においても完全雇用を保証するための十分条件ではないことも明らかにしたのであ
 る。(中略)今日、主流派の経済学は、それが、旧い新古典派的ケインジアン、ニュー・ケイ
 ンジアン、旧い古典派ないし新しい古典派の理論、アロー=デブリュー=ワルラス流の経済学、
 ポスト・ワルラス派の理論、行動経済学など、どのような名称で知られていようと、~ケインズ
 が経済学を現実世界の雇用、国際貿易および国際金融の問題に適応したものにしようと試みた
 際に放棄した古典派の公理に、なおも依拠している。その結果、これらの問題がなお、21世紀
 のグローバル化された経済の現実の大部分を苦しめている。

                             ポール・デヴィッドソン著 小山庄三・渡辺良夫訳
                 『ケインズ・ソリューション-グローバル経済繁栄の途』

 

                           この項つづく




  Skyfall 007 Theme

 



北朝鮮の挑発がつづく。予断は許されないが。戦争の端緒を切ればすぐさま国連決議できる状態に
しておかなければと考えてみたが、これは杞憂(skyfall)だろうか?!

 

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春祭りに清酒を科学する

2013年03月17日 | 省エネ実践記

 

 



いつものようにクルマを走らせていると、妙なところで渋滞している。いつもは渋滞しない時間帯でなの
だが、いぶ
かしがっていたが理由がわかった。春祭りで御輿のお渡りだ。季節はもう春。これから五月に
かけ各集落や町内で
春祭り続く。そういえば、土器(かわらけ)に清酒を注ぎ当たりめを御輿休めの間頂く。
これはすごく美味い。飲み過
ぎて足を取られ道を外れそうになることもしばしだ。それほどシンプルな組み
合わせで美味いのだ。ところで、清酒
の旨味とは?あたりめとの相性はが良いのはなぜか?そんなことを考
えていると、『清酒のおいしさと酔いに影響
を与える成分』(伊豆英恵、バイオサイエンスとインダストリ
ー vol.71 No.2(2013))が目にとまった。
清酒醸造では米を原料として麹菌と酵母によって多種多様な物
質が産生され、これらが清酒を特徴付ける香味を形成し、
清酒成分とおいしさ、清酒成分と酔いとの関係で
あきらかになったことが紹介されていた。



ここですこし長くなるが引用する。食品のおいしさは口に含んだ時の味覚と嗅覚と触覚等で判断される口の
中で感じるおいしさが重要な一方、
体調や良べたあとの体の状態が密接に結び付いた生理的おいしさも大切
だという。例えば、必須アミノ酸欠乏食を
摂取させたラットにアミノ酸完全食と欠乏食を提示すると、完全
食を選択する。このような生理的欲求に
基づく本能的嗜好は、動物とヒトにある程度、共通で重要な要素で
ある。動物は本能的で生理的嗜好によ
り忠実なため、ラットやマウスで清酒の生理的嗜好の検討を試みる。
エタノールが酒類飲用で酔いの一番の要因だが、エタノール以外の酒類成分が酔いへ影響を与えている。同
じ清酒でも、成分的特徴が異なる純米酒、吟醸酒、普通酒、にごり酒等で
飲用後の酪酎状態が異なり、ウイ
スキーやビールの香気成分は抑制性神経受容体GABAA受容体応答を活性化し、緊張を解きほぐしてリラックス
(抗不安)をも
たらすと考えられている。また、ウイスキーの熟成過程で増加する成分は、エタノール代謝
抑制と酪酎の増
強帽こ関わる。酔いの良い一面として抗不安作用があると

     
1.清酒のおいしさと清酒成分  

(1)動物を用いた清酒の生理的嗜好の検討

ラットやマウスに2種類の清酒(純米酒)を回時に提示し、摂取量でどちらの対象物を好むかを二瓶選択実験
で調べたっなお、飲酒時の摂食状況は嗜好性や代謝に影響を与えるため、まずは空腹下で検討。
二瓶選択実
験の結果、銘柄により摂取量が異なり、純米酒間の嗜好差が観察され、好まれた清酒とそう
でない清酒にど
のような違いがあり、動物は何を基準に清酒を選択したかを分析する。アルコール摂取は体
に大きな生理的
変化を与えるが、アルコール摂取時、NAD+を補酵素としてアルコール脱水素酵素(ADH)とアル
デヒド脱水素
酵素が肝臓でエタノールを酢酸に代謝し、NADHが過剰になる。NADH過剰によってTCA回
路が阻害されるととも
に、糖新生の原料であるピルビン酸を乳酸に還元してNADHを消費することで糖新生が
阻害されて血糖値が低
下し、このほか、脂肪酸酸化が抑制されて遊離脂肪酸が増加。また、アルコール
代謝で生じた酢酸が原料と
なりケトン体が合成される。これらの代謝に関わる指標は生体の代謝が同化あ
るいは異化状態のどちらに傾
いているかを示す。アルコール摂取によるこれらの血糖値低下、遊離脂肪酸や
ケトン体上昇はいわば飢餓状
態の特徴であり、動物にとって必ずしも好ましくない生理状態であることを表
す。清酒の嗜好差と各清酒摂
取後の体の生理的変化の関係は、それぞれの清酒をマウスの胃内に
定量投与してケトン体や遊離脂肪酸濃度、
グルカゴン インシュリン(G/I)比といった糖や脂肪酸代謝に
関わる指標について調べたっその結果、清
酒摂取後のこれらの指標の上昇が小さい清酒を動物が好んで飲ん
だことがわかった(上図左)。このことは、
体の生理的側面が清酒の嗜好へ関与することを示唆し、動物は好ま
しくない生理状態に傾きにくく、生体恒
常性を保ちやすい清酒を「生理的においしい清酒」として選択的に
摂取したと推測する。



そこで、生理的嗜好に影響を与える清酒成分を見いだすため、二瓶選択実験で使用した5点の純米酒を用い
てグル
コース、アミノ酸、有機酸、香気成分等の成分量を測定し、生理的嗜好性との相関を調べた。この結
果、アミノ酸18種に正相関が見られ、特に必須アミノ酸6種(イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン
リジン、ヒスチジン、バリン)で強い正相関があり、全体的にアミノ酸の多い清酒で生理的嗜好性が高い傾
があり、ダルコースにも強い正相関が見られ、調べた香気成分4種のうち、酢酸イソアミルと酢酸エチル
が負相関を示し、香気成
分の多い清酒で生理的嗜好性が低いことがわかる。さらに、二瓶選択実験で使用し
た3点の純米酒を用
い、キャピラリー電気泳動時間飛行型質量分析によるメタボローム解析を行って、嗜好
性の異なる純米酒間
で合量に違いがある成分を検討した。この結果、合計171ピーク(カチオン103、アニオ
ン68)に候補化合
物が付与された 各純米酒中のアミノ酸類の含有量を各ピークの相対面積値で比較すると
グルタミン、シト
ルリン、β-Alaが低嗜好性清酒に多く含まれていた。ほかに払各純米酒中の有機酸および
脂肪酸含有量を比較するとオクタン酸、ピルビン酸、ヘキサン酸、クエン酸
などが低嗜好性清酒に多く含ま
れ、全体的に低嗜好性清酒に有機酸や脂肪酸が多く含まれる傾向にあるという。

生理的嗜好性への関与が推測された前述成分を清酒に添加し、マウスニ瓶選択実験で嗜好変化を調べた結果、
グルコース、リジン、ヒスチジンの嗜好性上昇、
オクタン酸、グルタミン、ピルビン酸、酢酸イソアミルの
嗜好性低下への関与が明らかになった。今回は空
版下での実験であり、低血糖状態によってグルコース要求
量、必須アミノ酸であるリジン、ヒスチジン要求
量が特に高まったと予想された。しかし、必須アミノ酸の
うち、なぜリジン、ヒスチジンかは不明である。
引き続き、リジン、ヒスチジンについて、これらの単独添
加による嗜好性向上効果の普遍性を確認するため、
他の清酒で添加試験を行ったが、影響がない清酒がある
ことがわかった。影響がなかった清酒は、嗜好性低
下に関与するグルタミン、ピルビン酸、酢酸イソアミル
を多く含む特徴
があり、そのためにリジン、ヒ
スチジンの効果がなかったのではないかと予想された。この
ように嗜好性を上昇させる成分と低下させる成分の
含量のバランスも重要と考えられ、嗜好変化を単一成分
ですべて説明することは非常に難しいという。
今回、清酒と生理的嗜好というこれまでに未検討の課題を扱
ったので、始めに用いた生理指標は飲酒後10分
の糖や脂肪酸代謝に関わるいくつかに限定。今後、清酒飲用
の生理的嗜好に関係が強い生理指標を選抜し、
飲酒後の時間経過との関連を調べれば、改めて強力な成分候
補が選定できるという。

(2)ヒトにおける清酒の生理的嗜好性

れでは、ヒトの清酒選択において生理的嗜好性はどれだけの意味があるのだろうか。前述の実験で用いた純
米酒を用い、ヒトの清酒に対する嗜好を、□の中
で感じるおいしさは咽下を伴わないきき酒試験、生理的お
いしさは実際に清酒を摂取する1時間の飲酒試験
で評価した。被験者は、清酒の官能評価経験を有し、飲酒
歴が長い清酒経験者群と清酒の飲消耗験が浅い清
酒初心者群とした,この結果、経験者と初心者では清酒の
嗜好傾向が明らかに違い、清酒に対する「経験値」
は清酒の好に影響する要因の1つと示唆された試験で清酒
経験者群は、きき酒および飲酒試験でほ
ぼ同じ清酒を選択した。経験者群は清酒の味に対する感覚や認識お
よび評価体系が確立されて嗜好が固定さ
れているためと推察され、経験者の飲酒試験は必ずしも生理的嗜好
を反映した結果でないと考えられた。一方、初心者群ではきき酒および飲酒試験で選択した清酒が異な
り、
さらに飲酒試験の前半と後半時間帯で選択される清酒が変化していた,すなわち、初心者では□の中で
感じ
るおいしさで評価された清酒が必ずしも飲酒時に選択されるわけではないと示され、初心者では固定
された
嗜好や清酒に関する知識や情報がなく、自分の基準で好ましいもの、飲酒時のコンディションで欲する
ものを
そのまま選択した結果だとする。
ヒトは大脳皮質前頭連今野が発達しており、学習や経験、記憶といった様
々な情報を含めておいしさを判
断する。そのため、生理的嗜好は非常に重要であるが、ヒトの嗜好性に占め
る部分が必ずしも大きくない。し
かしながら、興味深いことに初心者群の飲酒実験後半(飲酒開始後30~60
分)で、動物と類似した清酒
の嗜好が観察された。経験者群でこの傾向がないため、限定的だがヒトと動物
間で生理的
嗜好の側面から見た清酒の嗜好が類似したことは非常に興味深い。

2.清酒の酔いと清酒成分

(1)普通酒の抗不安作用

非常に興味深い非常に興味深いマウスで高架式十字迷路試験を行い、エタノールと普通酒飲用による抗不安
作用を比較した。高架式十字
迷路試験は、げっ歯類が高い位置にある開放された場所を嫌う習性を利用し、
不安水準を測定し、抗不安
薬等のスクリーニングに用いられ、酔いの評価系としても一般的であるっ高架式
十字迷路は側壁に囲まれた
クローズアームと側壁がなく開放されたオープンアームからなり、抗不安作用が
増すとマウスのオープン
アームヘの進入回数と滞在時間が増加する。エタノール(15%)を経「1投与(エ
タノール換算1.2 g/kg体重)
しか場合、水を投与した対照群より、オープンアーム進入回数と滞在時間が有
意に増加し、エタノール摂
取による抗不安作用が想定された。また、普通酒(アルコール度15帽を同条件で
経口投与するとオープン
アーム進入回数と滞在時間がエタノール群に比べ、有意でないがより増加し、普通
酒のオープンアーム滞在
延長作用がエタノールよりも強い傾向にあり、このことは普通酒に含まれるエタノ
ール以外の成
分が抗不安作用上昇に寄与。エタノールがGABAA受容体の応答を強め、抗不安作用をもつている
が、
清酒分画物を用いた実験から、エタノールやGABA以外の清酒成分がGABAA受容体の応答を強めることを明
らかし、以上から、清酒が抗不
安作用促進成分を含むのとされる。

(2)吟醸酒の抗不安作用

吟醸酒は吟醸香と呼ばれる果実様の芳香を持つ。吟醸香の主成分はリンゴ様のカプロン酸エチル(吟醸酒7.1
mg/l、普通酒0.4 mg/l 程度)とバナナ様の酢酸イソアミル(吟醸酒1.9 mg/l、普通酒1.5 mg/l程
度)で
ある。高架式十字迷路試験で吟醸酒は普通酒よりも抗不安作用が有意に強いことがわかった(上図2
)。吟
醸酒に含まれる程度のカプロン酸エチル(10 mg/lと酢酸イソアミル(2 mg/lを普通酒に添加して
試験した
結果、カプロン酸エチルおよび酢酸イソアミルのいずれもがオープンアーム進入回数を増加させた
(上図右)。
この2成分によるGABAA受容体応答完進が報告されており、吟醸香成分がGABAA受容体を介し、抗不安作用を
もたらしたと推測する。



抗不安作用を吟醸酒飲用時、吟醸香による抗不安作用が確認されたが、その効果はどのようにして発揮された
のだろうか。
森林浴やアロマテラピーのリラックス効果について、芳香物質のGABAA受容体を通した作用モデル
が悦楽さ
れているハヘ芳香物質を嗅ぐと嗅覚系を刺激するだけでなく、位腔から直接的に脳、肺、皮膚、胃や
小腸か
ら血液に取り込まれる 芳香物質の多くは脂溶性物質で血液一脳関門を容易に通過して脳に運ばれ、GA
BAA
受容体応答を完進して安らぎをもたらす可能性がある。今回の経「1投与試験では、吟醸酒に含まれる香気
分は胃や小腸から血液に取り込まれて作用した可能性がある。実際の飲酒時には□から摂取した効果に加え、
嗅覚系の剌激による効果も期待される。

(3)吟醸香成分のエタノール代謝への影響

フーゼル油は酒類に独特の香りを与える一方、毒性が高く、ADH活性に影響を与え、悪酔いの一因とされる。
これまでにプロパノール、ブタノール、イソア
ミルアルコールなどがエタノールとADHの反応を拮抗阻害する
ことを示し、フーゼル油は広義には
メタノールやエステル類等を含む酒類中の揮発性物質の総称とされ、カプ
ロン酸エチルおよび酢酸イソアミルも広義ではフーゼル泊ととらえられる。カプロン酸エチル(10~1000mg/l
と酢酸イソアミル(2~200 mg/l のADH活性への影響を調べたが、両方とも影響がなく、清酒に含まれる範囲で
これらがADH活性を阻害することはないとする。清酒のおいしさを考える上で清酒経験や生理的嗜好を考慮する
必要があることが示された。近年、お酒を飲まない層の増加が言われているが、こういった初心者と経験者の
違いへの配慮も一手であり、清酒成分に抗不安作用があり、特に吟醸香成分が抗不安作用を促進する。吟醸酒
に含まれる濃度で行っており、実際の飲酒で十分な効果が期待され、実験で示すまでもなく、その効果を経験
したひとは多いのではないかと指摘する。


3.清酒とスルメの相性

 

 

同じく、清酒とあたりめの相性の良さについては、独立行政法人酒類総合研究所の藤田晃子の実験によって問題提起さ
れている。それによると、一般的な酒のおつまみである“するめ”を噛みながら清酒または白ワインを口に含むと、生臭み
や苦味・えぐ味等の不快香味は、清酒よりも白ワインにおいて強く感じられる(上図)。 魚介類の生臭さの原因のひとつ
に、ドコサヘキサエン酸(DHA)などの多価不飽和脂肪酸か劣化して生じるカルボニル化合物かあるといわれている。
“するめ”にはこの多価不飽和脂肪酸か豊富に含まれ、白ワインとの組み合わせで多価不飽和脂肪酸か酸化するなど
してカルボニル化合物が生じ、生臭みや苦味か生じたのではないかとして検証実験を行った。ここでは不快香
味を評価する指標に、生臭みはアルデヒド類の濃度を、苦味は味覚センサーの苦味強度を用いている。 先ほど
の仮説がワインに含まれる亜硫酸によって起こりうることがわかったという。現在、その機構の詳細を亜硫酸か
少ないワインや無添加のワイン、多価不飽和脂肪酸が少ないタラやエビ、カニなど、この現象に気を忖けて組

合わせると、ワインとシーフードのマリアージュ(結婚)か一層楽しめ、お酒の「料理との相性」に対する消費
者の関心は高いとする。この事例では、多種多様なお酒と食品における相性の一例だが、酒と食品の相性などの
食文化にも寄与したいとのことだ。

今夜は清酒成分について考察してみた。成分的には極微量だが、この成分が清酒の甘さに深みやこくを与える
には欠かせない。半導体でいうドーパントに対応するのだが、150種の成分というから有機化学や生態学の世界
は複雑系だ。その複雑系は脳科学とも深く関わっており、味センサーも半導体の概念に含まれるだろう。かくし
て過剰はだめだが、微量領域は飛躍を生み出すようだ

※組織にも、つまりピーター・ドラッガーばりの社会環境学的にこのことが当てはまる。異質なドーパント、
 強烈な個性を持った個人を許容内包することで組織が活性化し目的を達成できるのではないかと。
  

 

 

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極東シベリアの越冬食

2013年01月07日 | 省エネ実践記

 

 

 

 


     苦痛に悲鳴を発したり、大声で泣いたり、助けを呼んだり、一般に何かそういう
     声を発することを、ここではみんないっしょくたに「吠える」と称する。
     シベリアでは熊が吠えるだけではなくて、雀や鼠もまた吠えるのだ。
     「猫に捕まって吠えるのなんのって」と人々は鼠の話をする。


                       アントン・チェーホフ『シベリヤの旅』
               
                                           Let's roor, your honor

                                                    村上春樹 訳

 






【尚賢 情実人事は国中をくさらす】        

  「尚賢」は字義どおりに解釈すれば、賢人をとうとぷことである。だが、いわんとするところは、し
かく単純ではない。「官に常貴なく、民に終賤なし」(尚賢・上)―貴族がいつまでも貴族であって
いいはずもなく、人民がいつまでも卑賤であっていいはずもない。上のものが、いつまでも上にいられ
ると思うな。政治を、無能な貴族の手から解放せよ。当時、世襲的な貴族政治は、人々を窒息させよう
としていた。どんな才能があっても、低い身分に生まれた者に、門はかたく閉ざされていた。吊手は、
かれらの声を代弁した。したがって、「尚賢」は不平等と差別に対して平等無差別を主張するものであ
り、「兼愛」に通ずる。この停滞した社会の危機を救うものは「尚賢」であり、権力争奪の惨禍を救う
ものは「兼愛」である、というのだ。 なお、「尚賢」は上・中・下とあり、ほぼ同じ論旨だが、ここ
には最も整っている下編を訳出している

 

                今天下之士君子、皆欲富貴面詰貧
               賎。然女伺為面得富貴、面避貧賎哉。
               日、莫若為王公大人骨肉之親。王公
               大人骨肉之親、貫故富貴、面目美好
               者、此非可学面能将也。使不知弁、
               徳行之厚、若出湯文武不加将也。王
               公大人骨肉之親、壁疸聾軒、暴為梨
               村不加失也。是故以貧不当賢、罰不
               当暴。其所貧者已無功矣、其所剽者
               亦無罪。是以使百姓皆放心塀体、温
               以為善、舎其股肱之力、而不相労来
               也、腐臭余財、而不相分資也、隠匿
               良道、而不指教唐机。若此則肌着不
               得食、寒着不得衣、乱着不得治。是
               故昔者亮有舜、舜有両、両有皐陶、
               湯有小臣、武王有閑天蚕順、南官括
               教官生、而天下和、庶民阜。
               是以近着安之、達者帰之、日月之
               所照、舟車之所及、雨露之所願、粒
               食之所養、得此莫不助言。且今天下
               之王公大人士君子、中実将敵為仁義、
                   求為上士、上敵中聖王之道、下敵中
               国家百姓之利、故尚賢之為説、而不
               可不察也。尚賢者、天恵百姓之利、
               而政事之本也。



いま天下の士君子、みな富貴を欲して貧賎を悪ひ。然るになんじ何をなしてか富貴を得て、貧賎を避く
るや。曰
く、「王公大人の骨肉の親たるにしくはなし」。王公大人の骨肉の親と、貫故富貴なると、面
目美好なる者とは、
これ学びてよくすべきものにあらず。知弁せざらしむれば、徳行の厚きこと、両・
湯・文・武のごときも得るを加え
ず。王公大人の骨肉の親なれば、壁稿聾軒、暴、梨糾たるも失うを加
えざるなり。この故にもって賞すれば賢に
当たらず、到すれば暴に当たらず。その賞するところはすで
に功なく、その罰するところはまた罪なし。ここをも
って百姓をして、みな心を放ち体を僻り、もって
善をなすを胆み、その股肱の力を舎きて相労来せず、余財を腐
臭して、指分資せず、良道を隠匿して、
指教雨せざらしむ。かくのごとくなれば飢うる着食を得ず、寒ゆる着衣を
得ず、乱るる着冶を得ず。こ
の故に昔は尭に舜あり、舜に萬あり、萬に皐陶あり、陽に小匝あり、武王に閔夭・
素願・南宮括・教官
生ありて、天下和し、庶民阜んなり。ここをもって近き着これに安んじ、遠き着これに帰し、日
月の照
らす所、舟車の及ぶ所、雨露の漸す所、粒食の養う所、これを得て誉れに勧まざるなし。かついま天下

の王公大人士君子、まことに仁義を為めんと欲し、上士たらんを求め、上は聖王の道に中らんと欲し、
下は国家百姓の利に中らんと欲せば、故に賢を尚ぶの説たる、察せざるべからず。賢を尚ぶは、天鬼
百姓の利にして、政事の本なり。

【解説】

君子なら、だれでも富貴を欲して貧賎をにくむはずである。だが、現状では、貧賎から抜け出て、富貴
を手に入れるためには、縁故関係を結ぶか、さもなければ財産、身分を手に入れるか、容貌をよくする
以外に、とるべき方法はない。しかし、それはかなわぬ相談である。縁故関係、財産、身分、容貌など
は、学んで手にはいるものはないからだ。つまり筋道の立った基準をもうけないかぎり、いくら聖王の
ような徳行の厚い人物であっても、とりたてられることはないのだ。その反対に、支配者と縁故関係が
ありさえすれば、イザリ、オシ、ツンボ、メクラで、しかも、桀王、糾王のような暴虐非道な者でも、
地位を失うことはないのだ。
 現状では、賞をもうけても能力のある者には与えられず、罰をもうけてもよこしまな者には適用され
ない。反対に、功績のない者が賞をもらい、罪のない者が刑罰に処されているありさまだ。だが、その
結果はどうなるか。国全体が無気力状態におちいる。社会に貢献しようとしても足をひっぱられるから、
力があってもむだに消費して、人のために働かなくなる。財力があっても、持ちぐされにして、人に分
配しなくなる。学問を身につけていても、隠したままにして、人に教えなくなる。こうなれば、人々は
飢えと寒さにせまられ、社会は混乱状態におちいるばかりだ。聖王の時代はそうでなかった。

堯には舜がいたし、舜には爾がいた。萬には皐陶がいたし、湯王には伊尹がいた。また武王には閎夭、
泰順、南官括、教官生がいた。聖王の下では、天下は安定をたもち、人民全体が意気に燃えていたから、
領内の人民がその支配に満足したことはもちろん、遠く領外の人民までが善政を慕って帰服した。太陽
や月の光りの及ぶところ、舟や車の行き及ぶところ、雨や鱈のうるおすところ、穀類を常食とするとこ
ろ、この地上のいかなる場所であっても、能力のある人物を登用するならば、人々は勤勉な心と向上心
とをもつようになるのだ。もし、支配者および君子が、仁義の徳を身につけ、人材を尊重し、とは聖王
の道に合致し、下は国家人民の利益に合致することを心から求めるならば、能力のある人物をとりたて
ることこそ道理であることを認める必要がある。人材の登用は、天を利し鬼神を利し人民を利する道で
ありまた政治の根本でもあるのだ。

翻って現代中国はどうだろう。「生活水準の一括的向上」という共産主義革命の第一命題必達のため、
所得格差が拡大し、環境破壊は酷くなるばかり、国の覇を競うばかりに、国内の「筋道の立った基準
はおろか国外の「筋道の立った基準」を打ち立てられずに、自国民、他国民を抑圧してはいないだろう
か。そのように現代の墨子は問うているように見える。



 

【越冬ラーメン】


インフルエンザが流行しそうだと米国では、予防接種、手洗い、免疫力アップのキャンペーンを繰り広げている。
特に三番目
にビタミンBの摂取は欠かせないという。そこで、ランチタイムには、ハンドソープで手洗いし、日清
のラーメン屋さんの香味しおと食べるオリーブオイルと淡海昔玄米と酢、取れたての旬の白菜(余り余るほど家に
存在する)とビタミンBの豚肉を具材に、象印電気ポットの琵琶湖のお湯を中華ラーメン鉢に麺とスープを入れ、
白磁皿で塞いで五分間電子レンジでマイクロウェーブし、チンで取り出し麺と具材をかき混ぜ解し、玄米酢と胡椒
をふりかけ頂く。本当はタミフルの源の八角が欲しいところだが(これは買っておくことにしよう)、それでも、
これは、もう最高!白菜が実に甘く旨い、のだ。暖房も半時(約一時間)入れず身体はホカホカ。そういえば、昨
日からの眼精疲労による頭痛が嘘のように収まっている。まさに医食同源というところだ。極寒の極東シベリアを
チェーホフの詩をレイと春樹アレンジでイメージをブレンドし、ジュブリルタとひとりラーメンを充足。何んた
る至福!
 

  

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究極の足温器

2012年12月25日 | 省エネ実践記


 


【墨子の思想 尚賢】





 王公大人のその国家を視るや、その一の危弓・疲馬・衣裳・牛羊の材を視るにし
 かざるか

先回に引き続き尚賢(じょうけん)下第十篇から。以降、省けるものは省き、しかし、出
来る限り時代背景を
取り組むことで墨家に表出された言葉を現代に生かせるように工夫す
るが上手く行くか否かはやってみなければ分からない。

聴覚障害者ツンボを楽師に雇う君主

            而今天下之士君子、居処言語皆尚
           賢、逮至其臨衆発政而冶民、莫知尚
           賢面映能。我以此知天下之士判子、
           明於小面不明於大也。何以知其然乎。
            今王公大人有一牛羊之材、不能殺、
            必索良宰、有一衣裳之材、不能制、
           必索良工。当王公大人之於此也、雖
           有骨肉之親、貫故富貴、面目美好者、
           実知其不能也、不便之也。是何故。
           恐其敗材也。当王公大人之於此嵐、
           則不失尚賢面便能。王公大人有一良
           馬不能洽、必索良医、有一危弓不能
           張、必索良工。当王公大人之於此也、
           雖有骨肉之親、貫故富貴、面目美好
           者、実知其不能也、必不便。是何故。
           恐其敗材也。当王公大人之於此也、
           則不失尚賢簡便能。逮至其国家則不
           然。王公大人骨肉之親、貫故富貴、
           面目美好者則挙之。則王公大人之視
           其国家也、不若視其一危弓疲馬衣裳
           牛羊之材与。我以此知天下之士君子、
           皆明於小面不明於大也。此誓猶店者
           而使為行人、聾者面使為楽師。


而るに今天下の士君子、居処言語みな賢を尚ぷに、その珊に臨み政を発して民を冶むるに
至るに逮びて、賢を尚び能を使うを知ることなし。われこれをもって天下の士君子の、小
に明らかにして大に明らかならざるを知る。何をもってその然るを知るや。 いま王公大
人、一牛羊の材ありて、殺す能わざれば、必ず良宰を索め、一衣裳の材ありて、制する能
わざれば、必ず良工を索む。王公大人のここにおいてするに当りてや、骨肉の親と、貫故
富貴なると、面目美好なる者とありといえども、実にそのよくせざるを知れば、これを使
わざるなり。これ何の故ぞ。その材を敗ることを恐るればなり。王公大人のここにおいて
するに当りてや、すなわち賢を尚び能を使うことを失わず。王公大人、一疲馬ありて治む
る能わざれば、必ず良医を索め、一危弓ありて張る能わざれば、必ず良工を索ひ。王公大
人のここにおいてするに当りてや、骨肉の親と、貫故富貴なると、面目美好なる者とあり
といえども、実にそのよくせざるを知れば、必ず使わず。これ何の故ぞ。その材を敗るこ
とを恐るればなり。王公大人のここにおいてするに当りてや、すなわち賢を尚び能を使う
ことを失わず。その国家に至るに逮びてはすなわち然らず。王公大人、骨肉の親と、貫故
富貴なると、面目美好なる者とはすなわちこれを挙ぐ。すなわち王公大人のその国家を視
るや、その一の危弓・疲馬・衣裳・牛羊の材を視るにしかざるか。われこれをもって天下
の士君子、みな小に明らかにして大に明らかならざるを知るなり。これ譬えばなお瘖者(
いんもの)をして行人たらしめ、聾者をして楽師たらしひるがごとし。




解説

現状はどうか。なるほど、今日、君子といわれる人々は、口ではしきりに能力のある人物
をとりたてるといっている。だが、口ではそういいながら、いざ為政者として国を治める
となると、そういう人物をたてようとはしない。わたしからみれば、かれらは、小さな道
理はわきまえても、大きな道理はわきまえない。なぜか。たとえば、為政者は、家畜を殺
して料理するさいには、自分では家畜を殺すことができ’ないから、必ず腕のよい料理人
をやとっている。また、衣装を仕立てるときにも、必ず腕のたしかな裁縫師をやとってい
る。すなわち、家畜を殺したり、衣装を仕立てたりするときには、為政者は、縁故関係、
財産、身分、容貌などにとらわれて、能力のない者をつかうようなまねはしない。せっか
くの材料がむだになることを恐れるからだ。つまり、こういうさいには為政者は、能力の
ある人物をつかうという心掛けを忘れてはいないのだ。また、為政者は、馬が病気になれ
ば、必ず名医にみせて治療させ、弓のつるがきれれば、必ず腕のよい弓師に張りかえさせ
る。決して、縁故関係、財産、身分、容貌などにとらわれて、能力のない者をつかうよう
なことはしない。せっかくの財産がむだになることを恐れるからである。 すなわち、為
政者は、こういう場合でも、才能のある人物をつかうという心掛けを忘れてはいないのだ。
ところが、国家を治める段になると、事情は一変する。縁故関係、財産、身分、容貌が重
んじられ、その条件に合うものだけが登用される。為政者にとって、国家のことなどは、
弓や馬、衣装や家畜にくらべれば、どうでもよいことなのだろうか。小さな道理はわきま
えても、大きな道理はわきまえないというわたしの批判は、これをいうのだ。こういう為
政者の態度は、オシ※を使者に命じ、ツンボ※を楽師にやとうようなものである。

身分、縁故、財産、身分、容貌などを採用の条件とすべきではない。これらにとらわれぬ
自由な立場で、能力、人格のすぐれた者をえらぶことこそ、人材登用の原則である。「賢
を尚び、人材登用における差別を撤廃せよ」、この主張は、差別に反対する兼愛説と、根
底する。

※差別用語:翻訳文に用いられている

尚賢は字どおりに解釈すれば賢人をとうとぶことであるだがかれのいわんとするところは、
しかし
単純ではない。かれはいう。「官に常貴なく、民に終賤なし」(尚賢・上)-貴族
がいつまでも貴族
であっていいはずはなく、人民がいつまでも卑賤であっていいはずもな
いない。上のものが、いつ
までも上にいられると思うな。政治を、無能な貴族の手から解
放せよ。当時、世襲的な貴族政治
は、人々を窒息させようとしていた。どんな才能があっ
ても、低い身分に生まれた者に、門はかた
く閉ざされていた。墨子は、かれらの声を代弁
した。したがって、「尚賢」は不平等と差別に対して
平等無差別を主張するものであり、
「兼愛」に通ずる。この停滞した社会の危機を救うものは「尚
賢」であり、権力争奪の惨
禍を救うものは「兼愛」である、というのだが、今風に解釈すれば「結果の平等」より「
機会の平等」にバイアスががかかっているように見えるが、聴覚障害や聾唖者を喩えとす
る乱暴な表現が見られる。つまり、(1)「能力=努力×時間」(2)「能力=努力×時
間×好機」(3)「能力=努力×時間×社会的支援」とチョット考えるだけで複雑そうに
思えるがここではもっと基本的な封建制、身分差別というものについて発言であると考え
るが、依怙贔屓、縁故利用などもここで取り上げられているものの制度としては随朝の楊
帝にはじまる科挙制度をもって体制支配手段として採用したものの現代までその不条理は
完全払拭されていない。

また、「尚賢」は上・中・
下とあり、ほぽ同じ論旨だが、ここには最も整っている下編を
訳出している。今回取り上げた問答の件は墨子が楚の国の大臣、穆賀(ぼくが)に向かっ
て自説を説いたときとされていて、現存する五三篇の大系表(下表参考)の「魯問篇-尚
賢」にその名が記載されている。

 

 

 【究極の足温器】

雪が降る日は決まって足下が寒くなる。ビルなどと違い昔ながらの木造家屋ではその寒さ
はその比でない。だから、囲炉裏を囲み、掘り炬燵を囲み、暖をとったものだったが、や
がて土間がなくなり、テーブルで作業を行うようになり、石造・煉瓦造でない家屋はなお
のこと足下の寒さが堪えるというわけだ。急遽、プラスチック湯湯婆、電気熱線式足温マ
ットで試したものその効果は薄い(ないよりまし程度で)。そこで次のような基本設計要
件でネット検索をその対策探った。(1)作業性を低下させない、(2)廉価であること、
(3)電気などのエネルギーを使わないという三つの枠を嵌めてみた。足温器あるいは下
肢保温器若しくは衣料品のタイプを分けてみると次のようなものがある。

(1)断熱(=保温)材料による固定式足温器
(2)断熱(=保温)材料積層による移動式足温器
(3)断熱(=保温)材料(もしくは積層材料)に蓄熱剤を加えた固定式足温器
(4)断熱(=保温)材料(もしくは積層材料)に蓄熱剤を加えた移動式温器
(5)(1)に熱源を付加した足温器
(6)(2)に熱源を付加した足温器
(7)(3)に熱源を付加した足温器
 (8)(4)に熱源を付加した足温器

 

 

上の新規考案の2つの図は、電熱器で過熱保温するもので左側はスリッパ・ブーツ型で移
動式は充電式や蓄熱剤で過熱することで着用移動する。右側は同じく電熱や湯湯婆などの
蓄熱剤を挿入したキャスター付のテーブルで移動式の掘り炬燵と考えればわかりいい。







これに対し、上の2つの図は、断熱(=保温)材料あるいは積層材料の(1)と(2)も
しくは、(3)(4)のタイプに属するもの。上図側は、龍野コルク工業株式会社のエコ
足温器発泡ビーズを利用した流動性と保温性を生かした足温器の素材で成形加工し、体温
を熱源としたエコ商品で、熱源が不要なのでやけどの心配や火災の原因などがない。 発
泡ビーズの保温力と流動性熱源を電気ではなく体温とするもの誰もが使える安全性足の裏
やふくらはぎの心地よさ洗濯可能な素材を追求し現在4点が商品化されているという(上
の写真の2つに該当)。また、下側の図は下の写真のようにリーバーシブルあるいはツー
ウェイの足温ブーツで、今流行のヒートテックなどの下着素材の考えかの応用で、保温ポ
ア(保温素材、体温から発する水蒸気との水和熱で過熱する繊維素材?)に赤外線反射材、
各種の保温材・断熱材などを積層させている。

 


双方とも熱源としては体温と発汗で安全面とコスト面で有利だが、上の写真の製品は詳し
いデータが揃っておらず性能機能面で疑問符がつくが、龍野コルク工業製のものには下記
の試験データなどがオープンされており移動性や意匠性では見劣り?するかもしれないが
こちらの方が信頼性があるように思われる(関連知財は下記図をクリック)。




しかしながら、足先だけではこの厳しい寒さは、レギンズなどの下着だけでは抗しきれな
い。そこで、レッグウォーマやオーバーズボン、膝掛け、前掛けなど着用することを次に
考えた。下図は関連新規考案の説明図(寸法・位置関係を見るものとして参考記載、右図
クリック)。やはり耐伸縮屈曲性、保温性、作業性(軽さ・柔軟さ)は絶対的な品質要求
となる。

 

このに考えていくと、伸縮屈曲性のある脚部・大腿部を被覆できるブーツタイプが最適だ
と思われ
る。そして、昨夜で最終回の月九ドラマ『プライスレス』のパッピー魔法瓶では
ないが『究極のヒートプロテクトインナーブーツ
 の商品開発できれば世界中に馬鹿売
れにするだろう。〆て2千円×70億人×10%(潜在的欲求顧客率)=1兆4千億円とな
る?!ってそんなことあるわけないだろう?!それならキミが事業展開すればいいんじゃ
ん?ということになる。それは不可能なことではない。ないが、わたしには□□□□の世
界展開という夢に邁進しているので、それはお譲りする。




我が家の珍事。ブラッドオレンジの花が咲きかけている。そういえばマンゴーの栽培には
失敗したが、愛媛農業試験所を小豆島へ寄ったついでに訪問する予定でいたが急遽中止し
た経緯があった。ところで、これは深夜作業の暖房効果なのかもしれない。
 

 

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湯湯婆に磯鷸

2012年12月17日 | 省エネ実践記

 



 

 

   甲高き淋し気な声あげながらイソシギが翔ぶ晩秋の獄庭(にわ)を / 郷 隼人

 


【いそしぎの羽音】 

 

  


 One day we walked along the sand
 One day in early spring
 You held a piper in your hand
 To mend its broken wing
 Now I'll remember many a day
 And many a lonely mile
 The echo of a piper's song
 The shadow of a smile

 The shadow of your smile
 When you are gone
 Will color all my dreams
 And light the dawn
 Look into my eyes
 My love and see
 All the lovely things
 You are to me


                                         THE SHADOW OF YOUR SMILE    

                                         Written by P.F.Webster & J.Mandel                                                           

 

シングル・マザーで無名の画家のローラ(エリザベス・テイラー)は、カリフォルニアの海岸の
家で、九歳の息子ダニーと暮らしていた。自由な生き方を愛するローラはダニーを学校に通わ
せず、自宅で教育していたが、ダニーは裁判所の命令でミッション・スクールの寮に入れられ
てしまう。今風でいうとフリースクールがない状態だ。
ミッション・スクールの校長で牧師で
もあるエドワード(リチャード・バートン)は、温順な妻のクレアと共に学校を切り盛りし、新
しい礼拝堂を建設するための寄付金集めに奔走していた。エドワードは、神や社会的な常識を
否定するローラを感化しようとするが、逆にローラの自由な心に惹かれ、密かに逢瀬を重ねる
仲となるものの、
ミッション・スクールに礼拝堂を建てるための寄付集めは、実は理事たちの
税の隠れ蓑だったというわけだから、どこでもありそうな不自由な自由主義社会だね。その
エドワードは、校長の座を守るために、理事たちの計画に目をつぶっていたが、ローラの影響
で若い頃の情熱を取り戻したエドワードは、理事からの賄賂を突き返すわけだから逆感化なん
だね、これって。
理事会に逆らったエドワードは、ローラとの関係を妻のクレアに打ち明け、
学校を去る決心をし、ローラもまた、妾のような立場を拒絶し別れを告げる。エドワードは、
考える時間が欲しいと言う妻を残しひとり当てもなく旅立って行ったという文脈なのだが、羽
の折れた幼鳥をヒロインが手当てし、大空へ飛び立たせるエピソードが登場人物の心情の変化
として終端する。映画ストーリはそうなんだけれど、文脈自由文法()としてはエドワ
ードとローラは後日再会し結ばれるんじゃないという想像力を働らかせる。蛇足だけれどね。

 

このごろのテレビって凄いね。衛星放送で映画『いそしぎ』が大画面で鑑賞できる。それもほんの休憩
がてらにね。 1965年の梅田はそりゃ~、大きな映画看板があって掛け変わるのが楽しみだった。
思わず哀愁というか懐かしいということで後半部だけなんだけれど観てしまった。たまりませ
んね。ところで、半世紀たったいまでも‘Common sandpiper’の群れなし飛び羽音が聴ける海

岸ってあるのかなぁ~。来年も遠出できないがこの峠を越えたならそんなこともしたい。






【湯湯婆で足下を暖かく】

冬場の節電として足下を湯湯婆で暖めているがこれは使い勝手が悪く効果が低いという結論を
だしたが、足袋を改良できないネットで下調べしてみたが適当なものがなったが、株式会社ネ
ギシの‘エネCATCHに眼がとまった。原理は、酢酸ナトリウム水和物、チオ硫酸ナトリ
ウム水和物、硫酸ナトリウム水和物、塩化カルシウム水和物を主成分とした蓄熱材を使うもの。
これらの蓄熱材組成物の相変化に伴う凝固を利用し、例えば酢酸ナトリウム水和物は、比較的
高い温度(例えば、55~35℃程度)の熱を確保。硫酸ナトリウム水和物は、やや低めの温度(
例えば、35~20℃程度)の熱を確保し、チオ硫酸ナトリウム水和物は、その中間の温度(例え
ば、45~35℃程度)の熱が確保できる。従って、どの組成物を用いるかは、蓄熱槽2で加熱す
る熱媒体や温水の使用用途に応じて適切なものを選ぶようにすればよい。下記特許はその一例。

 

実登3177022|蓄熱材利用湯たんぽ

上図クリックしてもらえれば全容がわかるが、可撓性(フレキシブル)もあり使いやすそうだ
が、なぜか
電子レンジでの過熱は否定的だ。蓄電もいまは電磁誘導でワイヤレス給電の時代。
安全性を第一として、過熱伝導しなくても非接触で過熱できるマイクロ波吸収蓄熱材を使えば
折りたたんで過熱した後、各々のユースポイントや靴やスリッパなどの衣料品に挿入すれば良
い。なお、ケースに金属が含まれていると帯電放電が起きるので素材選定が重要になる。前に
も記載したが表面温度センサで過熱を自動停止させることができれば問題解決できる。まぁ、
蓄熱材と収納素材加工がポイントになる。



ワープする銀粒子』で防カビくん煙剤を購入しテストを開始。彼女曰く本当に効くのかしら
というので、充分に効くでしょうとだけ答え、充分に下調べしたつもりだからという言葉を付
け加えることを忘れなかった。高度情報・高度消費社会だ、やる気と根気と後はセレンディピ
ティ(serendipity)ということになるが、これに運(外部環境事象)がつけばなお結構。

 

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室内ウォーマーに初雪

2012年12月02日 | 省エネ実践記

 

 

 




【夜回りに凍りつく】

昨夜の冷え込みは今年一番とおもわせろところがあった。というのも、町内の夜回り当番にあたり
夜九時からご近所の男三名で防火喚起と消火栓点検(三箇所)と防犯目的で行ったのは良いのだが、
冷え込みが常套でなく、といっても厚着して出かけたのだが拍子木を持つ手は手袋なし。これがよ
ろしくなくて硬式野球のバットを振りボールを当てた時のあの衝撃に似た痛打がその度に襲うわけ
でその都度、呼び掛ける声が微妙に弱々しいヴィブラート(vibrato、vibration)に変化してしまう。
やはり、準備不足と反省する。

 

今朝は、晴天下で午前九時から溝掃除。こちらは農水路水を流していただいたお陰で例年にないハイペー
スで作業が切り上がる。それもこれもお天気次第ということを強く意識する。というわけではないが、冬季の
我が家のウォームビズを考える機会ともなった。具体的には昨日から室内でマフラーをして作業しはじめた。



【ウォームビス実践記1 衣服編】

マフラーは襟巻きと使用部位の違いがあるものの、肩掛けというストールと使用する衣料機能は意
匠や素材を
別として機構・品質と同様と考えてもいいだろう。部位に限定しなければスカーフ、ス
ヌードなども含まれ、三角形ならショール、マントまで拡張すれば外套。膝や脚の部位になれば、
フラグ(膝掛け)、レッグウォーマとなる。まだまだある。肩や背の部位を覆おう、カーディガン、
ケープ、下半身まで覆えばクロークとなる。部位が首となればネッカチーフ、ストラ(葬祭衣料品)
となりこれはさきほどのストールと同じで、ハイネックを含めネックウォーマに属す。頭部はバン
ナマ、キャップ、ターバン、ヘッドバンド、クーフィーヤ、耳部は耳あて、口鼻部はマスク、胴回
りは、ベルト、腹巻き、身体全体は外套、ヒジャブ(イスラム)、貫頭衣のポンチョなどなどとな
る。これとは別な意味で万能的な機能をもつタオル(バスタオル)、手拭いなども入り、下の写真
のように今治タオルは素材が麻を使っており複合糸を含め今後の商品開発の動向に注目だ。

さて、寒いからといっていっぱい着込めば、モコモコ、ごわごわになり機動性・作業性が低下てし
まう。寒さを我慢しないでスマートにオシャレに着こなしをするには、重ね着しやすいアイテムや
保温効果の高いインナーを選択するのが早道だ。そこで寒さを制する部位の要は(1)背中上部-
肩甲骨の間(2)首、肩回り(3)大腿部-鼠蹊部(そけいぶ)であり、太い血管が通るこの3カ
所を温めることで、血流が良くし、全身を効果的にあたためることができ、それを踏まえデジタル
革命の基本特性であるダウンサイジングの「軽・薄・短・小(少)・安」に「暖」あるいは「涼」
の着用を考えてみよう。アフガンマフラー、ストラの肩掛けストールは首回りを暖かくすれば、保
温力アップする。例えば、パシュミナ(下の写真)のストール(700×2000)と長目だがシャツの上
から質感の良いストールを巻けばお洒落。



それも面倒だから、手軽に洒落るには市販のネックウォーマを買ってきて着用するれば、タートル
ネックのネックウォーマーも登場している。外出先でサッと取り出して使ったり、季節の変わり目
に首元だけ保温して、タートル風に着こなすなど使い道はいろいろ。また、マフラー(250×600以
上のサイズ)はマスク兼用できるので風邪のくしゃみや咳がある場合は便利。最近はマスク専用殺
菌・滅菌剤が売られているので併用すれば家族に迷惑掛けずに済む。因みに、下表の小林製薬の除
菌剤(特開2011-063523 マスク用除菌/殺菌組成物)はエタノールとメントールと水から構成さ
れているもので、殺菌及び殺ウィルス効果も充分に備えているようだ。

 

 のどぬ~る マスクの除菌・衛生スプレー
このように考えていくと、レッグウォーマー、タイツ(肌のスケ感のないマットなタイプ(60デ
ニール以上)、「パ
ッチ」「ももひき」にとってかわる、薄手のレギンス(写真下)などを着用すれ
ば、室内温度設定が1、2℃低めでも充分に暖かく保温できるので省エネ効果も数%程度とわずか
ではあるが効果が上がると期待している。





早速、彼女にされたメンズレギンスを予約する。マロース(冬将軍)の季節「きっぱりと冬が来た
/八つ手の白い花も消え/公孫樹の木も箒(ほうき)になった/きりきりともみ込むような冬が来
た/人にいやがられる冬/草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た/冬よ僕に来い、僕に来い/
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ/しみ透れ、つきぬけ/火事を出せ、雪で埋めろ/刃物のような冬が
来た」(高村光太郎『冬が来た』)。ピンチがチャンス。そうやって人類は克服してきたんだ。笑
って、身体を温め、梅干し囓(かじ)り、そうやって人類は科学力を上げ、免疫力を高める知恵を
身につけて来たんだ。3.11以降、原子力エネルギーのリスクを日本人は軽減させようとしてい
る。これはなかなか面白い。
 

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オリーブの木の下で Ⅷ

2012年08月23日 | 省エネ実践記

 

 


【オリーブの木の下で】 



朝から忙しく、昼前にはジムをキャンセルし作業継続することを決めたが、小腹が空き珍しくカップ
ラーメン、洋風しお味の「カップヌードルしお」を見つけ、開封し、ジャーのお湯を注ぎ、適当な蓋
を見つけ電子レンジで2分追い加熱(五百キロワット)しできあがり。美味い!というか僕好み的に
は乾麺の評価をのぞき、もう、これは完璧に近い。ただ、家でつくりおいたブロコリーなどトッピン
グ用
の肉・野菜とかを豪快に載せて頂ければ豪華になるのではと言う思いに駆られ、専用の上蓋がな
いか
(下図参照)ネット検索してみたものはなかった。こちらの要求仕様としては、カップと具材の
空間
容積を10mm程度広げ、の高さを30mmとした蒸気穴抜き付き半透明のポリエチレン(シリコンまで
の耐熱はいらないと思うが)製のクリアーというものだが、メーカの日清食品から無償提供されたら
なおのこと便利だ(もっとも、これで販促ができれば申し分ない)。
尚、今日は、オリーブ油とガーリックチップとパルメザンチーズを少々追加した。
 



それでは、今夜は第十四章「万病の薬、味の悦楽」から。

オリーヴはしばらく前から「地中海式ダイエット」と呼ばれる宗教において、小麦、ブドウとともに
聖三位一体をなす食材として崇拝されてきた。地中海式ダイエットの教えは単純明快、クレタ島の農
民のような食生活をすれば、健康で長生きできるというものだ。アルメニアの農民がヨーグルトで健
康に暮らしていようと、そんなことは関係ない。改宗を迫る者たちは「抗酸化物質」や「フリーラジ
カル(遊離基)」といった専門用語を山上か雷のごとく浴びせかける。信仰がからむ問題はえてして
そうだが、原理主義者は時に極端に走ることがある。異端者の側もまた学問的な反論をして、行きす
ぎた熱狂に水を差す。たとえば、クレタ島人に心臓病が少ないのは主としてa‐リノレン酸のせいで、
これはオリーヴ油にはほとんど合まれないとか、醤油を使う日本の小浜島の漁師も同じくらい健康で
長生きしている、とかいった具合である。と、諫め調子に書きはじめ、オリーヴ油が体にいいのは間
違いない。われわれ多くの改宗者にとって、どれほどいいかは大きな問題ではない。オリーヴ油には、
クレタ島人より長生きできること以上に、すばらしい魅力がある。ほとんどの宗教では、信者は死な
なければ天国のイメージが正しいかどうか確かめることはできないが、地中海式ダイエットはこの世
に天上の至福をもたらしてくれる。近年、ヒポクラテスの昔から医者が経験的に知っていた事実、す
なわち、オリーヴ油は消化しやすいという特性に、医学がお墨付きを与えた。乳ガンやその他のガン
を予防する効果もある。オリーヴ油は子供の成長を助け、老化を遅らせる。骨や関節、皮膚、肝臓、
腸にも良い。糖尿病と消化性潰瘍にも効く。だが、オリーヴ油がキッチンに欠かせないいちばんの理
由は、何といっても心臓と血流に及ぼす効果にある。と、その効能を結論付ける。

 Andrew Weil

わたし(たち)はこの手の議論は遅効性がありにわかに信じはしないのだが、テレビで話題にされる
と途端に街の店にバーゲンセールのごとくひとが列をなすという光景を観てきた。買いに走る、この
場合は圧倒的に女性達だが、それでも縋るように買いに走る習性を持っている。さて。オリーヴ油は
善玉コレステロールの高比重リポタンパク(HDL)を守り、悪玉コレステローールの低比重リポタ
ンパク(LDL)を減らす。オリーヴの擁護者は今や至るところから現れつつある。アリゾナ州トゥ
ーソンでは、ローゼンブラムの友人たちがアンドルー・ワイルという髭の大男に心酔するようになっ
て久しい。ワイルはハーヴァード医科大学院を卒業し、まずメキシコなどで幻覚剤の研究をして有名
になった。その後アリゾナ大学で統合医学を教えるようになり、彼の診察を望む患者が殺到した。ワ
イルの著書「癒す心、治る力-自発的治癒とはなにか』[邦訳、角川書店」は、1995年に突如ベスト
セラー・リストに躍り出て、その後も相変わらず売れつづけている。ワイルが提案する「最高の治癒
力」を引き出すための8週間プログラムは、こんな指示から始まる。「食品貯蔵庫と冷蔵庫に行き、
オリーヴ油以外の油をすべて捨てること」ワイルは書いている。「食用油の中では、オリーヴ油がい
ちぱん安全だと思われる。体は他のどんな脂肪酸よりも、オリーヴ油の主成分であるオレイン酸の処
理に適しているようだ。食生活から飽和脂肪を追放してオリーヴ油に替えると、悪玉コレステロール
が減少する(多価不飽和脂肪酸の多い植物油だと、善玉コレステロールも減らしてしまう)」ワイル
の結論は明快である。「バターとマーガリンをやめてオリーヴ油に替えるだけで、健康と治癒への大
きな一歩を踏みだしたことになる」と主張する。



さらに、1995年年末、疫学者のセルジュ・ルノー教授の『ル・レジーム・サンテ』は、英国の医学専
門誌『ランセット』に発表した論文「冠状動脈性心臓病を間接的に予防するα-リノレン酸に富んだ
地中海型食生活をもとにした本である。ルビーの研究班は、一度心臓発作を経験し、再発の危険のあ
る七十歳以下のボランティア六百五人を対象に調査をした。半数は、ほぼ菜食でヒマワリ油やマーガ
リンなどの多価不飽和脂肪酸に富んだ通常の治療食をとり、あとの半数はクレタ島人のような食生活
を送ることになった。牛肉などの赤肉ではなく魚と鶏肉を食べ、パン、縁野菜と根葉、果物、オリー
ヴ油の食事をした。五年の研究は四年で中止された。通常の治療食のグループが、他方の六倍近い率
で死にかけていたのである。



驚いたことに、二つのグループの善玉および悪玉コレステロールの値には大きな差がなく、高血圧や
肥満といった他の危険要因はほぼ同じだったが、クレタ型のグループは、血液中のa‐リノレン酸の
量が68パーセントも多かった。この必須脂肪酸は、クルミやスベリヒユに含まれる。スベリヒユとは
肉厚の葉をもつ雑草のような草で、クレタ島の人はこれを大量に食べる。だが、オリーヴ油にはa‐
リノレン酸はたいして含まれない。ボランティアの多くはオリーヴ油を唯一の脂肪源とするのをいや
がった。研究班は菜種油を主成分とするマーガリンの使用を認めた。セイヨウアブラナはカラシナの
近縁種で、キャノ‐ラ油の原料となる。キャノーラ油はa‐リノレン酸を豊富に含んでいる。小浜島
の住民の必需品である大豆油も同様で、島の冠動脈疾患の発生率が世界でも指折りの低さなのはその
せいだろうとルノーは記し、a‐リノレン酸には、血栓のもととなる血小板に作用し、心臓麻疹を減
らす効果があるというものだ。だが、オリーヴ油に含まれる豊富なオレイン酸や、地中海式ダイエッ
トの他の要素も、同じ働きをすると結論付けた。



そうなんだ。ギリシア人は肉よりむしろ大量の野菜を、生食もしく作は調理して食べる。オリーヴ油
さえあれば実においしく食べられるからである。近頃は地中海沿岸全域で、種子油が市場を蚕食しつ
つある。だが、信頼できる品質の、風味豊かなオリーヴ油もまだ手頃な値段で手に入る。アテネであ
れアトランタであれ、スーパーマーケットの買い物客は、いちばんおいしいものに手を伸ばす。だか
らこそ栄養学なんかなくても健康にいられてのだ。斯くして、1996年現在、オリーヴ油を試したこと
があるアメリカの家庭は五軒に一軒にすぎない南部および中西部では、オリーヴ油を使う家庭の数が
十年間で4パーセントから8パーセントヘと倍増する。

オリーヴ讃歌

原発を存続させるか否かの議論が進められ、国家戦略室がまとめた「エネルギー・環境の選択肢」を
示したうえでなされる討論型世論調査の結果を受けて、今月末をメドに将来のエネルギー戦略の大見
出し「革新的エネルギー・環境戦略」が決定される予定。全国を行脚し意見を吸い上げ続けてきた討
論型世論調査は、22日、報告書の形で結果を公表するまでに至った。戦略室が示した選択肢は、原発
依存0%、15%、20~25%の3つだ。これらパーセンテージをもとに2030年の日本の様子をシミュレ
ートし、その結果を市民に提示、討論をさせた上でどのシナリオを支持するかを調査したものだ。結
果は、原発ゼロシナリオ支持が46.7%、15%シナリオ支持が15.4%、20~25%シナリオ支持が13.0%
となった。国民の半数近くが、原発をゼロにした場合の負担増を知ってなお、原発ゼロを支持したこ
とになると報じている(2012年8月23日 16:23 
NET-IB NEWS)。



縮原発論のわたし(たち)はこの数字を冷静に受け止めている。商業段階からモラトリアムし量産開
発段階に戻す案なのだが、ゴールのイメージを鮮明にし縮小(飛躍的な技術革新が認められた段階ま
で) した上、既存原発設備簿価とうの関連会計を切り離し別会計枠扱いとして、新電力供給体制での
リストラを断行しつつ、関連就労者(公務員・民間を含め)の労働シフトを新職場の創成と併行して
進め、有効需要の拡大と就労率の死守向上を図るというものだ。そのために新しい公共事業(要B/Cの
厳正化)を含め雇用確保を第一優先課題とするというイメージをもって事の成り行きを看ている。そ
のためには柔軟かつ斬新ないかなるタブーをも恐れない考え方を必要としている。

                                         

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オリーブの木の下でⅡ

2012年08月17日 | 省エネ実践記

 

 

信州自然王国タプナード160gのせて食べるオリーブペースト

【タプナード】

フランスーシンプルで美味なるは、トーストしたパンに塗食べるプロヴァンスの「キャヴィア」
フランスのオリーヴ好きにとっては基本中の基本。ニンニクやローリエ、タイム、マスタード、
またはラム酒やコニャックで風味づけをしてもよい。

材料:黒オリーヴ(種ぬき、塩漬け)、アンチョビー(塩漬けを塩抜きしたものまたは油漬け)、
ケイパー、風味のまろやかなエクスト・ヴァージン・オリーヴ油、塩、胡椒

作り方:黒オリーヴ、アンチョビー、ケイパーを乳鉢と乳棒(材質は伝統的に大理石)ですり
つぶす。オリーヴをケイパーやアンチョビーよりやや多入れるのがコツだが、割合は好みでよ
い。控えめに塩、胡椒し、オリーヴ油をたらしてクリーム状に仕上げる。

   

【アスパラガスのタプナードグリルサーロインステーキ】

材料:グリーンアスパラガス、皮をむいてトリミング、クローブ、ニンニクは皮をむいて潰す。 
新鮮なバジルの葉、松の実、コーシャ塩、オリーブオイル、フレッシュタイムの葉、挽きたて
のコショウ、サーロインステーキ

作り方:軽く塩味の沸騰したお湯の鍋にアスパラガスを置き、柔らかくさっくりと3~4分煮て
水で冷やし水切り
。 半分にカットし、茎の上部を取り外す。 茎の底を切る。アスパラガス、
ニンニク、バジル、松の実、塩をフードプロセッサーでみじん切りしながら、オリーブ油を注
ぎペースト状にする。
小さなボウルに、タイム、コショウ、残りのオリーブ油と塩を入れてお
き、ステーキの上に混合せたものを載せ、アルミ箔で包みグリスする。ステーキを4等分に切
り分け、アスパラガスのタプナードをトッピングする(上図)。

 

 

 

【オリーブの木の下で】

オリーブの木は、寒さに弱く、ことしの冬に2本壊死してしまった。暖かい地方ででしか生育
できないフルーツの木などは、例え一瞬でも冬の寒さに晒してしまうと壊死する経験は、まだ
日本でマンゴの栽培がはじまっていなかった頃、彼女が部屋から苗木を屋外に出した瞬間、み
るみるうちに萎れてしまった。そういった経験から、ブラッドオレンジの苗木は注意深く室内
で越冬させている。さて、ローゼンブラム著の『オリーブ賛歌』の続きを。

さて、第三章「パレスチナとイスラエル」。

三千年前の驚くべき遺物を目にすることになった。古代パレスチナに住んでいたペリシテ人は、
一般に、およそ「ニューヨーカー」の美術批評を手がけるようなタイプではないと見られてい
る。だが実際は、洗練された文化をもつ海の民で、物づくりの技術も高く、最初の中東オイル・
ブームの際にオリーヴ油貿易で富を築いた。三千年前、彼らはガザに近い海岸沿いに広大なオ
リーヴ畑をつくり、石臼を何百と製造した。ペリシテ人は、紀元前十二世紀頃、エーゲ海方面
からパレスチナにやってきた。あるいはクレタ島から移ってきたのかもしれない。彼らは古代
ヘブライ人の諸部族と戦った。聖書に登場する巨人ゴリアテは、ペリシテ人の戦士である。サ
ムソンを欺いたデリラもペリシテ人で、サムソンが復讐のために破壊した建物はペリシテ人の
神殿だった。「パレスチナ」という地名は彼らの名に由来し、現在の住民は、「聖地」より「
パレスチナ」という呼び名を好んで使う。今ではペリシテ人についてはるかに多くのことがわ
かっているが、それは穏和なイスラエル人、ナタン・エイドリンのおかげである。レヴァディ
ム・キブツにある小博物館で、館長を務めるエイドリンに会う。博物館はイスラエル西部の港
町アシュドドから少し行った、テルミクネ遺跡の近くにある。1948年といえばわたしが生まれ
た年だが、第一次中東戦争に行っている間に、ヨルダン軍がキブツを襲い、住民を虜にした。
エイドリンはレヴァディム出身の女性と出会い、彼女の故郷に落ち着いたエイドリンは近くを
歩いていて、テルと呼ばれる丘状の遺跡を発見する。彼は、有能な助手を何人か手配し、掘り
はじめ、遺跡の一角から見慣れた機具の痕跡が見つける。「オリーヴの圧搾機だとわかりまし
た。三十年前にガリラヤで見たことがあったんです。ロバを使うねじ式の圧搾機でした。『う
まくいけば石臼も見つかるぞ』と言いました」間もなく大量の石の鉢と、手で転がしてオリー
ヴをすりつぶすのに使った百ポンド(約四十五キロ)もある花尚岩製の器具とが見つけたとい
う。



そして、ペリシテ人がヘブライ人から奪った「契約の箱」を牛の引く車で運ばせたという聖書
の記述についても調べる。丘を越え、涸れた河床に沿って牛が通っていったと思われるルート
を導き出した。「聖書が天から与えられたものだとは思っていません。だれかが書いたのです。
でもそのだれかは、この土地をよく知っていたに違いありません」そしてエイドリンは、つい
にペリシテ人の首都エクロンの場所を突きとめたと確信する。イスラエル人はエクロンを憎ん
でいた。ペリシテ人はイスラエルのサウル王を殺害し、十戒の石板を納めた「契約の箱」を奪
うと、首都エクロンに持ち帰った。ダヴィデ王は紀元前十世紀初頭にエクロンを略奪したが、
エクロンはオリーヴ油から得た富で復興を遂げた。エクロンはエジプトのファラオと同盟を結
んだが、前603年、新バビロニア王ネブカドネザルがエクロンを破壊し、ペリシテ人を奴隷とし
て連れ去ったとき、エジプトは何もしてくれなかったという。



「オリーヴ油は当時のもっとも重要な産物のひとつでした。オリーヴ油は文明を形づくり、人
々に仕事を与えました。日々の暮らしや宗教儀礼、王の儀式にも使われました。オリーヴ油を
保存するため、大きな陶器産業も生まれました。預言者がだれかを呪うときには、こう言いま
した。「神がおまえのオリーヴを滅ぼされるように』」エイドリンは長年オリーヴの起源を探
ってきた彼によると、エリコでは一万年前のオリーヴの種子が出土した。中東一帯のどこを掘
っても、人々の暮らしがオリーヴ油に大きく依存していたことを物語る遺跡が見つかる。エク
ロンがオリーヴ油を大量に輸出しだした頃には、オリーヴ油はすでに今日の石油以上に重要な
生活必需品になっていた。唯一の灯油であり、食糧であり化粧品や薬の原料であった。頻繁に
身体にオイルを塗る余裕があるかどうかが、社会的地位の指標となった。神殿の供犠にも欠か
ゼない。海の民であったペリシテ人は、自らつくったオイルを簡素な壷に入れ、エジプトや東
地中海一帯に運んだ。712年、アッシリアがエクロンを攻め落とした。アッシリアはオリーヴ
油の生産を拡大し、新たな市場を開拓した。エイドリンの「傑作」を芝生に覆われた近くの公
園で見せてもらった。出土した石の鉢と石材を使って再現したエクロンの搾油機である。フラ
ンスの古い搾油機にそっくりだった。まず、花崗岩でつくられた、巨大なめん棒のような摺り
石を20分ほど前後に転がし、オリーヴの実をすりつぶす。ペースト状になったら、丈夫な草を
編んだ円形マットに載せ、それを圧搾機の木枠の上にいくつも積み重ねる。今ある旧式の圧搾
機は巨大なねじを使うが、エクロンの搾油業者は、長いてこの端に重石を四個結びつけ、圧力
を加えていたという。

流れ出た油は大きな素焼きの壷に入れ、水と分離させた。壷の側面には穴がいくつもあり、木
の栓でふさいでいた。分離を速めるため、湯を加えることもあった。一日二日置くと、表面に
油が浮き上がる。栓を抜き、余分な水を排出する。青銅のひしやくで油をすくうと、壷の底に
は澱と水だけが残った。エイドリンの見積もりによると、エクロンの大規模な採油所は百十四
にのぼり、一日四時間、三か月間稼働したとして、それぞれ1シーズン7トンから10トンのオ
イルを生産していた。合計千トンである。人口がせいぜい七千人とすれば、売る分は大量にあ
ったが、今では一本のオリーヴも残っていない。エクロンが破壊されたとき、ほとんどが消滅
した。当時、農家はオリーヴの本の間に小麦を植えていた。侵略軍は千匹のキツネの尾に松明
を結びつけて畑に放し、あとには焼け焦げたおびただしい切り株だけが残った。残った木も寿
命が尽き、あるいは風雨に痛めつけられて枯れていった。出土した遺物や、搾油機の見事な実
物大模型を前にしても、南のネゲヴ砂漠へ向かって広がるこの埃っぽい乾燥した大草原と低木
地が、かつては見渡すかぎりみずみずしいオリーヴ畑に覆われていたとは信じがたいと著者の
ローゼンブラムは言う。そして、エイドリンは将来、オリーブの木を植えこの場所に古代の採
油所を再現する夢を語る。

オリーブ油による繁栄は貧富の陰影を否応なしに深くするゆえ争いごとも絶え間なく続く。太
陽エネルギーの恩恵はその恩恵に預かる人類がそれを歪める。そう思ったとき中東の石油はオ
リーブ由来ではないかと冗談半分ではあるが頭を過ぎった。



【未知の宝庫 日本深海】

海洋研究開発機構の小林英城主任研究員らの研究チームは、マリアナ海溝チャレンジャー海淵
の世界最深部(深度、10,900 m)に生息するヨコエビ(学名:Hirondellea gigas, 和名:カ
イコウオオソコエビ)の生態解明に取り組み、タンパク質、脂質、多糖類などに対する分解活
性を解析したところ、新規で有用性の高い消化酵素の検出及び精製に成功したという。
カイコ
ウオオソコエビは、植物性多糖を分解するセルラーゼ、アミラーゼ、マンナナーゼ、キシラナ
ーゼといった酵素を保持し、それら酵素の反応生産物であるグルコース、マルトース、セロビ
オースを大量に体内に含有し、超深海の植物を分解、栄養としていることを突き止める。
また、
これら酵素は高い反応性を有しセルラーゼは、オガクズやコピー用紙等を分解して直接ブドウ
糖(グルコース)に転換する、極めて生産効率の高い新規酵素であり、かつまた、優れた安定
性を有することを発見したという。このことで、トウモロコシなどの穀類ではなく、木材等の

天然バイオマスや廃紙等を常温でのグルコース生産の可能性をもつものとして世界的な成果と
になりうるだろう。  


特開2012-147754 生きた微生物の固定化方法および調製方法


 
カイコウオオソコエビが保持するセルラーゼが、木材や紙類を含めた多種多様なバイオマス全
般に対して、高いグルコース生産性を有していることを明らかにしたもので、木材等と反応さ
せることによって、エタノールの原料であるグルコースを容易に取得できることから、再生エ
ネルギーとして期待されているバイオエタノールの生産等に大きく寄与することが期待でき、
 
また、エネルギーを利用せず、枯れ木等から直接グルコース生産が可能であることから、生産
したグルコースを食品に加工することで、世界の飢餓地域の栄養改善にも利用できると考えら
れるという。さらに、本セルラーゼは天然由来のセルロースだけでなく、一般紙のような加工
されたセルロースでも、室温でグルコースを生産できることから、本酵素の利用範囲が非常に
広いことを示した。
カイコウオオソコエビからは、セルラーゼ以外の酵素も検出され、有意か
つ多様な特性が期待されるところですが、それら酵素は不安定であるため、研究の進展速度が
セルラーゼに比べ遅れいて解析方法等の多角的に検討を進めて行くとのこと。
 

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照明とヌードル革命

2012年06月20日 | 省エネ実践記

 



【パックス・ジャポニカ、照明革命編】
 

「これまで地球温暖化対策の推進等に向けて、省エネルギー対策など、官民をあげた取組を実施してきたとこ
ろですが、東日本大震災以降は、節電を中心とする省エネルギー対策の推進が一層重要となっています。特に、
エネルギー消費量が引き続き増加傾向にある業務・家庭部門の省エネルギー対策・地球温暖化対策が重要とな
るところですが、生産性・快適性を維持しつつ、節電に資する省エネを進める観点からは、白熱電球から電球
形蛍光ランプやLED照明等への切替えに関する対策が重要となります」(環境省、2012年6月13日)として、
環境省及び経済産業省は、家庭等で使用される照明製品に関し、今年度以降なるべく早期に省エネ性能の優れ
た製品への切替えを実現すべく、広く国民に対して普及啓発を行い、併せて、消費者の一層の理解促進・販売
事業者における一定の配慮を呼びかけ普及に力を入れている。

ところが、本命と考えられているLEDにも(1)演色性(2)電源投入時の過渡電流や常時発生する定常ノ
イズ(放射・伝導)の周辺情報機器障害(3)初期投資コスト高(4)ちらつき(フリッカー)(5)ブルー
ライト障害など問題が残件している。このうち(1)の演色性は自然な色調をいかに蛍光物質との組み合わせ
などの最適化させるかというもので力ずく解決できる問題。(3)これは量産効果がどこまで行くかの問題で
データは供給サイドにある。(4)ちらつきは純粋に電子回路設計技術力にある。(5)はピークカットフィ
ルターを施せばよいこと(下図はノイズ対策の一例)。

EcolonLIGHT 低過渡ノイズ

EcolonLIGHT 低過渡ノイズEcolonLIGHT 低過渡ノイズ

EcolonLIGHT 低過渡ノイズ  EcolonLIGHT 低過渡ノイズ
これらの残件が解決しても、LED蛍光灯はCCFL(冷陰極管蛍光灯)には価格面や性能面で勝てない。そ
うすると、残る
のはマーキュリーフリー(無水銀)と言う点のみということになる。とはいえ、従来の蛍光灯
と比較して双方とも同じで、
悩ましい。



これらを超越する照明方式として、電流注入型有機EL方式があるが、生産体制がまだ整っていないため、当面、LED
FLとCCFLの2方式で節電していくしかないのだ。下図は、蛍光灯のリサイクルフロー図と含有する水銀回収の新規考
案例。これをビジネスモデルにして世界展開できれば、蛍光管の生産からリオサイクルし、レアアース。・レアメタルの都
市鉱山モデルとして世界に貢献できるというわけだ。




 

【パックス・ジャポニカ、ヌードル革命編】

ヌードルは、英語「noodle」からの外来語。ドイツ語「クノーデ(Knode)」に由来し、フランス語「ヌーイ
ユ(nouille)」も同源である。 「クノーデル(knodel)」となった。 クノーデルは「小さい塊」の意味か
ら、料理用語でも「団子状のもの」を言うようになり、音変化して「nudel(ヌーデル)」となり、球形の小
麦粉食品を指していたが、多言語に入って、麺類の意味で用いられることが多くなり、英語では「noodle(ヌ
ードル)」と呼ばれるようになったという。このヌードルあるいは麺は、食品の一種。小麦粉(あるいは、蕎
麦粉、米粉など各種の穀類の粉やデンプンなど)に水と塩などを加えた生地を細く長くしたものは、この世界
にどれほどあるか知らないが。小麦、蕎麦、米などを製粉し、水などを加えて混練してから主に細長い形に加
工した食品を麺または麺類の愛好者は多いだろう。この巨大市場の原材料もコンニャクや海藻など材料が何で
あっても、形状により「麺」として扱われるから膨大な種類の麺が存在しこれから増えていく。

  ロンドン大学衛生学熱帯医学大学院の研究チーム 「肥満の脅威」



今回は、低カロリー、低糖質麺という視点から、コンニャク粉、大豆ペプチド、穀物グルテンの3主原料でそ
れを実現できないか新規考案を調べてみた。勿論、上の2表の食感、復元力、外観、ほぐれなども主品質とし
て考慮する。乾麺・生麺を含めもう少しで完全に製麺の自由設計時代が到来することを確信した。またこのこ
とは、内食での麺類の品質向上および高付加価値化が急速に浸透していくことを意味している。この分野でも
トップ・ランナーが日本と言うことになる。つまり、世界の高品位・高付加価値麺の実現は油断なければ、独
壇場になる。

   


【INTERMISSION】 

 

今日、昼過ぎ、ジムにいくと例の先輩がわたしの顔みて「眠たそうな顔しているよ」と声をかけられた。眠い
といえば眠い
のでだけれど、さっさとこなし今度は図書館に木工辞典を借りに立ち寄ると、これまた違う先輩
とバッタリと。話を聞くと
ご夫婦でキャンピングカーで数年間全国をドライブ旅行を楽しんだとのこと。その
時の写真はないのかと尋ね、それで
は立ち寄り写真を見せてくださいとお願いして分かれたが、その折りは幾
分か眠気が醒めていたのか彼からそのことは言われなかった。しかし、このブログをたたいているいまは本当
に眠い。「HELP!」。とりあえず、今夜はこれで切り上げよう。

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ロビンソンをめぐる小宇宙

2012年05月03日 | 省エネ実践記






【ロビンソンをめぐる小宇宙】




昨夜のつづき。

Softy the spring winds whisper to me
Feeling the sadness in the gentele breeze
From the riverbank I see, moving so free
How far will you run? I follow silently
Lock them away with my memories
Retell the tale story sounds so sweet
Though the darkness may descend, night will turn the day
Smiling through the tears I know I'll find a way

Once again we're in the same old place same time
And l know that l wlll use the same old line
Don't you know that sometimes simple words they bring
A mlracle can't you see

Hold me baby won't let go
Take you to a place we both know
A new world where no one ever can find us
I will have  the strength for both
Fly you to the stars up above
Oh my love a dream of love made really


新しい季節はなぜかせつない日々で
河原の道を自転車で走る君を追いかけた
思い出のレコードと 大げさなエピソードを
疲れた肩にぶらさげて しかめつらまぶしそうに

同じセリフ同じ時 思わず口にするような
ありふれたこの魔法で つくり上げたよ

誰も触われない二人だけの国 君の手を離さぬように
大きな力で空に浮かべたら ルララ宇宙の風に乗る


「ロビンソン」は日本のロックバンド・スピッツの楽曲で、通算11作目のシングル。
1995年4月5日にポリドールより発売。オリコンチャートでの最高順位は4位だが年末
までチャートに居座りロングセラーとなる。このためングル・アルバム通じて初の
ミリオンセラーになるとい珍らしい記録となる。1995年の『第37回日本レコード大賞
』の優秀作品賞に選ばれる。タイトルは草野がタイを旅行したときのロビンソン百貨
店から命名し仮題だったものが正式名称になったという経緯をもつ。当初、カップリ
ングの「俺のすべて」がA面になる予定だったが、出版スタッフらの意見で「ロビンソ
ン」を急遽A面に変更したという。作詞、作曲は草野正宗、編曲は笹路正徳らによる。

やはり、原作を英語に翻訳する難しさを感じた(もっとも、そんな制約はないのだが)
そして、歌い手の上手さ
とは別に、英語の韻律にうまく乗せることに成功していると
思えないと。例えて見るなら、そ
れは、小室哲哉の楽曲のように、日本語の韻律の乗
りの悪さと同じようなものだと思えた。
もっともこのようなカバー曲の単調さが英語
圏でヒットしないなどとは、リアルなわた
したち日本人には言えないが、大変面白い
「ロビンソンをめぐる小宇宙」
を体験したことになる。

 

【撒水型空調システム】

関西電力管内の電力容量が不足するということだが、このブログで書いてきたように
問題の本質は、原発停止よる資本収支の急激な悪化(経常収支の赤字転落)への恐れ
にある。そのことを踏まえて、夏場の空調対策を考えた場合、これもここで掲載した
が、空調の室外熱交換器への冷却撒水や屋根撒水(撒水)→発汗する建屋(テーマ:
ネオコンバーテック)の提案だったが、一般家庭向けではないが屋根クール冷却シス
テム(業務用)がかなり普及してきている。その1つの例として埼玉県川口市にある
株式会社カーネルの「屋根クール」がある(下のグラフ図をクリック)。


それによると、約5百平方メートルの本社工場での実績として(1)撒水システムを
導入し、電力消費量が約40%削減(2)二酸化炭素ガス排出量は約5百kg削減したと
いう。また、下記のように具体的な数字が記載されている(上図、クリック)。注意
しておかなければならないのは電気代より水道代のコストが大きいということで、電
力カットが第一義と考えれば、二義的ことではあるが課題ではある。

(1)水道代
4個のスプリンクラーから15秒間で約13ℓの水を散水。

(13ℓ×6回/時間)×8時間×30日=18,720ℓ ⇒ 18.72㎥
11~200㎥ 132.3円/㎥ 8.72㎥×132.3円=1,154円合計
1,994円/月

(2)電気代
(15秒×6回)×8時間=720秒(122分)
ポンプ容量(電力)は、1.4~1.5kW
1日の電気消費量  1.5kW×12/60H=0.3kWh
0.3kWh×30日=9.0kWh
9.0kWh×15円/kWh=135円
135円/月



また、上図(クリック参照)は「屋根散水システムによる暑熱環境改善効果」(三井
住友建設技術研究所 第1号)のノズル散水実績によれば、(1)屋根外表面温度低
減効果は、非散水面で56.4℃、散水面で32.0℃で24.4℃で低減されている(なお、強
風の場合、屋根表面温度が低く、非散水面で50.7℃で,散水面で33.9℃と16.8℃低減)。
(2)日射取得熱の削減は、物件2では非散水面で73.9W/m2、散水面で-14.0W/m2で、
87.9W/m2の日射取得熱を削減。屋根散水では、日射取得熱を削減だけでなく放熱側に
回っていることがわかった。(3)放射温度低減効果では、物件2で最大時、13.7℃
屋根内表面温度が逓減しているが「形態係数」によりその度合いは大きく変わること
がわかっている。(4)次に室温低減効果では、天井高低差が大きく影響しているこ

とがわかり、いずれにしても屋根散水の効果が大きい結果となっている。

 総括伝熱係数

1キログラムの水を1℃上げるには1キロカロリー必要、その水を蒸発するには約580
キロカロリーが必要で、10キログラムの水の水温を約60℃上げる熱エネルギーをもち
水の蒸発には多くの熱を奪い周囲を冷却するのはだれもが知ること。ところが、スプ
リンクラーにしろノズルにしろ噴出する水の粒径については話さない。最適粒子径に
ついて目耳したことはない。まして、最適蒸気膜厚など皆無だ。その上で流体力学と
熱学つまり、総括伝熱係数の最適化を求め、一皮剥き、消費電力も消費水量も逓減し
ようというのがわたし(たち)の命題なのだ。


 

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チンで即席塩ラーメン

2012年03月21日 | 省エネ実践記



 

【イタリア版食いしん坊万歳:米、ポテトとムール貝のティエッラ】 

  Tiel la di riso, patate e cozze

具材:ムール貝500g、米400g、ジャガイモ600g、赤く果汁分の多いトマト600g、タマネギ80g、ニンニク
3片、パセリ、オリーブ油60cc、塩、コショウ、ペコリーノチーズ

作り方:ムール貝をよく洗い,ナイフで開き,そのうちのいくつかは別に取っておく。残りの貝は,上の殼を
取りながら殼にくっついている実をぜんぶ取り出し細かく刻む。そしてみじん切りにしたニンニク,同じくみ
じん切りにしたパセリ,たっぷりの塩,コショウと混ぜる。ジャガイモの皮をむき,あまり薄くなく切る。同
様にタマネギもあまり薄くなく切る。 トマトを薄切りにして,細かく刻む。ここでティエッラ(ナポリ語で
浅鍋の意味がある)かオーブン皿に油を塗り,タマネギの薄切りを散く。その上に半ゆでにして水気を切った
米を1段のせ,さらに細かく切ったムール貝適量とニンニク,パセリ,トマト,ジャガイモをのせ,ペコリー
ノチーズをひとふり散らす。同じ手順を繰り返し,最上段を残りの米で覆う。油をたっぷりふりかけ,ぬるま
湯もひたひたのところまで注ぐ。オーブンに入れ,水分がなくなったらできあがりで,先の、別に取っておい
た貝を殼つきのまま、上にのせて出す。

    zuppa di cozze allo zaffera

【電子レンジでエコと健康】 

W(ダブル)ジッパーの6つの特長 (1)パチパチと「閉まる」がわかってしっかり密封 (2)外側からは開きやすいのに内側からは開きにくい (3)あけ口に高低差がついて開きやすい (4)つまみやすいすべり止め (5)真ん中のピンクのラインに沿って閉めるとスムーズ (6)機能の違う2本のジッパーでしっかり密封

即席ラーメンも美味しいですよと言う、特にサッポロ塩ラーメンが良いのだと彼女がいうのでどうやって調理
をするのかと聞くと、ガスコンロで堅めに茹でたあとみじん切りのネギを入れるだけというのだが、それはエ
ネルギーロスが大きいけれどと釘をさしながら、あっさりとして美味しいねと賛同する。そして、オリジナル
調理法を伝授する。まず、具材は下ごしらえして、ジップロックやバッグに入れ電子レンジで加熱処理してお
くのだが、殺菌処理に加熱温度(腸菌なら60℃、ブドウ球菌なら70℃、有芽胞菌なら90℃以上の温度が必要
に注しておくことだよ。つぎに、即席ラーメンの袋から乾麺を調理ばさみで取り出し半分に切断し、保温ポッ
トのお湯を乾麺に上面ギリギリに浸し、蓋を容器(圧力抜き穴付)に入れ5百キロワットなら3分程度加熱す
る。その間、スープの素を保温ポットのお湯で溶かし、スープをディーバック用袋に入れ濾過し、透き通った
スープに処理(お好みで)、電子レンジの麺を取り出し蒸らしておき、ラーメン鉢に麺とスープを入れ、下ご
しらえの具材と海苔やごまなどをトッピングし、鉢に上蓋をし3分程度さらに電子レンジで加熱し、取り出し
このみの調味料を加えた上、食酢を必ず注ぐこと。アミノカルボニル反応(メイラード反応)で切れ味とうま
味が増す上、血圧降下、疲労回復やカルシウム摂取などの健康にも良いのだと講釈をしばらく垂れる。彼女は
というと、真剣には聞いていない風だったが、二人の結論は「たがか即席ラーメン、されど旨い即席ラーメン」
ということで一致する。

ところで、エコ実践として電子レンジを研究してきたが、調理方法を工夫することでかなりのことができるこ
とがわかってきた(直火を使わないので、加熱ムラに注意し工夫しておけば短時間で均一に加熱処理できる)。
それと同時に健康的側面、低脂肪、糖分・塩分の削減、高齢者・幼児用の軟食、彩り、ビタミン、酵素の保持、
殺菌、食欲増進に有効に利用できる実例が数多く蓄積されてきている。これを考慮して、もう少しハード機能
面で言えば、ムラの発生を防止や調理の最適化のためにサーモメータで画像表示できるような機能や排気機能
を付加できればもっと便利に、快適なツールになるだろう。具体的に設計に関与することはないが時間があれ
ば改善提案をこのブログでも継続してやっていきたいと考えている。


【即席ラーメンと“ハングリー”と“正義論”をかっ込むのも悪くない】

  

マイケル・サンデル教授の「格差」討論と向井理主演の「ハングリー」(最終回)を録画していたのでそれを
改めて鑑賞。後者はジョン・ローウズの正義論を踏まえ現在的な「格差」の問題を公準的な価値観を追求する
という意味において有意義で、わたしなら、各所属国家社会で統計学的な所得の平均値と分散値と所得級数パ
レート展開(あるいはジニ係数)の時系列変動を求めその値を勤労国民がどこに定めるのかを毎年決めていく
ことでこの種の正義は貫けると考えている。テレビには竹中平蔵が参加していて、所得の再配分の究極は(消
費税ではなくて)所得税にあると発言していたことが印象的だった。







ハングリーは一度も外すことなく(あるいは録画で)観てきたが秀作だ。ジョブズの言葉ではないがそこには
Stay hungryがあった。元気がもらえ、第9話で向井理が扮する山手英介が仲間と別れフランス留学を決め
大声を出してひとり泣くシーンでは一緒に泣いた(そういう体験はだれしもあると思うが、その体験を思い出
し感情移入)。そしてなによりもハイセンスなプロディースを楽しむことができたことに感謝している。 
もっとも、視聴率が15%前後ということで、ネガティブな情報が流れたりしているが、余り難しく考えずに楽
しめた、正直。

 

 

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二つのリゾットと金属シリコン

2012年01月23日 | 省エネ実践記




【イタリア版食いしん坊万歳:二つのリゾット】

  Risotto con le mele o con le pere


【リンゴまたは洋梨のリゾット】

具材:米500g、リンゴまたは洋梨500g、タマネギ60g、辛口白ワイン200cc、
リンゴを用いる場合はソフトタイプのゴルゴンゾーラチーズ、洋梨の場合
はタレッジオチーズ80g、バター60g、リンゴまたは洋梨のリキュール小グ
ラス1杯、
ブイョン、塩

 

調理法:タマネギのみじん切りをバターで炒め,タマネギがしんなりした
ら米を加える。鍋の底が乾いてきたらワインを入れる。アルコール分をと
ばして、米が色づきはじめたら,杓子一杯のブイヨンを加える。かき混ぜ
たら、皮をむき、育の目に切ったリンゴか洋梨を入れ、少しずつブイヨン
を加えながら煮ていく。塩を入れ、最後に細かく刻んだゴルゴンゾーラチ
ーズ(リンゴの時)、または育の目に切ったタレッジオチーズ(洋梨の時)
を入れる。仕上げにリキュール(リンゴか洋梨、それぞれに応じたリキュ
ール)を入れ、再びよく混ぜてできあがり。

【ニンニク風味リゾット】

 Risotto all'aglio

具材:米500g、ニンニク6片、パセリ多めに、オリーブ油60cc、皮むきト
マト100g、ハム80g、ブイヨン1/2リットル、パルメザンかパダノのおろし
チーズ、塩、コショウ

調理法:まず、ニンニク(6片より少なくても,あるいはもう少し多くて
もいい)、パセリ、ひとつまみの塩とコショウを全部一緒に潰す。次にそ
れを油で熱して狐色に炒める。そこに、皮むきトマト(トマトホール)を
加えて混ぜ、さらに商の目に切ったハムも入れて再び混ぜる。最後に米を
加えてブイョンを少しずつたしながら煮ていく。このリゾットはパルメザ
ンかパダノのおろしチーズを別に添えて食卓に出す。

レストランでリゾットを口にすることはままあるあるが、積極的に注文す
るのではなく、コースの中の一つとしてそれを食べる。嫌いのではなく、
少量ならむしろ凄く美味しいと思うことも多い。多分、チーズ味になじめ
ないのかもしれない。たとえば、酢とかヨーグルトなどを加えてみてはと
も思う。目には見えないバリア(匂い、香り)だと直感しているこれはた
めしてみる価値はある。




【シリコンリサイクル】

昨年より風邪を引きやすくなったかなと思えるぐらい、気管支に痛みを覚
えつつ売薬の風邪薬飲んで作業を進めているので時間が経つのが早く感じ
られて仕方がない。話はそれたが、ソーラグレードシリコンの製法・調達
とシリコンリサイクルの考察をある種の緊張感を持っているやっている。

金属シリコンの調達・製造法についてはこのブログでも記載したことがあ
るが(『太陽の道の技術』)、稲わらに含まれる少量のシリコンを燃焼・
エタノール変換したシリコン残渣を金属シリコンを取り出すとか「サハラ
ソーラブリーダー計画」のように砂漠の砂から金属シリコンを取り出すな
んてな話もあり技術開発に成功すれば戦略物質の思考枠を取っ払うことも
夢ではない。細かいことははしおり、資源→金属シリコン→ソーラーシリ
コンプロセスコストを大凡、現在のコストの1/6~1/4に逓減しよう
と研究開発がなされている。



他方、シリコン系ソーラーパネルの生産で24/25(96%)も廃棄されている

リコンを回収する研究が進んでおり、これに加え、パネルシリコンのリサ
イクルにより、将来的には現行の百分の1程度までコスト逓減も具体的な
目標値として見えてきたという手応えも感じている。変換効率の向上や、
施工販売などのコスト逓減の研究も同時進行していることを勘案すると、
電力単価が10円を切るカウントダウン前夜というのもあながち法螺でない
と思う。

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マルチエキシトンな僕たち

2012年01月09日 | 省エネ実践記

 



【マルチエキシトンな僕たち】



原子力発電の核分裂反応利用技術が典型的な“バルク技術”であるように太陽光発電技術
にも、従来のシリコン結晶系太陽電池のようなバルク離れが加速し(『バルクな技術の終
』)、ここでも『デジタル革命』の第2則(「個人史としてのデジタル革命」)のダウ
ンサイジング、つまりは、量子効果が発露する第三世代への交代がはじまろうとしている。
その1つが、米テキサス大学オースティン校の化学科教授であるXiaoyang Zhu氏が主導す
る研究チームが進めている「マルチエキシトン(多重励起生成)・ホットキャリア方式量
子ドット型
」なのだ。"quantum shadow-state(量子影状態)"と呼ばれる量子状態の発見
により、太陽電池の変換効率を倍増できる可能性が出てきたという。朱教授らの研究チー
ムは、有機プラスチック半導体材料であるペンタセンを用いれば、太陽光の光子1個から
取り出せる電子の数を倍増できることを確認する。


これにより、プラスチック半導体を用いて太陽電池を製造することには大きな利点が幾つ
かあるが、その1つは低コスト。分子設計や分子合成を組み合わせれば、太陽エネルギー
変換における斬新なアプローチを生み出すことができる。太陽電池の効率を、飛躍的に高
められる可能性がある。シリコン(Si)材料を使う既存の太陽電池における理論上の変換
効率は、最大でも31%だが、
太陽電池に当たる光エネルギーのほとんど利用可能な電力に
変換できる波長ではない。そうしたエネルギーは熱となって失われてしまうが、朱教授ら
は熱励起したホットエレクトロンのエネルギーを捉えることができれば、太陽光を電力に
変換する際の効率を66%まで高められる可能性がある。



そのために、(1)単接合のシリコンの変換効率が低いのは理由の1つ、励起エネルギー
より小さいエネルギーの太陽光か透過しする材料固有の損失の抑制(シリコン系半導体は
全太陽光エネルギーに対して15~19%が損失)。(2)もう1つは、全太陽光エネルギー
の約30%を失う要因になっている熱エネルギー損失の抑制だが、高いエネルギーをもつ電
子とホールか対となって生成した後、数10fs(フェムト秒)から数ps(ピコ秒)の非常に短い
時間にそのエネルギーが熱となって失われてしまうというもので、>電極などで外部にエネ
ルギーを取り出そうとしても熱になるまての時間か短いために取り出せない。そして、光
が透過する損失と熱エネルギー損失という、結晶シリコン系太陽電池が抱える方法として
考えられているのが量子ドットで、直径が数nmと小さい半導体のナノ結晶の周囲は、厚く
て高いポテンシャル障壁で囲まれ、「量子サイズ効果」や「中間バンド」「キャリアのエネル
ギー緩和時間の増大」といった量子効果を生み出す(ここまでの理解には専門的な知識を要
する)。この量子効果を活用することで、幅広い波長の光や、高いエネルギーの光の利用
が可能となる。

具体的には、(1)量子サイズ`効果を活用するタンデム方式、(2)中間バンドを活用する中
間バンド方式
、(3)キャリアのエネルギー緩和時間の増大を活用するMEG(Multi-Exciton
Generation :マルチエエキシトン生成)方式とホットキャリヤ方式
の3つが考えられてい
る。つまり、(1)タンデム方式と、(2)中間バンド方式は、幅広い波長の光の吸収を狙って
単接合太陽電池で太陽光の透過損失を少なくする一方、(3)MEG・ホットキャリヤ方式は、
高いエネルギーの光の活用を狙い、熱エネルギーの損失を少なくするたに量子効果を用い
る。ここへきて各国での研究開発競争がより拍車がかかってきている。



朱教授らの研究チームは既に、半導体ナノ結晶を用いてホットエレクトロンを捉えられる
ことを実証し、その成果を2010年にSience誌で発表していたが、通常の太陽光パネルに当
たる自然光ではなく、集光太陽光が必要になり、この手法は実用的には実現するのが難し
いとし、ペンタセン中で、光子が1個当たり1つのquantum shadow-stateを作り出す(上
々図参照)。この状態では2個の電子を高い効率で捉えることができ、より多くのエネル
ギーを生成できる。光子が吸収されるとエキシトン(励起子)を生成し量子力学的に結合
し、マルチエキシトンと呼ばれるquantum shadow-stateを形成。そしてマルチエキシトン
が電子受容体へ転移する際に、2個の電子を効率よく生み出す。今回の実験では電子受容
体として、60個の炭素原子から成るフラーレンを用いた。研究チームによると、フラーレ
ンを使うことで太陽光を集光させず、入射光、散乱光を固定パネルとして受光し、ペンタ
センを利用した太陽電池の変換効率を44%まで高めることができるというものだ。

  

 


つまり、3つの太陽光発電の量子効果適用技術が加速することで太陽エネルギーの恩恵を
享受できる理想的な社会システムが構築できれば、資源争奪の醜い歴史に休止符、いや、
終止符が打てると、エグザイルの『ライジングサン』を聴きながら、小さなチカラしかも
ちあわせていない僕たちでも、僕たちの中で惰眠しているマルチエキシトンを形成し、少
しでも現状克服をと、誓うこととなった1つの記事だった。

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微生物触媒変換の緊急性

2011年12月29日 | 省エネ実践記

 

米国エネルギー省ローレンスバークレー国立研究所のグループは、電子
皮膚に関する新しい実行可能な技術を開発した。半導体カーボンナノチ
ューブの濃縮溶液を利用して、優れた電気的特性を持つ薄膜トランジス
タを生成し、柔らかくて弾力性がある「電子皮膚」に理想的な底板を提
供している。この新素材で作られた電子皮膚センサーはタッチを感応し、
その感度はナノワイヤー電子皮膚の三倍になるというのだ。

デジタル家電の凋落に苦しむ電機メーカーが、構造転換を急いでいる。
韓国など海外勢などとの価格競争からコモディティー(汎用)化が進み
看板だった薄型テレビは想定を上回るスピードで価格が下落し、各社の
業績をむしばむ。「デジタル家電の終焉」を目の前にして、各社が活路
を見いだそうとしているのが機器とサービスの「融合」だ。新領域を次
代の"飯の種"にできるのか。かつて世界を席巻した日本の電機の実力が
試されるいう(2011.12.29 フジサンケイ ビジネス)。その記事で、都
内最大級の規模を誇る東京・有楽町の家電量販店ビックカメラ。先月、
ここで"異変"が起きた。開店以来、1階の入り口そばの特等席に陣取っ
ていた薄型テレビ売り場が姿を消したのだ。2階に"配置転換"されたテ
レビ売り場の販売員は「テレビが家電の花形ではなくなった」と紹介し
ている。

薄型テレビの凋落は数字にも表れている。調査会社BCNによると12月
1~24日の薄型テレビの総販売額は前年同月と比べ2割以上も下落、平
均単価も5万円を割り込み4万9500円まで落ち込んだ。7月の地上デジ
タル放送への完全移行で国内需要が急減し、トンネルの出口が見えない
状態が続いているという。苦戦しているのはテレビに限らない。今や日
本の電機メーカーが世界シェアの大半を握るような商品はデジタルカメ
ラや家庭用ゲーム機など数えるほど。その最大の理由は技術面での差別
化が難しくなったことがある。資金を注ぎ込めば容易に高品質のものが
つくれるようになり、家電製品の多くがコモディティー化し過当競争に
陥った
とのこと。

だったら、日本メーカも資金をつぎ込めば良いではないかと思うのだが
それが出来ないのは、政治力がないということの裏返しだと、活きって
みせても野田の顔と、谷垣の顔が浮かんできて、しゃ~ないなぁと思考
停止する。それじゃと「八方ふさがりのデジタル家電に代わり、電機各
社が新たな収益の柱として期待するのが、社会インフラや医療機器、ネ
ットワークだ。特に東日本大震災をきっかけに環境・エネルギー関連事
業への注目が高まっている
。震災後初めての開催となった10月の家電見
本市「シーテックジャパン」では環境・エネルギー分野の展示がひとき
わ盛り上がった」という。しかし、こうした新領域もいずれ海外勢がキ
ャッチアップして価格競争に巻き込まれることも目に見えている。
「い
いモノを作っていれば、売れる時代は終わった」「テレビの二の舞いは
もう許されない。海外勢を圧倒するビジネスモデルを構築できるか。
機各社の知恵が問われている
」とのため息が聞こえてきそうで、この間
のブログ『独り勝ち戦略』ではないかと思い至る(否々、そんなことは
じめから判っていたこと)。キーフレーズは「秘するれば花」「急がば
回れ」なのだが、翻訳で頭がパンパンでこの続きはまた年明けだ。

 

   秘すれば花、秘せねば花なるべからずとなり


                       世阿弥元清 



   武士の 矢橋の舟は早くとも 急がば回れ 瀬田の長橋

                          宗長  

 

 

  

除染といっても、放射性物質を流して他の場所に移すか、集めて隔離す
るしかない。どう処理しても放射能はなくならず、放射性核種ごとの半
減期に従って減衰するのを待つしかない。こんな物理学の常識を覆すよ
うな実証結果が公表されたという(
2011.12.15 日経エコロジー)。こ
の理由は、ミ
ニ水田に入れたゼオライトやケイソウ土など微生物が好む
素材、能登で採取したケイソウ土を入れたミニ水田が100cpm(シーピー
エム:1分間の放射線を示す単位)近くに下がった。1カ月前(200~300
cpm)に比べ半減したが、顕微鏡観察で糸状菌と呼ぶ細長い微生物が繁
殖し、生体膜の内側に多量の鉱物粒子が付着していた。微生物が代謝に
よって鉱物で覆われていく現象を生体鉱物化作用という。田崎和江金沢
大学名誉教授は「ミクロの石棺」と呼び「放射性セシウムがミクロの石
棺に取り込まれることで、何らかの作用で放射線量が下がったのではな
いか」と考える。

 
水田の土壌に含む微量元素の分析結果、通常の値を超える1kg当たり
447mgの大量のバリウムを検出。放射性セシウムが放射線を出し続ける
と最終的にバリウムになる。実験結果からは、微生物の代謝が放射性セ
シウムからバリウムへの転換を早めたとも推論。「生体内核変換」は、
少数ながら報告例がある。だが、現在の物理学ではあり得ないため、議
論の対象にさえなっていない。田崎教授は「メカニズムは不明だが、ケ
イソウ土に線量を下げる効果があることは分かった。今後の除染に応用
できる」という。

 

A possible reaction of radioactive Cs137 isotope utilization is
Cs137 + p1 = Ba138 + 5.5 MeV.
The result of this reaction is the creation of a stable Ba138 isotope.

生物学的元素転換(Biological Transmutations)=微生物触媒変換=常温核
融合となるとのだが実証例が少ないが、糸状菌などの微生物が関与して
いるなら、水の分子が放射線により活性酸素が微生物代謝を阻害してい
ないことになるはずだ。それはなぜなのか。いや珪藻土(など)が触媒
となり活性酸素を瞬時に還元しているのではないだろうか。そうだとす
ればその条件を明確にし、糸状菌(など)の培養地に放射性セシウムと
珪藻土(など)を投入し、上式 Cs137 + p1 = Ba138 + 5.5 MeV の反応槽
化すれば除染できる。これは大至急詰める必要がある

 

 

【イタリア版食いしん坊万歳:アノリーニ、パルマ風】

材料:小麦粉400g,卵6個,牛肉600g , パンチェッタ40g,バター60g,
タマネギ1/2個,ニンジン(小)1本,セロリの茎1本,トマトペース
ト大さじ1杯,乾いたパン100g,肉のブイヨン3L オリーブ油,ニン
ニク,クローブ1本,シナモン,塩,コショウ,パルメザンかパダノの
おろしチーズ180g,ナッツメッグ

手順:(1)牛肉の固まりに小さな切り込みをいれる。短冊に切ったパ
ンチェックと、小口切りにした二ンニクを差し込む(2)浅鍋にバター
とオリーブ油大さじ2杯を入れて熱し、薄切りにしたタマネギ、ニンジ
ン、みじんに刻んだセロリを入れて炒める(3)炒まってきたところで、
準備していた肉を入れ、表面全体がこんがりと焼けるのを待って、塩、
コショウで調味し、トマトペーストをあらかじめ少量のブイヨンで薄め
たものを加える(4)かき混ぜながら、さらにブイヨンを入れ、シナモ
ンひとつまみとクローブ2~3本を加え、蓋をする。このまま、5~6
時間煮込む(5)十分煮込んだら、肉を取り出し、肉汁を裏ごしにかけ
るが、この肉は他の料理に使うことができる(6)乾いたパンを軽くト
ーストして細かくもみ砕いたもの、おろしチーズ、2個分の溶き卵、ナ
ッツメッグひとつまみを肉汁に入れ混ぜ合わせ、おろしチーズの量を加
減しながら滑らかで腰のあるペースト状に仕上げる(7)詰物はアノリ
ーニを作る前日に用意。小麦粉に卵4個、塩ひとつまみを加えて練り粉
を作り、ベールのようにできるだけ薄く板状にのし、練り粉の半分に小
さく団子状にまるめた詰物を3~4cm間隔にたくさん並べていく。(8)
その上に残り半分の部分を覆いかぶせ、詰物の突起している周辺の平ら
な部分を布巾で軽く叩いて押しつけて閉じ合わせ,パイカッターで小さ
な円形に切り取り,アノリーニをこしらえる。できたアノリーニをしば
らく休ませ、ブイヨンで煮てスープごと食卓に出す。ブイヨンの代わり
にバターと生クリームで和える場合がある。



パルマの詰物料理の起源は、小さなパスタに肉ではなく、肉をシチュー
状に煮込んだ煮込みソースを利用したことから始まったといわれる。

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