【ウォームビズ効果】
モンベルのトラッキング・ウエアを実践し始めて二週間経ったが、効果十分という感想をえ
る。例えると、移動する足湯効果ということになる。元々スポーツウエアということもあり
ファッションもあり気に入っている。そこでさらに欲をいうと、機能性と意匠性があるネッ
クガーター(ネックバンド、ネックウォーマ)とヘッド・バンド(ヘッド・ウォーマ)を揃
えれば完璧ということで、ネット販売商品を調べる(上写真×3品)。たぶん今シーズンは
これで乗り越えることができるだろう。 これは過信か?
二日後の午後二時には、黄色のサープ900コンバーティブルは修理を終えられてい
た。右前面のへこんだ部分は元通りに修復され、塗装も継ぎ目がほとんどわからないよ
うに丁 寧に仕上がっていた。エンジンは点検整備され、ギアは再調整され、プレーキ
パッドもワイパーブレードも新しいものに交換された。洗車され、ホイールを磨かれ、ワック
スをかけられていた。いつもどおり大場の仕事にはそつがなかった。家福はもう十二年
そのサーブに乗り続け、走行距離も十万キロを超えている。キャンバスの屋根もだんだ
んくたびれてきた。強い雨の降る日には隙間の水漏れを気にする必要がある。しかし今
のところ新車に買い換えるつもりはない。これまで大きなトラブルは皆無だったし、何
よりも彼はその車に個人的な愛着を持っていた。冬でも夏でも、車の屋根を開けて運転
するのが好きだった。
冬には分厚いコートを着てマフラーを首に巻き、夏には帽子をかぶって濃いサングラ
スをかけ、ハンドルを握った。シフトの上げ下げを楽しみながら都内の道路を移動し、
信号待ちのあいだにのんびり空を眺めた。流れる雲や、電材にとまった鳥たちを観察た。
そういうのが彼の生活スタイルの欠かせない一部になっていた。家福はゆっくりとサー
プのまわりを一周し、レース前の馬の体調を確かめる人のように、あちこち細かい部分
を点検した。
その車を新車で購入したとき、妻はまだ存命だった。ボディーカラーの黄色は彼女が選
んだものだ。最初の数年間はよく二人でドライブをした。妻は運転をしなかったので、
ハンドルを握るのはいつも家福の役だった。遠出も何度かした。伊豆や箱根や那須に出
かけた。しかしそのあとの十年近くはほとんど常に彼一人で乗っていた。妻の死後、何
人かの女性と交際したが、彼女たちを助手席に座らせる機会はなぜか一度もなかった。
都内から外に足を仲ばすことも、仕事でそうする必要がある場合を別にして、まったく
なくなってしまった。
「さすがにあちこちに少しずつやれが出てきていますが、まだまだ大丈夫です」と大場
は大型犬の首でも撫でるように、ダッシュボードを手のひらで優しくこすりながら言っ
た。「信頼できる車ですよ。この時代のスウェーデン車って、なかなかしっかり作られ
ているんです。電気系統に気を遠う必要はありますが、基本のメカニズムには何ら問題
ありません。ずいぶん丁寧に整備をしてきましたしね」
家福が必要書類にサインし、請求書の詳細について説明を受けているときに、その娘
がやってきた。身長は165センチくらいで、太ってはいないが、肩幅は広く、体格は
がっしりしていた。右の首筋に楕円形の紫色のアザのようなものがあったが、彼女はそ
れを外にさらすことにとくに抵抗を感じていないようだった。たっぷりとした真っ黒な
髪は邪魔にならないように後ろでまとめられていた。彼女はおそらくどのような見地か
ら見ても美人とは言えなかったし、大場が言ったようにひどく素っ気ない顔をしていた。
頬にはにきびのあとが少し残っていた。目は大きく、瞳がくっきりしているが、それ
はどことなく疑り深そうな色を浮かべていた。目が大きいぶん、その色も濃く見えた。
両耳は広く大きく、まるで僻地に備えられた受信装置のように見えた。五月にしてはい
ささか厚すぎる、男物のヘリンポーンのジャケットを着て、茶色のコットンパンツをは
き、コンバLスの黒いスニーカーを履いていた。ジャケットの下は白い長袖のTシャツ、
胸はかなり大きい方だ。大場が家福を紹介した。彼女の名前は渡利といった。渡利みさ
き。
「みさきは平仮名です。もし必要なら履歴書を用意しますが」、彼女は挑戦的に聞こえ
なくもない口調でそう言った。
家福は首を振った。「今のところ履歴書までは必要ない。マニュアル・シフトは運転
できるよね?」
「マニュアル・シフトは好きです」と彼女は冷ややかな声で言った。まるで筋金入りの
菜食主義者がレタスは食べられるかと質問されたときのように。
村上春樹 『ドライブ・マイ・カー』
文藝春秋 2013年12月号掲載中
【日本経済は世界の希望(6)】
財政上の安定は何を担保するのか
ECBのドラギ総裁は緊縮財政について、ヨーロッパでは正統派といえる政策をとり
すぎる嫌いがあり、それを不快に感じることもあるが、一方で彼の行動はときに素晴ら
しいものがある。ヨーロッパの政治的な地雷原をうまく通り抜けながら、自らの政治性
を発揮する能力は卓抜している。
ECBが直接ソブリン債券を買うのではなく、各国の中央銀行が的確に定める担保を
出しさえすれば銀行に無制限でお金を貸し出す、というLTROのスキームは、その慧
眼が発揮された例だろう。その政策によってソブリン債券を買わずとも、同等に近い効
果を発揮したのだ。
トリシエ前総裁は傲慢とはほど遠い人物で、個人的には好意を抱いているが、金融政
策において大きく判断を誤ったのは、第2章でみたとおりだ。抜に飛び抜けた実績はな
い。イングランド銀行前総裁のマーヴィン・キングも興味深い人物だ。彼は一九九二年
に現在もイギリスの金融政策の指針となるインフレ目標体制への移行を主導した。二〇
〇八年の金融危機のときにも、ロイズ・バンキング・グループやロイヤル・バンク・オ
ブ・スコットランド(RBS)の一部国有化など、銀行への資本注入を要求した。
その後、彼は緊縮政策を推し進めるようになり、二〇一〇年の総選挙のあとには保守
党と自由民主党に赤字削減計画への合意を迫ったが、結局、イギリスの緊縮財政政策は、
二番底を招いて大失策に終わった。彼に対する評価は何ともいいがたい。
世界各国の中央銀行総裁のなかで、私が高く評価しているのはイスラエル銀行総裁の
スタンレー・フィッシャーである。彼は元IMF理事でありながら、イスラエルの通貨
シェケルの為替レートについて大規模な介入を行ない、結果的に量的緩和というかたち
で効果をあげた。
もちろん物価の安定と雇用の確保以外に中央銀行が担うべき役割が、財政上の安定で
あるのはいうまでもない。とくに危機と危機のあいだ、つまり平時において、中央銀行
は財政を不安定化させるリスクを減らすため、できるかぎりの手を打っておく必要があ
る。そうすることでいざ危機が襲ってきたとき、市場が機能しつづけることを担保する
のだ。
つまりこの財政上の安定は、物価の安定、雇用の確保という二つの機能とは、まるで
別の目的をもっている。
通貨当局と政府の望ましいあり方
通貨当局と政府のあり方に、望ましいモデルはあるだろうか。中央銀行が財務省の一
機関であるという状況はインフレに傾きやすいし、実際に一九七〇年代初頭のイギリス
においてイングランド銀行は英財務省の試みに従い、悲惨なインフレを引き起こした。
独立していない中央銀行にももちろん、問題は存在する。
一方で独立した中央銀行は物価の安定に固執してインフレを敬遠し、デフレ経済のも
とで失策を招く恐れがある。これまで俯瞰した日銀やECBの行動がその例だ。
つまりいかなる体制においても特有の問題が生じるのである。それぞれの経済で何か
起きているのか、という現状の正確な把握がまずあるべきで、それなくして望ましい連
携は生まれないだろう。
目下、アメリカでマクロ経済的にもっとも意味をもつ政策措置は、連邦政府の強制歳
出削減だ。二〇一三年三月一日には、二〇二一年度までに連邦予算を総額一兆二〇〇〇
億ドル削減することを政府に義務づける制度が発効した。それは意図的につくられた間
違ったアイデアで、誰もそのような政策を望んではいない。
しかしもし、実際の政策を誰が握っているのか、といわれれば、それはFRBになる。
何らかの目的を念頭に置きながら、政策的な選択を行なっている唯一の政策立案者はF
RBなのである。
もちろん、たしかにFRBは独立しているが、それでも政治のプレッシャーに影響さ
れないわけではない。下院予算委員会の委員長が目前にバーナンキを呼びつけ、FRB
は自国通貨を下落させたと非難しつづければ、それだけでFRBは金融政策について圧
力を感じ、それほど冒険的にはなれなくなる。実際に過去にはそうした例があった。
FRBと政治家は互いに話し合い、共通の目的において同意する状況をもつべきだ。
かつてフォークランド紛争をきっかけに中南米諸国の債務返済能力に疑問がもたれ、中
南米債務危機が起こったとき、FRBと米財務省は緊密に連携して、FRBは貸し手で
ある米金融機関に対して融資残高の維持やさらなる融資の呼びかけを行ない、中南米諸
国への貸し出しを不良債権とみなさないようにするなどの規則変更を行なった。
結果的に米金融機関は融資を不良債権処理することなく、中南米諸国もデフォルトに
陥ることなく、危機は回避された。このケースは一つの理想例だ。
さらなる金融緩和競争のすすめ
各国中央銀行どうしの関係については、何を考えるべきだろうか。リーマン・ショッ
クのときには世界的な信用不安からマーケットでドル資金が大きく不足し、ドル・スワ
ップ協定(金融機関の米ドル調達を支援するため、FRBが日欧の主要中央銀行と結ん
でいる協定)が実施された。
しかしこの時期はあくまで特別であり、各国間の調整は非常に重要だったが、いま同
じような調整が必要かどうかはわからない。各国がそれぞれアグレッシブな政策を追求
するインセンティブは必要だが、それを現実のものにするための同意は不要だ。
ただし、お互いにやってはいけないこともある。繰り返すが、ある政策を実行した結
果として通貨安になるのならよいが、通貨安を進めるために政策を実行する、と明言し
てはいけない。もし黒田日銀総裁が円安にする、とあからさまにいえば、FRBも、E
CBも、黒田総裁を手こずらせることになるだろう。
とはいえ、金融緩和競争自体は懸念すべきことではなく、むしろ望ましいことだ。結
果的に世界経済を弱くしてしまう貿易戦争のような破壊的行為と異なって、それは世界
経済の発展に大きく貢献する。
いまは多くの国々で経済が落ち込み、デフレ圧力が生じている。だからみなが金融緩
和を行なうべきなのだ。
日本が金融を緩和した結果、ヨーロッパが自らの産業競争力を奪われたと感じるなら、
自分自身も金融を緩めればよい。事実、彼らが必要としているのは、まさにそうした政
策なのである。
問われているのは「中央銀行総裁の資質」
結局のところ、重要になるのはいかに質の高い政策をもつか、ということだ。コロン
ビア大学教授であるジョセフ・スティグリッツの指摘は興味深い。彼は「必要なのは中
央銀行の独立性」ではなく「中央銀行総裁の資質」という。私も同意する。
われわれがいま学んでいるのは、どのような組織構造をもったとしても、結果を保証
するものは何もない、ということだ。独立性はその最たるもので、中央銀行に独立性が
与えられたのは、それがよい政策につながるだろうと思われたからである。しかしとき
に中央銀行はその独立性のため、間違った政策を打ち出してしまう。
中央銀行総裁の資質はもちろん、組織の体質(カルチャ士も質の高い政策を打ち出す
ためには不可欠だ。広い意味での政治的体質ともいえるだろう。FRBはその条件を十
分に満たしている。イングランド銀行も同様だ。どちらの銀行もかなりオープンな組織
体質が根底にある。そこではさまざまな意見が忌憚なく交わされているが、そのオープ
ンさが中央銀行の質を底上げする。
とくに外部の人間を入れることが重要だろう。少なくともその意見に耳を傾けたほう
がよい。FRBでは、その政策を批判する外部の経済学者とのミーティングが行なわれ
る環境が整っている。グリーンスパンはけっしてそうしたミーティングを実施しなかっ
たが、バーナンキはいま、記者会見でその機会を設けている。
もちろん第1章でみたとおり、人事的な交流も活発だ。そこから日銀が学べることは
少なくない。
黒田日銀総裁が見失ってはいけないこと
中央銀行総裁の資質という点で、黒田日銀総裁は何を意識すべきだろうか。まずは絶
対にデフレを脱却し、ある程度のインフレに日本経済をもっていく、という至上命題を
見失わないことである。
これは黒田総裁が実際に自分の手で実現できることだ。たとえば日本の少子高齢化を
変えることができればよいが、それを実行する方法は誰にもわからない。解決できるも
のもあるが、そうでないものもある、ということだ。しかしデフレ脱却は違う。黒田総
裁は何か何でもこのデフレから脱却する、できることは何でもやる、と公言し、行動し
つづけるべきだ。
もし仮に、インフレ率がニパーセントに届かないという状況になっても、さらに手を
打っていく、というメッセージを伝えなければならない。かつて日銀がとったような、
インフレ目標を達成する自信がないので失敗して恥をかくくらいなら挑戦しない、とい
う態度は絶対に避けるべきだ。
一つの政策がうまくいかなければ次の手を打つ、国債購入が効果を生まないならほか
の資産を買う、何か何でもやる、ということだ。
ほかの資産とは何か。外国債については事実上の為替介入に当たるので、やりすぎな
いよう気をつけるべきだ。ヨーロッパもアメリカも「流動性の罠」に陥っているわけだ
から、政策の性質上、やや近隣困窮策に思えないこともない。社債なら外国債よりはよ
い選択肢になりうる。
ほかにも検討の余地がある資産はあるが、基本的には利率がゼロに近づいていない商
品を買うほうがよい。さらに理論上は、利率が下がる余地のある商品を購入すべきだ。
伝統的な公開市場操作に使う政府短期証券などから遠い商品、といってもよいだろう。
償還までの期間が長く、リスクのある資産であるほど、効果も生まれる。
黒田総裁は、目的を達成できない、ということを、挑戦しない理由にしてはいけない。
もし目的を達成できなかったとしても、それをさらなる努力への根拠としなければなら
ないのだ。
ポール・クルーグマン 『そして日本経済が世界の希望となる』
【カドテルメガソーラーが北九州に】
今年年11月に日本市場参入を表明したばかりのファーストソーラー社が、早くも具体的な
メガソーラープロジェクトを北九州市で開始させたニュースが届く。ファーストソーラーが
事業主となり直流出力1.4MWの発電所を立ち上げる。設計・調達・建設のうち、建設段階で
は大林組と安川電機の協力を得る。完成後の管理・運営はファーストソーラーが当たる。今
年11月11日に着工し、来年の第1四半期に運転開始予定だ。メガソーラーに採用するの
は国内での導入事例がほとんどないCdTe(カドミウムテルル)薄膜太陽電池モジュール。国
内では「カドテル」と呼ばれることも多い。CdTe太陽電池モジュールの量産では同社が群を
抜いており、メガソーラー向けの太陽電池として、他の方式の太陽電池と互角以上の競争力
があるという。既に全世界で1億枚以上のCdTe太陽電池モジュールを導入したという。同社
が量産している太陽電池モジュールはほぼ100%がCdTeだという。
ところで、“カドテル”を含む化合物半導体太陽電池には上図のように、ケイ素の他、Ⅲ族
の元素(ガリウム、インジウムなど)とⅤ族の元素(燐、ヒ素など)から構成される半導体。
例えば、GaAsやInPaなどのⅢ-Ⅴ族化合物半導体、周期律表Ⅱ族の元素(Zn、Cd)とⅥ族化
合物半導体と広範渡る。現在では高性能で廉価な太陽用電池が実用化されており、カルコパ
イライト化合物を用いた太陽電池の開発が盛んになっている。さらに、Ⅲ族・Ⅴ族において
も廉価を狙った新しい技術も開発されいる。 さて、Ⅱ-Ⅵ族半導体の多くも、直接遷移型
のエネルギーバンド構造をもち、光吸収係数が大きい。特に、CuInSe2は光級数係数が大き
く、薄膜化に適している。さらに、Ⅱ-Ⅵ族化合物で、p、n両形をしめすのはこのカドテ
ル(CdTe)やCuInSe2などに限られている。
上図の京セラの新規考案によれば、光吸収層3は、下部電極2上に配置され、光吸収層3は、
カルコゲン化合物半導体を含み、カルコゲン元素である硫黄(S)、セレン(Se)または
テルル(Te)を含む化合物半導体で、例えば、I-III-VI化合物半導体がある。I-III-VI
化合物半導体とは、I-B族元素(11族元素ともいう)とIII-B族元素(13族元素とも
いう)とVI-B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体であり、カルコパイライト
構造を有している(=CIS系化合物半導体)。I-III-VI化合物半導体には、例えば、二セ
レン化銅インジウム(CuInSe2)、二セレン化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,
Ga)Se2)、二セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)(Se,
S)2)、二イオウ化銅インジウム・ガリウム(Cu(In,Ga)S2)または薄膜の二
セレン・イオウ化銅インジウム・ガリウム層を表面層として有する二セレン化銅インジウム・ガリウ
ム等の多元化合物半導体薄膜がある。また光吸収層3は、例えばp型の導電型を有する厚さ
1~3μm程度の薄膜であり、例えばスパッタリング法、蒸着法等といった真空プロセスに
より形成され、塗布法あるいは印刷法と称されるプロセスで形成される。塗布法あるいは印
刷法としては、例えば、光吸収層に主として含まれる元素の錯体溶液が下部電極の上に塗布
し、乾燥および熱処理が行われる。ところでこの発明の光電変換装置の製造方法は、基板1
上に下部電極2を形成する工程と、下部電極2上に光電変換層を形成する工程とを有し、光
電変換装置の製造方法は、光電変換層の一部を機械的に除去して、光電変換層に溝部を形成
する工程と、溝部にレーザ光を照射する工程とを備えていることで、高い光電変換効率を有
する光電変換装置が提供できるとしている。つまり、下部電極上の光電変換層の残存量を低
減することで、高い光電変換効率実現するものだ。
尚、上図はファーストソーラー社の太陽電池フロントコンタクトのドーピング方法(CdT
e系)で変換効率を改善する新規考案事例を参考として取り上げた。さて、ここで取り上げ
た理由の1つとして、カドミウム禍の経験である。毒性や危険性は太陽電池の他の元素も同
じように懸念されるのだが、亜鉛と同様な化学的挙動を示し食料への汚染(酸性サイドで溶
解拡散する)が懸念されているからだ。技術的には、ファーストソーラー社の実績に劣るも
のの技術力では国内メーカが劣ることはないと考えているが、国内初めてのカドテル・メガ
ソーラとあって注目した。
【高効率な業務用・産業用燃料電池発電システム】
クリーンで高効率な業務用・産業用燃料電池発電システム「Bloomエナジーサーバー」の国内
初号機を福岡市内の「M-TOWER」に設置し、2013年11月25日より営業運転を開始。「Bloom エ
ナジーサーバー」の設置および運転開始はBloom Energy Corporation)が事業展開している
アメリカ合衆国以外では日本が初めて。ビル全体の電力需要の約75%(出力規模は200kW)を
賄うというということで早速調べてみた(バイオガスなどを化学反応させて発電するブルー
ムエナジー製の固体酸化物形燃料電池「ブルームエナジーサーバー」を採用、発電効率60%
以上、1キロワット時当たりの電力価格は最大28円程度で済む。投資額は非公表)。ブル
ームエナジージャパンは2014年3月までに日本国内で出力2500キロワット相当の設備導入を
目指し、3年後に同3万キロワット以上に拡大する。また、都市ガス以外にも下水汚泥から
発生するバイオガスの活用も検討すると公表している。ソフトバンクはこれで、メガソーラ
ー発電事業に続いて、燃料電池による発電事業にも乗り出すことになる。
今夜もバタバタ仕事となった。バタバタ仕事ではいい仕事ができないと言われてきたが相も
変わらずだ。そういえば国会もバタバタと法案を採決させている。成熟社会では情報はでき
る限り透明性を担保し、国民に開放するのに限るのだが、わたしも立法府も何故かバタバタ
急いでいる。これって、どうしたものかね?!