彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤
備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
愛称「ひこにゃん」
16 季 氏 き し
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他の篇と趣を異にし、孔子のことばがすべて「孔子曰く」として記
され、また、三、九といった数字でまとめられる章が多い。この点
から、この篇は「斉論」系統であろうともいわれている。
寡なきを患えずして均しからざるを患え、貧しきを患えずして安か
らざるを思う」(1)
「少き時は血気いまだ定まらず、これを戒むること色に在り」(7)
「生まれながらにしてこれを知る者は上なり。学んでこれを知る者
は次なり」(9)
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10.君子が念頭におくべきもの九つ----。視覚において明敏であ
ること、聴覚において鋭敏であること、表情において柔らか昧があ
ること、態度において誠実であること、発言において忠実であるこ
行動において憤重であること、疑問に接して探究心をもつこと、感
情に駆られてはた迷惑をかけぬこと、利に直面しても義を忘れぬこ
と。(孔子)
孔子曰、君子有九思、視思明、聽思聰、色思温、貌思恭、言思忠、
事思敬、疑思問、忿思難、見得思義。
【新樹木図鑑②×下句トレッキング:いまぞ咲きたれ岩代辛夷】
津軽にて田打桜と聞きし花 いまぞ咲きたれ岩代辛夷
若山牧水
淡々と巨木との出会い語るのだが、距離と時間(宇宙)の光色が鮮
やかに匂い伝わりくる一首。
コプシ Magnolia kobus DC.
北海道,本州,四国,九州,朝鮮南部に分布する落葉高木で,近畿
以西には少ないようである。早春に白花を樹冠全体につけるので非
常に目だつ木である。
自然の野山に咲く花は農作業の時期を教えてくれる場合が多い。
内座高氏の鹿児島民俗植物慾によると,月野村ではこの花が咲くと
きをサツマイモの床出しの時期としており,貯蔵しておいたイモを
出して苗床を作るという。京都府船井郡三宮村ではこの花の咲く時
期をもって味噌(みそ)を仕込む時期としているというが,この場
合のコブシは多分タムシバではないかと思う。冬芽は長卵形,有毛,
枝にはやや明りょうな皮目が散在し,折れば芳香を放つ。葉貢は新
月形またはV字形をして,銀箭来貢は数個ある。花は白色,心肺は
やや紫赤色のぼかしとなる。本州の北部や北海道にはやや葉の大き
いキタコブシ var, borealis SARG.が報ぜられている。北海道のも
のは多くはこの変種のようである。
材はホオノキに似た教孔材で,床柱,まな板,裁板,しゃくし,は
し,図板,マッチの軸木,漆器木地,ゲタ,経木,えんぴつ,楽器,
船舶,彫刻など用途は広い。また炭に焼いて金銀をみがく木炭とす
る。(出典:標準原色図鑑 全集 樹木 8 保育社)
【ポストエネルギー革命序論 268:アフターコロナ時代 78】
曲率半径1mmで100万回屈曲可能なTFT開発
凸版印刷は2021年3月12日、曲率半径1mmで100万回屈曲可能な高可
撓性/高耐久性と高キャリア移動度を兼ね備える新規構造フレキシ
ブル薄膜トランジスタ(Thin‐film‐transistor、TFT)の開発に
成功したこを公表。このTFTは、キャリア移動度10cm2/Vs以上で電源
On/Off比107以上という実用的な特性も備える。フレキシブルエレ
クトロニクス向けのTFTは、可撓性や軽量性などの点から有機TFTが
有力視されているが、キャリア移動度が低く、信頼性や耐久性に劣
るなど多くの課題がある。一方で、シリコン系や酸化物の半導体か
ら成る無機TFTはキャリア移動度が高く、量産工程も確立しているが、
可撓性に改善の余地がある。そのため、キャリア移動度と可撓性、
耐久性すべての特性を満たすTFTの開発が切望されている。これら
の課題解決に向け、凸版印刷は独自の成膜技術/印刷技術/フィル
ムハンドリング技術を駆使し、シャープペンシルの芯に巻き付けら
れるような高可撓性、フレキシブルプリント回路基板並みの高耐久
性、テレビなどで広く使用されるアモルファスシリコンTFTの10倍
以上の高キャリア移動度を兼ね備える新規構造フレキシブルTFTの
開発に成功。この新規構造フレキシブルTFTでは、量産適用されて
いる技術を活用。開発された新しい構造により、曲率半径1mm/100
万回の屈曲試験前後で、キャリア移動度の変動など特性の変化は観
察されず、優れた可撓性/耐久性を示す。
【関連特許】
❐ 特開2020-194022 表示部品、表示モジュール、表示装置、
および表示モジュールの製造方法
【概要】 固体状表示媒体を使用した表示装置が知られている。固
体状表示媒体として、例えば固体の隔壁内に電気泳動粒子が分散し
た液体を閉じ込めたものが知られている。固体状表示媒体は、液晶
のような液体表示媒体に比べて耐衝撃性が強い。電気泳動粒子は、
電界印加によって隔壁内の空間を移動し、電界をオフした後にもそ
の位置に留まり続ける。このため、電気泳動粒子による表示は、表
示装置の駆動終了後もそのまま消えずに保持される。電気泳動粒子
を含む固体状表示媒体を使用した表示装置の表示は、外光を反射す
ることによって視認可能となり、紙の印刷物のように自然な表示な
ので、電子ペーパーとも呼ばれる。固体状表示媒体は、樹脂基板に
作製された透明電極の上に配置される。この表示部品は、前面板等
とも呼ばれる。
前面板を別基板の画素電極上に貼り合わせると表示装置となる表示
装置の2枚の基板間に電圧を印加すると、固体状表示媒体を駆動で
きる。画素電極を有する基板は、背面板等とも呼ばれる。背面板は、
画素電極以外に電極配線や駆動素子等を有し、電子部品等も実装さ
れている。一般に、画素電極と固体状表示媒体との接合には粘着剤
が用いられ、画素電極への通電は、背面板内の配線で行われる。一
方、前面板の透明電極への通電は、表示媒体が無く透明電極が露出
した部分と背面板の電極配線を、導電性の接続部材で接続すること
により行われている(例えば、特許文献1参照。)。背面板には、
薄膜トランジスタアレイを内蔵したアクティブマトリクス型や、配
線に直結されたセグメント型があり、表示画素数が多い場合はアク
ティブマトリクス型が用いられることが多い。
図4のごとく、表示部品1は、樹脂基板10と、樹脂基板上に形成
された透明電極層20と、透明電極層上に形成された表示媒体層と、
表示媒体層上に形成された粘着剤層40とを備える。表示媒体層は、
隔壁31により複数の空間Spに区切られ、複数の空間内に電気光
学媒体32が配置されている。表示部品1は、表示媒体層を駆動す
る駆動基板と電気的に接続される接続部2を有する。接続部におい
て、粘着剤層と、隔壁のうち粘着剤層と接する上部隔壁と、電気光
学媒体とが除去されており、隔壁のうち透明電極層と接する底部隔
壁31bが透明電極層を覆うことで、前面板の透明電極への通電
を簡便かつ確実に行える構造を有する表示部品を提供する。
図4C
コロナ禍で放射式体温計が世界を席巻したが、うまく反射しなけれ
測定精度が悪くなり、何回か繰り返することになる。また、電子体
温計よりわたしの場合、額では +0.3℃高くなる傾向があった。も
っとも電子体温計の場合、脇下で測定している。また、放射式の場
合、耳の内耳部を照射し測定する方が安定するようだった。ところ
が、彼女が見かね、CT422:電子体温計:健康機器:シチズン・シス
テムズ株式会社制(但し、製造元は中国西鉄城精電科技(江門)有
限公司。購入、30秒で測定でき水で洗えていつでも清潔清潔がうた
い文句?。短時間で測定できるのが気にいる。早速、特許出願書で
解体する。
注.特定時間は取説には、「ブザー鳴る」ことは明記されているが
時間については明記されておらず、正確に計りたい場合(腋下)、
30分(最大時間?)と書かれているが、実際には1分程度で取り出し
読み取っている(ブザーの警告の有無は関係なく)。36.2~36.8℃
を外れた場合、再度測定している。
❏ 特許6628919 電子体温計
【概要】生体の体温を測定する電子体温計は、通常、幅及び厚みよ
りも長手方向長さが長い細長い形状を有しており、体温測定時に、
温度センサが設けられた長手方向の一端部分を被測定者の腋下に挟
んで使用される。従来、このような電子体温計として、温度を検出
する温度センサと、温度センサからの検出信号に基づいて体温を算
出する算出部と、算出部により算出された体温を表示する表示部と
振動を発生する振動発生部と、算出部、表示部及び振動発生部に電
力を供給する電池と、を有し、体温の測定が完了したことを振動発
生部が発生する振動によって報知する振動報知タイプのものが知ら
れている(例えば特許文献1,2参照)。
1.特許第4627261号
2.公報特開2017-156206号公報
振動報知タイプの電子体温計は、振動発生部として、例えば振動モ
ータ等の物理的に振動を発生させるものが用いられるため、その消
費電力は大きく、体温の測定が完了したことをブザーによって報知
するタイプの電子体温計に比べて、より容量の大きい大型で重い電
池が必要となる。また、液晶パネル等で構成される表示部としては、
その視認性を確保するために、ある程度の大きさと重さを有するも
のが用いられる。そのため、振動報知タイプの電子体温計は重いも
のとなり、例えば高齢者のように筋力が弱く、皮下脂肪が少ない被
測定者では、体温を測定する際に電子体温計を腋下に挟んで保持す
ることが困難となって体温の測定を安定して行うことができない場
合が生じる、という問題があった。本発明は、上記課題を鑑みて成
されたものであり、その目的は、腋下に容易に保持することができ、
安定した体温の測定が可能な電子体温計を提供することである。
本発明の電子体温計は、温度を検出する温度センサと、前記温度セ
ンサからの検出信号に基づいて体温を算出する算出部と、前記算出
部により算出された体温を表示する表示部と、振動を発生する振動
発生部と、前記算出部、前記表示部及び前記振動発生部に電力を供
給する電池と、を有し、体温の測定が完了したことを前記振動発生
部が発生する振動によって報知する電子体温計であって、前記電子
体温計が幅及び厚みよりも長い長手方向の長さを有する形状であり、
前記温度センサが前記電子体温計の長手方向の一端側に配置され、
前記振動発生部が前記電子体温計の前記長手方向の他端側に配置さ
れ、前記表示部と前記電池とが、前記温度センサと前記振動発生部
との間の長手方向位置において前記長手方向に垂直な方向に重ねて
配置されるとともに、前記算出部が、前記表示部と前記電池との間
に配置された制御基板であり、前記制御基板及び前記電池が、それ
ぞれ長手方向の一端を前記表示部よりも前記温度センサの側に突出
させて配置されていることを特徴とする。
図1のごとく、温度を検出する温度センサ22と、温度センサ22
からの検出信号に基づいて体温を算出する算出部30と、算出部3
0により算出された体温を表示する表示部40と、振動を発生する
振動発生部50と、算出部30、表示部40及び振動発生部50に
電力を供給する電池60と、を有し、体温の測定が完了したこと
を振動発生部50が発生する振動によって報知する電子体温計1で
あって、電子体温計1が幅及び厚みよりも長い長手方向長さを有す
る形状であり、温度センサ22が電子体温計1の長手方向の一端側
に配置され、振動発生部50が電子体温計1の長手方向の他端側に
配置されるとともに、表示部40と電池60とが、温度センサ22
と振動発生部50との間の長手方向位置において長手方向に垂直な
方向に重ねて配置されていることを特徴とする電子体温計1からな
る。腋下に容易に保持することができ、安定した体温の測定が可能
な電子体温計を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度を検出する温度センサと、前記温度センサからの検出信号に基
づいて体温を算出する算出部と、前記算出部により算出された体温
を表示する表示部と、振動を発生する振動発生部と、前記算出部、
前記表示部及び前記振動発生部に電力を供給する電池と、を有し、
体温の測定が完了したことを前記振動発生部が発生する振動によっ
て報知する電子体温計であって、前記電子体温計が幅及び厚みより
も長い長手方向の長さを有する形状であり、前記温度センサが前記
>電子体温計の長手方向の一端側に配置され、前記振動発生部が前記
電子体温計の前記長手方向の他端側に配置され、前記表示部と前記
電池とが前記温度センサと前記振動発生部との間の長手方向位置に
おいて前記長手方向に垂直な方向に重ねて配置されるとともに、前
記算出部が、前記表示部と前記電池との間に配置された制御基板で
あり、前記制御基板及び前記電池が、それぞれ長手方向の一端を前
記表示部よりも前記温度センサの側に突出させて配置されているこ
とを特徴とする電子体温計。
【請求項2】
前記制御基板が、前記温度センサと前記振動発生部との間の長手方
向位置において、前記長手方向に平行であるとともに前記振動発生
部に対して前記長手方向に垂直な方向に重ならずに配置されている、
請求項1に記載の電子体温計。
【請求項3】
前記振動発生部が振動モーターである、請求項1または2に記載の
電子体温計。
【符号の説明】1 電子体温計 10 ケース体 11 本体部 11a
表側ケース半体 11b 裏側ケース半体 11c 窓部 12 挟持
部 13 透明板14 電池収納部 15 蓋体 20 測温部 21 セ
ンサキャップ 22 温度センサ 23 配線 30 制御基板(算出
部 31 基板 32 電子部品 33 正極端子 34 負極端子
35 導電ゴム 40 表示部 41 支持体 50 振動モータ
(振動発生部) 51 モータ本体 51a 回転軸 52 偏心重り
53 モータホルダ 54 ブザー 60 電池 61 正極 62 負極
70 操作スイッチ W 幅 D 厚み L 長さ S 収納空間
注.特開2021-009076 電子体温計も願参照。
📚 忙中閑あり読書録 Ⅸ
習近平が隠蔽したコロナの正体 河添恵子
第5章
第9節 感染0号が疑われた女性研究員は今どこに?
さて、私は二月初旬にはアメリカのアンソニー・トゥー(杜祖健)
博士とメールで日々やり取りを始め、並行して中国語と英語の関連
する記事を乱読していくなかで、新型コロナウイルスの起源と正体
について、大枠で三つの仮説を立てたことを第二章に書いた。
(一)一九七九年にソ連で起きた事件──スヴェルドロフスクの生
物兵器研究所から炭疽菌が漏れた事件と同様、人工的なコロナウイ
ルスが、武漢のウイルス研究所から空気のように周辺地域に漏れた。
(二)人工的に操作された、コロナウイルスに侵された実験動物(
コウモリ?)が転売され、市場で食べたり、触ったりしたことから
ヒトにうつっていった。
(三)ウイルス研究所の研究員が、実験室で人工的に操作していた
コロナウイルスの扱いをミスって患者0(ゼロ)号になった。 こ
の(三)について考えたのも、実はトゥー博士から「研究者が実験
中に扱いを誤って、ウイルスを浴びることはある」「研究所で、自
分の体に免疫抗体を作るためのワクチン注射をして即死した研究者
もいる」との話を教えてもらっていたからだ。
二月中旬、さらに(三)の仮説に当てはまる情報が、台湾の『自由
時報』ほか中国メディアの一部からにわかに噴出した。しかも、中
国当局が「不自然かつ猛スピードで火消しに走った」ことも注目し
た。
「二〇一二年度、試験を免除されて修士研究員に昇格した名簿の公
示」が二〇一一年十一月四日に発表されたが、名簿にある黄氏が二
〇一九年の何月からか行方不明になっている。死亡したのではない
か」という噂が飛び交ったのだ。内部から噴出した話だった。スマ
ホがある現代社会において、デマでない限り消息不明が続くのはど
う考えても不自然である。出回っている武漢ウイルス研究所のスク
リーンショットには、「診断微生物学学科組」(二〇〇八年、二〇
一一年、二〇一二年と、何年度に修士研究生になったかと名前、顔
写真が掲載)の研究員紹介欄に、彼女の名前はあるが、かつてあっ
たはずの顔写真は空欄になっていた。さらにコンタクト先として電
話番号などの記入欄があるが、すべてが空欄になっていた。
「研究所に送られてきたウイルスの扱いを、彼女がミスって浴びて
亡くなり、その際に運び出した人、葬儀屋などから一気に武漢ウイ
ルスが広がった。絶対に彼女が感染0号だ!」との内容が(真偽は
別として)噴出した。ここで動いたのが北京の「新京報新聞」だっ
た。二月十六日付で記事が出たが、まさに「超特急の火消し工作」
のような印象を抱いた。
「二月十五日の夜、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員(詳細は後
述)と陳全姣氏らと(記者が)話をした。両者は『同研究所に黄燕
玲という名前の研究員が所属していしているかを把握していない』
とのことだ。石研究員は『私が保証できるのは、研究生を含む内部
の人間は誰一人としてウイルスに感染していないこと。0号は絶対
にいない、フェイクニュースだ』と語った」との内容だった。私に
はこの「把握していない」という表現がまず不自然に感じた。中国
というのは隅から隅まで把握する、監視国家であり監視組織が基本
私にはこの「把握していない」という表現がまず不自然に感じた。
中国というのは隅から隅まで把握する、監視国家であり監視組織が
基本なのだ。しかも「診断微生物学学科組」のスクリーンショット
からは、大学からの推薦があって無試験で選ばれるこの枠は、「人
の顔と名前がすぐ覚えられる」程度の少人数だと推測できる。
また同日に、武漢ウイルス研究所がHPサイトに「声明」として噂
を打ち消す。「二〇一五年に修士を終えて、別の省で元気に仕事を
している」との内容で、新華社もそれを取り上げてわざわざ報じた。
一人の女性研究者の生存に関する「噂」なのに、このスピード感は
尋常ではなかった。しかも黄氏が通った西南大学の元指導教諭まで
がWeibo(微博)に書いた。その内容は武漢ウイルス研究所の
「声明」とほぼシンクロしていた。「この二日ほど、たくさん電話
やメールが私の元に届いている。黄燕黄燕玲は二〇一五年七月に順
調に修士課程を終え、卒業後は武漢ではなく外地で仕事をしている。
私は本人に電話をして確認をした。彼女は元気で何ら問題はない。
ネット上では根も葉もない噂が出ているが、防疫の仕事は今、忙し
い、これ以上、邪魔をしないよう」
渦中の黄氏はその後、SNSで「皆さんこんにちは。私、元気です」
といった表面的なメッセージを発信したが、どこの研究所に所属し
ているかを含め具体的なことは記されておらず、近影もなく、さら
なる疑念が沸いた。「これは噓だ! 誰かがなりすまして書いたの
だろう」と侃々諤々となった。
日本人の感覚なら、もし不慮の事故で亡くなったとして、「彼女の
ご家族は?」という言葉が浮かぶことになる。しかし、多くの家族
はSNSで発信することなど、恐ろしくてできない。そのうえで中
国当局から口止め料をガッツリ貰えば、それで黙ってしまうものな
のだ。いずれにせよ、彼女の消息は生死とは無関係に闇に葬られた。
この件で解析したのは、「中国当局は武漢ウイルス研究所のP4実
験室に世界の目が向くことを異様に嫌がっていること」「黄燕玲氏
の身に何かがあったとして、それを徹底的に隠蔽したいらしいこと」
だった。
第10節 生物医学・ゲノム研究センタ「ブロード研究所」の論文
そしてさらに、私の(三)の仮説、「研究員がコロナウイルスの扱
いをミスって患者0号になった」を再び考えたくなるニュースが五
月、英タブロイド紙「サン」から出た。マサチューセッツ工科大学
とハーバード大学、アメリカの二大学が共同で設立した生物医学・
ゲノム研究センター「ブロード研究所」の複数の生物学者が、五月
二日に研究論文を発表した、その概略だった。物学者が、五月二日
に研究論文を発表した、その概略だった。「新型コロナウイルスは、
市場で種を超えて広がっていることを指していないことを発見」
「科学界は、実験室で研究を行う際、非遺伝子工程の前駆体が人に
適応する可能性を検討すべきであるとした」日本語に訳しても難解
ではあるが、私はこう解釈してみた。「市場で種を超えて広がって
いることを指していない」というのは、「武漢発コロナウイルスは、
ヒト以外の生き物にはうつらない」。別な言い方では「ハクビシン
も、ヘビも、サルも、イタチも、コアラも、武漢ウイルスの宿主に
ならない(特殊なコロナウイルス)」という意味ではないだろうか
?中国当局が「海鮮市場でコウモリを食べたヒトが感染した」との
〝物語〟を垂れ流した頃、「コウモリがヒトにだけうつす?」「海
鮮市の他の生き物は、ウイルスの宿主にならない?」という疑問を
抱いたまま放置していたからだ。もう一つの内容は、「実験室の研
究員が、非遺伝子工程の前駆体=人工的に操作したウイルスに感染
した可能性」を示唆したことである。「実験室の研究員が感染者0
号になった可能性」という言葉に置き換えられないだろうか?
第11節 オンナの戦い? それとも派閥争い?
武漢ウイルスの存在が世界に知れた二〇二〇年二月には、こんな事
件も報じられた。武小華博士という人物がweubi(微博)で「武漢
P4実験室では、自然界に存在せず変異から生まれない人工的なウ
イルスを編集する実験を行っている」と告発をしたのだという。
彼女を含む研究チームが、同時期から二〇一五年十一月、米科学雑
誌『Nature Medicine』に発表した論文が、にわかにクローズアップ
されることになる。『Will』五月号と七月号で、私と対談をした漫
画家の孫向文氏が語った話をもとに時系列でまとめていこう。
石正麗研究員ら研究チームは二〇一三年に、「H5N1:鳥インフ
ルエンザ」と「H1N1:新型インフルエンザ」という二つウイル
スを人工編集し、人から人へ感染する新しいウイルスを製造した。
2015年11月の『Nature Medicine』の論文内容は、中国馬蹄コウモ
リで見つかったSARSに似たコロナウイルスの一種(SHCO14‐CpV)
が疾病を引き起こす可能性に関するもので、研究者はSARSの遺伝子
をリバースジェネティクス(逆遺伝学)の手法を活用して一種のキ
メラ・ウイルスを生成並びに同定した。
写真:人工H5N1インフルエンザ株病原性試
験の実験で使用されたモルモット
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✔ これに関し."Chinese Scientists Create New Mutant Bird-
Flu Virus、(2015/05、WIRED);中国の科学者が新しい鳥インフル
エンザウイルス変異種を作製"との見出しで記事を掲載。それによ
ると、自然界では、インフルエンザウイルスの中の致死的な株が存
在し、他方はヒトからヒトへの感染力のある株が存在する。公衆衛
生当局が最も恐れることは、致死性と伝染性を組み合わせ、致命的
な世界的大流行を引き起こす----イノブタを意味するヒュブリダか
ら転じた----ハイブリッド(交雑種)型の株の存在である。
中国の研究グループは、新しいハイブリッドウイルスの作製----致
死性が高いヒト-ヒト感染しにくいH5N1鳥インフルエンザと、2009
年に数千万人に感染した伝染性の高いH1N1豚インフルエンザ株を組
み合わせ----した新しいハイブリッド型ウイルスが、いかに哺乳類
に感染するかをモルモット実験を行うことで、循環するH5N1株でウ
イルスがいつ人間に感染しやすくなるウイルスの分子変化を予測で
きるようなる。「哺乳類に感染するH5N1ウイルスは自然界で発生す
る可能性があると研究チームリーダを率いた中国のハルビン獣医研
究所のウイルス学者陳華蘭(Chen Hualan)が述べている。「このよう
な高リスクのH5N1ハイブリッド型ウイルスを自然界で監視するには
定期的なインフルエンザ監視中に高い注意を払う必要がある」
サイエンス誌で5月2日に説明された実験は、インフルエンザ研究
の物議を醸す処置を反映する。実験室で株を作製しようと、誤って
放出されたり、悪意のある目的で使用されたりすると、潜在的に世
界的な健康上の脅威をもたらす。一部の科学者は、リスクが利益を
上回っておらず、制度上の保護措置が事故の可能性を十分に低減し
ていないと言える。このような実験に対する国民の不安は、研究に
対する1年間のモラトリアムを必要とする。ラトガーズ大学の微生
物学者リチャード・エブライトによると、最初に論争を引き起こし
た研究チームの1つにより3月に発表されたH5N1実験で不明な点が
ほとんど提示されていない。オランダのエラスムス大学のウイルス
学者 Ron Fouchierらの研究は H5N1が哺乳類でより伝染性になる可
能性があることも示している。「唯一の大きな違いは、この論文で
のモルモットとその論文でのフェレットの使用である」とエブライ
が話す。「私の評価では、どちらの論文にも研究によりもたらされ
るリスクを正当化する実質的な新しい情報が含まれていない」と。
Hualanの次の研究の焦点は、彼のH5N1株がオルトミクソウイルスに
感染することを可能にした一連の遺伝的変化を研究することであり、
おそらくインフルエンザウイルスの粒子が呼吸細胞にラッチするの
を助ける特定の分子的および生理学的メカニズムの理解にある。そ
れは、そのプロセスをどのように妨害するかについての手がかり、
または少なくとも現在野生で進化しているインフルエンザ株でどの
ような種類の変化を探すべきかどうかに注意を与えるかもしれない。
「重要なことは、そのような研究からの洞察が病気の制御と予防に
役立つということ」とHualanは言うが、彼女とエブライトは、実験
室で見られた突然変異が、野生のインフルエンザがたどった進化の
経路とは異なる可能性があることに同意している。
【関連項目】
⛨ "H5N1 Hybrid Viruses Bearing 2009/H1N1 Virus Genes Transmit in
Guinea Pigs by Respiratory Droplet.", By Ying Zhang, Qianyi Zhang,
Huihui Kong, Yongping Jiang, Yuwei Gao, Guohua Deng, Jianzhong Shi,
Guobin Tian, Liling Liu, Jinxiong Liu, Yuntao Guan, Zhigao Bu, Hualan
Chen. Science, Vol. 340 No. 6132, 3 May 2013.
⛨ The article originally stated that the new study resembled one pub-
lished in June 2012 by Ron Fouchier and colleagues. The reference
was incorrectthe related study was published in March 2013.
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キメラ・ウイルスはネズミの疾病を引き起こしたが、死に至らしめ
ることはなかった。コウモリの間で現在流行しているウイルスが、
SARSウイルスの感染拡大を再び引き起こす潜在的なリスクにつ
いて。コウモリと人間の遺伝子コードは異なるため、コウモリから
直接人間へ感染することは生物学的に不可能であり、そのため少な
くとも二種類の中間宿主である「渡橋」が必要で、コウモリから犬
へ、犬から猿へ、そして人間と同じ霊長類の猿から人間へと、コウ
モリから抽出したウイルスに人工編集を重ねていくことでそれが可
能にになった──といった内容だという。補足すると、十五名の執
筆者のなかの一人が石正麗研究員(中国人男性研究員も一人)で、
実験の計画と実施はノースカロライナ大学チャペルヒル校の実験施
設で進められた。二〇一七年には、石正麗研究員は中国国内で「コ
ウモリからコロナウイルスを抽出し、新種のコロナウイルスを研究
する」といった講演も行った。二〇一九年には、科学者のオープン
アクセスジャーナル『MDPI(Multidisciplinary Digital Publish
ing InInstitute)』に、「コウモリによるコロナウイルスが原因
で、中国が震源地になる可能性が高い」と、予告しているような論
文内容を出した。石正麗研究員は、いつしか世界から〝Bat Woman〟
と呼ばれる存在となっている。所属を調べると、武漢ウイルス研究
所の学術委員会主任、新新発病毒学科組の組長でもある。漫画家の
孫向文氏が続ける。
「石正麗主任が二〇一五年に『Nature Medicine』で発表した論文を
見た、アメリカの北カロライナ州にある小さな医学研究団体は、彼
女がリードした研究チームと提携を結びました。その際に見たのは、
コウモリから抽出したコロナウイルスを人間の細胞にあるアンジオ
テンシン変換酵素2と融合する実験に成功した、との内容が書かれ
た論文だったのです。これをアメリカのCDC(疾病管理予防セン
タ)は、『自然界に存在しないウイルスをつくるのは、モラル違反
であり、中国が生物兵器に転用しかねないリスクを推測した』とし
ています。同年にその医学チームは彼女との提携を解除しました」
それにしても、武小華博士の告発は何のためだったのか? 真実を
世界に知らせたいから?だとすれば現在、行方不明者になっていて
もおかしくはない。では、オンナの戦い? 言論が不自由な中国で
それほど生易しいものではないと考える。ならば、江沢民派研究員
と習近平派研究員といった派閥、縄張り争い? それとも、〝Bat
Woman〟石正麗主任ら少数の人間に責任を押し付けるため、捨て石に
するためのプロパガンダ(宣伝)が始まった?武小華博士が何者な
のか、実在する人物なのか、彼女が博士だとして論文が見当たらな
い。といった声も出ている。石正麗研究員の存在やその研究内容を
世界に知らせるための架空の人物を使っての〝仕掛け〟だったのだ
ろうか?石正麗研究員と同僚の周鵬研究員は、情報諜報ネットワー
ク「ファイブ・アイズ」に「この二人を調査中」と名指しされた。
両氏はオーストラリアに留学していた時期があり、その間、誰と接
触して何をしていたのか、オーストラリア保安情報機関(ASIO)は
際どい証拠をつかんでいるのだろう。
✔ ほぼ、ほぼ、内容の詳細が見えつつある。遺伝子学の学習をあ
わせてと考えていたが、関連資料、論文をを読むのも脳眼精疲労で
限界にきている。しかし、興味は尽きない。第5章は第12節「二〇
一五年から新型コロナを想定したワクチン開発を始めた?」に移る。
この項つづく
過去10年で最悪の黄砂、中国でなぜ発生した
原因は中国・モンゴルの砂漠だけではない
中国の首都、北京市は15日、過去10年で最悪の黄砂に見舞われた。
市全体が黄色い霧に覆われたような状態になり、中国メディアによ
ると、多くの地区で視界は300~800メートルになる。14日にモンゴ
ル南部で発生した黄砂が中国北部の広い地域に拡散した。「過去10
年で最も大規模」(気象当局)で深刻な大気汚染となり、当局は高
齢者や児童、持病のある人に屋外での活動を控えるよう呼び掛けた。
今回の高濃度の黄砂の原因は、中国やモンゴルの砂漠起源の砂粒だ
けではないことを示す。下の図は、地上付近だけではなく、上空も
含めた空気中の砂粒の量についてコンピュータシミュレーションよ
る予測結果を示す。前日14日に中東にあった高濃度の砂粒を含む空
気(白丸の部分)が、1日程度で中国内陸部やモンゴルの砂漠に到達
し、そこでさらに砂粒(黄砂)を含んで、昨日15日午前に北京へ到
達していることがわかる。予測どおりに、実際に高濃度が観測され
た。
この黄砂は、本日16日に日本へ到達することが予測されているが、
北京での高濃度の黄砂の写真から受ける印象のわりには、気象庁の
予測や私自身の予測では、それほど多い黄砂の飛来は予測されてい
ないように見えるが、目にする黄砂や PM2.5の濃度予測は、地上付
近の空気の状態であることがポイント。コンピュータシミュレーシ
ョンでは、3次元で計算しているので、地上付近の分布だけではな
く、高さ方向の濃度分布も計算されている。上の図と同じように、
地上付近だけではなく、空気全体の砂粒の量の計算結果を見ると、
本日16日は、かなり高濃度の黄砂が日本上空へ飛来すると予測され
ている(下図)。
注.黄砂情報(気象庁)
ブルセラ菌、3000人超感染 ワクチン工場から漏えい
中国内陸部の甘粛省蘭州市で昨年7~8月、動物用のブルセラ症ワ
クチン工場から菌が漏えいし、周辺住民ら3000人以上が感染し
たことが分かった。中国誌・財新週刊が16日までに伝えた。使用
期限切れの消毒剤を使用し、滅菌が不十分な排気が工場周辺に流出
した。地元の衛生当局は昨年12月、「風向きなどから大量の感染
者は発生しない」という分析結果を発表。その後に実施した住民へ
の検査結果を公表してこなかったが、同誌の報道を受けて、検査し
た2万人余りのうち3245人が感染したことを認めた。工場のず
さんな管理に加え、地方政府の隠蔽(いんぺい)体質が浮き彫りに
なった。
注 ブルセラ症は、牛や豚など家畜に多い感染症だが、人にも感染。
発熱や関節痛などの症状が出て、未治療時の致死率は5%程度。
風蕭々と碧い時代:
●今夜の寸評:環境主義消費社会
ついに「ローカルSDGS」(地域循環共生圏)という言葉はじけ
た(環境ビジネス2021年春季号)。