極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 138

2025年02月12日 | 日々草々

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の
井伊軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

            

【季語と短歌:2月13日】

           春寒しもうあかん町内会 

                  高山 宇 (赤鬼)

🪄物神崇拝と考えたマルクス。過剰な金は便器に使えと喩えたレーニン。
     高度消費・高度分業社会や高度資本主義社会と評した吉本隆明。少子高
  齢化・労働人口減少と超格差自然・社会環境劣化と難問が山積。そのひ
    とつが町内活動の低迷であると、残雪を眺め一句詠む。

 
 
 



✳️ 人工光合成型光触媒 ⓷

1.特開2025-8741 光触媒及びその製造方法、並びに前記光触媒を用いた
 水の分解方法 住友金属鉱山株式会社他⓶
【発明の効果】本発明によれば、水分解性能に特に優れる光触媒及びその
製造方法が提供される。また、本発明によれば、前記光触媒を用いた水の
分解方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実験例1のScVO複合酸化物粒子のXRDスペクトルを示す。

【図2】実験例1のScVO複合酸化物粒子のSEM写真を示す。

【図3】実験例2のScVO複合酸化物粒子のXRDスペクトルを示す。


【図4】実験例2のScVO複合酸化物粒子のSEM写真を示す。

【図5】実験例3のScVO複合酸化物粒子のXRDスペクトルを示す。
【図6A】実験例1のScVO複合酸化物粒子のSEM写真を示す。
  
【図6B】実験例3のScVO複合酸化物粒子のSEM写真を示す。

【図7A】実験例1のScVO複合酸化物粒子について水分解光触媒活
性評価結果を示す。


【発明を実施するための形態】【0027】
本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施形態」という)について、以
下に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではな
く、本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変更が可能である。
【0028】  <<1.光触媒>>
  本実施形態の光触媒は複合酸化物粒子を含む、この複合酸化物粒子は、
正方晶系結晶構造(ジルコン構造)を有するバナジン酸スカンジウム(S
cVO)を主成分化合物として含む。なお、主成分とは、複合酸化物粒
子中で50質量%以上の割合を占める成分を指す。ScVOは半導体的
性質をもち、第一原理計算により求められるバンドギャップが2.6eV
と比較的小さい。また、バンド構造における伝導帯下端電位が水素発生電
位より卑な電位にあるとともに、価電子帯上端電位が酸素発生電位よりも
貴な電位にある。したがって、波長480nm以下の光を吸収して水を水
素と酸素とに分解することができると考えられる。
【0029】複合酸化物粒子は、ScVO以外の成分の含有を排除しな
い。そのような成分として、酸化スカンジウム(Sc)や酸化バナ
ジウム(V)などの異相が挙げられる。しかしながら、酸化スカン
ジウムは触媒活性に劣る。また酸化バナジウムは水中安定性に欠ける。水
の分解反応に光触媒を用いる場合には、光触媒を水と接触させる必要があ
り、水中安定性に優れることが望まれる。
【0030】  複合酸化物粒子は、ScVOを主成分として含むことを前
提として、スカンジウム(Sc)とバナジウム(V)の含有割合は限定さ
れない。しかしながら、スカンジウム量が過剰に多い粒子は、触媒活性に
劣る酸化スカンジウム等の異相の含有量が多くなる。またバナジウム量が
過剰に多いと、水に対する溶解度が高く、水中安定性に欠ける酸化バナジ
ウム等の異相の含有量が多くなる優れた触媒活性及び水中安定性を確保
する観点から、原子比(V/Sc)は0.90以上1.00以下が好まし
く、0.93以上1.00以下がより好ましい。
【0031】  複合酸化物粒子の原子比(V/Sc)は、光触媒製造時の条
件を調整することで制御できる。例えば、原料混合工程でのバナジウム原
料とスカンジウム原料の配合量を調整することで、最終的に得られる複合
酸化物粒子の原子比を制御できる。また、焼成により得られた反応生成物
アルカリ洗浄処理を施すことで、余剰Vを除去できる
【0032】  複合酸化物粒子の粒子径は0.1μm以上10μm以下が好
ましく、0.3μm以上5μm以下がより好ましい。粒子径が過度に小さい
複合酸化物粒子は、結晶性が低く光触媒活性に劣る恐れがある。また、粒
子径が過度に大きい複合酸化物粒子は、比表面積が小さいが故に水分解反
応に供した際に十分に高い触媒活性を得ることが困難になる恐れがある。
なお粒子径は、SEM像やTEM像から測定して求められる。
【0033】好適には、光触媒は、上述した複合酸化物粒子の表面に担持
された助触媒をさらに含む。助触媒は、水素発生助触媒及び酸素発生助触
媒などに分類される水素発生助触媒は、電子による水素イオンの還元を
促す作用を主として有しており、酸素発生助触媒は、正孔による水の酸化
を促す作用を主として有する特に、半導体粒子からなる光触媒の表面に
水素発生助触媒を担持させることで、水分解性能を飛躍的に改善させるこ
とが可能となる
【0034】助触媒の材料として、公知の金属や化合物等の材料を選択す
ればよい。そのような材料として、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、
イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、コバルト(
Co)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、及び鉄(Fe)からなる群か
ら選ばれる少なくとも一種の金属、あるいは、酸化ルテニウム、及び酸化
ニッケル等の酸化物粒子からなる群から選択される1種以上、あるいは、
これらの金属粒子及び酸化物粒子を混合させたもの、あるいは、ロジウム
(Rh)及びクロム(Cr)を含む複合水酸化物もしくは複合酸化物を好
ましく用いることがでる。より好ましくは、白金、ルテニウムの金属粒子、
あるいはロジウムおよびクロムを含む複合水酸化物もしくは複合酸化物を
用いることができる
【0035】特に好適な助触媒は、ロジウム-クロム酸化物(RhCrO
x)を含む。RhCrOx水の還元による水素生成には高い活性を有
する一方で、酸素還元には活性を示さない。そのため、酸素が還元して水
に戻る逆反応を抑制しながら、水素生成を高めることが可能であり、それ
故、水分解反応を効率的に進める上で有効である。
【0036】助触媒の担持量の総量は、複合酸化物粒子に対して0.01
質量%以上0.3質量%以下が好ましい。担持量をある程度に多くするこ
とで、助触媒による還元及び/又は酸化を促進する効果を十分に発揮させ
ることが可能となる。また、担持量をある程度に抑えることで、複合酸化
物粒子表面の活性点が不足化するのを抑えることができる。
【0037】本実施形態の光触媒を水の分解反応に利用することができる。
水に接している光触媒に紫外光を照射すると、水が分解して水素と酸素と
が発生する。そのため、光触媒はクリーンエネルギー創出に寄与する。ま
た、本実施形態の光触媒を環境浄化材料として利用することもできる。光
触媒に紫外光を照射すると、その表面に強い酸化力が生じ、これに接触し
ている有機化合物や細菌などの有害物質を分解除去することができる

【0038】<<2.光触媒の製造方法>>
  本実施形態の光触媒の製造方法は、ScVOを主成分化合物として含む
複合酸化物粒子を備える光触媒の製造を対象とする。この製造方法は、ス
カンジウム(Sc)原料及びバナジウム(V)原料を混合して原料混合物
を得る工程(原料混合工程)と、得られた原料混合物を680℃以上の温
度で焼成して反応生成物を得る工程(焼成工程)と、得られた反応生成物
をフラックス中で熱処理して被熱処理反応生成物を得る工程(熱処理工程)
と、を備える。焼成工程後の反応生成物をアルカリ性水溶液で洗浄する工
程(アルカリ洗浄工程)を設けてもよい。また、熱処理工程後の被熱処理
反応生成物を水で洗浄する工程(水洗工程)を設けてもよい。さらに、熱
処理工程後の被熱処理反応生成物に助触媒を担持する工程(助触媒担持工
程)を設けてもよい。各工程の詳細について以下に説明する。

【0039】 <原料混合工程>
  原料混合工程では、スカンジウム(Sc)原料及びバナジウム(V)原
料を混合して原料混合物を得る。スカンジウム原料として、スカンジウム
単体又はスカンジウム含有化合物を用いることができる。具体的には、限
定される訳ではないが、金属スカンジウム(Sc)や酸化スカンジウム(
Sc)が例示される。Scは粉末として市場で容易に入手でき
る。バナジウム原料として、限定される訳ではないが、メタバナジン酸ア
ンモニウムなどのバナジン酸化合物や酸化バナジウム(V)が例示
される。Vは粉末として市場で容易に入手できる。また、バナジン
酸化合物は、後続する焼成工程で分解してVに変化する。【0040】

  ScVOを主成分化合物として含む光触媒が得られる限り、原料配合割
合は特に限定されない。しかしながら、バナジウム原料が若干過剰となる
ように配合することが好ましい。【0041】
 一般的に、スカンジウム原料の融点は高く、バナジウム原料の融点は低い。
例えば、Scの融点は2485℃であるのに対し、Vの融点は
690℃である。そのため、後続する焼成工程で、バナジウム原料(V
粉末等)が溶融して、スカンジウム原料(Sc粉末等)の粒子内

に拡散し、そこでバナジン酸スカンジウム(ScVO等)が形成される
と考えられる。この際、バナジウム原料の割合が少なすぎると、スカンジ
ウム原料粒子内への浸透及び拡散が不十分となり、ScVOの生成が阻
害される恐れがある。ScVOの生成を促す観点から、バナジウム原料
を化学量論組成より過剰に配合することが好ましい。また、過剰に配合し
たバナジウム原料は、フラックスとして作用して、生成したScVO
結晶性を向上させる働きもある。ScVOの結晶性向上は、これを含む
光触媒の水素発生量及び触媒活性向上につながると期待される。【0042】

原料(スカンジウム原料、バナジウム原料)の混合は、公知の手法で行え
ばよい。例えば、乳鉢、らいかい機、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー、
ボールミル、アトライター、ビーズミル、及び/又は振動ミルなどの混合
装置や粉砕混合装置を用いて行えばよい。混合は乾式で行ってもよく、あ
るいは湿式で行ってもよい。しかしながら、Vは水に対する溶解度が
高いため、水中で混合すると、組成ずれや成分偏析が生じる恐れがある。
したがって、バナジウム原料としてVを用いて湿式混合する場合に
は非水媒体を用いることが好ましい。また、湿式で混合した場合には、得
られた混合物を乾燥することが好ましい。

【0043】  <焼成工程>
  焼成工程では、得られた原料混合物を680℃以上の温度で焼成して反応
生成物を得る。先述したように、焼成工程で、バナジウム原料は溶融して、
スカンジウム原料の粒子内に拡散し、そこでバナジン酸スカンジウム(Sc
VO)を形成する。また、バナジウム原料を過剰に配合した場合には、
過剰バナジウム原料はScVOの生成促進及び結晶性向上の働きをする。
【0044】焼成工程で形成されるバナジン酸スカンジウムの結晶構造は
焼成温度に依存する。焼成温度が680℃未満であると、所望のScVO
が得られず、bixbyte型ScVO3+x(x:0~0.5)が生成す
る恐れがある。ScVOの生成促進及び結晶性向上を図る観点から、焼
成温度はある程度に高い方が好ましい。一方で、焼成温度が過度に高いと、
バナジウム原料が揮発して、最終的に得られる生成物の組成がずれる恐れ
があるとともに、生成物の粒成長が過度に進行する恐れがある。その上、
多量のエネルギーが必要になるとともに、設備劣化が進行して製造コスト
増大につながる恐れがある。原料混合物を焼成する温度は680℃以上
1300℃以下が好ましい。【0045】
なお、スカンジウム原料及びバナジウム原料のそれぞれとして、酸化スカ
ンジウム(Sc)と酸化バナジウム(V)を用いて680℃以
上の温度で焼成を行った場合には、下記(1)式に示す反応が右方向に進
む。【0046】
                Sc  +V  →  2ScVO  ・・・(1)

【0047】所望の光触媒が得られる限り、焼成保持時間は限定されない。
しかしながら、ScVOの生成促進及び結晶性向上を図る観点から、焼
成保持時間はある程度に長いことが好ましい。一方で、焼成保持時間が過
度に長いと、サイクルタイムが長くなり、製造コスト増大につながる。焼
成保持時間は6時間以上が好ましく、8時間以上15時間以下がより好ま
しい。また、所望の光触媒が得られる限り、焼成雰囲気は限定されない。
しかしながら、大気などの酸素含有雰囲気が好ましい。
【0048】さらに、焼成工程で後述するフラックスを併用することもで
きる。その際には反応生成物の粒子成長などを考慮して焼成温度や焼成保
持時間などの合成条件を適宜定める。
【0049】焼成工程で得られた反応生成物を粉砕してもよい。焼成工程
の条件によっては、反応生成物の粒子径が過度に大きくなり、光触媒活性
が低下する場合がある。そのような場合には、焼成工程後の反応生成物に
粉砕処理を施して粒子径を小さくすることが好ましい。粉砕は、ペイン
トシェーカー、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いて行えばよい。

【0050】  <アルカリ洗浄工程>
  必要に応じて、焼成工程で得られた反応生成物をアルカリ性水溶液で洗
浄する工程(アルカリ洗浄工程)を設けてもよい。アルカリ洗浄工程を設
けることで、反応生成物が残留Vを含む場合に、この残留V
除去でき、その結果、水中安定性の点でより一層優れた光触媒を得ること
が可能となる。【0051】
 この点について説明するに、粉末状のスカンジウム原料(Sc粉末
等)とバナジウム原料(V粉末等)を混合及び焼成して得られた反応
生成物は、1μm以上の粒径をもつミクロンサイズの粒子から構成される。
また、このミクロンサイズの粒子表面にサブミクロンサイズの粒子が付着
している場合がある。このサブミクロンサイズの粒子はVからなる
と推定される。特にScVOの生成促進及び結晶性向上の効果を得るた
めにバナジウム原料を過剰に配合した場合には、過剰配合したバナジウム
原料が、焼成工程後にVとなって反応生成物(光触媒)中に残留す
る傾向にある。【0052】
 一方で、先述したように、酸化バナジウム(V)は水中安定性に劣
る。そのため、残留Vを含む光触媒は、これを水分解に適用した場
合に安定性が損なわれる恐れがある。したがって、反応生成物中の残留
が存在する場合には、これを極力除去することが望ましい。この
点、Vはアルカリ性水溶液で容易に除去できる。そのため、アルカ
リ性水溶液を用いたアルカリ洗浄を反応生成物に施すことで、残留V
が効率的に除去されて、水中安定性に優れた光触媒を得ることができる。
【0053】アルカリ洗浄に用いるアルカリ性水溶液として、酸化バナジ
ウム(V)を溶解除去できるものであれば、特に限定されない。例
えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸
化カルシウム(Ca(OH))、炭酸ナトリウム(NaCO)、アン
モニア(NH)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)を含む水溶液が
挙げられる。水溶液の濃度も、Vを溶解除去できる限り、特に限定
されない。例えば、NaOH水溶液を用いた場合には、その濃度は0.01
M以上が好適である。またアルカリ洗浄の際は、常温のアルカリ性水溶液
を用いてもよく、加熱したアルカリ性水溶液を用いてもよい。【0054】
 アルカリ洗浄後に反応生成物を水洗浄して、アルカリ成分を除去すること
が好ましい。また、水洗浄後に反応生成物を乾燥することが好ましい。
【0055】 <熱処理工程>
  熱処理工程では、焼成工程を経て得た反応生成物をフラックス中で熱処
理して被熱処理反応生成物を得る。フラックス中で熱処理することで、S
cVOを含む反応生成物の結晶性が向上する。具体的には、触媒活性が
不十分な反応生成物粒子表面の欠損が補填されたり、あるいは反応生成物
を構成する原子の規則的な配列の結晶性が改善されたりする。そして、そ
の結果、得られる被熱処理反応生成物(光触媒)の触媒活性が顕著に向上
する。
【0056】特に、焼成工程後の反応生成物を粉砕した場合には熱処理は
有効である。粉砕時の衝撃により粉砕物の粒子径は小さくなる。粉砕時の
衝撃は格子のゆがみや欠損などのダメージを粒子結晶に与える。このよう
なダメージを受けた結晶にフラックス中での熱処理を施すことで、粉砕物
の結晶性が改善され、結果的に触媒活性が向上する。
【0057】フラックスは、熱処理工程で溶融して反応生成物の光触媒活
性を高める効果のある成分であれば、特に限定されない。しかしながら、
リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、及びカリウム(K)といったア
ルカリ金属元素の塩化物、炭酸塩、及び水酸化物、並びに酸化バナジウム
(V)からなる群から選択される1種以上が好ましい。これらの成
分は水に対する溶解性が高い。そのため、熱処理工程後の被熱処理反応生
成物を水洗することで、フラックスを容易に分離除去できる。また、1種
類のフラックスを単独で用いてもよく、複数種のフラックスを組み合わせ
て用いてもよい。しかしながら、経済性の観点から、フラックスが塩化ナ
トリウム(NaCl)と塩化カリウム(KCl)の混合物であることが特
に好ましい。【0058】

  熱処理工程の熱処理温度は、フラックスが溶融する温度であれば限定さ
れない。しかしながら、640℃以上850℃以下が好ましい。またNa
ClとKClの混合物からなるフラックスを用いた場合には、700℃以
上が好ましい。熱処理時間は1時間以上24時間以下が好ましい。熱処理
時間を1時間以上にすることで、反応生成物中ScVOの結晶性改善の
効果を十分に発揮させることができる。一方、熱処理時間を24時間以下
にすることで、熱処理工程中でのScVOの分解や粒成長を抑えること
ができる。このような条件で熱処理すれば、熱処理前の反応生成物と熱処
理後の被熱処理反応生成物の粒子径は、ほぼ変わらない。【0059】

 ところで、焼成工程で上述のフラックスを使用することも考えられる。出
発原料のスカンジウム源のScおよびバナジウム源のVをフラ
ックス中での焼成で反応させてScVOを合成することができる。フラ
ックスにKClとNaClの混合物を用いる場合、合成方法で得られた生
成物は、主相はScVOであるが、Sc相も確認され、特に、焼成
時間を12時間とした場合には焼成温度が高いほどSc相が多く確
認されることがある。さらに、反応生成物をSEM観察すると大きさ10
μmを超える不定形のScVO粒子が確認されることがある。このような
不定形の粒子は、フラックス中で、粒成長したと考えられる。そして、こ
のような大きさの反応生成物の触媒活性は劣る
。【0060】しかし、焼
成温度や焼成時間などの合成条件を最適化することで、粒径の小さいScV
粒子を合成できる可能性はある。【0061】
 
また、フラックス中で主相のScVOを粒成長させて結晶性を向上させ
た反応生成物を得て、該反応生成生物を、上述の粉砕を行い、光触媒とし
て好ましい粒径とした後、本実施形態の熱処理工程を行い、粉砕物の粒子
の表面の結晶性を改善して光触媒を得ることもできる。
【0062】すなわち、本実施形態の熱処理工程は、焼成工程で得られた
触媒活性が不十分な反応生成物粒子表面の改善や、焼成工程で不適切な径
までに成長した反応生成物の粉砕物の粒子表面の改善を、簡便に行うこと
ができるのである。【0063】

  <水洗工程> 必要に応じて、被熱処理反応生成物を水洗してもよい。
水洗により、アルカリ金属元素の塩化物などのフラックスを除去できる。
また、ScVOが熱処理工程で分解してVが生じた場合には、生じ
たVを除去できる。水洗では、被熱処理反応生成物をイオン交換水
に投入して撹拌した後に濾過すればよい。水洗時のイオン交換水の水温は
20℃以上100℃以下が好ましい。濾過には、メンブレンフィルタ等を
用いた減圧濾過も用いることができる。濾過後、真空乾燥器などを用いて
減圧乾燥を行えばよい。減圧雰囲気の温度は20℃以上100℃以下が好
ましく、乾燥時間は6時間以上が好ましい。
                          この項つづく

      心に響く楽曲    『Top 10 Beach Boys Songs

                作詞/作曲:
                ジャンル:サーフロック 1961年ー


ザ・ビーチ・ボーイズ(英語The Beach Boys)は、アメリカ合衆国
ックバンド
。1961年にカリフォルニア州ホーソーンで結成された。1962年
から65年まではサーフィン・ホットロッドを中心としたレコードを発表し
ていたが、66年の『ペット・サウンズ』から70年代初頭まではブライアン
・ウィルソン
が自己の内面と向き合った、アート志向のアルバムを発表した。



   今日の言葉:


          春が来ても、鳥たちは姿を消し鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                            レイチェル・カーソン 『沈黙の春』

                                                                                     

 

 

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