彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。
【季語と短歌:10月28日】
秋風も伊吹の色も軒並みぞ
高山 宇 (赤鬼)
【完全循環水電解水素製造技術概論⑰】
バイデン大統領政の元、9月19日、米国エネルギー省の高等研究計画局
(ARPA-E)の資金提供をうけ、エクエイティック社 加州サンディエゴで
酸素選択性負極生産開始しているというから、偶然だが、この連載と軌
をいつにしているから不思議で面白い。本日は、米国の研究・開発状況
を取り上げつつ開発動向を考察する。
尚、米国の「地中埋蔵されている水素」の採掘計画なども掲載している。
⬛ 塩水から高効率でマグネシウム回収
エチレンジアミン四酢酸(EDTA)をキレート剤として使用して、リチウムを
他の鉱物、特に塩水に多く存在し、除去が困難なマグネシウムから選択的
に分離するナノろ過システムの一種。この研究は、中国江蘇省のモナッシ
ュ蘇州研究所およびとオーストラリアのクイーンズランド大学研究グル-
プはは、従来法のほぼ2倍の性能である90%のリチウム回収を達成し、抽
出に必要な時間を数年からわずか数週間に短縮。リチウム抽出工程の環境
問題にも対処。乾燥地域でのな水資源枯渇懸念を避け、淡水を製造し、同
時に、マグネシウムを精製回収しする。この技術研究は、中国の龍武湖と
東台湖の塩水で行われ、Nature Sustainability誌掲載。
図1. 電池の設計:(a)既存の300 Whkg商用リチウムイオン電池の質量構成
(b)活性電極材料のエネルギー密度の増加と補助材料の質量の減少によ
る実用的なリチウム電池のエネルギー密度の増加、(c)この作業に関与
する700 Whkg電池の大量構成(via Constructing a 700 Wh kg−1-level re
chargeable lithium-sulfur pouch cell)
⬛ エネルギー密度700Wh/kgのリチウム硫黄電池
中国のGeneral New Energy(GNE)は、リチウム硫黄(Li-S)電池技術の大幅な
ブレークスルーを発表し、エネルギー密度が700Wh/kgのプロトタイプを
発表。GNEの新製品は、既存のリチウムイオンバッテリーのエネルギー密
度だけでなく、走行距離・安全性の両方で大幅に改善。リチウム硫黄電池
は、硫黄を正極、リチウム金属を負極として使用する、従来のリチウムイ
オン電池の有望な代替品です。理論的には、Li-S電池は最大2,600Wh/kgの
エネルギー密度を達成、これはリチウムイオン電池の5倍以上で、硫黄は
豊富で安価で環境に優しいため、コストと持続可能性の優位。
しかし、リチウム硫黄池は大きな技術的課題に直面。硫黄の電気伝導率の
低さはバッテリーの高速性能を妨げるが、電解質に溶解するポリスルフィ
ッドリチウムの「シャトル効果」は、電解質の粘度の増加、イオン伝導率
の低下、および容量減衰の加速につながります。さらに、硫黄と硫化リチ
ウムの密度差が大きく、充放電サイクル中に体積が収縮し、構造安定性が
損なわれます。
カナダ王立協会科学アカデミーなどの共同研究グル-プは、ナノ材料コー
ティングや電解質添加剤を用いることで、硫黄の伝導性とイオン輸送性を
向上させ、シャトル効果を効果的に緩和。また、バッテリーのサイクル寿
命と安全性の両方を向上させる新しい電解質材料も開発した。これらのイ
ノベーションは、リチウム硫黄電池の商業化のための強力な基盤を築いた。
2022年に設立されたGNEは、効率的で環境に優しいエネルギー貯蔵ソリュ
ーションの開発する。、GNEは、Li-S電池技術に関連して、カソード、ア
ノード、セパレーター、電解質などの材料を含む複数特許を取得。また、
Li-S電池とその補助材料の高度な生産ラインを持ち、研究開発から製造ま
での生産プロセス全体を完全に管理。GNEはまた、製品品質と性能保証のテ
ストチーム設立している。
⬛ 「地中水素」の研究に総額約30億円の助成
エネルギー省が2007年に設立したエネルギー高等研究計画局(ARPA-E)に
よると、政府は総額2000万ドル(約30億円)の助成金を16のチームに分配
し、地中水素の採掘テクノロジーの開発を支援するという。この金額はさ
ほど大きなものとはいえないが、この助成プログラムは、天然の水素を対
象とした初めてのものという。
地中水素がどのように地下で生成されたかについてはさまざまな説がある
が、熱と水が酸化状態の鉄と混ざり合う連続的な化学反応の副産物である
という説が有力。地中水素は、米国の中央部を走るミッドコンチネント・
リフトなどの断層付近で多く発見され、米国地質調査所の初期推定では、
非常に豊富であることが示唆されている。(via Forbes)
⬛ エクエイティック社 加州サンディエゴで酸素選択性負極生産開始
Equatic社は、米国エネルギー省の高等研究計画局(ARPA-E)からの資金
提供により、複合炭素除去とクリーンな水素生産をこれまで以上にスケー
ラブルで持続可能で、かつ海水の電気分解できる酸素選択性アノード(OS
A)を生産を開始する。最初の製造施設は、カリフォルニア州サンディエゴ
にある。
「従来の電気分解は、世界的な資源がますます不足している純水によって
のみ可能だったが、EquaticのOSAは、プロセスの純水への依存を排除し、
代わりに世界で最も豊富な水資源である海を利用するもの。2021年、塩素
ガスを生成しない海洋ベースの電気分解炭素除去および水素製造プロセス
の作成に着手。塩素ガスは、環境や人の健康に悪影響を及ぼし、大規模に
安全管理が難しく、海水の電気分解の障壁となる。22年6月、3年間で300
万ドル相当のARPA-E助成金を受け取った。研究の第一段階では、海水中の
塩と反応しない微細構造の触媒を用いた電極を開発。その結果、塩中の塩
素は安定して安全に保たれ、水素ガスは生成・回収され、クリーンエネル
ギーとして利用されます。このブレークスルーはまた、アノードの寿命を
延ばし、それらをよりリサイクル可能にします。3年後、アノードは、手頃
な価格で地球に豊富に生息する元素から作られた新しい触媒コートけで、
新品同様に良くなり、何十年も持続。「このブレークスルーは、Equaticが
ギガトン規模に拡張する能力の核心であり、世界的な影響を及ぼす」と、
Equaticの最高執行責任者であるEdward Sanders氏は「私たちの方法は、炭
素除去とクリーンエネルギー生産にの最大の障壁、つまり、地下帯水層、
CO2パイプライン、海水淡水化プラントなどの特定の地層の利用可能性と
いう高コストを取り除く。OSAの生産を開始したEquatic社は、世界中の沿
岸地域が地球の気候目標を達成するために重要な役割を果たすのを支援準
備ができている。」
Equatic社のプロセスは、電気分解と直接空気回収を組み合わせて2つの貴
重な製品を提供し、二重の収益源を生み出す。そのクリーンな水素生産は、
素除去のコストを助成するのに役立ち、2030年までに1トンあたり100ド
ル未満に急速に削減する。
OSAは、サンディエゴの電気めっき施設で製造。この施設には、電子およ
び医療機器業界で使用される重要なコンポーネントのコーティングの製造
に精通した高度に専門化されたチームがすでに配置されており、年間4,000
個を生産し、2024年末までにフル稼働する予定。製造規模が拡大するに
つれて、施設は拡大し、南カリフォルニア全体でトレーニングと雇用機会
を創出する。また、同社は、シンガポールに近日オープン予定の実証規模
プラントであり、ケベック州初の商業規模プラントであるEquatic-1にOSAを
組み込む。この施設は、早ければ2026年に年間109,500トンのCO2を除去
し、初期段階で3,600トンのグリーン水素を生成することができ、継続的
な研究により、OSAのコストを削減しながらパフォーマンスを継続的に向
上させ、製造のための持続可能な国内サプライチェーンを確保する(24.9.
19)
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【関連特許】
1. 特表2022-537100 CO2をミネラル化し地球規模で炭素を管理するた
めのアルカリカチオン濃縮及び水の電解 ザ リージェンツ オブ ザ ユ
ニバーシティ オブ カリフォルニア
ネルギーの使用による排出量(例:電力のグリッド排出係数、電極製造など)
、およびドローダウンCO2換算=赤道溶解、CO2e +赤道固体、CO2e-
https://cdn.prod.website-files.com/63b2d261224d1f4f233c389b/664dccbd8cafd0d77cbcb182_EcoEngineers-Equatic-Methodology-05152024.pdf
以上、詳しくは、上記pdfを掲載されたし。
図1.実証運転のシステム構成(協力:相馬市)
⬛ 蓄熱式電気ボイラーによる余剰太陽光発電の貯蔵
東京の重工業メーカーである株式会社IHIは、太陽光発電所の余剰直流電力
をカーボンフリーの蒸気に変換できる熱利用システムを開発しました。4
月に開始されたテストプロジェクトは、発電されたすべての電力を使用し
、安定して稼働していると同社は述べた。(2024年9月23日)
日本のIHIコーポレーションは、太陽光発電所で以前に廃棄されたすべての
余剰直流(DC)電力をカーボンフリー蒸気に変換する熱利用システムのパイ
ロットが「安定したシステム性能を実証した」と述べる。
図2. 再エネ熱利用システムの電力利用状況の例(2024/6/29 協力:相馬市)
●今日の寸評:日本の政治家は何を守ろうとしているのだろうか。
今日1日、1食か2食しか食えない若者が増える中で
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