極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

革命的な風力タービン

2017年02月06日 | 環境工学システム論

  

       世に臨む / 地沢臨(ちたくりん)

                                

    ※ 臨とは、上から下のものをほおろすこと、転じて上から支配と保
      護を及ぼすことである(君臨)。支配の仕方はさまざまだが、こ
      の卦は、上下親しみあう状態を表わす。また下に二つの陽(=)
      があり、運気が次第に隆盛に向かうときである。しかしこの場合
      は短期決戦、急速に盛んになってたちまち衰える傾向かあり、時
      機を見ること敏なるを要する。また熱中するかと思えば、すぐに
      忘れてしまう人間類型を示すものであるから、よほど心を引きし
      めてかからないと、一生悔いか残すことになりかねない。

 

【RE100倶楽部:スマート風力タービンの開発 20】

● システム仕様  

  1. タイプ:垂直翼揚力型風車(または、縦渦リニアドライブ型垂直風車
  2. ブレード数:垂直翼揚力型または、縦渦リニアドライブ型垂直風車):□翼数(
    最適設計)
  3. 最大瞬間出力:300W超(12m/s超)
  4. 最大出力回転数:300rpm超(12m/s超)
  5. 回転開始速度:1m/s以下
  6. カットイン風速速度:2.5m/s以下
  7. カットアウト風速速度:20m/s以上
  8. エネルギー変換効率:23%以上
  9. 外形寸法:□m×□m×□m(回転翼+内蔵機関一体外形)
  10. 直径:1200㎜以下(=ブレード長)
  11. 質量:80kg以下
  12. 取付フランジ:260Φmm以下
  13. ブレード材質:特殊強化プラスチックなど
  14. ボディ素材:鉄、ステンレス、アルミニウム、プラスチック
  15. 塗装:□処理□塗装
  16. 発電タイプ:三相コアレス発電機、誘導発電機、同期発電機
  17. コントロールシステム:SWT仕様
  18. パワーアシスト:無
  19. 通信機能:有
  20. ブレーキ・ロック方式:回生電磁ブレーキ方式内臓、磁気及び機械式ブレーキ
  21. オプション:出力インバーター/バッテリー/表示器ユニット/
  22. 標準価格:□万円_□人家族/世帯(□kw/d)
  23. 雷サージ対策:殊強化プラスチックに銅メッシュ層を挿入(オプション)

 

今夜は、システム仕様の「3.最大瞬間出力」と「4.最大出力回転数」と国内市場に
おける小型風力発電の開発背景についてふれてみよう。
 

風力発電で使われる風車は、定格出力1.5メガワット(1時間で最大1500キロワ
ットの出力が可能)や最大で6メガワット(同6000キロワット)が世界的に見ても
標準にあり、1980年代初頭では50キロワットの風車が最大級で、最大瞬間出力が
120倍の規模で増強している。
風車の出力は風車の受風面積(ブレードの回転する円
の面積)に比例するので、風車を大きくすればそれだけ多くの電力を得ることが出来る。

● 最大瞬間出力

現在、世界で最大の風車は定格出力6メガワットは翼直径126メートルにもなり、5

0キロワットの風車の直径は15メートル。風力発電の普及は、設備の大型化によるコ
ストダウンによるものだとも言われている。そこで、例えば風力発電の出力が2メガワ
ットと書かれている場合、最大瞬間出力が2メガワットだが、風況により、2メガワッ
ト以下のことも多々あるため、最適の風が吹いた時に2メガワットの発電が出来ること
意味するが、風が弱い時は当然2メガワット以下の発電となる。台風のように強すぎる
時は翼などが損傷する発電はやめてゼロとなる。従って、年平均すれば最大出力の25
%~30%程度の発電しか出力されていないのが国内事情と言われている。


例えば、定格2.5メガワット1基から生まれる電気は1回転で約1000ワットの電
気を生みだすので、上図のように、1年間で約6メガワット(6百万キロワット)発電
し、一般家庭の年間消費伝力の約1,600世帯分に相当。1世帯あたり2.3人として、
約3,700人の1年間の使用電力をまかなえる。これは二酸化炭素排出量に換算する
と2,268トンで樹木換算では、太さ10センチメートル×高さ4~5メートルの落
葉広葉樹9.072本が行う光合成量に相当し、その広さは(約9,000本の植樹面積は、
2ヘクタール(20,000平方メートル)の土地に相当。さらに原油換算すると、ド
ラム缶7,620本分となる。

● 航空力学の翼理論と風車の性能評価

風車の揚力(回転力)は、エネルギー保存の法則によって、圧力と流速の関係が決まる
この関係を利用し発生させようとしたのが航空力学の考え方、つまり航空力学の翼理論
をもとに計算される。風速(秒速)をV[m/s]、翼の受風面積をA[m2]、空気密度をρ[kg/m3]、
風車のパワー係数をCpとすると、風車から得られるパワーP[W]は 

            P= Cp×(1/2)×ρ×A×V3

の計算式で求められる。 ベッツの法則では風から取り出せるパワー係数Cpは最大で
16/27(ベッツ係数)とする。 風の持っているパワーの0.593までは理論的には取り
出せることを示す。Cpが大き くなるほど風車の発電出力性能が高くなり、上記の計算
式から風車のパワーは受風面積 と風速の3乗に比例する。また風車のパワー Pはトル
[N-m]×回転角速度[rad/s] でも表される。これは風車の動力から発電機によって電
気変換したパワーを表す。風車 のシャフトに与える力を大きくし回転数が上がれば、
風車から取り出せる発電出力は大 きくなる。一般的な大型プロペラ風車は抗力になり
うる翼面積を減らし、回転数(周速) を上げることで発電効率を高める。ベルシオン
式風車では揚力を引き出す翼面積を広げ、 かつ最適な回転数まで上げて発電効率を高
めるよう工夫されている。

一般的に風車の性能を評価する場合、パワー係数、周速比、ソリディティなどの特性係
数を利用して性能評価する。パワー係数とは風車の受風面積から得られる風のパワーを
基準にして、風車から取り出せるパワーとの割合を示しています。実際の風車では揚力
形の高性能プロペラ型大型風車で0.4、抗力形のサボニウス風車では0.15程度。周
速比とは風車翼の先端速度と風速の比を表しています。揚力形の風車では翼先端は風速
よりも早く回転でき、抗力形の風車では風速以下でしか回転できない。

ソリディティとは風車の受風面積に対する風車翼の全投影面積の比をとして定義。 A.
ベッツはどのような風車でも最大のパワーを取り出す場合のソリディティと周速比には
一定の法則があるとし、曲線と曲線の範囲内(影部分)に 入るとする。

※  Effects of solidity for a small straight-bladed vertical-axis wind turbine (Torque and power
   characteristics and torque variation), Seiji YAMADA et.al , 2000.11.25

ところで、 現在、日本では出力20キロワット(kW)未満の風力発電を小型と定義されて
いるが、
今、この小型風力発電の設置がブームになりつつある。後押ししているのは太
陽光発電に比
べ、2倍以上の高値で売電できる再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度
(FIT)のため。その根拠は、小型風力は1kW時当たりの買い取り価格が55円。対する太陽光
は昨年7月に引き下げられ27円(10kW以上)となった。  太陽光の導入が急増したことなどから、
経済産業省は価格を是正。そのため、「太陽光の導入を検討していた個人や企業が、小型風
力に関心を示すようになった」と各メーカーの担当者は口をそろえる。また、世界風力エネルギ
ー協会によれば、小型風力の発電容量は、世界的に見ても最近5年間で年率20%前後伸びて
いる。

小型風力の普及の背景には大型風力と比べた際の導入の手軽さがある。風力エネルギー
受風面積に比例するため、風車の羽根であるブレードが長いほど出力が高くなる。小
型に比べ
大型の方が出力効率は高く、コストパフォーマンスの面でも有利だ。だが、大
型の設置には広
大な面積が必要とし、一般的に、ブレードが長くなるほど発生する①騒
音や②低周波音が増え
る。最大でも高さ25m程度の小型に比べ、100m以上にもなる大型
風車は景観への配慮も必要だ。設置を巡って訴訟に発展し、計画を中断した例もある。
現状、小型と大型とでは出力が桁違いのため代替エネルギー源にはなり得ない。だが、
設置数が増えれば小型も日本の再生可能エネルギーの一翼を担う可能性がある。

現状、小型と大型とでは出力が桁違いのため代替エネルギー源にはなり得ない。だが、
設置数が増えれば小型も日本の再生可能エネルギーの一翼を担う可能性がある。小型風
力発電には大きく分けて水平軸と垂直軸の2つのタイプがある。水平軸型は、大型風力
発電でも多く使われる3枚ブレードのプロペラ型が代表例。回転軸が地面に対して水平
で、風向きに追随して風車が動く。垂直軸型に比べ、発電効率は高いとされる。

一方、垂直軸型は回転軸が地面に対して垂直に固定されており、風を全方向から捉えら
れるのが特徴だ。現在、型式認証を得ているのは台湾Hi-VAWTテクノロジーの製品のみ。

垂直軸型には、出力は低いが風速が低くても回転するサボニウス型と、高出力を得られ
るが風速が高くないと回転を始めないダリウス型がある。Hi-VAWTはこの両方を組み
合わせ1つの風車に搭載している。両方式の利点を生かし、低速でも回転を始め、高速
になれば高出力を得られる。この垂直軸型のHi-VAWT製品と水平軸プロペラ型のスペイ
ン・エネラの製品の双方を販売する自然風力発電社は、海岸沿いなど水平に一定の風が
吹く場所は水平軸型、段差がある高台など風が吹き上げる場所には垂直軸型が向くと言
われる。また、
垂直軸型はベアリング大手のNTNも開発に乗り出している。浜松市のベ
ンチャー、グローバルエナジーが開発した羽根の特許使用権を取得し、来年中に型式認
証を得て発売を目指している。


● 高風速時に風車を止めない

風力は風速の3乗に比例する。プロペラ型の多くの機種では風速毎秒3mくらいから出力し始め、
9m程度で最高出力に達する。だが、台風や突風などで風速が強すぎると、過剰回転による危
険防止のために風車を止めてしまう。せっかく高出力を得られる高風速時に止めるのは無駄が
多い。そこで高風速時に風車を止めない工夫が必要になる。

出力が最大級の小型風車を製造するアイルランドC&Fグリーンエナジーの「CF20」はブレード
の角度を調整し、強風時に風を逃がして過剰回転にならないようにするピッチ制御が可能。そ
のため風速毎秒25mまで止めずに発電ができる。大型風車には搭載されている機能だが
小型では珍しい。風力ベンチャーのゼファー(東京都港区)が開発したエアドルフィン
は高風速時、風車の回転を電気的に制御することでどんな強風下でも風車は回り続ける。
ブレードに、軽量で剛性に優れる炭素繊維を使うことで実現できた。

一方で最高出力に達する前の低中風速時での発電効率を高める工夫をしているのがレン
ズ風車。九州大学の大屋裕二教授は複数の風車を組み合わせたマルチローターシステム
を開発。プロペラ型のブレードの外側を囲む輪「集風体」が最大の特徴。九州大学と同
大学発ベンチャーのリアムウィンドが開発。九大応用力学研究所の大屋裕二教授は集風
体によって風の渦を作ることで風力を強める。同サイズのプロペラ型に比べ2~3倍に
出力が向上すると話している。同教授が現在、実用化に取り組んでいるのがマルチロー
ターシステムと呼ぶ、1つの支柱に複数の風車を取り付けた製品。3.1kWの風車を3つ
取り付けた機種を九大内に15年12月に設置した。3つのレンズ風車をまとめて配置
することで風力を強める相乗効果があり、発電量が10%程度上がるため10kWの出力
が得られる。小型ならではの出力を高める工夫がある。さらには、ブログで紹介した「
縦渦リニアドライブ型ウインドタービン」(「ようこそ、SWT工房へ」2017.01.30)も
直に参入してくるだろう。

 
● 課題は設備のコストダウン

小型風力の最大の課題は設置コストが割高なことがあげられている。20kW2000万~
3000
万円にもなる。その対策として新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は

産学と連携し委託・共同開発を開始。小型風力発電の主要部品である電力変換装置など
の研究開発を実施し、部品の標準化を進め30%のコストダウンを目指す。売電のため
には電力会社の送電網に小型風力が生み出した電力を供給する系統連系と接続作業が必
要になる。小型風力は風量によって発電量が頻繁に変化する特性がある。従来は各メー
カーが独自に最適なパワーコンディショナーを開発してきたが、標準化できれば無駄な
機能や部品を省けるようになる。現代はデジタル革命の渦中にある。コスト逓減を肌身
で知っているわたし(たち)は恐れはしていない。

● 事例研究:特開2017-008858 風力発電装置

それでは、最後に「最大出力回転数」に関係する新機考案事例を俯瞰しよう。

大型の風車を用いた大規模な発電施設に限らず、小型の風車を利用した小規模な発電設
についても開発が進められ、低コストでの実用化に向けて、発電効率の向上を目指し
た技術が
種々提案されている。風力発電に利用される風車には、風の方向に沿って回転
軸が水平方向に設定された水平軸型風車と、風の方向に対して回転軸が垂直方向に設定
された垂直軸型風車と、が利用されている。

1.垂直軸型風車は、風向に対する風車の回転面の方向制御機構が不要である等のメリ
  ットがあるが、
2.
風車が風を受けて回転する際に風車の回転軸より半分の部分では羽根が受ける風は
  風車を回転する方向に有効作用する一方で、残りの半分の部分では羽根が受ける風
  は回転方向に対して逆方向となって抵抗となり、回転効率が低下するデメリットが
  ある。
3.これに対して、垂直軸型風車の周囲に導風板や整流板等のガイドベーン等を配置す
  る技術がしられているが、垂直型風車の周囲にガイドベーン等を設置する構成では、
  風車が占めるスペースに加えて、その周囲にガイドベーンを設置するスペースが必
  要となるため、全体として大きなスペースを必要である。一般的に風車の回転径が
  大きいほど、風車の出力ひいては発電効率が大きくなるが、ガイドベーンを設ける
  場合には、限られたスペースでは、逆に風車自体のスペースすなわち風車の回転径
  を小さく製作せざるを得なくなり発電効率の向上がさほど期待できない。
4.風車の周囲に集風板を設け、風車に導入される風量を増加させ風速を増大させるこ
  とで、風速が低
い環境でも垂直軸型風車を効率良く回転させ、風車の周囲の風速
  高い場合には集風板を収納し、
風車の回転による総合的な発電効率を高める(特開
  2017-015094「垂直軸型風車の集風装置」も提案されているが、機構が複雑になると
  いうことで、改良提案を個人的にこのブログで提案をしているところである。

よって、同じ設置スペースに対してできるだけ効率の良い風力発電の開発が望まれてい
た。下図のように、風の流れFに対して垂直方向に設置されて軸回り回転自在に支持さ
れた回転軸12と、風を受けて該回転軸12と一体的に回転するように該回転軸12に
取り付けられた複数の羽根体14とを有する垂直軸型の風車体16と、回転軸12に連
結され該回転軸の回転により発電する発電機18と、風車体16の外側で周方向に互い
に等間隔に離隔して配列されて該風車体16への風の流れをガイドする複数の導風板20
であり、回転軸12に直交する断面視で、該羽根体14の回転軌跡円CRと該回転軌跡
円CRに外接する仮想的な正多角形SPとの間の領域Z内に全体が収容されるように設
置された複数の導風板20とを備えた風力発電装置10から構成される。

JP 2017-8858 A 2017.1.12
【符号の説明】

10 風力発電装置 12 回転軸 14 羽根体 16 風車体 18 発電機 
20 導風板 26 返し部


また、導風板20は、回転軸12に直交する断面が直線状となる平板状部材からなり、
該断面直線形状の一端(20A)を羽根体14の回転軌跡円CRに近接して設けられる
とともに、他端(20B)を前記正多角形SPの辺上又は辺に近接して設けたこととし
てもよい。また、羽根体14は、回転軸12に直交する断面形状が回転軸12に向けて
凸状に湾曲された湾曲板材で形成されるとともに、回転方向前方側12Aに流線型を形
成するように前端部12Aを外側に向けて略U字状に湾曲された返し部26を有するこ
ととしてもよい。また、導風板20は、回転軸12に直交する断面形状の長さが、羽根
体14の回転軌跡円CRの径方向の羽根体14の幅D1よりも長い長さで設けられたこ
ととしてもよい。また、導風板20は、回転軸12に直交する断面形状の長さが、前記
正多角形SPの頂点から該羽根体の回転軌跡円CRに接する接線の長さよりも短い長さ
で設けられたこととしてもよい。また、導風板20は、該羽根体14の回転軌跡円CR
の直径を導風板20の数で割った長さに設定されたこととしてもよい。



【実施形態】

図1、図2、図3に示すように、風車体16は、回転軸12の周りに複数の羽根体14
を等間隔に取り付け、風を受けて一体回転する羽根車であり、回転軸12を風の流れに
対して垂直に向けた垂直軸型の風車装置である。本実施形態では、回転軸12は、例え
ば、軸方向を地面等の設置面に対して鉛直に立てて配置され、機枠22の軸受24に回
転自在に軸支されている。

なお、羽根体14の枚数は任意でよく、例えば、図7の実施形態に示すように、3つで
もよい、2枚又は4枚以上の数でもよい。また、羽根体14の形状も例えば、上記の形
状に限らずダリウス型、クロスフロー型、サボニウス型、直線翼型、パドル型等、その
他任意の風車の羽根形状
でもよい。複数の導風板20は、該風車体への風の流れをガイ

ドするように風車体16の回転軌跡円CRよりも外側で周方向に互いに等間隔に隔離配
列された導風手段である。複数の導風板20は、羽根体14に対して回転を促進する方
向に風をガイドするとともに、羽根体14の回転を妨げるように作用する風を一部遮る
ように整流する整流機構となる。図4に示すように、導風板20は、一部の風を遮りつ
つ、その流れを変えて回転している風車体の羽根体14に流すことにより、該導風板14
の風下側、すなわち該導風板14の後方部分と、導風板をよけて流れていく部分と、で
風の流れに速度差を生じさせる。その結果、例えば、導風板14の板面に風が当たった
際に、導風板の後方に負圧を生じさせて、導風板20の背面側に回転する羽根体14が
位置する際には、該羽根体14を回転方向Dに促進させて、回転効率の向上を期待でき
る。



【特許請求範囲】

  1. 風の流れに対して垂直方向に設置されて軸回り回転自在に支持された回転軸と、
    風を受けて該回転軸と一体的に回転するように該回転軸に取り付けられた複数の
    羽根体とを有する垂直軸型の風車体と、回転軸に連結され該回転軸の回転により
    発電する発電機と、風車体の外側で周方向に互いに等間隔に離隔して配列されて
    該風車体への風の流れをガイドする複数の導風板であり、回転軸に直交する断面
    視で、該羽根体の回転軌跡円と該回転軌跡円に外接する仮想的な正多角形との間
    の領域内に全体が収容されるように設置された複数の導風板とを備えたことを特
    徴とする風力発電装置。
  2. 導風板は、回転軸に直交する断面が直線状となる平板状部材からなり、該断面直
    線形状の一端を羽根体の回転軌跡円に近接して設けられるとともに、他端を前記
    正多角形の辺上又は辺に近接して設けたことを特徴とする請求項1記載の風力発
    電装置。
  3. 羽根体は、回転軸に直交する断面形状が回転軸に向けて凸状に湾曲された湾曲板
    材で形成されるとともに、回転方向前方側に流線型を形成するように前端部を外
    側に向けて略U字状に湾曲された返し部を有することを特徴とする請求項1又は
    2記載の風力発電装置。
  4. 導風板は、回転軸に直交する断面形状の長さが、該羽根体の回転軌跡円の径方向
    の羽根体の幅より、長い長さで設けられたことを特徴とする請求項3記載の風力
    発電装置。
  5. 導風板は、回転軸に直交する断面形状の長さが、前記正多角形の頂点から該羽根
    体の回転軌跡円に接する接線の長さよりも短い長さで設けられたことを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の風力発電装置。
  6. 導風板は、該羽根体の回転軌跡円の直径を導風板の数で割った長さに設定された
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の風力発電装置。

【実施例】

実施例では、図9に示すように、上記実施形態のように構成した風力発電装置10を送
風機VからL=3100mmだけ離した位置に設置し、風速0.6m/秒で風を当てて
風車体16の回転を目視で計測し、30回転に要する時間を測定した。図9(a)と図
9(b)では、風力発電装置10に対する風の方向を45度変更して各導風板に当たる
風の角度を変更して測定した。実施例では、風車体16の羽根体14の回転軌跡円CR
の直径は276mm、羽根体14の回転軸方向長さは600mmとし、導風板20の回
転軸方向長さは600mm、導風板20の横断面の幅長さWを下記のように変更して、
それぞれ風車体が30回転するのに要する時間を5回計測してその平均値を求め、その
平均値から平均回転数(1分あたりの回転数)を算出した。また、比較例として、導風
板を設けないで回転数を計測した。以下にその結果を示す。

 

 

実施例1~6の結果により、風力発電装置に当たる風の向きが図9(a)、(b)のい
ずれの場合でも、導風板の幅長さWを長くすると回転数が向上し、導風板20の幅長さ
Wを回転軌跡円の直径を導風板の数で割った値(実施例では、69mm)とした場合に
回転数が最大となり、さらに該幅長さWをその値を超えた長さとすると回転数が低下す
るのが分かる。導風板が4つの場合には、導風板20の幅長さWを、例えば回転軌跡円
の直径の20~30%程度に設定するとある程度高い回転数で風車体が回転すると推測
できる。実施例6に示すように、導風板20の幅長さWを長くして正方形の頂点から該
羽根体の回転軌跡円に接する接線の長さ、すなわち回転軌跡円に外接する正方形の一辺
の長さの半分の長さ(実施例では、138mm)に近づけると回転効率が劣ることが分
かる。


 ● 今夜の一曲

ベートーベン: クラリネット三重奏曲 Trio , in B, Op.11

ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調『街の歌』(Gassenhauer)作品11は、ルートヴィヒ・ヴァン・
ベー
トーヴェンが1797年に作曲したピアノ三重奏曲。1798年に出版され、作品はマリア・
ヴィルヘル
ミーネ・トウン(英語版)へ献呈された。ベートーヴェンの初期に人気の高
かった、木管楽器を扱
った社交的な作品のひとつである。変ロ長調で作曲されており、
これは当時まだベーム式シス
テムの恩恵を受けていなかったB♭管クラリネットでの演
奏の容易さを考慮したものとされてい
る。「街の歌」という愛称は、第3楽章において
当時流行していたヨーゼフ・ヴァイグルの歌劇『
船乗りの恋、あるいは海賊』(L’amor
marinaro ossia Il corsaro)からのアリア「仕事の前に」(Pria ch'io l'impegno)の主題を用いる。
この作品が人気を博した大きな理由でもあり、ニコロ・パガニ
ーニもこの主題による作
品を残す。なお、ベートーヴェンが多楽章作品で他人の主題を用いた
のはこれが唯一で
ある。

【楽曲構成】

  • 第1楽章 Allegro con brio:変ロ長調、4/4拍子。ソナタ形式。第1主題は3つの楽
    器のユニゾンに、第2主題はクラリネットに提示される。
  • 第2楽章 Adagio:変ホ長調、3/4拍子。ソナタ形式。主部の主題は、2年後に作
    曲された七重奏曲Op.20の第3楽章と似たリズムを持つ。
  • 第3楽章 Tema con variazioni (Pria ch'io l'impegno: Allegretto):変ロ長調、4/4拍子。
    変奏曲形式。軽快な主題に9つの変奏とコーダが続く。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雪が降るから考える。 | トップ | 革命的な風力タービンⅡ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

環境工学システム論」カテゴリの最新記事