彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」
まったとくいって書けなくなり詠めない時間がつづく。勿論、「短歌
手帳」はバックパックかサイドバックに入れている。^^; だから「
源実朝」の考察も停滞したまま。「角川短歌」も今夜目を通すも駄目。
伊藤一彦の歌が辛うじて心に届いた。
火の中にまなこのどとき炎見つ一瞬にして二度はまみえず
泣きながらアンパンマンを呼んでゐる路上の幼だれも助けず
この今を中今として生きてゐるわれか 鳥はいま空に中今
暴力を使はず人を死なしむるウイルスさなきだに暴力の世に
堤防に続く黄の花の導火線 胸に火を抱く者近づくな
歌集栞には「 と紹介されている。
※伊藤一彦:(1943年9月12日生-)宮崎県宮崎市生まれ、在住。宮崎
県立宮崎大宮高等学校、早稲田大学第一文学部哲学科卒業。学生時代
に同級の福島泰樹のすすめで短歌をはじめ「早稲田大学短歌会」に入
会。三枝昂之らと知り合う。大学卒業後は帰郷し、教員のかたわら作
歌活動を続ける。郷土の歌人若山牧水の研究者でもあり、若山牧水記
念文学館長、「牧水研究会」会長を務める。同会が編集する『牧水研
究』の第8号は2011年に第9回前川佐美雄賞を受賞した。宮崎県立図書
館長名誉館長。宮崎公立大学教授、校名変更で宮崎看護大学教授2014
年定年で客員教授。
※
宣言!”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”
「カチャカ(Kachaka)」登場!
自己位置推定とマッピング(SLAM)、ナビゲーション、画像認識、音声
認識、ハードウェア設計を高度に融合し、これまで難しいとされてき
た。環境変化の激しい居住空間での柔軟な自律移動を実現した、「家
具は一度設置したら動かない」という制約を取り払い、生活の中の潜
在的なニーズを見つけてそれを実現できるプロダクトだ。人の声や専
用アプリの指示でスムーズに室内を移動しながら、ドッキングした家
具を指定された場所まで運ぶことが可能だ。タイマー機能により、毎
日同じ時間にモノが動いてくることでユーザーの「習慣化」の補助を
したり、脱いだ服を洗濯機まで運ぶ・シーツを変えるといった「名も
なき家事」の解消をしたり、子供が楽しんで片付けを覚える手伝いを
したりするなど、それぞれのライフスタイルに寄り添うことで、人々
の暮らしをより便利に、そして豊かにする。
家庭用自律移動ロボット「カチャカ(Kachaka)」
無駄を削ぎ落とした滑らかなコンパクトボディに、複数のセンサーや
カメラ、LED、ドッキング機構を格納しており、5つの最先端テクノロ
ジーによって、これまで難しいとされてきた、環境変化の激しい居住
空間内でのスムーズな自律移動を実現。音声認識だけでなく、スマー
トフォンアプリでも操作可能。老若男女誰でも扱いやすいように、シ
ンプルかつ分かりやすいデザインを採用。今後も順次アップデート予
定となる。(自動的に?)
※人の指示で家具を動かす家庭用自律移動ロボット Preferred「カチ
ャカ(Kachaka)」最蔦屋家電+にて展示 先行予約もスタート - ロボ
スタ。
次世代自動車の普及拡大
地球温暖化問題の解決には、CO2の排出抑制が必須です。運輸部門では、
ガソリン車から電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(
PHEV)など次世代自動車への早期転換が求められているが、課題とな
るのが、現在のEVを駆動するリチウムイオン電池の高エネルギー密度
化、安全性の向上、低コスト化など。 株式会社東芝は、動作不良の一
因となるリチウム金属の析出が発生しづらい「チタン酸リチウム(LT
O)」を負極材に使うことにより、 極めて高い安全性を備えたリチウ
ムイオン電池「SCiB™」を2007年に開発。さらに市場の要請が強い「高
エネルギー密度化」や「高出力化」に対して、2012年からのNEDOプロ
ジェクト「リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発事業」に参
画し正極と負極の接触防止のためのセパレータの薄膜化などにより、
革新的な二次電池(蓄電池)の実用化に取り組み、2015年に「23Ahセ
ル」、2016年に「10Ahセル」の開発、実用化に成功する。
世の中にいまだかつてなかった製品
一旦は、海外メーカーとの激しい価格競争が起こり、2004年にやむを
得ず事業から撤退するものの単にエネルギー密度だけで勝負するので
はなく、他の性能で抜きん出た製品を開発する。“世の中にいまだか
つてなかったリチウムイオン電池”を合言葉に開発に取り組みました。
その結果、負極材として、従来の黒鉛などの可燃性の炭素系材料に替
えて、『チタン酸リチウム(LTO)』を採用。
内部短絡が起こらないセパレータの薄膜化
セパレータの最も重要な役割は、絶縁体として正極と負極の接触によ
る内部短絡を防止することです。一方、負極材に LTOを採用している
SCiB™」では、リチウム金属が析出しないので析出による 内部短絡が
そもそも起こりらない。セパレータをさらに薄くすることで入出力性
能を高めた。
【関連情報】
1.特許第6419433号 電極群、二次電池、及び電極群の製造方法
2.常識を覆す発想で革新的なリチウムイオン電池を開発 | NEDOプロ
ジェクト実用化ドキュメント 2018.9
3.国際特許20127854A1 チタン酸リチウムの製造方法
4.米国:リチウムイオン二次電池用酸化物系負極】特許総合力トッ
プ3は東芝、GLOBAL GRAPHENE GROUP、LG ENERGY SOLUTION | のプ
レスリリース, 2022.9.14
5.特開2022-173982 チタン酸リチウム/チタンニオブ酸化物コアシ
ェル複合材料及びその製造方法
【要約】
TiNbxO(2+5x/2)(Xは1.90以上2.00未満)で
示され る単斜晶系のチタンニオブ複合酸化物を主成分とし(-110
面)のX線回折線の半価幅 から求めた結晶子径が85nm以上で
あり、炭素含有量が1.0~5.0重量%、粉体比抵抗が1.0×104Ω・cm
以下である炭素被覆チタンニオブ複合酸化物を主成分とす電極用活
物質でリチウム二次電池用負極用活物質として、安価な固相法によ
り高充放電量を保ったままサイクル容量維持率の優れたチタンニオブ
複合酸化物の提供。
6.特開4768901B2 リチウムチタン複合酸化物及びその製造方法
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ペロブスカイト太陽電池」書籍化!!課題である、耐久性向上や大面
積化、成膜技術、高効率化のためのタンデム化など、具体的な技術を
網羅した一冊。宇宙応用やプロセス大面積化への動向など、本分野を
代表するメーカに記載いただいている!また最新状況に携わる第一人
者の研究者が記載する情報鮮度の高い書籍! ★錫を活用した材料で鉛
フリー化をしつつ高効率で 、環境対応を実現するためのヒントが記
載されている。実用化と応用展開まで、他に類書のない一冊。
次世代太陽電池の大本命「ペロブスカイト太陽電池」は日本発の新技
術!いま世界で実用化競争が激化している。薄くて軽いフィルム状の
ペロブスカイト太陽電池は、曲げたりフレキシブルな形にでき、印刷
技術を使って簡単につくれる。発電量がとても高く、曇りや雨の日、
室内照明でも発電できる、と革命的なもの。社会実装されれば街全体
が分散型発電所になることも夢ではない(2025年、大阪・うめきた駅
で実装予定)。 じつは開発当初は性能が悪く、誰からも顧みられなか
った。それがどうやって世界を席巻する大逆転を収めたのか。そのミ
ラクルをもたらしたのが第一人者・桐蔭横浜大学の宮坂力教授だ。ペ
ロブスカイト太陽電池開発のドラマチックな展開と熾烈な研究開発の
舞台裏を明かすとともに、決してエリートではなかった自身のデコボ
コ道を語る。大学院卒業後、富士フイルムで研究生活を送り、つねに
「新しいもの」「面白さ」を追求してきた研究一途の人生がペロブス
カイト太陽電池として大きく結実した。
【目次】
第1章 ペロブスカイト太陽電池の大逆転開発物語―桐蔭横浜大学で
ドラマは始まった(ダメもと感覚で研究していたフィルム型太陽電池
;ペロブスカイトって何だ? ほか)
第2章 知識ゼロでもわかるペロブスカイト太陽電池―光発電の仕組
みと進化(知ってるようで知らない太陽電池;物理と化学の2つの顔
を持つ太陽電池 ほか) 第3章 不本意から切り開かれた研究者人生
―光発電研究者までの道すじ(高校までのデコボコ道;大学で建築の
道をあきらめ、研究者へ ほか) 第4章 未来を変える研究は意外な
ところに―化学への誘い(研究を社会につなげる;成果を出しつづけ
る ほか)
Via ニュースイッチ
大陽電池「ペロブスカイト」の生みの親が明かす誕生の舞台裏と反省|
本のホント#13 「大発見の舞台裏で!ペロブスカイト太陽電池誕生
秘話」、ニュースイッチ by 日刊工業新聞社、2023.2.9
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✔ 人類の危機的状況は悪化の一途に向かいつつあるが、中国、韓国・
台湾そして日本の研究社のパワーや"デジタル革命渦"の科学技術の進
歩力もあり、”これはひょっとするといけるんじゃないのか!?”手
ごたえを感じる。星野芳郎著(故人)の『政治と技術』の本に自筆の
サイン『日々新た』(➲わたしはこれを「革命」と意訳)を頂いた
ことを思い出し、全球的完全リサイクル型オールソーラーシステム事
業をもって一点突破全面展開を誓う、面白い!
コロナ禍で出生数が急減、このまま我々は手をこまねき「小国」への
途を受容するのか。人口は国力の源である。国際関係の基本構造は、
「大国」が定め、「小国」はその中で生き残る方策を考えるしかない。
人口急減に直面する日本は、一億人国家の維持すら危うい状況にある。
このままでよいのか。本書は、介護保険の立案から施行まで関わり「
ミスター介護保険」と呼ばれた著者が、豊富なデータと学識、政策現
場での深い経験をベースに、危機的な日本の人口問題を正面から論じ
た超大作。 人口問題は、社会経済に深く関係し、国家存亡にも影響を
与える重要テーマ。それだけに我々の価値観に関わる根深い意見対立
も存在する。そこで様々な登場人物が異なる視点から語る小説形式を
とる。政府、政党、国会がどのように関わりながら政策・法案が練ら
れ、諮られていくのか、超リアルなストーリーに沿って、人口問題の
深刻さを知り、解決策の手がかりが得られるまったく新しいタイプの
書籍。 ※本書はフィクションである。登場人物は著者による創作で、
モデルは存在しない。しかし、登場人物が語り、取り組む人口減少問
題の内容は、すべて公開資料に基づく事実である。
『目次』
プロローグ 衝撃の海外レポート
第1章 一億人国家シナリオの行方
第2章 高出生率国と低出生率国の違い
第3章 出生率向上のための「3本柱」
第4章 「地方創生」と「移民政策」
第5章 議論百出の人口戦略法案
第6章 波乱の「人口戦略国会」
エピローグ 「始まり」の終わりか、「終わり」の始まりか
【著者略歴】
山崎 史郎(やまさき しろう、1954年〈昭和29年〉12月17日 - )は、
日本の厚生・厚労官僚。リトアニア国駐箚日本国特命全権大使等を経
て、内閣官房参与(社会保障・人口問題担当)。
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-第1章 一億人国家シナリオの行方
人ロボーナスから人ロオーナスヘ
---- ここで、「人ロボーナス」と「人ロオFナス」いう言葉を説明しておきたい。
これは、人口の年齢構成に関わることである。人ロ学では、「年少人口」と「
老年人口」を扶 養される側の人ロとみなして、「従属人ロ」と呼ぶ。この 「
従属人ロ」と「生産年齢人口」の比率 を「従属人口指数」とし、社会全体の
扶養負担を表す指標としている。
資料:総務省統計局「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将
来推計人口(平成24年1月推計(出生中位・死亡串位推計>)」
注:カッコ内の数値は、老年人口1人に対する生産年齢人口の人数
出典:佐藤龍三郎、金子隆一「ポスト人口転換期の到来」『ポスト人口転換期
の日本』(人口学ライブラリーロ)原書房2016年)P19
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図(1-8)は、わが国の従属人口指数の変化を表したものである。この図で
分かるように、戦後のベビーブームが終わったのち、この指数は低下してい
った。生産年齢人口が増えていく中で、出生率の低下によって年少人口分
少人口が減り始める一方、老年人目はまだ多くなかったからである。
この谷の時期が「人ロボーナス」と呼ばれる。全体として扶養負担
が低下するとともに、労働力人口は増えていく、経済にとって最も条
件のいい時期である。どの国でも、人口転換の過程で1回だけ出現する、
恵みの時期とされている。
ところが、その後、出生率の低下が進み、高齢化率が高まっていく。そうな
ると、老年人口の増大によって指数は上昇し始め、人ロボーナス期以前より
高い水準にまで達する。これが「人口オーナス(負担)」と呼ばれるものであ
る。人口減少が進み、高齢化率が上昇し、社会扶養負担は高まる。一方で、
労働力人口は減少していく。日本は、これから、まさに「人ロオーナス」の時
期を迎えるわけで、経済や社会保障の面で厳しい状況に入っていくことは間
違いない。
経済にもたらす悪影響
続いて、参事官の野口から、経済社会面への影響について報告があった---
経済面では、人口減少は3つの経路を通じて、経済成長に影響を与えると
されている。1つめは説明があった「人ロオーナス」で、労働力人口の減少
などによって、成長率は低下する。2つめは人口減少により住宅ストックや
企業設備などの資本投入が減る。社会全体の貯蓄が減少し、投資の減少
につながる。3つ目が、生産性である。通例、人口が減少し高齢化が進む
社会では、生産性の向上が停滞するおそれがあるとされている。こうした経
済への悪影響について、日本商工会議所の三村明夫会頭が日本の将来展
望を検討する政府の委員会(「選択する未来」委員会)において行われた議
論をで、紹介したい。
最初に議論したのは、人口減少はなぜいけないのか。内開府の調査によ
れば、人口減少があってもGDPが一定であれば1人当りGDPは増えるの
ではないか、むしろ人々の率せが増えるのではないか、このように思ってい
る方が25%程度いた。人口減少が日本の危機であるかどうか、これを共有
しなければエネルギーが湧かない、まずこのことを……(略)……議論しても
らった」 「潜在成長率は、資本蓄積×労働人口×生産性、この3つの掛け算
である。
したがって、人口が減っても生産性が十分増えれば日本の成長率はプラス
を維持できるが、ワーキンググループでの結論は、人口が減るということは
確かに生産能力としてはそのようなことかもしれないが、人々という
のは消費者でもある。日本のGDPの大きな特徴は、国内内需がGD
Pのぼとんどを占めていて、外需が非常に少ない点である。今でも日
本のGDPは中国の3分の1であるが、消費マーケットは中国の52%
程度ある。人口が減るということは国内マーケット規模が減ってしま
うことを意味する」
「国内マーケットが減ってしまうと、経営者はどうするかというと
、相対的により収益の上がるマーケットに設備投資をする。そうなる
と、より成長率の高い東南アジア諸国あるいは中国、そのようなとこ
ろに設備投資する。したがって、国内への設備投資が減ってしまう。
設備投資が減ればいわゆるイノベーションが国内では減る。イノベー
シーンが減れば、生産性よりはむしろ上昇するより減ってしまう。非
常に強い。人口が減るということは、日本にとっては大変な危機なの
だと言うことが共通認識できた。
縮小スパイラル」の怖さ
野口が強調したのが、人口減少が引き起こす経済社会面の「縮小スパ
イラル」の怖さであった。
----急速な人口減少が続くと、経済へのマイナスの負荷が需要面、
供給面の両面で働き合っマイナスの相乗効果を発揮する。そして、い
ったん経済規模の縮小が始まると、それがさらなる縮小を招く「縮小
スパイラル」に陥るおそれがある。そうした状況が強まると、実際の
国民生活の質や水準を表す1人当たりの実質消費水準が低下し、国民・
一人ひとりの豊かさが低下する事態を招きかねない。
社会面に与える影響は、すでに急激な人口減少段階に入っている地
方の実態を見ると、よく分かる。人口減少が進むと、広い地域に少な
い住民が散在する、居住空間の「希簿化」という事態が生ずる。それ
に伴い、住民生活を支えてきたサービス業や商業が順次撤退していく。
たとえば、ショッピングセンター、病院、さらには飲食料品小売店や
飲食店などである。中には、人材不足から撤退するサービス業なども
出てくる。そうなると、そうした撤退事業者の従業員・家族に加えて、
日常生活に不便を感じる住民も流出し、それがさらに希簿化を強めて
いく「縮小スパイラル」となる。
小中高等学校などの文教機関は、先行して少子化の影響を受け、運
営維持が困難となる。街はシャッター街となり、あちこちが空き家や
空き地となる。それもあって、地価は下がる。それに伴い高齢者など
の資産は、大きく目減りするおそれがある。そして、地域住民を支え
る地方自治体が単独で存立できるかどうかが、問われることとなる。
人口減少は、大都市の過密解消につながらない
----こうした動きが進んでいくと、最終的にはヽ多くの日本人が
東京圈や大都市に集中して住み、大半の地方は無居住化か進む大
都市集注社会」となることが予測されている。
一般的には、人口集積に経済社会的なメリットはある。各種サービ
ス産業の存立を可能とし、人材や情報の交流が図られ、便利で快適な
生活環境を与える。しかし、一方で、職場と住宅が遠く離れ、通勤時
間が長くなることや、住宅価格の高さ、保育や高齢者介護などのサー
ビスの不足など、地方に比べて生活環境面の課題は多い。
特に、人口集中の激しい東京圈は、首都直下地震などの巨大災害に
伴う被害リスクや、新型コロナウイルスといった感染症リスクが高く、
集積のメリットを超えて、一極東串による弊害は大きいと言えよう。
ぞこで人目減少が、人口の偏在を是正する方向に働き、東京圈や大都
市の過密を解消させるのならばメリットはあるが、実際にはそうなら
ないだろうと考えられている。
2014年に国土交通省が発表した試算によると人口減少がこのま
ま進むと、2050年には現在人が住んでいる居住地のうち、6割以
上の地域で人口が半分以下に減少し、さらに2割の地域では無居住化
すると推計されている。すなわち、人口減少は、東京国や大都市にお
ける過密状態を解消させるよりはむしろ、「過密の東京圈や大都市」
と「人が極端に減った地方」が併存する形で進行していく可能性が高
いのである。これは、海外レポートが「無人となった地方のインフラ
は荒廃するにまかせ、一方で都市部の生活水準は可能な限り維持しよ
うと努めるだろう」と予測した将来の姿に重なる。
【最後の読書録 Ⅳ】
新・国債の真実―99%の日本人がわかっていない
目次
はじめに
1章 まず「これ」を知らなくては始まらない―そもそも「国債」っ て何だろう
?(企業は金を借りて運営する、国も同じ;政府は予算 を立て、「足りな
い額の国債」を発行する ほか)
2章 世にはびこる国債のエセ知識―その思い込い込みが危ない(何の知
識もなく語っている人が多すぎる;「倹約をよしとする」と 「借金は悪」となる
ほか)
3章 国債から見えてくる日本経済「本当の姿」―「バカな経済論」
に惑わされないために(なぜ財務省は「財政破綻する」と騒いで
いるのか?;財務省ロジックに乗っかる人々もいる ほか)
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第3章 国債から見えてくる日本経済「本当の姿」
たとえば「永久債」ならどうか、
と考えてみよう
政府はつねに、借金を返すために、別のところから借金をしている。
それが何も問題ないということは前項で説明したが、まだ納得でき
ない、借金のための借金はよくない、という心配性の人もいるかもし
れない。そういう人は、たとえば「永久国債」ならどうか、と考えて
みればいい。結論からいえば、これで償還は心配ないという説明がつ
いてしまうのだ。
じつは、前に登場したノーベル経済学賞のジョセフ・スティグリッ
ツ氏も、同じことをいっている。
経済財政諮問会議にスティグリッツ氏が提出した資料のなかには、
「永久債と長期債で、債務を再構築すればいい」という記述もあった
(前述のとおり内開府の和訳はおぼつかないので、ちゃんと英文原資
料を当たった)。
永久国債も長期国債も、読んで字のごとく、「永久に続く国債」と
「期間が長い国債」のことだ。噛み砕いていえば、政府の借金を永久
債と長朝儀にすれば、償還費の心配はない、といっているのである。
たとえば償還が100年先に訪れる国債なら、少なくとも3世代く
らいは償還費の心配はない。さらに永久国債ともなれば、永久に心配
ないというわけだ。
ここで「元本が戻ってこない国債に、お金を出すところなんてある
のか」という疑問が浮かぶかもしれないが、はっきりいって素人大出
しの考えである。こういう話で「元本が戻ってくるかどうか」が気に
なって仕方ない人には、投資はおすすめしない。
投資で重要なのは、どちらかというと元本より利子である。
仮に100万円を投資したなら、その利子がいつ、どれくらい入っ
てくるかというキャッシュフローで考えれば、元本が戻ってくるかど
うかなど、二次的な問題に過ぎない。
単純な算数の問題だ。
利率5%の永久国債を100万円で買ったとしよう。100万円の
5%は5万円だ 「日銀引受け」である。借換債の一部を日銀に買っ
てもらうのだ。
これは、財政法によって原則的に禁じられている。仮に政府が日銀
に莫大な額の日銀引受けをさせた場合、世の中にお金が出回りすぎる、
つまりインフレになりすぎる危険があるからだ。
そのため多くの識者が禁じ手としているのだが、私が大蔵省にいた
ころにも行なわれていたし、今も行なわれている。原則は原則であり、
必要なら行なっていいものなのだ。
訳知り顔で「それだけはいけない」なんて話している識者は、すで
に日銀引受けが行なわれている事実すら知らないのだろう。
民間金融機関がつねに国債を欲しがっており、金融市場に一定量の
国債を流す必要があるため、政府の新年度の新規国債発行計画のうち
日銀引受け分として毎年計上されている。財務省の発行計画では、政
府の外が市場なので、そこには日銀も含まれている。
しかも、財政法に基づく予算総則では、日銀引受け分は、「日銀の
保有国債残高を増やさない程度」と定められているため、日銀引受け
は過度なインフレを招かないように適正範囲に抑えられている。
つまり、新規国債発行分については、白銀引受け分かその範囲内に
なっているため、それ以上日銀が引き受けたくても無理なのだ。
識者が心配するような、「日銀引受けのやりすぎ」は起こらない。
この話は、新規発行国偵分についてだが、既発国債を日銀が買いす
ぎると心配する向きもある。
しかし、インフレ目標があるので、新規発行国債も既発国債も日銀
が買いすぎる心配は無用である。要するに政府は、民間金融機関から
新たにお金を借りるか、日銀からお金を借りるかで、国債の償還に充
てればいいのである。
しかも、日銀保有分の国債は、スティグリッツ氏のいうように国債
発行残高と「相殺」されるので、この部分はまったく財政問題を生じ
させないのだ。
「有事の円買い」が起こるのも、
日本財政が安泰だから
2017年4月中旬、朝鮮半島の緊張が懸念されるなか、為替は円
高になった。
為替にも需要と供給のメカニズムが働く。円の供給量に対し、円を
欲しがる人がより多くなれば、円高になる。それが有事の懸念が高ま
ったときに起こったことは、何を意味するのか。
かつては「有事のドル買い」が当たり前だったのに、今では「有事
の円買い」が常識となっているようなのだ。なぜそうなったのかを解
説する前に、今までに世界的ショックが起こり、円高になった例を見
ておこう。
①リーマン・ショックなどの世界的な金融危機(2008年9月)
②ギリシャ危機に端を発する欧州債務危機(2010年)
③東日本犬震災(2011年3月)
①イギリスの国民投票によるEU離脱決定(2016年6月)
⑤朝鮮半島に対する緊張(2017年4月)
このうち、①~③は、本質的には同じ要因だ。
為替の変動は「需要と供給」とともに、「貨幣量の比率」も影響す
る。 たとえばドルの量より円の量が多ければ、ドルの希少性が高ま
りドル高となるのだ。
国際的な金融危機には、各国こぞって金融緩和策を打ち出すが、リ
ーマン・ショックのときも欧州危機のときも、日銀は無為無策だった。
金融緩和をすると、世の中に出回るお金が多くなる。各国の経済がそ
のように動くなかで、日本だけが金融緩和策をとらなかった。
そのため、ドルやユーロに比べて相対的に希少性が高まり、円高に
なったのである。
③は、①、②とやや異なるが、やはり金融政策に関連するという意
味で、根っこは同じといえる。
東日本大震災のような国内危機が起こると、大々的な復興予算が組
まれるものだ。 これを国際金融市場も予想する。国内で金融緩和が
行なわれなければ、国内金利が
高くなることが予想され、日本に資金が集中、結果として円高となる。
ちなみに、阪神淡路大震災の後にも、同様の現象が起こった。
このように、①②③は、すべて国内の金融政策の失敗(というより
無為無策)が導いた円高といえる。
一方、①には、根本的に異なる背景がある。先に明かしてしまうと
日本円が「安全資産」と見なされて、危機のときにみんなが欲しがっ
たから、円高になったのだ。
そして⑤が円高になったのも同様のメカニズムだと私は見ている。
しかし、日本の財政破綻リスクをずっと主張してきたマスコミは、
こうした解説ができない。
もしそう言ってしまったら、「目本には財政問題がない」と認める
ことになるからだ。
今まで、財務省の思惑通りに「日本の財政状況は悪い」「消費増税
をしたほうがいい」と主張してきたことを、みずから覆すことになっ
てしまうというわけだ。
財務省の言うなりになっているマスコミは、こういうときにボロが
出る。まず常識的に考えて、もし日本に財政破綻のリスクがあるのな
ら、有事になるかもしれない、という切迫状況で円に投資するわけが
ない。
つまり、このたびの円高も、「日本に財政問題はない」ことを物語
っているのである。
この項つづく
【再エネ革命渦論 88: アフターコロナ時代 289】
● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)八月になれば
八月になってみなければわからない。ひっとしたら......
Advance little by little, starting with the things you can do now.
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