彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備
え。(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
南極の海氷の面積は平均よりさらに減少
今週の気候グラフィック:記録的な南極の海氷レベルの低さに科学
者が懸念 別のデータは、北極の海氷が今後10年までに9月中に消滅
する可能性があることを示唆。
南極の海氷は6月に記録的な低さに達し、地球の極地の氷床の研究
と監視を強化するよう科学者からの要望が高まっている。 フィナ
ンシャル・タイムズ紙が日本に本拠を置く北極データ・アーカイブ・
システムのデータを分析したところによると、南極は真冬に近づい
ているにもかかわらず、2023年の海氷面は同時期の長期平均より
240万平方キロ低いという。対象となる面積は昨年の同時期に比べ
てほぼ110万平方キロメートル減少しており、これは英国の4倍以上
の面積である。世界気象機関は最近、世界の海氷が「前例のない速
度」で減少しており、極地環境だけでなく地球規模の気象や気候に
も「深刻な影響」をもたらすと警告した(新しいウィンドウが開き
ます)。同団体は、2016年以降、南極の海氷が1970年代に衛星記録
が始まって以来観測されていない速度で減少していると警告した。
WMOによれば、2022年に陸地の氷が「大幅に減少」したため、記録上
初めて南極大陸の一部の沿岸地域で氷がなくなった。
図1.1990 年から 2023 年の平均 (100 万平方キロメートル) と
比較した海氷範囲異常を示唆。
海氷の面積はこの時期としては記録的な低さで 長期平均よりも240
万平方キロメートル低く 昨年のこの時期よりも110万平方キロメー
トル少ない。WMOと共催する世界気候研究プログラムに所属する
研究者達(60人以上)が、コロナウイルスのパンデミック下で4年
間の中断を経て今月会合を開き、さらなる研究と観察を求めた。こ
れとは別に、ネイチャー・コミュニケーションズ誌に今月初めに発
表された研究では、早ければ2030年代には北極の海氷が9月中に完
全消滅する可能性があると発表(下図クリック)。北極の海氷は通常、
9月に最も低くなり、冬の間に増加。 同論文は、人為的気候変動が
海氷減少の主な原因であると結論づける。
写真:2020年8月の北極海の氷は通常より雨水;
Markus Rex, Alfred Wegener Institute, via Associated Press
ゼロエミッションを目指す内航船舶向け>
「水素専焼4ストロークエンジン」の開発を開始
6月30日、 ヤンマーパワーテクノロジー株式会社は、公益財団法人
日本財団の「ゼロエミッション船の実証実験にかかる技術開発助成
プログラム」において、燃焼時に CO2 を排出しない水素を燃料とし
た内航船舶用の「水素専焼4ストローク高速発電エンジン」の開発
を開始する。本事業における水素エンジンは、小型船舶向けの推進
エンジン(主機関)としての用途も視野に入れて開発を行う。
本プロジェクトでは、水素エンジンの開発と同時に、水素エンジン
発電機とバッテリーの組み合わせによる「水素エンジン対応のハイ
ブリッド電気推進船」の開発も行うと意欲的だ。これは「水素燃料
エンジン」と「水素燃料供給システム」を、コンテナユニット型の
水素発電装置として上甲板部分に搭載することができる新たな船舶。
船舶の開発・建造は、上野グループの海運会社である上野トランス
テック株式会社が担当。
つまり、YPT では、水素インフラ普及までの船舶運航を考え、少量
の着火用バイオ燃料と水素混焼により、ゼロエミ ッション化を図
る「パイロット着火式」エンジンと、「火花点火式」による水素専
焼エンジンを同時に開発します。 2024 年からパイロット着火式の
6気筒水素エンジンによる陸上実証試験を開始し、2026年の実証運航
を目 指します。加えて、同型式の火花点火式水素専焼エンジンによ
る陸上実証試験を同時並行で進め、水素エン ジン対応電気推進船
舶の普及を図るべく、その先駆けとして 2030 年頃からの水素エネ
ルギーを基にした内 航船舶のゼロエミッション化に取り組む。
■ ゼロエミッション船プロジェクト
公益法人日本財団による水素を燃料としたゼロエミッション船の開
発に焦点を当て、当該技術開発を支援するプロジェクト。2050年に
内航分野におけるカーボンニュートラルを実現するため、世界に先
駆けて水素を燃料とした船舶(ゼロエミッション船)を開発し、実
証実験を行う。
---------------------------------------------
コンソーシアムメンバー(2023年6月時点)
1. ヤンマーパワーテクノロジー株式会社(代表)
2. 上野トランステック株式会社
3. 京都大学
4. 福岡造船株式会社
5. 三井 E&S造船株式会社
6. 株式会社みらい造船
各コンソーシアムが「ゼロエミッション船」実証実験を準備中
2023年6月現在、3つのコンソーシアムが実証実験に向けてゼロエミッ
ション船を開発中。今回の実証実験では、水素燃料電池を搭載した
洋上風車作業船、および水素専焼エンジン搭載型のゼロエミッション
船を開発・実証。これらは、世界初の試みである。
1. 水素燃料電池洋上風車作業船コンソーシアム
~世界初の水素燃料電池×バイオディーゼルを活用した
洋上風車作業船の実現~
プロジェクト概要と開発状況 洋上風力発電施設への人員輸送や関係
者の現地視察・見学等に利用可能な水素燃料を動力とする洋上風車
作業船を開発し、2024年に実証実験を行う。
水素燃料電池船の停泊イメージ
コンソーシアムメンバー(2023年6月時点)
-------------------------------------
1. (株)MOTENA-Sea(代表)
2. 関門汽船(株)
3. 商船三井テクノトレード(株)
4. 大陽日酸(株)
5. 本瓦造船(株)
-------------------------------------
2. 水素エンジンゼロエミッション船実証運航コンソーシアム
~海運におけるゼロエミッションの実現を目指して~
プロジェクト概要と開発状況 2026年を目標に水素専焼エンジンを搭
載したゼロエミッション船の開発・実証実験を行う。併せて水素を
供給するインフラ整備(水素ステーション)も行う。
水素混焼エンジンを搭載したタグボートのイメージ図
📚 さて、ここにきて機械工学の最新特許技術を特許から摘出する。
1.特開2022-49336 エンジンシステム
【概要】
下図1のごとく、実施形態に係るエンジンシステム100を説明す
る。少なくとも気体燃料を燃焼させて動力を発生する。気体燃料は、
特に限定されないが、例えば、水素、アンモニア、又は、天然ガス
である。天然ガスは、例えば、気化された液化天然ガス(LNG)
である。エンジンシステム100は、例えば、乗り物に搭載される
か、建造物内に設置されるか、または、屋外に設置される。乗り物
は、例えば、船舶、自動車、鉄道車両、または、飛行機である。
本明細書において、気体燃料として、水素燃料を例に挙げて説明す
る。また、エンジンシステム100が搭載される乗り物として、船
舶200を例に挙げて説明する。なお、本明細書において、船舶2
00を「乗り物」と読み替え、水素燃料を「気体燃料」と読み替え、
水素を「燃料気体」又は「燃料」と読み替えることができる。
図1に示すように、船舶200は、エンジンシステム100を備える。
エンジンシステム100は、少なくとも水素燃料を燃焼させて動力
を発生する。 エンジンシステム100は、エンジン1と、液化水素
タンク3と、気化器5と、水素燃料調整部7と、圧力検知部9と、
水素燃料供給管10と、過給機11と、インタークーラー13と、
給気管15と、吸気マニホールド17と、排気管19とを備える。
吸気マニホールド17は「給気マニホールド17」と記載すること
もできる。 エンジン1は、少なくとも水素燃料を燃焼させて動力を
発生する。本実施形態では、エンジン1は、水素燃料モードと、液
体燃料モードとを有する。水素燃料モードは、水素燃料を燃焼させ
てエンジン1に動力を発生させるモードである。水素燃料モードは、
例えば、エンジン1を水素エンジンとして機能させる水素燃焼モー
ドである。液体燃料モードは、液体燃料を燃焼させてエンジン1に
動力を発生させるモードである。液体燃料は、例えば、軽油又は重
油である。液体燃料モードは、例えば、エンジン1をディーゼルエ
ンジンとして機能させるディーゼルモードである。水素燃料モード
は本発明の「気体燃料モード」の一例に相当する。「気体燃料モー
ド」は、気体燃料を燃焼させてエンジン1に動力を発生させるモー
ドである。水素燃料供給管10は、気体状態の水素燃料をエンジン
1に供給する。具体的には、液化水素タンク3、気化器5、水素燃
料調整部7、及び、圧力検知部9が、この順番で、上流から下流に
向かって配置される。 液化水素タンク3は、液体状態の水素燃料で
ある液体水素燃料を貯留する。液化水素タンク3は、水素燃料の供
給源である。気化器5は、液化水素タンク3から供給される液体水
素燃料を気化して、気体状態の水素燃料を水素燃料供給管10に供
給する。なお、水素燃料は、圧縮された高圧ガスとして保管及び貯
留されてもよい。この場合、例えば、エンジンシステム100は、
液化水素タンク3に代えて、圧縮された高圧ガスとしての水素燃料
を貯留する圧縮水素タンクを備え、気化器5を備えない。 本実施形
態では、特に明示しない限り、「上流」は、水素燃料をエンジン1
の内部に供給する際の水素燃料の流れの上流を示す。また、「下流」
は、水素燃料をエンジン1の内部に供給する際の水素燃料の流れの
下流を示す。 エンジンシステム100は、エンジン1と、気体燃
料供給管10Xと、燃料流量調整部71と、燃料排出部72とを備
える。エンジン1は、少なくとも気体燃料を燃焼させて動力を発生
する。気体燃料供給管10Xは、エンジン1に気体燃料を供給する。
燃料流量調整部71は、気体燃料供給管10Xへの気体燃料の供給
を遮断することが可能である。燃料排出部72は、燃料流量調整部
71が気体燃料の供給を遮断した状態において、気体燃料供給管1
0Xに残留する気体燃料を、大気圧よりも大きい圧力の気体によっ
て気体燃料供給管10Xの外部に排出することで、エンジンに気体
燃料を供給する気体燃料供給管に残留する気体燃料を効果的に排出
できるエンジンシステムを提供する。
図1.実施形態に係るエンジンシステムの構成を示す図
【符号の説明】 1 エンジン 9 圧力検知部 10X 水素燃料供給
管(気体燃料供給管) 11 過給機 55 水素燃料供給部(気体燃
料供給部) 56 液体燃料供給部 71 燃料流量調整部 72 燃料
排出部 100 エンジンシステム 211 制御部
上図1のごとく、本発明の実施形態に係るエンジンシステム100
を説明する。図1に示すエンジンシステム100は、少なくとも気
体燃料を燃焼させて動力を発生する。気体燃料は、特に限定されな
いが、例えば、水素、アンモニア、又は、天然ガスである。天然ガ
スは、例えば、気化された液化天然ガス(LNG:)である。エン
ジンシステム100は、例えば、乗り物に搭載されるか、建造物内
に設置されるか、又は、屋外に設置される。乗り物は、例えば、船
舶、自動車、鉄道車両、又は、飛行機である。
図2.実施形態に係る水素燃料供給部を示す断面図
図3.実施形態に係るエンジンシステムを示すブロック図
図4.本実施形態に係るエンジンを停止する際のエンジンシステム
の各種状態の変化を示すタイムチャート
図5.実施形態に係るエンジンを停止する際の残留水素排出方法を
示すフローチャート
図6.実施形態に係るエンジンの運転モードを液体燃料モードに移
行する際のエンジンシステムの各種状態の変化を示すタイムチャート
図7.実施形態に係るエンジンの運転モードを液体燃料モードに移
行する際の残留水素排出方法を示すフローチャート
【発明の効果】
この発明では、エンジンに気体燃料を供給する気体燃料供給管に残
留する気体燃料を効果的に排出できるエンジンシステムを提供でき
る。
2.特許第7133819号 水素供給システム及び水素供給方法
【概要】
太陽光発電などで生み出した電力で水を電気分解して水素を取り出
し、その水素を燃料資源とする燃料電池や水素エンジンの開発や、
これらを搭載した水素燃料電池自動車や水素エンジン自動車などの
技術開発が進められている。蟻酸生成装置により大気中あるいは排
気二酸化炭素から人工光合成により蟻酸を生成して貯蔵し、常温・
常圧の脱酸素環境下で蟻酸を触媒反応により水素と二酸化炭素に分
解する蟻酸分解装置により、上記蟻酸生成装置から供給される蟻酸
を分解して得られる二酸化炭素を上記蟻酸生成装置に供給して二酸
化炭素を循環させるとともに、蟻酸を分解して得られる水素を外部
装置に供給する水素供給システムを先に提案している(例えば、特
許文献 特開2018-118877)。この水素供給システムでは、蟻酸生成
装置から供給される蟻酸を分解して得られる二酸化炭素を蟻酸生成
装置に供給して循環させるので、二酸化炭素を外部に放出すること
なく有効利用して、蟻酸分解装置により蟻酸を分解して得られる水
素をエネルギー源として外部装置に安全且つ効率よく供給すること
ができる。
しかしながら、水素は、反応性の高い気体であるため、輸送・貯蔵
が困難であり、その安定的供給のために、安全かつ低コストの輸送
・貯蔵技術を必要とする。水素の貯蔵方法としては、現在、高圧ガ
スとしてボンベ等に貯蔵する方法が一般的であるが、この方法は、
高圧ガス輸送時の安全性、容器の水素脆性等の問題がある。例えば、
エネルギー密度の低い水素を自動車の燃料として持ち運ぶには、数
百気圧もの高圧をかけなければならない。また、水素ガスを液体水
素の形で貯蔵する方法があるが、超低温にする必要があるため、一
般的ではない。また、水素の製造を工業的規模で考えた場合、通常、
水を電気分解して製造されるため、製造コストにも課題がある。
また、従来より、水素の貯蔵方法として、ギ酸(HCOOH)を水
素の貯蔵タンクとして用い、必要時にギ酸から水素を取り出すこと
が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。
ギ酸の製造方法として、例えば、水素ガスと二酸化炭素ガスを温度
20~250℃、圧力2~35MPaの条件に維持し触媒存在下で
ギ酸を製造する方法が提案されている。この特許文献4に記載の方
法では、高温、高圧にしたり、大規模な設備が必要となる。
そこで、光エネルギーにより、水を分解し、その際得られた電子を
用いて酵素等により二酸化炭素と水からギ酸を生成する人工光合成
による方法が研究されている。
また、二酸化炭素の存在下、ギ酸脱水素酵素を触媒とした酵素反応
を、ビオローゲン化合物又はビピリジニウム塩誘導体を電子伝達体
として用いて行うことを特徴とする、二酸化炭素をギ酸に変換する
方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この特許文献
5記載の方法でギ酸を生成するには、光増感剤、電子伝達体、触媒
を必要とする。
また、ギ酸を分解する方法としては、熱分解があるが、ギ酸を単に
加熱して熱分解することは、ギ酸の沸点(約101℃)以上の高温
を要するため、常時高温状態を保つことはコスト面等で問題がある。
ギ酸を触媒を用いて分解する方法もあり、例えば、シクロペンタジ
エン置換体からなる配位子ならびに窒素含有複素環式化合物からな
る配位子を有したロジウム単核金属錯体、その互変異性体もしくは
立体異性体、またはそれらの塩を含むギ酸分解用触媒や、複核金属
錯体、その互変異性体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を含
むギ酸分解用触媒が提案されている)。
しかしながら、特許文献6や特許文献7に記載されているような複
雑な構造式の触媒は合成が困難であるという課題があった。
また、ギ酸を含むガスと、酸素あるいは酸素を含むガスとを、ギ酸
分解用触媒の存在下で反応させ、ギ酸を水および二酸化炭素に分解
するギ酸の分解方法が提案されている。
このように、酸素存在下でギ酸を分解すると水および二酸化炭素が
生成し、水素が発生しない。したがって、ギ酸を分解して水素をエ
ネルギー源として用いる場合には、このような反応は副反応となり
望ましくない。
下図1のごとく、 水素供給システム100は、水と大気中あるいは
排気二酸化炭素から人工光合成により蟻酸を生成する蟻酸生成装置
50と、蟻酸生成装置50により生成された蟻酸を貯蔵する蟻酸貯
蔵タンク55と、蟻酸貯蔵タンク55から供給される蟻酸を、常温・
常圧の脱酸素環境下で、触媒反応により水素と二酸化炭素に分解す
る蟻酸分解装置60と、蟻酸分解装置60から供給される水素を燃
料として駆動する水素エンジン121と、水素エンジン121を駆
動源とする発電部121aとを有する発電機120とを備え、蟻酸
分解装置60から水素と分離されることなく供給された二酸化炭素
を発電機120を介して蟻酸生成装置50に循環させる。また、発
電機120により生成された二酸化炭素をギ酸生成装置50に循環
させ、陽光エネルギーを有効に利用して、水素をエネルギー源とし
て安全且つ効率よく供給することができる水素供給システムおよび
水素供給方法を提供する。
【符号の説明】10 蟻酸生成デバイス、11 基板、12 酸化チタ
ン微粒子、13 色素、14 メチルビオローゲン、15 蟻酸脱水素
酵素、20 水素イオン発生手段、22 高分子ビーズ、30 蟻酸生
成手段、40 流路、50 蟻酸生成装置、55 蟻酸貯蔵タンク、
60 蟻酸分解装置、61 貯蔵部、62 反応部、63 制御部、
100 水素供給システム、110 一般住宅、120 発電機、
121 水素 エンジン、121a 発電部、122 熱回収装置、
123 インバータ、130 貯湯タンク、140 太陽電池パネル、
1000 エネルギー供給システム
図9 本発明を適用した住宅用エネルギー供給システムの斜視図
【発明の効果】
本発明に係る水素供給システムでは、ギ酸生成装置において、大気
中あるいは排気二酸化炭素から人工光合成によりギ酸を生成して貯
蔵し、貯蔵されたギ酸を常温・常圧の脱酸素環境下で触媒反応によ
り水素と二酸化炭素に分解するギ酸分解装置により、上記ギ酸生成
装置から供給されるギ酸を分解して得られる二酸化炭素を上記ギ酸
生成装置に供給して循環させるので、二酸化炭素を外部に放出する
ことなく有効利用して、上記ギ酸分解装置によりギ酸を分解して得
られる水素をエネルギー源として外部装置に安全且つ効率よく供給
することができる。
本発明に係る水素供給システムにおけるギ酸生成装置では、水の分
解で生じた水素イオン及び電子と、空気中及び/又は他の機関から
排出された二酸化炭素を有効利用することができ、また、酸化アル
ミニウム微粒子により多孔質層を形成することで、色素分子の励起
エネルギーを奪うことなく、効率的にメチルビオローゲンへの電子
移動を達成することができ、水素源をギ酸に変換して貯蔵すること
ができる。
本発明に係る水素供給システムにおけるギ酸分解装置では、白金微
粒子を水溶性高分子 ポリビニルピロリドンにより分散させることで
、水と二酸化炭素が発生する副反応が生じることなく、効率的にギ
酸から水素を生成することができる。 したがって、本発明によれば、
太陽光エネルギーを有効に利用して、水素をエネルギー源として安
全且つ効率よく供給する水素供給システムおよび水素供給方法を提
供することができ、水素をエネルーギー源とする実用的な住宅のエ
ネルギー供給システムを実現することができる。
3.特開2023-82746 エンジン ダイハツ工業株式会社
【概要】
水素はエンジン周りでも漏洩する可能性があるが、エンジンは高温
になる部分があると共に電気部品やハーネス類も多数存在している
ため、水素が漏洩したときの危険性は高い。従って、エンジン周り
で水素が漏洩した場合の検出技術の必要性は高い。そこで、エンジ
ン周りでの水素の漏洩の検知手段として、特許文献1の考え方を適
用して、例えば車両のフード(ボンネット)の下面に水素検知セン
サを配置することが考えられるが、これでは、水素ガスが走行風に
よって飛ばされて検出できない可能性が高い問題や、漏洩した水素
ガスがエンジンの高温部に接触することは防止できない等の問題が
あり、安全対策としては不十分であると云える。
下図1のごとく、エンジンは、シリンダブロック1とシリンダヘッ
ド2とヘッドカバー16とを有しており、シリンダヘッド2には、
吸気ポート7、排気ポート8、吸気バルブ9、排気バルブ10、カ
ム軸14,15が設けられている。エンジンが直噴タイプの場合は、
燃料噴射弁20のノズル22が凹所6に露出して、点火プラグ25
はシリンダヘッド2の側部に配置している。ヘッドカバー16には
燃料噴射弁20の上部を囲う囲い枠部16aが形成されて、囲い枠
部16aが上カバー16bで塞がれており、上カバー16bに水素
検知センサ26を配置している。燃料噴射弁20から水素燃料が漏
洩すると、リアルタイムで検知できる。漏洩した水素燃料が外部に
拡散することはないため、安全性を向上させて実用化を促進する。
図1.第1実施形態の縦断面図
【発明の効果】
水素エンジンにおいて、水素は燃料噴射弁によって燃焼室又は吸気
ポートに噴射されるため、経年的な磨耗等により燃料噴射弁の周辺
からの漏洩が最も懸念される。然るに、本願発明では、燃料噴射弁
はカバーで覆われているため、燃料噴射弁の周辺に水素が漏洩して
も広く拡散することはない。従って、漏洩した燃料がエンジンの高
温部に接触して発火するといった事故を防止できると共に、カバー
で囲われた空間は狭いため、水素が漏洩するとこれをリアルタイム
で検知できる。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 2 シリンダヘッド 3 シリンダボア 4 ピス
トン 6 燃焼室を構成する凹所7 吸気ポート 8 排気ポート 9 吸
気バルブ 10 排気バルブ 16 ヘッドカバー 16a 請求項のカ
バーを構成する囲い枠部 16b 請求項のカバーを構成する上カバ
ー 20 燃料噴射弁 21 制御ユニット 22 ノズル 25 点火プ
ラグ 26 水素検知センサ31 デリバリ管 32 請求項のカバー
を構成する張り出し本体部 33 請求項のカバーを構成する張り出
し蓋部 34 請求項のカバー
4.特開2023-019927 水素エンジン用水素配管の車体支持構造 トヨ
タ自動車株式会社
【概要】
図2ごとく、水素エンジン用水素配管の車体支持構造20は、水素
タンク16から供給される水素を水素エンジン14に供給する水素
配管21,22の車体支持構造20であって、水素配管21,22
を保持し車体70に支持される保持部材30と、保持部材30と車
体70との複数の固定位置に設けられた複数の防振ゴム51,52
とを含む。複数の防振ゴム51,52は、バネ定数が互いに異なっ
ていることで、水素エンジン用水素配管の車体支持構造において、
水素配管の振動を抑制すると共に、水素エンジンシステムの構成部
材の設置位置の自由度を高くする方法の提供。
図1.実施形態の水素エンジン用水素配管の車体支持構造を含む車
両の下から見た模式図.
図2.図1のA-A拡大断面図
【符号の説明】 10 車両、12 水素エンジンシステム、14 水
素エンジン、16 水素タンク、18 デリバリーパイプ、19 イ
ンジェクタ、20 車体支持構造、21,22 水素エンジン用水素
配管(水素配管)、30 保持部材、31 クランプ、32 溝部、
33,34 係止片、35 突起、36 係止突部、40 プレート、
41 外板部、41a 端穴、42 中間板部、51,52 防振ゴム
、53,54 筒状部分、53a、54a 溝部、53b、54b
内周部、55 柱部、56 溝部、57 中心穴、60 エンジン室、
61 フロアパネル、70 車体、80 ボルト、80a 頭部、
81 ナット。
5.特開2023-55656 エンジンからの排気ガス内のNOx排出物を
変換するためのEATS ボルボトラックコーポレーション
【概要】
下図2のごとく排気ガス用の流路をもたらすための流体通路40と
、流体通路40内に配置された選択触媒還元SCR触媒32であっ
て、アンモニアを蓄えるように構成される、SCR触媒32と、ア
ンモニアをSCR触媒32に供給するために還元剤を噴射するよう
に構成された噴射装置34であって、SCR触媒32の上流に配置
される、噴射装置34と、エンジンが停止している時に流体通路4
0の少なくとも一部に流体流れを誘発させるように構成された流体
流れ誘発装置56,58と、還元剤を流体通路40内に噴射し、誘
発された流体流れによって還元剤をSCR触媒32内に運び、アン
モニアをSCR触媒32内に蓄えることによって、エンジン始動前
に事前調整するように構成された制御装置17と、を備え冷間始動
時におけるNOx排出物を低減する。
図2.例示的な実施形態に適用可能な図1のエンジン、EATS、
及び制御装置の概略的な例の構成を更に詳細に示す図
図2は、種々の任意選択的な構成要素及び更なる代替品を備える図
1のEATS20を更に詳細に示す概略図である。図2のEATS
20は、図1を参照して述べたように、流体通路40、SCR触媒
32、及び噴射装置34を備える。更に、EATS20は、DOC
30と微粒子フィルター、この実施形態ではDPF31とを備える。
DOC30は、DPF31の上流に配置され、一酸化炭素及び炭化
水素を二酸化炭素に変換するように構成される。DPF31は、S
CR触媒32の上流に配置され、微粒子、すなわち、ディーゼル粒
子状物質又は煤をディーゼルエンジン15の排気ガスから除去するよ
うに配置構成される 。
この項了
電動車時代の月炭素ビジネス ①
航続距離や寒冷地での使用、バッテリー寿命など性能面にはいかな
る課題があるのか。また、BEVの海外動向はどのようになっている
のか(日本電動化研究所 和田健一郎氏 via 環境ビジネス2023.sum )
航続距離の課題をどう解決するのか
電気自動車(BEV:Battery Electricvehicle)の普及にあたり航続距離が
障壁の一つだといわれているが、その状況は地域や車両の用途によ
って異なる。日本では2022年に軽BEV「日産サクラ」が大ヒット
しましたが、この車に搭載されたバッテリー容量は20kWhで満充電
時の航続距離は180km。実施したアンケート調査では、軽自動車の
用途は近隣ヘの買い物、通勤、子どもの送迎などが大半を占めてお
り、1日の平均走行距離は20km程度だとわかった。バッテリー残量
をある程度残した状態で充電するにしても、3~4日に一度の充電で
問題なく使用できます。
軽BEV以外に、一般家庭用、業務用などで使用されるのであれば、
航続距離400~500kmとされる「日産リーフ」の選択肢がある。なお、
遠距離を走る場合は、事前に充電インフラの位置を確認することが
望まれます。日本の場合、急速充電器の総数が不足していることに
加え、一箇所の充電スタンドに1~2基しか設置されていないため充
電渋滞を引き起こすケースが多く、それがBVE普及を妨げる要因の
一つとなっている 一方、1日に300~500km走るケースも多い北米
や欧州などでは、航続距離605kmのテスラの「モデルY」が販売台数
を伸ばしている。航続距離が長いということは、それだけ容量の大
きいバッテリーを積んでおり、価格も高くなる。自動車メーカーは
こうした地域の特性や車両の用途、価格とのバランスを考えながら
車種に応じて搭載するバッテリー容量を決めている。
航続距離の課題に対する解決策
中国の例に見るバッテリー交換方式などが挙げられます。同国では
、バッテリー交換式の乗用車およびトラックが増加し始めており、
整備も進んでいます。とりわけ、トラックに間しては、世界最大の
電池メーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)とトラックメーカ
ーが協働し、バッテリー交換ステーションの設計要件や配置を決め
ている。
例えば、鉱山から港に鉄鉱石を運ぶトラックなどは通るルートが決
まっているため、そのルート上に数力所バッテリー交換ステーショ
ンを設け、現在では累計500ヵ所程度まで設置が進みました。
通常、大型トラックの充電は急速充電器を使用しても5~6時間を要
すが、単純に電池を入れ替えるだけのバッテリー交換式であれば実
質2分ほどで全ての作業が完了する。 WeChat(インスタントメッ
センジャーアプリ)で事前に予約しておけば充電されたバッテリー
が準備されており、クレーンのような機械装置で交換を行う。
充電(バッテリー交換)に要する時間を短縮できるほか、経済的な
メリットもある。バッテリーレスでトラック本体は販売されるため、
車両自体の購入価格は安くなり、また運用費(バッテリーの交換費
用)も1ヵ月あたり2万円弱となる。
中国では並行して急速充電器の設置拡大にも取り組んでおり、北京
と上海を結ぶ高速道路で実証実験を行っている。この実証実験では、
充電出力900kWの急速充電器を使用しており、充電時間を1時間程度
まで短縮できる。超急速充電の実証試験という位置付けのため、費
用は政府が負担している。なお、量産時の超急速充電器の価格は定
まっていないが、初期は高価であるものの、導入により経済効果が
出てくると予想される。
寒冷地での使用における課題と解決策
寒冷地では、暖房の使用によりバッテリー容量が消費されるため、
実質航続距離は短くなる傾向にあります。例えば、外気温か-10℃
であれば航続距離は半分程度になるといわれている。欧州や北米で
は、各自動車メーカーが対策としてエネルギー消費量が大きい暖房
システムに、PTCヒーター(周辺温度を自己判断して動作する電熱線
補助ヒーター)、ヒートポンプ、ガスインジェクションヒートポンプ
テスラのようなオクトバルブ(室内の空調やリチウムイオン電池、パ
ワートレーン、電子制御ユニットなど、冷却・加温か必要な部品の
熱マネジメントの中核を担う部品)付サーマルマネジメントシステム
などを採用し、冬場の航続距離拡大を因っている。
興味深いのが、寒冷地として知られるノルウェーがBEV普及率世界一
だ。同国では、2022年の新車販売台数に対するBVEの比率が 株式会
社日本電勧化研究所代表取締役 e-mobilityコンサルタント.三菱
自動車入社後、 2005年から新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミー
ブ)」プロジェクトマネージャーなどを歴任。その後、日本電勧化研
究所を設立し、代表を務める。豊富な経験・知見を基に、国内外の
企業の支援、コンサルティングを行う。 90%近くまで上た。ノルウ
ェー でBEVがここまで普及したのは、インフラが十分に整備さ
れている点が大きい。全土に目本の3~4倍の数 の充電器が設置さ
れており、高速道路 では充電ステーション1ヵ所に対して充 電出
力200kW程度の急速充電器が6~ 8基ほど設置されている。暖房利用
によって、たとえ航続距離が減少したとしても、すぐに充電できる
ため、さほど大きな問題ではない、ノルウェーでは寒さでエンジン
オイルが固まらないように、以前からエンジン車にブロックヒータ
ーと呼ばれる充電式のヒーターが付いており、その電源コンセント
が各家庭の車庫や公共施設・飲食店などの駐車場に整備されていた。
現在では、このシステムをBEV:の充電に活用するとともに、バッテ
リーの凍結防止に役立てている。高速道路においては脇道や一般道
に降りられる逃げ道がたくさんあるので、何か問題が発生したとし
ても、すぐに対応できる。一方、日本の場合、遠く移動する点ばか
りに主眼が置かれている。BEV:の普及拡大を図るのであれば、ガソ
リン車を主流とする既存のシステムから離れた新たな視点で基準を
定め、インフラを整備していく必要があるのではないか。
バッテリー寿命に関する課題と解決策
日産リーフの場合、バッテリー容量「8年160,000km」保証しており、
その期間内に明確なバッテリーの劣化が見られれば新品バッテリー
に無償で交換すると公表している。他の自動車メーカーも似たよう
な保証を提供しているため、新車購入においてはバッテリー寿命が
問題になることはほぼないはず。
課題は、中古車として市場に出る場合です。中古車販売店やディ
ーラーがバッテリー性能の評価・保証を行うことになりますが、劣
化具合によっては買取価格がガソリン車よりも安価になってしまう
可能性がある。世界各地でBEVが急速に普及しており、その背景
には環境規制がある。欧州では今年2月、欧州連合議会が2035年に
域内で内燃機関の新車販売を事実上禁止する法律を正式に承認した。
特例事項として、2035年以降もe-Fue1(C02と水素を原材料として製
造する合成燃料)のみで走行する新車の販売を継続するための法的
ルートを作ると約束しましたが、e-Fue1の水素は再エネからつくるこ
と、二酸化炭素は大気から得ることなど非常に厳しい要件が課せら
た一方、米国では、カリフォルニア州が新ZEV規制と呼ばれる法
案を2022年秋に決定た。州内で販売される新車の35%を2026年まで
に、100%を2035年までにBEV、FCEV(Fue1 Ce11Electric vehide)、PHE
V(Plug-inHybrid Electric vehicle)にすることを義務付け規制です。非
常に厳しい内容であり、自動車メーカー各社はバッテリー調達など
さまざまな課題に頭を悩ませている。また、8月には「インフレ抑制
法(IPA法案)」がバイデン大統領の署名をもって成立た。これに
より、BEVにおいてはすべて北米で組み立てられた車両を購入した
場合、最大で7,500ドルの税額控除が認められることになります。
本案については、欧州、日本などから異論があがったため、米国
にて修正が続いていました。その結果、日本が主張していた重要鉱
物に関しては、米国が主張する「米国か米国のFTA締結国など」
に日本が含まれることで合意を得た。個々の車種は適合が確認され
次第、承認が得られた。消費者が安いほうを購入したいと考えるの
は当然で、この規制が自動車メーカーに与える打撃はかなり大きい。
欧米の市場からはじき出されたら生き残る道はほぼなく、自動車産
業の淘汰がついに始まった。各メーカーには対応が迫られている。
※兎に角忙しい。大仰に言えば、オイルショックの経験から、先端
技術本位制➲環境リスク本位制を想定したことは正解であったが、
「資源弱小国」が生き延びるには「最環境技術先進国」でなければ
ならないこと、「より高きをめざす!」を再確認した次第。
了 風蕭々と碧いの時
John Lennon Imagine
【 J-POPの系譜を探る:2015年代】
● 今夜の寸評:(いまを一声に託す) 先端技術で世界一をめざす
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備
え。(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
線状(戦場)の 集中豪雨 ザポリージャ
宇
※ジェノサイト際立つプーチン由来の動乱と一日に二回もの記録的
短時間大雨警報に、わが街の地縁連合自治会で奔走と後期高齢(家
仕舞い・墓仕舞い)の捌っている。これは弱り目に祟り目状態にあ
り、さらにその先に奈落の底が俟っているかもしれないと背筋が凍
る仕儀を詠む。
【今朝のレシピ:カジキサテとサテリリット】
インドネシアはサテの本拠地。文字通り何百もの順列がある。サテ
は、牛肉、鶏肉、山羊、豚肉、ウサギ、内臓、カメ、さらにはレモ
ングラスの棒に包まれたみじん切りのシーフードで料理が生まれ、
最後はサテリリットと呼ばれ、バリ島で生まれたと言われています。
via Sate House
高速酸素脱離反応を可視化
今年、5月2日、東京工業大学らの研究グループは、大型放射光施設
SPring-8を利用して、酸素貯蔵材料として有望な鉄酸化物の高速な
酸素脱離反応を100ミリ秒間隔で連続撮影し その中間状態の構造を
可視化することに成功している。
図1.層状ペロブスカイト鉄酸化物Sr3Fe2O7-δの酸素脱離反応の経
路が表面修飾ありとなしで異なる様子を示す。右上と左下のスペ
クトルは、それぞれの反応で得られるX線回折測定データの形状の
違いを示す。
3Fe2O7(δは酸素欠損量)は、ガス雰囲気制御によって大量の酸素を
高速に脱挿入することが可能であり、自動車の排ガス浄化などに利
用される酸素貯蔵材料として有望視されている。本研究では、水素
ガスを用いてSr3Fe2O7の酸素を引き抜く酸素脱離反応で起こる結晶
構造変化を、大型放射光施設SPring-8での一定の時間間隔でX線回
折測定を連続的に行う測定法。X線回折測定とは、物質にX線を照射
した際の回折強度を測定する手法で、物質の結晶構造を反映した回
折パターンが得られる。時分割X線回折測定によって観察したとこ
ろ、ある条件では酸素欠陥が無秩序に分布する動的な中間状態が存
在することを、世界で初めて確認した。さらに、試料表面への微量
物質の表面に小さな金属粒子を担持することによって、金属表面で
の化学反応を促進することができる。金属修飾の有無によって、酸
素脱離反応の経路が操作できることも明らかにした。
【展望】
この表面修飾操作は選択的に物質を作り分ける技術にも適用可能で
あると考えられ、さまざまな革新的な機能性材料の開発に,各種反
応の最適化や物質の構造設計にも役立てる。
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図1.各半導体材料の真性キャリア密渡と温度の逆数との関係
800℃超で安定動作する半導体素子
6月30日、筑波大学の研究グループは,窒化アルミニウム(AlN)半
導体を用いることで,ダイオードを82℃で,トランジスタを727℃
までの高温環境下で,安定に動作させることに成功。
【概要】
Si(シリコン、ケイ素)半導体は、あらゆる機器に使われており、
私たちの生活に欠かせないものになっています。しかし、Si素子の
動作可能温度は300℃以下に限られることから、地下資源掘削や宇
宙探索、エンジン周辺部といった300℃を超える環境での素子動作
が求められている。高温環境で動作する半導体素子を実現するには、
絶縁体に近い材料を用いる必要があります。現在、窒化アルミニウ
ム(AlN)結晶は、最も絶縁体に近い半導体の一つで、既に、AlNを
使ったダイオードやトランジスタの動作報告例が数多くある。また、
AlN素子が高温耐性に優れているという理論予測もあるが、電気特
性を調べる装置の性能上、素子動作が実証できるのは500℃以下に
限られていたが、900℃まで測定可能な電気特性の評価装置を用意し
、優れた結晶品質を持つ独自のAlN試料を用いてダイオードとトラ
ンジスタの作製および評価を行い、ダイオードは827℃、トランジ
スタは727℃での動作に成功した。また、AlN素子に対して、Ni(ニ
ッケル)電極が827℃でも安定して利用可能であることが分かった。
低価格かつ大面積試料が入手可能なサファイア基板上AlN層を用い
ている点と、シンプルな構造の素子で耐熱性を実現した点で、こ
のAIN素子は、実用性にも優れていると言える。
図2.今回作成したAIN SBDとAIM MESFETの構造
【成果】
本研究成果により、800℃を超える厳環境での半導体素子利用が可
能になった。この技術は、高温環境であるために制限されていた地
下開発や鉄鋼、宇宙・航空産業への貢献が期待されている。
【掲載論文】
1.原 題:Temperature dependence of electrical characteristics of
Si-implanted AlN layers on sapphire substrates ;サファイア基板上
AlN層の電気的特性の温度依存性
2.掲載誌:Applied Physics Express
3.【D O I】 10.35848/1882-0786/acdcde
相変化メモリの消費電力減に新材料
6月30日、東北大学材料科学高等研究所らの共同研究グループは、
二次元層状物質であるNbTe4 が、アモルファス/結晶相変化により、
一桁以上の大きな電気抵抗変化を生じることを発見。NbTe4 のアモ
ルファス化温度(=融点)は約450℃と極めて低いにもかかわらず、
その結晶化温度が約270℃と高いことが分かった。このことはNbTe4
がアモルファス化しやすく、かつそのアモルファス相が熱的にも安
定であることを意味する。さらにアモルファス/結晶相変化が数十
ナノ(ナノは10億分の1)秒といった極短時間で生じることを実証。
【要点】
1.二次元層状物質であるテルル化ニオブ(NbTe4)がアモ ルフ
ァス/結晶相変化(注2)により大きな電気抵抗変化を示すことを
発見。
2.従来の常識を打ち破る低融点かつ高結晶化温度の実現により、
実用のGe-Sb-Te化合物(GST)よりも約二桁の動作エネルギー低
減が可能。
3.省エネルギー、高速動作かつ高温使用を可能とする不揮発性メ
モリの新材料として期待。
図1.様々な二次元層状物質の融点と結晶化温度の関係。本成果の
NbTe4は、従来の二次元層状物質に比較して極めて融点が低いに
もかかわらず、200℃以上の高い結晶化温度を維持。 2D TMT:二
次元遷移金属テトラカルコゲナイド (2Dimensional Transition-Metal
Tetrachalcogenide, MX4, M:遷移金属元素, X: カルコゲン元素)
2D TMD:二次元遷移金属ダイカルコゲナイド (2Dimensional Tra-
nsition-etal Dichalcogenide, MX2, M:遷移金属元素, X: カルコゲン
元素)。
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PSIにPBSが結合した超複合体を精製
鉄欠乏条件で誘導するフィコビリソームと
光化学系I複合体の強固な結合
7月3日、静岡大学らの共同研究グループは、鉄欠乏条件下で培養し
たシアノバクテリアAnabaena sp. PCC 7120(以下アナベナ)から,
PSIにPBSが結合した,PSI単量体-PBSとPSI二量体-PBSの二種類の
超複合体を精製し,それらの分子特性を明らかにした。
【要点】
1.酸素発生型光合成の初期過程である光捕集に関与するフィコビ
リソーム(PBS)は、太陽光を捕集し光化学系タンパク質に伝達
2.鉄欠乏環境で培養されたシアノバクテリアから、光化学系I複
合体(PSI)にPBSが結合した超複合体を精製することに成功
3.鉄欠乏条件によりPBSとPSIが強固に結合することを見出す
【概要】
光合成に関与するタンパク質の特性を理解には、細胞から抽出して
精製する必要。PBSはとても不安定なタンパク質であり、細胞を破
壊することでバラバラになる。 今回、鉄欠乏という特殊な条件で
アナベナを培養することで、PBSとPSIが強固に結合することを偶然
発見。これまでの常識だけを信じて研究していたら、決して発見す
ることのない希少な現象と出会うことができる。
酸素発生型光合成は、太陽の光エネルギーを利用して水と二酸化炭
素から有機物を合成し、副産物として酸素を発生します。 シアノ
バクテリア、藻類、陸上植物が酸素発生型光合成を行うことにより、
酸素呼吸する生物は地球上で生活できています。酸素発生型光合成
を行う上で光捕集システムは欠かせない要素。 PBSは、シアノバク
テリアや紅藻が持つ巨大な光捕集タンパク質。 PBSは光を捕集し、
そのエネルギーを光化学系タンパク質に渡す。 PBSと光化学系タン
パク質の相互作用は弱いため、それらが結合した超複合体の精製は
困難なことが知られている。したがって、PBS-光化学系タンパク
質超複合体の分子特性は不明な点が多い。
【成果】
アナベナのPSIは、四量体、二量体、単量体として生体中に存在し
ていたが、今回、精製されたPSI-PBSは、生化学および分光学分析に
よって、PSI単量体-PBSとPSI二量体-PBSの二種類の超複合体であ
ることが明らかに。質量分析の結果、PBSの構成成分であるCpcL,
CpcC, CpcA, CpcBが検出された。また、Blue native PAGEによる分析
から、PSI画分にCpcLが残っていることを見出す。 一般的にはPBS
とPSIの相互作用は弱いため、Blue native PAGEにより、すべてのPBS
の構成成分がPSI画分から除かれてしまう。しかし本研究では、鉄欠
乏条件でアナベナを培養することで、CpcLとPSIの強固な結合を示し
た。
【展望】
光合成生物の光捕集機構を明らかにすることは、光合成全体の作動
原理の解明、さらには光エネルギー利用効率化へと発展。このよう
な知見を人工光合成研究に取り入れることで、高効率光エネルギー
伝達システムの構築が進展し、持続可能な社会の実現へ近づくこと
ができる。
【論文情報】
1.原 題:Tight association of CpcL with photosystem I in Anabaena sp
PCC 7120 grown under iron-deficient conditions
2.掲載誌:Biochimica et Biophysica Acta - Bioenergetics
3.D O I :https://doi.org/10.1016/j.bbabio.2023.148993
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What's Reservoir Computing(RC)
特徴 ①リアルタイム情報処理➲重みを調節する箇所が少ないから
学習が高速!
②省電・高速化 ➲シンプル故にデバイスの特化が容易
③物理的実装➲非線形及び短期記憶を条件で汎関数性
神経回路に類似したトランジスタの開発
Liイオンの酸化還元反応を利用➲ニューロモルフィックコンピ
ューティング実現に貢献
7月3日、東京理科大学と物質・材料研究機構はタングステン酸リチ
ウム(LixWO3)薄膜とリチウムイオン伝導性ガラスセラミック(LI
CGC)基板の酸化還元反応を利用し,神経回路に類似した電気特性
を再現できる新たなトランジスタの開発に成功。
【要点】
1.人工知能(AI)技術をはじめとしたコンピューティング技術の多
くは、莫大なエネルギーを消費するため、より環境負荷を低減し
た高性能なハードウェアの開発が急務となっている。
2.タングステン酸リチウム(LixWO3)薄膜とリチウムイオン伝導性
ガラスセラミック(LICGC)基板からなる全固体酸化還元型トラン
ジスタを開発し、物理リザバー(※1)として優れた性能を示すこ
とを実証した。
【概要】
著しい発展を遂げる高度なAIは,膨大なエネルギー消費が問題とな
っており,消費するエネルギーが少なく,かつ高精度で演算可能な
ハードウェアの開発が急務となっている。計算資源や消費電力を大
幅に削減できる技術として,物理リザバーコンピューティングに注
目が集まっている。現在までに,光学デバイス,スピントルク発振
素子,メモリスタなどさまざま材料やデバイスが報告されているが,
その性能については改善の余地がある。
そこで、過去に電気二重層トランジスタを物理リザバーに用いるこ
とで,脳の特徴を模倣した脳型情報処理を行なう技術を開発し,優
れた性能を報告している。この研究成果を基に,今回Liイオンの酸
化還元反応による電流応答が可能な酸化還元トランジスタの開発に
焦点を当てた。
電気二重層トランジスタでは,電気二重層の充放電に基づく電気応
答を利用するのに対し,酸化還元トランジスタではチャネルへのイ
オン挿入・脱離に基づく電気応答を利用する。 そのため,酸化還
元トランジスタを物理リザバーに利用すると,ドレイン電流とゲー
ト電流の非線形応答による二重リザバー状態となり,これが情報処
理性能の向上につながると考えられるという。
研究では,リチウムイオン伝導性ガラスセラミック(LICGC)基板
上にLixWO3薄膜を積層した全固体酸化還元型トランジスタの開発に
成功。この素子はゲート電圧を印加することで,ドレイン電流(電
子電流)とゲート電流(Liイオン電流)の非線形応答が得られ,二
重リザバー状態を実現することができる。
【成果】
これにより,単一リザバーよりも高次元性が付与されるので,計算
処理などの性能向上が期待される。この素子を物理リザバーに用い
ることで,ニューロモルフィックコンピューティング(脳の神経回
路を模したコンピューター技術)を実行できるとしている。 今回,
実際に,二次非線形動力学方程式や非線形自己回帰移動平均(NAR
MA2,)タスクにおいて,従来報告されているデバイスよりも優れた
性能を示した。また,ドレイン電流とゲート電流を組み合わせるこ
と(二重リザバー)で,高次元性と記憶容量の両方が向上すること
を明らかにした。
【展望】
ニューロモルフィックコンピューティングにより,電子機器の情報
処理性能の向上や使用エネルギーの低減が期待できる。
【関連論文】
1.原 題:A Redox-based Ion-Gating Reservoir, Utilizing Double Re-
servoir States in Drain and Gate Nonlinear Responses
2.掲載誌 : Advanced Intelligent Systems
【最新光触媒特許技術】
今回は、二酸化炭素から炭化水素化合物製造システムのリサーチ。
1.特開2023-85472 燃料および燃料の製造方法
【概要】原料を共処理する流動式接触分解装置の生成物を含む燃料
であって、上記原料は、i)石油留分;および、ⅱ)上記石油留分
の重量に対して0.05~20重量%の非濃縮再生可能燃料油を含
み、上記非濃縮再生可能燃料油は:セルロースバイオマスの粉砕、
および触媒によらない迅速熱処理により当該セルロースバイオマス
の少なくとも60重量%が上記非濃縮再生可能燃料油に変換される
ことによる生成物を含み、かつ無湿ベースにおいて少なくとも40
重量%の炭素含有量、および無湿ベースにおいて20~50重量%
の範囲内の酸素含有量であり、上記共処理は、上記酸素含有量の7
4.6~94.1重量%を水に変換することを特徴とする燃料で、
石油留分原料および再生可能燃料油原料から生成される燃料組成物
、およびその製造方法を提供。
2.特開2023-058547 光触媒リアクタセル
【概要】図1Aのごとく、光学的に透明な筐体110の内部に配置
された触媒担体120上に、プラズモン光触媒を備え、少なくとも
1つの反応物質入力130と少なくとも1つの改質物出力140の
ための少なくとも1つの輸送経路にセルを取り付けるように構成
された取り付け具160をさらに備え、1または複数のパッキン
支持部150をさらに備たリアクタセルとした、人工または自然光
源を利用した効率的なリアクタセルを提供。
3.特開2023-54701 円筒型光触媒セル
【概要】図1のごとく、内径Dが0.8cm以上である光透過性を
有する円筒型の容器に複数のガラス粒子により形成された多孔性の
ガラス粒子担体及び光触媒が収容され、前記円筒型容器の側面から
該円筒型容器の直径方向に光を照射したときに、照射光量に対する
透過光量の比(透過光量/照射光量)が0.05%以上10%以下
であることを特徴とする円筒型光触媒セルで、例えばBiVO4を
人工光合成用等の光触媒として使用する場合において、その取り扱
い性を改善することができると共に、高い光触媒活性を達成して光
の変換効率を高めることが可能な円筒型光触媒セルを提供。
4.特開2023-051595 水分解光触媒に用いられる半導体粒子とそれ
を用いた光触媒並びにそれらの合成方法
【概要】図1のごとくチタン酸ストロンチウムを含む半導体粒子に
助触媒が付加されて成り、光照射により水分子が酸素分子と水素分
子とに分解する水分解反応を惹起する光触媒に於いて、半導体粒子
にスカンジウムがドープされる。その光触媒のための半導体の合成
方法は、塩化ストロンチウム(SrCl2 )内にてチタン酸ストロン
チウム(SrTiO2 )と酸化スカンジウム(Sc2Cl2)とを混合し
て焼成することによりスカンジウムがドープされたチタン酸ストロ
ンチウムを含む半導体粒子を合成する工程を含み、光による水分解
反応に於いて、できるだけ安定的に高い量子効率を達成する光触媒
であって、大量合成と実用化に適した光触媒を提供できるようにす
る。
5.特許7179405 CO2・H2O(二酸化炭素水)を光触媒で酢酸(
エタン酸)、蟻酸(メタン酸)の存在比率を分別する生成方法
【概要】 図1のごとく、原資を構成するCO2・H2O(水溶性
二酸化素)を酢酸と蟻酸に変換する、光触媒スラリーにタングステ
ン(W)、銅(Cu)、色素金属錯体モノマー、ポリマー合成体、
ラジカル電子受容体にエレクトロクロミズEC素子、脱水素反応酵
素で組成の担持体に、メゾ多孔質シリカ微粉末、複合金属板、有機
合成材の単独、また複合体を指名し、該多孔量子ドットの被覆層aと、
酸化還元触媒スラリーの複合層bで、該触媒を構成し、CO2・H
2Oを酢酸、蟻酸生成の存在比率分別機能を有する光触媒と該触媒
付帯の反応装置を提供し、CO2・H2O(二酸化炭素水)を照射
光と触媒の光化学合成法で、H2とCO2を変換、有機酢酸(エタ
ン酸)と蟻酸(メタン酸)とする装置および方法を提供する。
図1.形態図1に示す光触媒バンドギャップを示す複層式の摸式
構造図
図4 実施の形態1における光触媒作製順位を示す工程図
図5.蟻酸、酢酸の生成実施に係る収量を示す表の形態図
図6 蟻酸、酢酸生成実施に係る構成の一例を示す説明摸図
図7.光合成装置ラインを示す模式的構図を示す図
【符号の説明】1~基板(メゾ多孔体酸化珪素、活性炭素複合体、炭化珪
素、酸化加工アルミニウム板)2~a.一次化合物躯体層(陽極)3~b.
二次化合物躯体層(陰極)4~アルコール/アルデヒド脱水分解酵素類
5~金属錯体種トリス(2)ビピリジン塩種誘導体(電極)、EC素子類 6~
有機溶液プライマー7~太陽光源採光伝送器及、及び人工LEDランプ光
源 8~光触媒・基板の設置固定ネット具 9~CO2供給と充填ミセル調
整装置 10~CO2・H2Oミセル混合水取入れ口 11~光合成反応装置
及び生成物保存槽 12~生成物の取り出し貯槽と係る分離膜装置、生成
物貯蔵槽 13~メタン酸貯蔵物を脱水素装置経由、燃料水素変換槽へ
送配管の付帯機器 14~水素注入反応装置(燃料電池)15~分離残留
炭酸ガスを反応装置へサイクル送配管
【特許請求の範囲】
【請求項1】 原資を構成する二酸化炭素包含ミセル水溶液から、酢酸お
よび蟻酸を光化学反応により生成するための光触媒を付帯する光電子
反応装置において、表層の一次化合躯体層a(陽極)が、受光を圧電子に
変換する電極受容体を包含すること、二次躯体層b(陰極)が、光半導体
スラリーを包含すること、三次躯体層cが細孔状の量子ドットが構築され
た基板である光触媒を付帯する光子電子反応装置。
【請求項2】 前記三次躯体層cは、2nm以下の細孔径を有するメゾ多孔
体であり、酸化珪素、炭化珪素、合成樹脂、活性炭素を9/1乃至1/
9の割合で有する配合物のいずれか1つからなることを特徴とする請求
項1の光触媒を付帯する光子電子反応装置。
【請求項3】 前記二次駆動体b(陰極)は、前記光半導体スラリーとして、
酸化還元伝導性機能を発揮する三酸化タングステン(WO3)、銅(Cu)お
よびニッケル(Ni)を有することを特徴とする請求項1の光触媒を付帯す
る光子電子反応装置。
【請求項4】 前記表層の一次躯体層a(陽極)電極受容体は、トリス金属(
2)ビピリジン塩誘導体であるトリスルテニウム(2)ビピリジン塩誘導体と
トリス鉄(2)ビピリジン塩誘導体とを選択し、効率的に蟻酸を生成するた
めにメチルビオロゲン化合物と、効率的に酢酸を生成するためにエチル
ビオロゲン化合物とを選択し、アルデヒドを脱水素変換するためにアルデ
ヒド脱水素酵素(ADH)を選択することを特徴とする請求項1の光触媒を
付帯する光子電子反応装置。
【請求項5】 前記二次躯体層b(陰極)を形成する半導体スラリーの質量
は、前記一次躯体層a(陽極)を形成する電極受容体の質量配分率1に
対し、50倍の質量配分とすることを特徴する請求項1-3の光触媒を付
帯する光子電子反応装置。
【請求項6】 二酸化炭素包含水溶液を酢酸および蟻酸に変換するために
用いる光子電子反応装置であり、光源・入射口と、混合液調整撹拌機、
アニオン、カチオン電極に対応の光触媒体、CO2・H2O注入口と、生成
物取出口とを備え、分離膜槽、同分別保管槽、CO2ガス再生配管とを具
備する請求項1の光触媒を付帯する光子電子反応装置。
【請求項7】 予め、効率的に蟻酸を生成するためにメチルビオロゲン化合
物と、効率的に酢酸を生成するためにエチルビオロゲン化合物との比率
を変更する請求項1または請求項4記載の光触媒を付帯する光子光電子
反応装置。
【実施例1】
メタン酸(蟻酸)、エタン酸(酢酸)の生成にかかわる副触媒作用を成すス
ラリーにメチル、エチルアルコール脱水素酵素菌0.08mg/ml、金属種
錯体類トリス(2)ビピリジン誘導体(電極)、Ni4を0.04mg/mlと、有機
溶液化合物を1.3mg/mlの計量混合液で、計測した金属錯体トリス(2
)ビピリジン塩誘導体、ニッケル微粒子とアルデヒド脱水素酵素(ADH、A
LDH)に対して、25wt%包含の有機溶液71mg/mlのWO3微粒子とC
uナノ微粒子(-)の(b)を包含の分散ゾルを有機溶液プライマーと均等に
撹拌し、混合分散に調合のゾルで、予め、で50×50mm型枠で構成のメ
ゾ多孔体酸化珪素と活性炭素複合物の細孔1.4nmで接合(a)WCL(
+)と、ドット構成2の基板上に前記材で被覆層を施し、前記基板を基板
設定の特設固定の手段を採用し、酢酸、蟻酸生成のプラントを構築する
。尚、Aアルデヒド脱水素酵素3、及び、金属錯体種トリス(2)ビピリジン
塩誘導体の金属錯体をNi4とBプライマー混合率の向上率は、A、1に対
し、B、20の配分を施した。
【効果】
前記、エタン酸(酢酸)、メタン酸(蟻酸)の生成反応装置に、存在比率に
対応の光触媒種と、CO2・H2Oの水溶液ミセル化に、錯塩のエチレンジ
アミン、炭酸マンガンを包含の前記CO2・H2Oの電解水溶液ミセルであ
り、波長420nmの可視光線を光触媒に距離20乃至50cmの距離を維
持した照射効果で、エタン酸(酢酸)とメタン酸(蟻酸)の生成量をプロット
し、効果は図5に示す。前記生成反応槽内のCO2・H2O(ミセル水溶液
混合体)、及び、EC反応素子類、アルコール、アルデヒドの脱水素反応
酵素の質量1、質量2に活用の触媒分別と、可視光線370nm≧の照射
で、CO2・H2Oから生成物の収量を図5に示す。
(比較例1)
本発明のプロセスは酢酸(エタン酸)、蟻酸(メタン酸)生成の単純化を図
る事を前提としたものであり、光触媒技術は所要のスラリーを、触媒と助
触媒に二分割の多層型推積の既知方式を実施した。
そのため、予め、基板1と成す素材の基板上に、所要の前記スラリー金
属酸化分散液6の塗布と乾燥に真空乾燥の工程で、乾燥と固着を促進し
その後に光電子伝導体の酸化還元素子を包含するプライマー溶液6で
包含したゾル化で、前記基板1に被覆のWO3の金属酸化膜層部の積重
に複数回の塗布と、乾燥に係る照射に耐久と対抗性を示した。前記光触
媒は、メゾ多孔体シリカ、活性炭素の細孔内1に光触媒スラリーで形成の
光触媒構成図3である。
具体的には、比較例1の光触媒は、以下のように作製される。平均1.4
nm径を有する、前記メゾ多孔体酸化珪素と活性炭複合体又は炭化珪素
1を、WCLを2(20重量%)包含ゾルに浸漬等の方法を実施し、引き続き、
前記メゾ多孔体酸化珪素、活性炭素の複合体1を乾燥後、再度、膨張劣
化防止の完成度を高める為に減圧乾燥を施した後に、550℃で3時間の
焼成を得て、プライマーを完全に除去する初段を用いて、比較例1の光触
媒を得る光触媒の作製工程を図4に示す。 図1は、多孔質無機複合体
多孔層体内に注入された三次化合駆体層(陽極)のWCLを包含の塩基
性ゾル溶液の量子ドット2が、基板1上を被覆の前記のWCLと会合する
二次化合躯体層(陰極)を構成する WO3微粒子半導体3との一体化で、
電子正孔対でドットに生じる空間的な電荷分離停滞にかかわる課題を前
記2と3の一体化で、陽極(+)と陰極(-)の伝導体の間に電子の流れを
作り出し、正孔解消の方法である。
(実施の効果)
前記を予め、アルコール系水溶液プライマー6で抱合し、前記WO3半導
体微粒子3の径20nmにアルデヒド脱水素分解ADH酵素4、金属錯体種
トリス(2)ビピリジン塩誘導体5にNiの一次光源反応層物質、二次光源
反応層物質の準位に拘ることなく、一括包含して、前記プライマー固溶液
6中に、WO3微粒子3、アルコール.アルデヒドの脱水素分解酵素ADH
4、金属錯体種トリス(2)ビピリジン塩誘導体、Ni誘導体5の全物量を規
定秤量で配分したスラリー混成ゾルゲルを基板1と細孔の量子ドット2の
上に、塗布と被覆乾燥を施す工程で触媒の個別推積層法を用いて、複
数回所要の推積と乾燥の工程を減じ、CO2・H2Oを変換して、メタン酸、
エタン酸の存在比率での実用収量の大幅な収量生成スピードと、精度の
向上化を達成した。この実態はコストの削減と生産性の効率化に寄与す
るものである。
(比較例2)
図2は、前記説明の如く、基板を除く、スラリーを包括して、塗布の方式を
踏襲した実施例であり、予め、基板上に有機溶液プライマー6にWO3微
粒子3を比較例1同様に含有の分散液を、載せた前記プライマー6を発散
乾燥させて、該WO3を基板1に固着、前記アルデヒド脱水素分解酵素4
、金属錯体トリス(2)Feビピリジン塩誘導体5の包含に用いるアルコール
系有機溶液プライマー6で、アルコール、アルデヒド脱水素分解酵素4、
WO3化合物3の混合ゾルを、前記基板上1に固着のWO33の層上を前
記混合ゾルで被覆し、該プライマー6の気化で発散乾燥の組成物で、エタ
ン酸、メタン酸を生成に用いる方法であり、再塗装、再焼結、再乾燥を省
略した。 (実施の検証) 正孔を有する事無く、スラリーを分割して、基板上
の積層被覆は基板との接合密着が緩やかであり、度重なる積層と乾燥工
程での塗布加工精度維持に、積層工程の負荷は少ないが、光触媒の酸
化、溶融性の負荷が、光触媒性能の持続性機能に課題を残した。
(比較例3)
比較例3における光触媒は、前記構成の基板上に光触媒材に金属種錯
体にトリス(2)Ruビピリジン塩で実施した。具体的比較例3における光触
媒は、以下のような生成手段を講じた。前記メソ多孔体シリカと活性炭の
複合基板1の上に、WCLを包含の塩基性水溶液2(20wt%)に浸漬処
理後に、前記メゾ多孔複合体1を乾燥と洗浄、更らに減圧乾燥の後に、
550℃で3時間焼成の結晶化と固着カを強化の基板上に前記触媒スラ
リー混合体ゾルを均等な塗布と乾燥で、比較例3の光触媒を得る方法で
ある。
(実施の検証)
前記比較例3における光触媒吸光吸収端の数値は4.1eVを示し、前記
比較例1と同様の数値を示し正孔は存在しない。以上から比較例3の光
触媒では、基板の複合体2に形成の細孔径に拘らず、比較例1に類似ま
たは同程度の量子ドット2が形成されたものと推測される。一方、比較例
3に於ける光触媒では、量子ドットの界面に触れていないWO3に起因す
る前記の吸収数値痕が見られなかったことから細孔外部には、ドット界面
と不接触のWO3の3は皆無であり、比較例3での光触媒は、比較例1
と同じく前記メゾ多孔複合体2に形成される細孔内部にのみ、存在するW
O3の3で構成の量子ドット2が形成されたものである。従って、比較例3
では乾燥と燃焼工程を一工程に留めたが、ほぼ実施例の比較例1に近
い機能を示した。
【産業上の利用可能性】
前記の工程図7で、生成のエタン酸、メタン酸のうち、メタン酸は水素本体
に代わる燃料搬送、保存剤として、水素化で空気中の酸素との化合反応
で電気と熱と水に再生し、照明、動力エネルギーまた熱利用で、低廉なエ
ネルギーの供給が期待できるカーボンニュートラルであり、二酸化炭素C
O2を原資の再生化で低廉なエネルギーの供給が期待できる。前記、酢
酸(エタン酸)は工業製品基礎材の用途に従来から大きな市場性を有す
る重要な素材であり、食品、日用雑貨、化粧品、薬品、染料、工業用洗浄
剤、殺菌消毒剤、有機合成樹脂素材の産業分野に広く再活用が期待で
きる。
6.特開2011-62665 可視光応答性光触媒の改質方法及び改質され
た可視光応答性光触媒並びに該光触媒を用いた有機物の分解方法
と該改質を実施する装置
【概要】
光触媒に酸化チタンを用いて気相中のトルエンの分解反応を行った場合
湿度が高いとトルエンの分解速度が向上するという報告があるが、可視
光応答性のタングステン化合物光触媒に関しては湿度の影響などの水
分の効果は知られておらず、水分が酸化チタン以外の光触媒反応にど
のような影響を与えるかは不明であった。 また一方で、光触媒表面に液
相状態で存在する水分の影響については、トルエンのような疎水性の有
機物の分解の場合には、触媒の表面に水の液膜が存在すれば分解対象
の有機物が接触しにくくなり、かえって活性が著しく低下するという考えも
ある。しかし可視光応答性のタングステン化合物光触媒に関してはこのよ
うな液相状態の水の影響も全く知られていない。酸化タングステンなどの
タングステン化合物、さらには助触媒を添加したそれらのタングステン化
合物からなる可視光応答性光触媒については、水分添加または湿度の
制御等により光触媒を改質することで可視光照射によってトルエン等の
有機物を二酸化炭素にまで完全に分解する速度を著しく増加させること
ができることを見いだした。
下図1のごとく、水分を添加することや湿度を制御することで光触媒表
面を改質した状態で作用させることによって、酸化タングステンなどのタン
グステン化合物または助触媒を添加したタングステン化合物からなる可
視光応答性光触媒を用いて可視光照射下でトルエンなどの有機物を二
酸化炭素まで完全に分解する速度を向上させることができる。トルエンな
どの芳香族化合物を、酸化タングステンなどのタングステン化合物または
助触媒を添加したタングステン化合物からなる可視光応答性光触媒を用
いて可視光照射により分解除去しようとする場合、二酸化炭素にまで分
解する速度を速くする方法を提供する。
図1.被処理気体を水中でバブリングすることで、分解対象の物質ととも
に水分を可視光応答性光触媒に供給して改質する装置の一例を模
式的に示す図
この項つづく 風蕭々と碧いの時代
John Lennon Imagine
【 J-POPの系譜を探る:2014年代】
● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)
明日に架ける意志力は在るか 自分革命!