NAO日和

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<2月の鑑賞予定映画>

「1ST KISS ファーストキス」「ショウタイムセブン」「ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻」「ゆきてかへらぬ」「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」「デュオ 1/2 のピアニスト」

「トウキョウソナタ」

2008年10月18日 | 邦画

~ボクんち、不協和音~

公開早々に行きましたが、記事にするのがすっかり遅くなってしまった・・・。

2008年 日本・オランダ・香港 合作/ピックス配給 (08.9.27公開)
[監督][脚]黒沢清
[脚本]マックス・マニックス 田中幸子
[音楽]橋本和昌
[出演]
香川照之・・・・・・佐々木竜平 (リストラされたことを家族に言えない、父)
小泉今日子・・・・佐々木  恵 (ドーナツ作っても食べてもらえない、母)
小柳友・・・・・・・・佐々木  貴 (アメリカ軍に入隊する、お兄ちゃん)
井之脇海・・・・・・佐々木健二 (こっそりピアノを習っている、小6のボク) 
役所広司・・・・・・強盗犯    (佐々木家に侵入する泥棒)
井川遥・・・・・・・・金子先生  (健二のピアノの先生) 
津田寛治・・・・・・黒須     (リストラされた竜平の友人)
児島一哉・・・・・・小林先生  (健二の担任)

<見どころ>
東京を舞台に、4人家族の崩壊とかすかな希望を描いた、
黒沢清監督の人間ドラマ。
日本が直面している社会問題を、独特の緊迫感でサスペンスフルに描く
黒沢の演出に注目。 カンヌ映画祭“ある視点”部門で審査員賞を受賞。

<あらすじ>
東京のある町にマイホームを構える佐々木家。
父親の竜平(香川照之)は、会社をリストラされた事を、家族に切り出せない
ままでいた。そんな彼の2人の息子もそれぞれに秘密を抱えており、
さらに妻の恵(小泉今日子)が強盗事件に巻き込まれてしまう・・・。

<感想>
配役のセリフ、一言一言が、重く突き刺さる作品でした。

物語は、すでに家族の「不協和音」が生じ始めた家族のお話。
どこにでもあるような家庭が、ひょんなことで崩壊していく姿を見ていると、
なんだか人事には思えないようなある種の怖さを感じます。

リストラされた父(香川照之)は、家族に言えずにスーツを着て
公園へ毎日配給をもらう毎日。職なしになってもスーツを着ることに
こだわる姿は、ある種哀れにも映ります。
 
 
専業主婦の母(小泉今日子)は、平和そうに見えるが、毎日がなんとなくに
過ぎていく。保険証があるのに、わざわざちゃんとした?身分証ほしさに
免許証をとるところが、ポイント。
同じ繰り返しの毎日に,自分なりの変化を付けようといろいろ動くのに
家族は知らん顔。 ぶっ飛んだ行動に出てしまうのは理解できないが
沸々と不満が募っていく様は、リアリティがあり、少し共感がもてました。

長男(小柳友)は、両親の反対を押し切ってアメリカ軍に入隊。
次男(井之脇海)は、ピアノを習いたいが親に反対され、なんと給食費を
踏み倒して、内緒でピアノを習いに行く。
  この子、とにかく演技がうまかった。
当然、、ピアノ教室とかのシーンが出てきましたがなんだか突っ込み満載。^^;
はき出しの窓全開にして、ピアノのレッスンするかな~?(都内だよ)
親に会わずに、子どもの言い分だけで、レッスン費もらうかなぁ~先生。
っていうか、親にも会わずにレッスン開始しちゃっていいのかね?

この作品で目に付いたのが、食事のシーン。で、会話があまりない。
美味しいのかな?美味しくないのかな?それすらの会話もない。
意図的な演出だと思うが、こんなにおいしくない食事シーンも珍しい。

全体的に見ると、この作品で描かれる家族・社会の問題は今の日本で
起きている問題でもあります。 子供部屋に入らない親、コミュニケーション不足、
お互いを理解しようとしない家族関係。それでも、「家族」なんだ、ということを
伝えているような作品に感じました。

後半、役所さんが出てきたあたりから、あれ?と思うような展開でしたが
ラスト、健二の入学試験で弾くドビュッシーの「月の光」で、そんなツッコミは一蹴。
 
音と映像がマッチするとは、このことですね。
ラストは、間違いなく名シーンとして残ると思うような仕上がりです。
映画「愛人~ラ・マン」のラストで弾く、ショパンのワルツと匹敵するぐらい
すばらしいシーンです。

健二を演じた井之脇くんは、実際ピアノが得意だそうですが映画ではふき替え。
でも、本当に弾いているような演奏でした。
ふき替え担当は、高尾 奏之介くん(中1)。見事な演奏でした。
このシーンで、なんだか全てのものが浄化されたような感じを受けました。
ただ、入学試験のシーンだけど、これ試験会場って雰囲気じゃない。
あんなに人がうじゃうじゃ集まらんでしょう??

現代が抱えもつ問題を捉えているのだけど、どこかリアリティがない
(まったくないよね^^;)場面もあり、鑑賞後、なんだか不思議な感覚でした。
意図的にそうしたのかどうかはわかりませんが、ちょっと好みが分かれる
作品かもしれません。

点数:7点 (10点満点)

コメント
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