<2月の鑑賞予定映画>
~シロか、クロか~
春休みに入ると身動き取れないので、忙しい中行ってきました。
2009年 日本 東宝配給 (09.3.7公開)
[監督]中村義洋 [脚本]斉藤ひろし、中村義洋
[原作]海堂尊 (宝島社刊)
[音楽]佐藤直紀 [上映時間]123分
[出演]阿部 寛・・・・・・・・白鳥圭輔 (大臣官房秘書課付技官)
竹内結子・・・・・・・・田口公子 (心療内科不定愁訴外来医師)
堺 雅人・・・・・・・・速水晃一 (救命救急センター センター長)
山本太郎・・・・・・・・佐藤拓馬 (救命救急センター 副センター長)
羽田美智子・・・・・・花房美和 (救命救急センター 看護師長)
貫地谷しほり・・・・・如月翔子 (救命救急センター 看護師)
高嶋正伸・・・・・・・・沼田利博 (精神神経科准教授)
尾身としのり・・・・・・三船啓二 (事務局長)
野際陽子・・・・・・・・藤原真琴 (不定愁訴外来 看護師)
<見どころ>
『チーム・バチスタの栄光』の名コンビ、窓際医師・田口と
厚生労働省の役人・白鳥が再登場!前作から1年後の東城大学付属病院で
起こった殺人と収賄の疑惑。
“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”の異名を持つ渦中の人物・速水はシロか、
それとも……。竹内結子、阿部寛が続投するほか、物語の鍵を握る
速水役を堺雅人が務める。(シネマぴあ)
<あらすじ>
ある日、東城大学付属病院に勤務する田口(竹内結子)の下に
「救命救急センター長の速水(堺雅人)が特定の業者と癒着している」との
怪文書が届く。彼女は院内調査を開始するが、相変わらず調査は進まない。
そこへ役人・白鳥(阿部寛)が再び現れ……
<感想>
「チームバチスタの栄光」の続編で、事件から1年後の話が今回の映画。
今回も、窓際医師:田口(竹内結子)と偏屈な厚生労働省役人:白鳥(阿部寛)の
凸凹コンビが真相究明にあたる。
前作が、いまひとつだったので、どうしようか・・と思っていたのだが
原作を読んだ友人が、「こっちの方が面白かった」と話してたので
それを信じて観ましたが、確かに今回のほうが良かった。
今作は、“救命救急センター長:速水(堺雅人)が医療機器メーカーと癒着している”
という内容の怪文書を受け、二人が調査していく。
調査開始から程なく、医療メーカーの人間が病院の屋上から飛び降りて死亡。
それが自殺か殺人かという謎も加わっていく。
二人の珍妙なやりとりは相変わらずで笑えたが、どっちかっていうと
今回、この2人は脇っぽい印象。
やはり、“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”の異名を持つ
センター長:速水を演じた堺雅人の存在がとにかく大きい。
穏やかな表情の中に見せる挑発的・攻撃的・不気味な笑顔。
この演技力はすごい。
映画は、「人手不足」「救急車の受け入れ」「病院経営」など、
日本の医療が抱えている問題をリアルに描いている。
速水は、どんな患者でも受け入れる医者。患者からみれば「良い医者」。
しかし、救命救急患者は利益が上がらない“お客様”。
それをホイホイ引き受ける速水は、病院経営側から見れば「悪い医者」。
加えて、事件の方でも疑われる立場になるから、難しいキャラだよね。
この辺の見せ方が、かなり面白かった。
後半、大きな事故が起き、病院内が巨大な救命救急医療の場になるのだが
この様子は、なんだか「コード・ブルー」に似ていたような・・・・。
ミステリー自体はちと薄く、うさんくさいキャストを見れば、だいたいどの人が
怪しい・・というのは、けっこう始めの段階でわかっちゃったな。
今回思ったのが、救命救急って他の科とまったく別物なのね・・ということ。
いつ何時患者さんの要請がくるかわかない、人がいなくても受け入れなくては
いけない場合もある。映画を見ていて、日々戦いの毎日なんだ・・と感じた。
そのあたりの様子はかなりリアルに撮れていてよかった。
とにかく最初から最後まで、堺雅人さんの演技に釘付け。
来年のアカデミー賞、助演男優賞になってもいいぐらいの感じ。
彼の演技を見るだけでも、この映画の価値はありかも?
で、今回はすっかり脇役って感じの凸凹コンビ。
最後の最後で、「そうか、そういやこの2人が主役だっけ~」というような
オチ的終わり方は、なんとなく納得しちゃった。
点数:8点 (10点満点)