先日、岸田さんご持参が谷内一郎さんから貰ったものだと言って、谷内さんが殆どその別荘にいる軽井沢の名物、丸山コーヒー豆を下さった。そのお礼を谷内さんにメールでしたところ、今回、8月1日の助っ人で来てくれた谷内さんが、また、丸山コーヒー豆を土産に持って来てくれた。昨日その袋をたまたま、見たら、7月23日付け朝日新聞のオピニオンという欄で、「私の視点 沖縄追悼式での菅首相 筋違いの感謝やりきれない」という題で、東京外国語大学教授(現代外交論)山田文比古氏が、菅直人首相の6月23日沖縄全戦没者追悼式での「おわび」と「アジア太平洋地域の平和と安定につながってきたこと」に対する「率直にお礼の気持ち」を表明していることを批判していた。沖縄の基地は、そもそもが、「銃剣とブルドーザー」によって一方的に押し付けられてきたもので、感謝される筋合いのものではないというのだ。山田文比古氏が十年前に九州・沖縄G8サミットの沖縄県側の準備事務局長として各国首脳の受け入れ準備に当たっていた時、クリントン米大統領が沖縄平和祈念公園における沖縄県民向けの演説の中で、基地負担受け入れに対して謝意を表明する意向だとの情報が伝わってきたので、沖縄の世論は猛反対をした。「銃剣とブルドーザー」によって一方的に押し付けた基地について、悪びれもせず、大統領の口から謝辞を述べれば、沖縄側をなだめられると考える、その発想に多くの県民が神経を逆撫でにされることになる。結局、大統領の演説では、不用意な感謝の言葉が述べられることはなかった。ところが、今回、無頓着な感謝の言葉が述べられた。天真爛漫な米国人が、沖縄の心の機微を理解できないにしても、わが国の首相が理解する感受性を持ち合わせていないのは、沖縄と本土の間の認識の違いが、あまりに大きくなり、やりきれない思いと無力感は地下のマグマのように沖縄の人々の心の中に沈潜して行くばかりだ、というのだ。山田文比古氏は、京都大学出身の外交官でボート部だったため、現在東京外語ボート部の指導教官である。
彼の専門はフランス外交論であり、その『フランスの外交力』という集英社新書は以前に紹介したように思う。
彼の専門はフランス外交論であり、その『フランスの外交力』という集英社新書は以前に紹介したように思う。