2012/10/03
ぽかぽか春庭ブックスタンド>2012年7月~9月の読書(1)読書メモ
アフガン、イラン、イラク、ウガンダなどの紛争地帯の真実を伝えるために、現地に赴き、市民の声、現場の叫びを伝えてきたジャーナリスト山本美香さん(1967-2012)が、アレッポでシリア内戦取材中に反政府軍と政府軍の戦闘で銃撃を受け、亡くなりました。
地元の大学を卒業後、CS放送局のビデオ撮影とナレーションを担当して実力をつけ、2003年度の新聞記者協会ボーン・上田記念国際記者賞特別賞を受賞しています。戦場ジャーナリストとして国際的に活躍していた記者でした。
どうして、そんな危ないところに、と思う人もいるだろうけれど、現場から人々の声を伝え、事実を事実として報道することを使命としていた人に、「危ないところに行くな」と言うことはできません。ことに、イスラム圏では女性に対する取材は男性にはむずかしく、山本さんは、老人子どもや女性などの弱者に襲いかかる戦争についての取材を使命としていました。
山本さんは防弾チョッキを身につけた上で、内戦の街を歩き、突然戦闘に巻き込まれたのです。至近距離からの銃弾は、防弾チョッキを突き抜けてしまいました。アサド軍の兵士が女性を狙って撃ったとしか思えない映像が残されています。反政府軍と行動を共にしていた女性ジャーナリストを狙って撃った殺人、卑怯です。
有能な女性の悲しい最期でしたけれど、真実を報道する道が閉ざされないように願っています。
(都留文科大学で1年後輩にあたる上杉隆の追悼文がよかった)
テレビでのビデオ報道では、山本さんの報道だと気づかないまま、これまでも彼女が伝えた紛争地帯からのリポートを見てきました。「事実を伝えることで世界が変わる」と信じて報道してきた彼女へのせめてもの供養と思って、今まで読んだことなかった山本さんの著作、読みたいと思います。
・『中継されなかったバグダッド 唯一の日本人女性記者現地ルポ イラク戦争の真実』小学館、2003年
・『ぼくの村は戦場だった』マガジンハウス、2006年
・『戦争を取材する〜子どもたちは何を体験したのか』講談社、2011年
~~~~~~~~~~~~~~
2012年7~9月の読書メモ(再読、再再読を含む)
夏中ぐうたらとしていたので、あまりたくさんは読めませんが、有意義なものが多かったです。夏くらいは小説をたくさん読みたいとは思うのですが、小説を読み出すと一気よみしないと気がすまないので、なかなか手が出せず、短編集のみ。
読んだ順番は、順不同にて。
@は図書館本 ¥は定価で買った本 ・は、ほとんどBookoffの100円本、定価の半額本。
☆☆☆☆☆これを読まずに死ぬのは惜しい!あなたも絶対読むべきだ
☆☆☆☆いい本です。あなたの趣味がどうあれ、お勧め
☆☆☆私は読んでよかったけど、あなたの趣味は知らんので。
☆☆お暇なときのお供にどうぞ
☆他に読む本ないとき、読んで損はない
無☆読まなくとも人生、大過なく生きてける
<日本語・日本語言語文化関連>
@沖森卓也(編)『語と語彙』2012朝倉書店☆☆☆
・子安宣邦(編)『国家(自己)像の形成-江戸の思想4』1996ぺりかん社☆☆☆
・安達史人『日本文化論の方法-異人と日本文学』2002右文書院☆☆
・梅原猛『日本学事始』集英社文庫☆☆
@見田宗介『宮沢賢治-存在の祭りの中へ』2012岩波書店☆☆☆☆
@妹尾堅一郎『雷文化論』2007慶應義塾大学出版会☆☆☆
<評論・エッセイ、その他>
@町田宗鳳『異端力-規格外の人物が時代をひらく』2012祥伝社新書☆☆☆
@松尾匡『新しい左翼入門-相克の運動史は超えられるか』2012講談社現代新書☆☆☆
@ライト裕子『英国王7人が名画に秘めた物語-ロイヤルコレクション500年の歴史』2012小学館ビジュアル新書☆☆☆
¥中原道子『チョプスイ-シンガポールの日本兵たち』1990めこん☆☆☆☆
・和辻哲郎『イタリア古寺巡礼』1996岩波文庫☆☆☆
・佐高信『司馬遼太郎と藤沢周平』2002光文社文庫☆☆☆
・司馬遼太郎『土地と日本人』1986中公文庫☆☆☆
・司馬遼太郎陳舜臣金達寿『歴史の交差点にて』1991講談社文庫☆☆☆
・藤原新也『黄泉の犬』2009文春文庫☆☆☆☆
・高倉健『旅の途中で』2006新潮文庫☆☆☆
<小説・戯曲・ノンフィクション>
・司馬遼太郎『一夜官女』1995中公文庫☆☆☆
<つづく>
ぽかぽか春庭ブックスタンド>2012年7月~9月の読書(1)読書メモ
アフガン、イラン、イラク、ウガンダなどの紛争地帯の真実を伝えるために、現地に赴き、市民の声、現場の叫びを伝えてきたジャーナリスト山本美香さん(1967-2012)が、アレッポでシリア内戦取材中に反政府軍と政府軍の戦闘で銃撃を受け、亡くなりました。
地元の大学を卒業後、CS放送局のビデオ撮影とナレーションを担当して実力をつけ、2003年度の新聞記者協会ボーン・上田記念国際記者賞特別賞を受賞しています。戦場ジャーナリストとして国際的に活躍していた記者でした。
どうして、そんな危ないところに、と思う人もいるだろうけれど、現場から人々の声を伝え、事実を事実として報道することを使命としていた人に、「危ないところに行くな」と言うことはできません。ことに、イスラム圏では女性に対する取材は男性にはむずかしく、山本さんは、老人子どもや女性などの弱者に襲いかかる戦争についての取材を使命としていました。
山本さんは防弾チョッキを身につけた上で、内戦の街を歩き、突然戦闘に巻き込まれたのです。至近距離からの銃弾は、防弾チョッキを突き抜けてしまいました。アサド軍の兵士が女性を狙って撃ったとしか思えない映像が残されています。反政府軍と行動を共にしていた女性ジャーナリストを狙って撃った殺人、卑怯です。
有能な女性の悲しい最期でしたけれど、真実を報道する道が閉ざされないように願っています。
(都留文科大学で1年後輩にあたる上杉隆の追悼文がよかった)
テレビでのビデオ報道では、山本さんの報道だと気づかないまま、これまでも彼女が伝えた紛争地帯からのリポートを見てきました。「事実を伝えることで世界が変わる」と信じて報道してきた彼女へのせめてもの供養と思って、今まで読んだことなかった山本さんの著作、読みたいと思います。
・『中継されなかったバグダッド 唯一の日本人女性記者現地ルポ イラク戦争の真実』小学館、2003年
・『ぼくの村は戦場だった』マガジンハウス、2006年
・『戦争を取材する〜子どもたちは何を体験したのか』講談社、2011年
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2012年7~9月の読書メモ(再読、再再読を含む)
夏中ぐうたらとしていたので、あまりたくさんは読めませんが、有意義なものが多かったです。夏くらいは小説をたくさん読みたいとは思うのですが、小説を読み出すと一気よみしないと気がすまないので、なかなか手が出せず、短編集のみ。
読んだ順番は、順不同にて。
@は図書館本 ¥は定価で買った本 ・は、ほとんどBookoffの100円本、定価の半額本。
☆☆☆☆☆これを読まずに死ぬのは惜しい!あなたも絶対読むべきだ
☆☆☆☆いい本です。あなたの趣味がどうあれ、お勧め
☆☆☆私は読んでよかったけど、あなたの趣味は知らんので。
☆☆お暇なときのお供にどうぞ
☆他に読む本ないとき、読んで損はない
無☆読まなくとも人生、大過なく生きてける
<日本語・日本語言語文化関連>
@沖森卓也(編)『語と語彙』2012朝倉書店☆☆☆
・子安宣邦(編)『国家(自己)像の形成-江戸の思想4』1996ぺりかん社☆☆☆
・安達史人『日本文化論の方法-異人と日本文学』2002右文書院☆☆
・梅原猛『日本学事始』集英社文庫☆☆
@見田宗介『宮沢賢治-存在の祭りの中へ』2012岩波書店☆☆☆☆
@妹尾堅一郎『雷文化論』2007慶應義塾大学出版会☆☆☆
<評論・エッセイ、その他>
@町田宗鳳『異端力-規格外の人物が時代をひらく』2012祥伝社新書☆☆☆
@松尾匡『新しい左翼入門-相克の運動史は超えられるか』2012講談社現代新書☆☆☆
@ライト裕子『英国王7人が名画に秘めた物語-ロイヤルコレクション500年の歴史』2012小学館ビジュアル新書☆☆☆
¥中原道子『チョプスイ-シンガポールの日本兵たち』1990めこん☆☆☆☆
・和辻哲郎『イタリア古寺巡礼』1996岩波文庫☆☆☆
・佐高信『司馬遼太郎と藤沢周平』2002光文社文庫☆☆☆
・司馬遼太郎『土地と日本人』1986中公文庫☆☆☆
・司馬遼太郎陳舜臣金達寿『歴史の交差点にて』1991講談社文庫☆☆☆
・藤原新也『黄泉の犬』2009文春文庫☆☆☆☆
・高倉健『旅の途中で』2006新潮文庫☆☆☆
<小説・戯曲・ノンフィクション>
・司馬遼太郎『一夜官女』1995中公文庫☆☆☆
<つづく>