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ぽかぽか春庭「9年前の今月今夜何をしていたか」

2012-10-13 08:00:01 | エッセイ、コラム
2012/10/13
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>十二単日記2012秋(4)9年前の今日、何をしていたか

 会ったことはないけれど、ブログを通して相手の人となりや趣味などを知ることができるようになったブログ仲間というか、ウェブ友というのか、呼び方は人それぞれだろうけれど、ブログを読ませていただいている関西のmomosukeさんが、「gooブログが、>1年前に書いた記事の感想を書いてみませんか、と”世話を焼いてくれた”」と、書いておられる。
 同じgooブログでも私には、そんな”大きなお世話”を焼いてもらえませんでした。それで、自前で「昔を振り返る」をやってみます。

 2003年にブログを始めたときは、「話しことばの通い路」というホームページビルダーを使って作ったページには、毎日の日記を、OCNブログには「本を著者名アイウエオ順に並べて、老化についての話題、本の内容への感想と著者紹介、それに絡めての自己紹介」という三段跳びの文章を毎日掲載していました。一回のUPが5000字くらいになってしまい、「そんなに書き殴ると文が荒れるので、控えよ」と「物知り」のネット先輩から忠告を受けたりしていました。まあ、大きなお世話もありがたし。

 自分では本宅としていた「話しことばの通い路」のほうには、毎日の日誌やら創作やら、ごったなものを詰め込んでいました。別宅AnnexだったOCNブログには、本宅と別の記事を掲載する方針でした。
 そのうち、「話しことばの通い路」には、OXNページに載せたものをまとめて再録するのと、日本語教育関連を掲載するようになりました。2008年にデスクトップパソコンHAL1949が壊れてしまったので、「話しことばの通い路」は、放置になりました。どのようにして中身をラップトップに移したらよいのか、わからなかったからです。以後は、OCNブログの更新だけになりました。

 「昔を振り返る」のシリーズ。2003年の「話しことばの通い路・フリースペースちえのわ」に掲載し、OCNブログには載せていないものを再録してみます。9年前に自分がどこで何をしていたのかを振り返るのは、人様にはおもしろくともなんともない出来事であっても、本人にとっては「へぇ、こういう日常であったのか、まあ、相も変わらずであるなあ」と、感慨深いものです。
 2003年の今日を中心に5日分を再録。
 「うらみ、ねたみ、ひがみ日記」と銘打っているので、毎日の「うらみつらみ」を文末に書くことにしていました。天気記録のあとの数字は、21世紀になってから何日たったか、という数字なのですが、数字に弱いので、ときどき数が間違っています。
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2003/10/11 土 晴れ 1016
トキの本棚>『サイバネスティクス』
 ニッポニアニッポン=朱鷺のキン、大往生。享年36歳。人間に換算すると100歳くらいだった。
 松岡正剛千夜千冊今日の一冊は『サイバネスティクス』
 私は、この本を20代はじめに読んだ。SFが大好きだった頃、なんとなく未来っぽいことばの感じに惹かれて読んでみたものの、どうにもこうにも、理科系に弱い頭にはさっぱり理解できなかった。30年もたって、松岡正剛の解説を読んで、どういうことが書いてあり、どういうふうに世の中を変えたのかやっとわかった。

本日のうらみ: ニッポニアニッポン滅亡ののち、ニッポンはどこへ行く。世の中はどう変わっていくのか、私にはわかりません
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2003/10/12 日 雨のち曇り 1017
ジャパニーズアンドロメダシアター>『めぐり逢う時間たち』
 ロイホでランチ。息子は文化祭の練習で学校へ。娘とふたりで映画を見た。
 『めぐり逢う時間たち』リベンジ。
 めぐり逢う時間たち、この前見たときは、前半を完璧に眠ってしまったのでした。ビール飲んだせいで。
 今回、前半はまあ、わりあいちゃんと見た。後半はネタわれてるし、ところどころ寝た。2度目に見ても、印象は前回とまったくかわらなかった。

本日のつらみ:ビール飲んでないのに寝た
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2003/10/13 月 雨、夕方くもり 1018
ジャパニーズアンドロメダシアター>『エルミタージュ幻影』

 体育の日だけど、雨。ぼうっとした一日、昨日見た映画など反芻しながらすごす。
 『エルミタージュ幻影』も、ところどころ寝た。ストーリーらしいストーリーはなく、ただ、エルミタージュ美術館の中を、一台のカメラが動き回り、ひとりの男の視点で絵を見たり、エカテリナ女帝の豪華な宮殿内部を撮影して、90分をワンカットワンシーンで撮影したというのがウリらしい。

 豪華なロシア帝国時代の衣装に身を包んだ貴族達がダンスパーティにあけくれる描写が、唯一見ていられたもの。でも、それだけならトルストイの『戦争と平和』で、オードリー・ヘプバーン主演のハリウッド版でも、ソ連版でもダンスシーンがあったんだし、いったいこの映画はエルミタージュの何をつたえたかったのか。

 原題を「ロシアの何とか」というので、ロシアの美や歴史や、精神の豊かさを伝えたかったのかも知れないが、中途半端にロマノフ一族の食事風景、中途半端に舞踏会、中途半端に絵画鑑賞。
 終わってからトイレに行く。並んで待っている間、うしろに並んだ二人組「あたし、寝ちゃったよう、どういう話だったの、結局」「どうっていっても、どういう話しって説明できない。でも、私も途中まではみてたんだけど、後半は、わからない。私の席の周りの人、みんな寝ていたから、ついつい眠気が移った」という会話。私の隣の席の人ももちろん寝ていた。こんなに「素人はみんな寝る」という玄人受けする「芸術性の高い」映画というのも、また貴重なものなのだろう。貴重ではあるが、私は素人なので心地よく眠った。

本日のうらみ:ロシア貴族の豪華なパーティ、ここは窓の外に飢えた人々が通り過ぎるのをチラッとでも取り込むシーンがあって欲しかった。もしかしてその類のシーンを寝ていて見逃したのかも
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2003/10/14 火 晴れ 1019
ニッポニア教師日誌>日本語の構造

 ひらがな2コマ。1組、ひらがなと、文型導入。日本語の構造をざっと説明したつもりだが、私の英語力で、どこまで分らせることができたのか不安ではある。
 ただし、わたしの担当は、「ひらがな読みの復習と、ひらがなによる文の読み」であって、文法説明が担当のわけじゃない。ひらがな読みの復習がたんとうなのだから、よめるようになりさえすればいい。
 でも、「わたしは がくせい です」「わたしは ほんやへ いきます」という文を読ませるのに、名詞文、動詞文の説明をせずにいられないのが私の性分。だって、自分がタイ文字、ヒンディ文字の文を読めと言われたら、そこにどういう意味が書いてあるのか知りたい。

 SFJの説明に従って、日本語の構造を汽車にたとえる。機関車が述語、連結している車掌室、食堂車、客車、貨物室などは、適宜切り離しができる。機関車がないと、汽車は前進しないが、食堂車のない汽車もあるし、貨物室がついてない汽車もある。

 助詞の説明。トピックマーカー、疑問、方向、対象の助詞を説明。でも、英語前置詞と日本語パーティクルがどう違うのかなんて、とても英語で言えないから、学生が混同した場合は、あとで、対処しよう。
 英語がへただ。でも、学生は「流暢な英語でサラサラと解説されても日本語文法がよくわからないのに、先生のブロークンイングリッシュで説明してもらうと、とてもよく日本語の構造がわかる」それはそうだよ。私は外国語がよくわからない学生の苦しみを知り抜いていて、どこがどのようにわからないのか、よくわかる。

 2組、韓国の教員研修。女性ふたり。たいへんまじめそう。一人は子供一人を国に残しての単身留学で、しかも来年出産予定。
 授業後、文化中級Ⅰの打ち合わせ。

本日の負け惜しみ:英語へたでも、授業は上手
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2003/10/15 水 曇りのち晴れ 1020
ニッポニア教師日誌>コメント力

 教授法2コマ。教授法のグループ発表。コメントを書かせる。コメント力さまざま。きっちり発表を聞き取って、的確なコメントを書く学生もいるし、「よかったです」「声が小さい」程度のことしか書けない者もいる。
 ある事象にコメントするというのは、ある意味、その人が持っている理解力、表現力、人間としての中味すべてをタメされることだ。

本日のねたみ:コメント力、斉藤孝には及ばないけど、それなりに

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2012/10/13のツッコミ
 ほんと、9年前もまったく代わり映えのない日常だったなあと思います。変化も進歩ないというか。何かの映画のなかだったと思うけれど「こういう、何でもない、つまらない日常を、いつか大人になった私は、なつかしくいとおしく思うこともあるのだろう」とナレーションが入っていた。
 う~ん、2003年の私、今よりはちょっぴり若いはずだけれど。とくにいとおしくもない、「何でもない、つまらない日常」を、それなりに一生懸命すごしていたのだろうという気はする。
 「話しことばの通い路」フリースペースちえのわからの再録でした。
 http://www2.ocn.ne.jp/~haruniwa/iro2007mokuji.htm

<つづく>
コメント (2)
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